【完結】なんで、あなたが王様になろうとしているのです?そんな方とはこっちから婚約破棄です。

西東友一

文字の大きさ
8 / 8

8

しおりを挟む
「んーーーーっ、風が気持ちいいっ」

「そうだね、ヴィクトリア」

 自然の中で、自然体でいる私とアルファード。

「たまには姫様と呼んでもいいのよ?」

「姫がそうおっしゃるのであれば」

 私が冗談を言うと、その冗談に便乗して、昔のように礼してくれるアルファード。気さくな彼も好きだけれど、ピシッと決まった王宮での彼も大好きだ。

「でも、いいんですかね? ご年配の国王様に国を任せて、我々は旅に出るなんて・・・」

「いいの、いいの。お父様だって、色々勉強したいって言ってるんだし、私たちにも勉強してこいって言うんだから」

 すっかり元気になられてたお父様は私が築き上げた政策を大変褒めてくださいました。目からウロコで、自分もそれを参考に偉業を残さねば、死んでも死にきれないと、以前よりもやる気に満ち溢れていらっしゃいました。

 わたくしもわたくしでドクターブラックをアルファードに見つけられたのも悔しかったですし、他国の方にも大変お世話になったり、他国や、その旅の途中の景色などのいろんな素敵なお話を聞かせていただいていたので、外交官としてお礼参りと、視察と言う名の旅をしたいと思っていましたので、お父様に政権を譲り、こうしてアルファードとともに旅に出ているわけです。

「ねぇ、アルファード。これを新婚旅行と名を付けましょ」

「新婚旅行?」

「ええ、そうよ。結婚したら、そのご祝儀として自由な旅を与えられるの。画期的でしょ?」

「うーん、すごいいいとは思うけれど、経済面だったり、危険性を考えれば僕ら以外は難しいんじゃないかな?」

「それもそうね。でも、いつか、そんなことが当たり前の世界が来るかもしれないわ」

「はははっ、そうだね。来るといいね」

「うんっ!!」

 わたくしたちは『新婚旅行』を楽しみました。
 アルファードが言うように、危険もたくさんあり、楽な事ばかりではありませんでしたが、国内にいるだけでは味わえない、素敵な景色、素敵な出会い、素敵な味覚、そして素敵な体験ができました。

 わたくしはいつも幸せでした。
 だって、そんな素敵な体験がいつも愛するアルファードと分かち合えたのだから。

 わたくしたちが旅を終えて、国へ帰ると、お父様がさらに魅力的な国へと進化させていらっしゃいました。




 ―――そして


「頼んだぞ、ヴィクトリア」

 ニコニコ笑うお父様は白髪がいっぱいだったけれど、やり遂げて満足した顔をして、王座の前で立っていらっしゃいます。

「はいっ」

 私はドレスに身を包みながら、膝を曲げて、頭を下げる。
 すると、お父様が優しく、王冠を載せてくださいました。

 パチパチパチパチッ!!!

 後ろから盛大な拍手が沸き起こり、私がゆっくりと振り返るとたくさんの人々が惜しみない拍手をしてくださっていました。

「いま、ここに、史上初の女王、ヴィクトリア女王が誕生したことを宣言するっ!!」

 お父様が右手を高らかに挙げると、

「「「「うおおおおおおおおおおおっ」」」」

「「「「きゃああああああああああっ」」」」

 嬉しそうなみんなの声で、手を振ったり、飛び跳ねたりしてました。

 初の女王だし、結婚相手は執事。
 結婚相手のアルファードは「政治はキミの方が優秀だし、僕は美味しい紅茶でも入れるさ」と言って、私の愚痴を聞いたり、本当に美味しいお茶を入れてリラックスさせてくれたり、私のお母様のように献身的に尽くしてくれて、私を立ててくれた。

 国民のみんなはそんな変わった私たちをこんなにも嬉しそうに受け入れてくれる。
 なら、私は・・・

(もっと、頑張らなきゃっ!!)

「ありがとうっ!!!!!!」

「「「「ワーーーーーーーーーーッ!!!!!」」」」

 私は国の名前を「サングローリー王国」と変えちゃいました。
 理由は、サングリアが好きなのと、東の国から明るい話が来たのを太陽になぞらえて、グローリー(栄光)と足して見たかったからという単純な理由。

 結婚して即位して、一番嬉しかったことはアルファードが子育てが上手だったこと。
 子宝に恵まれて、たくさんの子どもたちが生まれ、アルファードによって、優秀に育って行きました。

 サングローリー王国は創設から300年。
 家族の功績もあって、栄光の300年と言われるほど、栄えることができました。

~Fin~
 

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

醜い傷ありと蔑まれてきた私の顔に刻まれていたのは、選ばれし者の証である聖痕でした。今更、態度を改められても許せません。

木山楽斗
恋愛
エルーナの顔には、生まれつき大きな痣がある。 その痣のせいで、彼女は醜い傷ありと蔑まれて生きてきた。父親や姉達から嫌われて、婚約者からは婚約破棄されて、彼女は、痣のせいで色々と辛い人生を送っていたのである。 ある時、彼女の痣に関してとある事実が判明した。 彼女の痣は、聖痕と呼ばれる選ばれし者の証だったのだ。 その事実が判明して、彼女の周囲の人々の態度は変わった。父親や姉達からは媚を売られて、元婚約者からは復縁を迫られて、今までの態度とは正反対の態度を取ってきたのだ。 流石に、エルーナもその態度は頭にきた。 今更、態度を改めても許せない。それが彼女の素直な気持ちだったのだ。 ※5話目の投稿で、間違って別の作品の5話を投稿してしまいました。申し訳ありませんでした。既に修正済みです。

婚約破棄された「灰色の令嬢」ですが、魔法大公陛下が私を見つめて離しません

有賀冬馬
恋愛
「君じゃ見栄えが悪い」――地味な私を軽蔑する婚約者セドリックは私を見るたびに「疲れる」とため息をつく。そしてついに、華やかな令嬢を求めて婚約破棄を告げた。 どん底に突き落とされた私だけど、唯一の心の支えだった魔法研究だけは諦めなかった。 そんな私の論文が、なんと魔法大公エリオット様の目に留まり、お城で研究員として働くことに。 彼は私を「天才」と褒め、真摯な眼差しで、いつしか私に求婚。私の魔法研究を真剣に見て、優しく微笑んでくれる彼に、私は初めて愛を知る。

【完結】「お前に聖女の資格はない!」→じゃあ隣国で王妃になりますね

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
恋愛
【全7話完結保証!】 聖王国の誇り高き聖女リリエルは、突如として婚約者であるルヴェール王国のルシアン王子から「偽聖女」の烙印を押され追放されてしまう。傷つきながらも母国へ帰ろうとするが、運命のいたずらで隣国エストレア新王国の策士と名高いエリオット王子と出会う。 「僕が君を守る代わりに、その力で僕を助けてほしい」 甘く微笑む彼に導かれ、戸惑いながらも新しい人生を歩み始めたリリエル。けれど、彼女を追い詰めた隣国の陰謀が再び迫り――!? 追放された聖女と策略家の王子が織りなす、甘く切ない逆転ロマンス・ファンタジー。

私を家から追い出すと言っていた夫が、逆に家から追い出されました。義理の家族は私の味方です。

木山楽斗
恋愛
子爵の妾の子であるミルティアは、子爵家への支援のために侯爵家に嫁ぐことになった。 しかし彼女は、夫であるマルガンから嫌われていた。彼はミルティアを汚らわしいものとして、常日頃から罵倒していたのだ。 マルガンはミルティアを家から追い出すことを望んでおり、両親にもそれを進言していた。 ある時侯爵夫妻にマルガンとともに呼び出されたミルティアは、いよいよ自身が家から追い出されることを悟る。 義理の家族との仲も良好とはいえなかったため、ミルティアは自分が追い出されるものだと思い込んでいたのだ。 「私達が追い出すのはお前だ、マルガン」 「……は?」 しかし実際に追放を告げられたのは、マルガンの方であった。 侯爵家一家は、マルガンのミルティアに対する数々の行いに憤りを覚えており、水面下で彼を追放する準備を進めていたのである。

ご愁傷様です~「冴えない女」と捨てられた私が、王妃になりました~

有賀冬馬
恋愛
「地味な君とは釣り合わない」――私は、婚約者の騎士エルマーにそう告げられ、婚約破棄された。病弱で目立たない私は、美しい妹と比べられ、家族からも冷遇されてきた。 居場所を失い、ひっそり暮らしていたある日、市場で助けた老人が、なんとこの国の若き国王陛下で!? 彼と私は密かに逢瀬を重ねるように。 「愚かな男には一生かかっても分かるまい。私は、彼女のような女性を誇りに思う」妃選びの場で告げられた国王陛下の一言に、貴族社会は騒然。

地味令嬢と嘲笑された私ですが、第二王子に見初められて王妃候補になったので、元婚約者はどうぞお幸せに

有賀冬馬
恋愛
「君とは釣り合わない」――そう言って、騎士団長の婚約者はわたしを捨てた。 選んだのは、美しくて派手な侯爵令嬢。社交界でも人気者の彼女に、わたしは敵うはずがない……はずだった。 けれどその直後、わたしが道で偶然助られた男性は、なんと第二王子!? 「君は特別だよ。誰よりもね」 優しく微笑む王子に、わたしの人生は一変する。

旦那様が遊び呆けている間に、家を取り仕切っていた私が権力を握っているのは、当然のことではありませんか。

木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるフェレーナは、同じく伯爵家の令息であり幼馴染でもあるラヴァイルの元に嫁いだ。 しかし彼は、それからすぐに伯爵家の屋敷から姿を消した。ラヴァイルは、フェレーナに家のことを押し付けて逃げ出したのである。 それに彼女は当然腹を立てたが、その状況で自分までいなくなってしまえば、領地の民達が混乱し苦しむということに気付いた。 そこで彼女は嫁いだ伯爵家に残り、義理の父とともになんとか執務を行っていたのである。 それは、長年の苦労が祟った義理の父が亡くなった後も続いていた。 フェレーナは正当なる血統がいない状況でも、家を存続させていたのである。 そんな彼女の努力は周囲に認められていき、いつしか彼女は義理の父が築いた関係も含めて、安定した基盤を築けるようになっていた。 そんな折、ラヴァイルが伯爵家の屋敷に戻って来た。 彼は未だに自分に権力が残っていると勘違いしており、家を開けていたことも問題ではないと捉えていたのである。 しかし既に、彼に居場所などというものはなかった。既にラヴァイルの味方はおらず、むしろフェレーナに全てを押し付けて遊び呆けていた愚夫としてしか見られていなかったのである。

「影が薄い」と 捨てられた地味令嬢は、王太子に見初められました ~元婚約者と妹は、どうぞご勝手に~

有賀冬馬
恋愛
「君は影が薄い」――そう言って、婚約者の騎士様は華やかな妹を選び、私を捨てた。 何もかもを諦めて静かに暮らそうと決めた私を待っていたのは、孤児院での心温まる出会いだった。 そこで素性を隠して旅をしていたのは、なんと隣国の王太子様。 「君こそ、僕の唯一の光だ」そう言って、私のありのままを受け入れてくれる彼。その彼の隣で、私は生まれ変わる。 数年後、王国間の会議で再会した元婚約者は、美しく気品あふれる私を見て絶句する……

処理中です...