王子様の耳はロバの耳 〜 留学先はblゲームの世界でした 〜

きっせつ

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終章 ロバ耳王子と16歳と約束と

28、着手金 ※ R指定

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       ※ 注意 ※

R18
苦手な方は飛ばしましょう


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


『いいか、ラニ。お前の正直な所は美徳だ。だが、何でもかんでも思いついた事をすぐ口にするんじゃない。一回、胸に留めて考えてから行動しろ』

これは約2年間、フィルが口を酸っぱくして、僕に言い続けた説教である。
お前の行動は突拍子がない。
直さなければ、何時か、痛い目に合う。

僕は毎日毎日耳がタコになるまでこの言葉を聞かされたので、ちょっと面倒臭くて聞き流していた。

きっと大丈夫。なんとかなるって…という、謎の自信をお気楽さで、真面目に真面目を重ねたフィルの言葉をそんな大袈裟なと軽視していた。


そして今、僕はそれをとても後悔している。


ザーッとシャワーヘッドから温かいお湯が頭に降り注ぐ。
もう既に1時間くらいシャワーを浴び続けている。

やらなければいけない事はもう終えて、身体も洗い終えているのに部屋に戻るのが、ちょっと怖くて怖気付いてる。

「どうしよう。どうしよう。どうしよう!?」

結果はもう既に決まってる。
結末はもうこのシャワーで立て篭っても変えられない。

そうこうしているうちにお風呂の外の脱衣所に人影がスッと現れて、僕に声をかける。

「ラニ」

「ひゃ、ひゃいっ!!」

「随分長いけど、洗えた? 洗えないならやっぱり、俺が……」

「洗、洗えたよ!? ちゃ、ちゃんと先生の言う通り、お尻洗えたって!!」

「だけど、ラニは初心者…」

「もー、ばっちり。ばっちりですとも、ええ」

「そう…。契約通り本当に全部もらうからね」

「………ひゃい」

今、僕は自身に言った事によって追い詰められている。

僕は僕の全部をあげる引き換えにエレンを助けるのを手伝ってと暗殺者のライモンド先生に依頼した。
したら、今度は着手金の話になった。

なんでも、依頼に着手するお金として暗殺者に成功する前に少しお金を払うのは当たり前の事らしい。

だから、着手金として報酬の少しを先に欲しい。

『ラニをくれるんだろ?』

着手金として先生は僕の処女を要求してきた(え? 僕受け入れる側なの?)。
つまりは僕が、僕が先生を受け入れる役で先生とエッチ……。

「先生とえっち」

ぶわりっと顔が火がついたように熱い。

これは着手金。
僕が報酬で僕を全部あげるなんて言ったからこうなった。
これはそういう事じゃない。これはとても事務的な支払いとして。

「先生とえっち…」

ちょっと、覚悟が決まらなくてシャワー室から出れない。
そうだよ。ひよってるの。ひよってるんです!

うぅ。と覚悟が決められなくて、顔を覆って唸り続けるが、そこでハッと閨の授業を思い出す。

ー あっ、そっか。最初はお喋りだ!!

あの男娼のお兄さんは初めからエッチするんじゃなくて、お話で緊張を和らげてから前戯をして、そして本番だと言っていた。

なんだ。焦る事ないじゃないかっ!
得意分野だよと、意気揚々とバスローブを着て、部屋に戻った。
多分、この時の僕はかなり混乱していた。


意気揚々と戻ると先生もバスローブを纏い、色気漂う笑みを浮かべて、「おいで」と僕に膝に乗るように呼ぶ。

ドキドキしながらちょこんっと膝の上に座れば、後ろから優しく抱き締められて、胸が破裂しそうになる。

「ラニちゃん」

「ふゎいっ! へ? あれ? オネェ口調?」

「最初に言っておくわ。ごめんね。私は悪い男なの」

耳元でライモンド先生が聞き慣れたオネェ口調で、囁くように喋る。
声が鼓膜を揺らす度にゾクゾクッとした感覚が身体に走り、ただでさえ、破裂しそうな胸が更に狂ったように脈を打つ。

「私、12年前から貴方との婚約はもぎ取ってるの」

「へ? にゃ、にゃに??」

「キスは14歳から身体を繋げるのは本人の了承をとって16歳から。そういう契約で貴方を守ってた。勿論、葛藤はあったわ。貴方みたいな子を人の血で穢れてる私が穢していいのか。私に少しだけ芽生えた良心が貴方を私の業に巻き込んでいいのかと。手段を選ばない私を、本当の私を知ったら嫌われると思った。また壊れてしまうと思ったのよ」

「先生……」

先生の寂しい独白に胸の辺りがずきんっと痛む。

前半はちょっと何言ってるか分からなかったけど、先生にも色々と葛藤があって、僕の事を思って離れていっちゃったんだねと、スンッと鼻を鳴らす。
前半はちょっと何言ってるんだか、分かんなかったけど。

大丈夫。嫌わないよと笑いかけて、先生を抱きしめようとするが、脇をくすぐられて身を捩る。

「ふふふっ。くす、擽ったい」

「本当の私を知られた時。このまま離して逃してあげようと思ったわ。今ならまだ離してあげられると」

「にゃはははっ。だめ、ダメだってぇ。脇はダメぇ」

脇をくすぐられて、身を捩るが抑えられて、脇以外もくすぐられる。
お腹に内腿、胸の先端も指の腹でくすぐられて、痒いのがムズムズと何か擽ったいとは違う反応に変わっていく。

「ひゃんっ。へ? 何、今の声…。んぁ、ちょっと待って。僕、僕の身体おかし…、あぅっ!」

くすぐるだけだった指が胸の先端を掴んで、潰したり、挟んだり、にょんにょん伸ばしたり。
ちょっと、痛いのにむず痒くてジンジンして、ピンクだった胸の先が赤く腫れていく。

「本当はずっと、貴方をこうしていじめたかった。貴方の全部が欲しくて、手に入れたくて、私の手でぐちゃぐちゃにしたくて。暴走しそうだった。代わりに娼婦や男娼や他の生徒や教師の同僚を抱いても全く効果がなくて。口寂しくて煙草を始めても満たされなかった」

「んぅっ。ひゃあっ! ちょ、ちょっと、まって。今、聞き捨てならない言語が聞こえ……、はぅっ」

「もう我慢する必要もないわね。だって、全部くれるんでしょう?」

先生の話を聞きながら、「あれ? 結構。先生ってクズなのでは? 僕は選択を早まったのでは?」とも思ったが、後の祭り。
胸を散々弄られて、ゆるゆると兆しを見せ始めたそこを手でイジメられれば、もう逃げようがない。

快楽に強張る身体をベッドにポスンッと置かれて、内腿をグイッと両手で開かれれば、天井を仰ぐそれは恥ずかしくても隠しようがない。

「良かった。ちゃんと、感じてくれてるわね。…ふふっ。こんなに濡れて、フルフルと健気に天を仰いで」

ふぅっと僕の勃ち上がったソレの先にライモンド先生が熱っぽい息を吹きかける。
それだけでもういっぱいいっぱいで、早く脚を閉じて、ブランケットの中に隠れたいのに、その形のいい蟲惑的な唇で何を思ったか、僕のソレの先端を食んだ。

「へ? あっ、や! 食べちゃダメ」

「ふふっ。食べちゃダメ…ね。可愛い。…大丈夫よ。舐めるだけだから。本当にパクパク食べちゃったりしないから怯えないで」

舌先で尿道をツンツンと舐められて、ライモンド先生の口の中はヌルヌルしてて熱くて、変になりそう。
やめて欲しくて涙目で先生の頭を手や太腿で抑えるが、先生はとっても意地悪な顔で根元まで咥えた。
どうして!?

じゅるじゅると吸われて、理解が追い付かないうちに、トロリッとお尻の穴に何かを指で塗り込められる。
何を塗り込められているのか理解する間も無く、頭が真っ白になり、呆気なくライモンド先生の口の中で遂には果てた。
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