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第二章 ローレライとロバ耳王子と陰謀と
35、一途?な婚約者は夜中に愛を叫ぶ
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僕と目を合わせないリュビオ。
僕は苦笑いを浮かべて、少しリュビオから距離を取った。
「えーと。よく2人で話し合った方が…」
カツンっカツンっ…。
「しぃーーっ!? 今、今、奴の足音がっ…」
「や、奴?? うにゃっ!?」
突如、足音がどうとか動揺し始めて、藁にもすがるように僕に抱き着いたリュビオ。
あまりにも抱き締めるから身動きが取れず、ロバ耳にリュビオの吐息が掛かる。
耳として機能はしてないものの神経が通ってるロバ耳にそう息を掛けられると痒いッ。痒くてもがくが全く動けない。痒いっ!
「リュビオっ!! 一旦離れて!!!」
「ぎゃーーッ。名前を呼ぶな。居るって言ってんでしょうが」
「おい…。リュビオ。そこに居るのか?」
耐えられずに叫ぶと、リュビオの声の後に外から知らない男の人の声がした。
その声に目に見えて動揺するリュビオを見て、僕は確信する。
この声はリュビオの婚約者だと。
ー 男…なんだ。
てっきり、執着心の強い女の人かと思っていたけど、流石、bl の世界線。もう何も言うまい。
「リュビオ。誰かと一緒に居るんだろう? まさか、一緒にいるその男と夜の逢瀬を…」
「は、はじめまして、婚約者さんッ。僕はモアナ王国第六十四王子ラニって言いますッ! リュビオとは友達で、全くもって友人関係ですッ!!あしからず」
突如、巻き込まれた痴情のもつれ。
まさかの有無も言わさず、不倫相手と間違われて、必死に否定する。
なんか雰囲気的に今にも扉を蹴破って、胸ぐら掴まれそうな危機を感じて、つい自身の個人情報を曝露してしまった。
怖っ…、怖いよこの人っ!
「モアナ王国の王子?」
「どちら、どちら様ですか…」
「……俺はレーヴ帝国第一皇子ユーリウス。リュビオ・カプトの婚約者だ」
「第一…皇子……」
パッとリュビオを見やるとリュビオはスッと目を逸らした。
ねぇ…。第一皇子って、皇子の一番上のお兄さんだよね?
首脳会議の見学でみんながうちの第一王子の次に話題を避けていた人だと記憶してるんだけど!?
何故、僕を巻き込んだとジトっとした目でリュビオを見たが、リュビオは一切目を合わせない。
僕に…、僕に丸投げする気だ…。
「…ラニ王子。これは俺とリュビオの問題だ。俺達は2人で、夜通し話し合わなければならない。リュビオをこちらに返していただきたい」
僕にどうしろと? 、と困惑する中。
あっちはあっちで早くリュビオを渡せと丁寧な言葉で急かす。
しかも、普通な事を言っている筈なのに何処かアヤシイ雰囲気がある。
…本当に話し合いですか?
ギュッと僕を抱き締めるリュビオは羽織っていたブランケットがずり落ちる勢いで僕を抱きしめて、首を全力で横に振る。
絶対、関わったら面倒な事になる。
でも、よく見れば、首や胸には噛み跡があり、痛そう。
縋るリュビオのヘーゼル色の瞳を前に溜息をついた。
「お断りします。これでも、大切な友達なので、友達を傷付ける人に友達は渡せません」
諦めて、そう言葉を吐くとリュビオがポカンッとした表情でこちらを見つめて、照れるようにブワッと顔を赤くしてスッと顔を逸らした。
リュビオも皇子の次に素直じゃないね…。
しょうがないので、頑張ってみようと、全く関わりたくない相手と扉越しに対峙する。
「傷付ける?」
「なんで婚約者なのに噛んだり、縛ったりするの? 好きな人になんでそんな酷い事するの? 大切にしてあげてよ。愛してないの?」
「まさかっ!愛してるに決まってる」
だが、部屋の外の第一皇子ユーリウスは少し動揺していたが、愛してないのかと聞けば、食い気味で言い返してきた。
僕は苦笑いを浮かべて、少しリュビオから距離を取った。
「えーと。よく2人で話し合った方が…」
カツンっカツンっ…。
「しぃーーっ!? 今、今、奴の足音がっ…」
「や、奴?? うにゃっ!?」
突如、足音がどうとか動揺し始めて、藁にもすがるように僕に抱き着いたリュビオ。
あまりにも抱き締めるから身動きが取れず、ロバ耳にリュビオの吐息が掛かる。
耳として機能はしてないものの神経が通ってるロバ耳にそう息を掛けられると痒いッ。痒くてもがくが全く動けない。痒いっ!
「リュビオっ!! 一旦離れて!!!」
「ぎゃーーッ。名前を呼ぶな。居るって言ってんでしょうが」
「おい…。リュビオ。そこに居るのか?」
耐えられずに叫ぶと、リュビオの声の後に外から知らない男の人の声がした。
その声に目に見えて動揺するリュビオを見て、僕は確信する。
この声はリュビオの婚約者だと。
ー 男…なんだ。
てっきり、執着心の強い女の人かと思っていたけど、流石、bl の世界線。もう何も言うまい。
「リュビオ。誰かと一緒に居るんだろう? まさか、一緒にいるその男と夜の逢瀬を…」
「は、はじめまして、婚約者さんッ。僕はモアナ王国第六十四王子ラニって言いますッ! リュビオとは友達で、全くもって友人関係ですッ!!あしからず」
突如、巻き込まれた痴情のもつれ。
まさかの有無も言わさず、不倫相手と間違われて、必死に否定する。
なんか雰囲気的に今にも扉を蹴破って、胸ぐら掴まれそうな危機を感じて、つい自身の個人情報を曝露してしまった。
怖っ…、怖いよこの人っ!
「モアナ王国の王子?」
「どちら、どちら様ですか…」
「……俺はレーヴ帝国第一皇子ユーリウス。リュビオ・カプトの婚約者だ」
「第一…皇子……」
パッとリュビオを見やるとリュビオはスッと目を逸らした。
ねぇ…。第一皇子って、皇子の一番上のお兄さんだよね?
首脳会議の見学でみんながうちの第一王子の次に話題を避けていた人だと記憶してるんだけど!?
何故、僕を巻き込んだとジトっとした目でリュビオを見たが、リュビオは一切目を合わせない。
僕に…、僕に丸投げする気だ…。
「…ラニ王子。これは俺とリュビオの問題だ。俺達は2人で、夜通し話し合わなければならない。リュビオをこちらに返していただきたい」
僕にどうしろと? 、と困惑する中。
あっちはあっちで早くリュビオを渡せと丁寧な言葉で急かす。
しかも、普通な事を言っている筈なのに何処かアヤシイ雰囲気がある。
…本当に話し合いですか?
ギュッと僕を抱き締めるリュビオは羽織っていたブランケットがずり落ちる勢いで僕を抱きしめて、首を全力で横に振る。
絶対、関わったら面倒な事になる。
でも、よく見れば、首や胸には噛み跡があり、痛そう。
縋るリュビオのヘーゼル色の瞳を前に溜息をついた。
「お断りします。これでも、大切な友達なので、友達を傷付ける人に友達は渡せません」
諦めて、そう言葉を吐くとリュビオがポカンッとした表情でこちらを見つめて、照れるようにブワッと顔を赤くしてスッと顔を逸らした。
リュビオも皇子の次に素直じゃないね…。
しょうがないので、頑張ってみようと、全く関わりたくない相手と扉越しに対峙する。
「傷付ける?」
「なんで婚約者なのに噛んだり、縛ったりするの? 好きな人になんでそんな酷い事するの? 大切にしてあげてよ。愛してないの?」
「まさかっ!愛してるに決まってる」
だが、部屋の外の第一皇子ユーリウスは少し動揺していたが、愛してないのかと聞けば、食い気味で言い返してきた。
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