鬼上司と秘密の同居

なの

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番外編

サプライズパーティー

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あっという間に時間は過ぎていった。日にち薬とはよく言ったもので、痛みは少しづつではあったが軽減されてきて痛み止めが効くようになって夜中に何度も起きなくなった。でも1つ問題と言っていいのか悩みができてしまった。それは……

透さんが深いキスをしてくれなくなってしまった。お風呂も足カバーをしてるとはいえ完全じゃないから、さっと入る。透さんに抱きついて眠りたいがこの足のせいで足を高くしないとダメで寝返りすらできない。

「行ってきます、ただいま、おやすみ」の3回、しかもチュっていう触れるだけのキスしかしてくれなくなった。それ以上するとお互い我慢ができないかもしれない。でも……僕はもっと触れ合いたかった。何度かしかけたことはあったが、その度にやんわりと拒否されてしまう。この足のせいなのかそれとも……家に引きこもってるせいでよくない方向に考えてしまう。どうしたらいいのかと悩んでたらチャイムが鳴ってそこには悠人が手を振っていた。

「やっほーどうだ?まだ痛い?透さんにお世話してもらってるのか?」
「うん。本当に何もできないから全部、透さんにしてもらってる。でも急にどうした?」
「なんか昨日、透さんから学さんにメッセージがきたんだよ。最近、海斗の様子がおかしいって、だから俺に話を聞いてきてくれないかって。なにかあったのか?」
「う~ん。ちょっと悩んでて……」
僕は悠人に最近の透さんの様子について聞いてもらうと悠人は大声で笑いだした。

「はっはっは……そんなこと?」
「そんなことって……」
「正直にキスしたいって言えばいいじゃん。透さんだって我慢してんじゃね?でも海斗の負担にはなりたくないって思ってくれてんじゃん。愛されてるねぇ~」
「そうかな?」
「とりあえず、そうやって自分1人で考え込むのがお前の悪いとこだから、ちゃんと話し合えよ。それで透さんへのプレゼントはどうした?」
「まだ考え中。何あげればいいのか悩んじゃって……」
「じゃあさサプライズパーティーでもしないか?」
「えっ?サプライズ?」
「そう。だってお前ギプス外れてもしばらくは遠出できないだろうからさ。俺たちがこの家に来ればいいかって学さんと話してたんだよ。いい考えだろ?」
「うんいいね」
「学さん、いつものメンバーに声かけてるみたいだから。じゃあ俺帰るよ」
「ありがとう」
「まぁ友達だからな。あっこれ学さんから晩ごはんだって」
タッパーに入った煮物や焼魚、卵焼き、漬物まで入っていた。

「学さんによろしくね。ありがとう」
「おぅ、じゃあ明後日、病院だろ?学さん車出すって言ってたから」
僕は透さんに悠人が来て学さんが作ってくれた晩ごはんがあることを伝えた。

「ただいま」
今日はスーパーに寄らなかったみたいで、いつもより少し早く帰ってきてくれた。

「おかえりなさい」
「じゃあお風呂入るか。今準備するから」
本当は悠人と何を話したのか聞きたいことがあると思うのに……いつも通りに僕をお風呂に入れてくれた。片足で立つのは不安定だが、透さんが体を流したタイミングで立ち上がって透さんの背中に抱きついた。

「海斗どうした?」
「透さんしよ?」
「えっ?」
透さんは驚いて振り返った。

「透さん、セックスはまだできないけど触れ合ったらダメかな?僕とはもうしたくなくなった?」
透さんが息を飲む気配がしたと思ったら正面から抱きしめられた。

「海斗が痛い思いしてると思ってずっと我慢してた。本当はたくさんキスしたいし抱き合いたい、でもできないだろ?だからお風呂でもなるべく海斗を見ないようにしてたし、キスも触れ合うだけしかしなかった。でもそれで海斗が悩んでるなんて知らなかった。ごめんな。海斗が大丈夫ならしようか。でも立ってるのは辛いだろうからベットでな」
その晩、久しぶりに求め合った。透さんは僕が痛くないように体勢を整えながら……久しぶりに出た量は2人とも多くて笑ってしまった。

「海斗、俺も本音が言えなくてごめんな。でもこれからはお互い遠慮なんかしないで話し合おう。そりゃあもしかしたら叶えられないこともあるかもしれないけどな」
「うん。わかった」
また僕たちの絆が深まった気がする。

僕は思ったより治りが悪く先週やっとギプスが外れた。体重はかけれるようになったけど、まだサポーターをして片方だけ松葉杖、そして膝を90度以上は曲げたらダメと言われてしまった。しっかり歩けるようにとリハビリにも通いはじめた。その送迎はお義母さんがしてくれている。最初は断ったけど心配だからと付いてきてくれるようになった。そしてとうとう明日は透さんの誕生日だ。僕は悠人とサプライズパーティーの計画していた。

「海斗、明日は学の店に行ってきたいんだけどいい?昼間なんだけど」
「どうしたの?」
「なんか学が悠人くんのことで話があるみたいなんだ」
「そうなんだ……じゃあ悠人呼んでもいい?」
「そうだね悠人くんのことならいないほうがいいもんな。せっかくの休みなのに出かけてごめん。学に連絡してみるわ」
「大丈夫。帰ってくるの待ってるから」
学さんは打ち合わせ通りに透さんを誘ってくれたみたいだ。僕がこんなじゃなかったらもっと素敵な誕生日のお祝いをしたかったけど……

次の日、僕が先に起きようとしてたのに透さんは起きていた。
「透さんお誕生日おめでとう。もっと早く起きる予定だったのにごめんね」
「いいんだ。海斗がよくなったら、いっぱい甘えるからさ」
透さんは僕と悠人のためにお昼ご飯まで用意してくれた。

学さんが悠人と一緒に家に来てくれて、透さんと一緒に出掛けていった。
「じゃあやるぞ」

僕はクローゼットから飾りつけのバルーンを取り出した。これくらいしかできないけど透さんのお誕生日を盛大にお祝いしたくなったのだ。
「凄いなこれ……」
「終わってごみにするのはもったいないよね」
あまり動けない僕はあまり役に立たず結局、悠人にお願いしていたらチャイムが鳴った。

「今日はありがとうございます」
「ちょうど下で会ったんだ」
小倉さん、優太さん、西原さん、四ノ宮さんの4人も来てくれた。

「海斗くんは座ってていいから」
優太さんに言われて僕はソファーに座りながらみんなのことを眺めていた。こんなに年を重ねてもお祝いしてくれる友達がいる透さんは幸せだし、それに便乗させてもらってる僕も幸せだ。

「海斗くんキッチン借りるよ~」
「お願いします」
今日のパーティーの料理やお酒はみんながそれぞれに持ち寄ってくれた。テーブルの上にはたくさんの料理とお酒が並び始めた。

「今、学に連絡したから戻ってくるぞ」
「ありがとうございます。小倉さん」
「お前も散々な目にあったな。無理すると後々に響くから、ゆっくり治せよ」
「ありがとうございます」

チャイムが鳴って透さんが帰ってきた。
「海斗って、え?」
『お誕生日おめでとう』
クラッカーを一斉に鳴らすとびっくりしてる透さんと目が合った。

「今年はさ海斗もケガしちゃって、どこかに行くのは大変だろ?だからみんなでここに押しかけちゃえばいいってな。悠人と海斗が一生懸命、計画してくれてたんだよ」
「海斗ありがとう」
透さんはみんなの前なのに僕を抱きしめてキスしてくれた。

「はいはい、いちゃつくのは後でね。乾杯しようぜ」
四ノ宮さんのかけ声でパーティーが始まった。みんなの思いで話やお互いの近況について報告しあってあっという間に時間は過ぎてしまった。

「じゃあプレゼントな。良ければ使ってくれ」
小倉さんと優太さんはビジネスバックだ。2人のチョイスだけあって透さんに似合っていた。

「じゃあ俺たちも。お互い年だからな」
四ノ宮と西原さんはマッサージクッションだった。腰が痛いって言ってたからねぇ~

「俺と悠人からは去年と同じだ。海斗の足がよくなったら行ってくれ」
去年とは違う旅行のカタログギフトだった。

「じゃあまた来るわ。海斗お大事に」
「ありがとな」
「ありがとうございました。悠人またね」
片付けもみんなでやってくれたので助かった。2人でシャワーを浴びて寝る準備はOKだ。そして僕の支度も……さっきトイレで着替えをしてきた。ふと窓の外を見ると大きな月が浮かんでいた。

「透さん、月が綺麗ですね」
「あぁ……海斗と一緒だから、より綺麗に見えるな」
僕は今、あの日に買えなかったちょっとエロイ紐のパンツを履いている。ベタだけど自分がプレゼントっていうことにしようと……結局、買ってしまった。

「透さん、プレゼント僕でいいですか?」
「ん?海斗?」
「まだあんまり動けないけど……」
僕はベットに腰かけながらズボンを下ろして立ち上がった。

「海斗……そりゃあ反則だよ。めちゃめちゃにしたくなるじゃん。まだ無理なのに……」
「だって……」
「海斗がこれを選んでる姿を想像しただけで興奮してきた。海斗、足気をつけるけど……痛くなったらちゃんと言って。海斗、今日はどんな風に愛されたい?」
「透さんにたくさん愛されたい」
「りょ~かい」
月の光に照らされながら僕たちは愛を確かめあった。


◇◆◇◆◇◆  


本来なら1話完結の番外編が思ったよりも長くなってしまいました。
今後もたま~に番外編を出しますのでよろしくお願いいたします。
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