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結婚式当日、幸せが溢れて止まりません!
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屋敷の中庭は、いつもの厳つい空気とはまるで違っていた。白い花が風に揺れ陽の光が舞い込む。
飾られた祭壇。整列した舎弟たち。そしてその中央に立つのはタキシードに身を包んだ若頭……鷹臣。
「……あー、緊張してきた」
舎弟がぽつりと呟いた。
「何言ってんすか。結婚するの鷹臣さんと悠真さんっすよ?」
「いやそれが緊張するんだよ!」
「わかる……尊さが臨界点超えてる……!」
そんな空気の中、悠真が姿を見せた。
純白のタキシード。軽くセットされた髪。でもその表情は、いつものようにどこか照れくさくて、どこか嬉しそうで。
「……来たな」
「お前が主役だろ。遅刻とか許されねぇからな」
ふたりの視線が重なる。
そして、祭壇の前。
誓いの言葉を読み上げる神父代わりの舎弟。
「……相良悠真、お前は鷹瀬鷹臣を生涯の伴侶として愛し、支え合い、ときにツッコみ、ときに甘やかし……共に歩むことを誓いますか?」
「……はい、誓います」
「鷹瀬鷹臣さん、あなたは相良悠真を……以下略」
「誓う。何があっても、こいつだけだ」
小さな笑い声と、感動のすすり泣きが混ざる中……
「では、誓いのキスを」
その瞬間、舎弟たちが全員一歩引いてカメラ構えたのを悠真はチラ見した。
「……見んな!」
「ひどい!こちとら親族の気持ちで来てるのに!」
「家族だと思ってたのにー!」
わーわー騒ぐ中で鷹臣は不意に悠真の顎を取って引き寄せた。
「ちょ……待て、おまっ……」
ふ、と唇が重なる。
深く、優しく、甘く……そして確かなキスだった。
息をのむ舎弟たち。
「……尊……っ」
「ちょっと今の一生分見返したい……」
「キスしたらレベルが上がった気がする……っ!」
悠真が顔を真っ赤にして言う。
「……っ、こんな人前で、馬鹿……!」
「俺の夫だ。見せびらかして何が悪い」
照れ隠しに拳を軽くぶつけて、でもふたりは笑っていた。涙と歓声と、花びらと……たくさんの「おめでとう」に包まれて。
騒がしくて、うるさくて、でも幸せすぎる……ふたりの物語は、ついにここで「家族」になった。
そしてこれからも、ツッコミと愛とヤクザな日々は続いていく。
***
式の喧騒が嘘のように静まり返った屋敷の一室。
明かりを落とした寝室に柔らかな月明かりが差し込んでいた。
悠真はベッドに座りながら少し照れくさそうに、けれどどこか落ち着いた顔をしていた。
「……まさかあんな盛大になるとはな」
「……お前がモテすぎるのが悪い」
「それ俺のせいなの……?」
鷹臣が横に腰掛けタキシードのネクタイを外しながら悠真を見つめる。
その目は式のときよりも、ずっと優しくて、深くて……少しだけ、熱を孕んでいた。
「……なぁ、悠真」
「ん?」
「本当に……俺で、よかったか?」
その問いに、悠真は少しだけ目を見開いたあと静かに笑った。
「今さらなに言ってんだよ」
手を伸ばして鷹臣の頬に触れる。
「お前じゃなきゃ、俺、こんなに笑ってねぇよ。生きてるって思えなかった」
「……そっか」
「そっちこそ、俺でよかった?」
鷹臣は何も言わず悠真の手を取り、そのまま指に口づけた。
「お前じゃなきゃ、もう無理だ」
低く響く声に悠真の喉がかすかに鳴った。
「……緊張してきた」
「ふふ。何をいまさら」
ゆっくりと鷹臣が近づいて額を合わせ、目を閉じた。
唇が優しく触れ合った。深く、甘く……そして、迷いはなかった。
「今日は……一晩中、離さない」
囁かれた声に悠真の顔が熱を帯びる。
「……馬鹿。俺もそのつもりだよ」
服を脱がせ合い素肌を重ねていくたびに触れる手が、声が、すべてが確かめ合うように優しかった。
ぎゅっと抱きしめられたまま、悠真はぽつりと呟く。
「……やっと夫夫になったんだな」
「……ああ。やっとだ」
「もっと早く言えばよかったな。大好きって」
それを聞いて鷹臣が笑った。
「これから先、いくらでも言えよ」
「……じゃあ、今言う」
そっと唇が触れて呼吸のように言葉が落ちた。
「愛してる。これからも、ずっと」
「俺も。死ぬまで、いや死んでも隣にいる」
笑って、重なって……
夜は静かに、ふたりだけの時間を深くしていく。
外では舎弟たちが泣きながら祝い酒を酌み交わし、
屋敷の中では、世界でいちばん甘い夜が、そっと幕を下ろしていた。
飾られた祭壇。整列した舎弟たち。そしてその中央に立つのはタキシードに身を包んだ若頭……鷹臣。
「……あー、緊張してきた」
舎弟がぽつりと呟いた。
「何言ってんすか。結婚するの鷹臣さんと悠真さんっすよ?」
「いやそれが緊張するんだよ!」
「わかる……尊さが臨界点超えてる……!」
そんな空気の中、悠真が姿を見せた。
純白のタキシード。軽くセットされた髪。でもその表情は、いつものようにどこか照れくさくて、どこか嬉しそうで。
「……来たな」
「お前が主役だろ。遅刻とか許されねぇからな」
ふたりの視線が重なる。
そして、祭壇の前。
誓いの言葉を読み上げる神父代わりの舎弟。
「……相良悠真、お前は鷹瀬鷹臣を生涯の伴侶として愛し、支え合い、ときにツッコみ、ときに甘やかし……共に歩むことを誓いますか?」
「……はい、誓います」
「鷹瀬鷹臣さん、あなたは相良悠真を……以下略」
「誓う。何があっても、こいつだけだ」
小さな笑い声と、感動のすすり泣きが混ざる中……
「では、誓いのキスを」
その瞬間、舎弟たちが全員一歩引いてカメラ構えたのを悠真はチラ見した。
「……見んな!」
「ひどい!こちとら親族の気持ちで来てるのに!」
「家族だと思ってたのにー!」
わーわー騒ぐ中で鷹臣は不意に悠真の顎を取って引き寄せた。
「ちょ……待て、おまっ……」
ふ、と唇が重なる。
深く、優しく、甘く……そして確かなキスだった。
息をのむ舎弟たち。
「……尊……っ」
「ちょっと今の一生分見返したい……」
「キスしたらレベルが上がった気がする……っ!」
悠真が顔を真っ赤にして言う。
「……っ、こんな人前で、馬鹿……!」
「俺の夫だ。見せびらかして何が悪い」
照れ隠しに拳を軽くぶつけて、でもふたりは笑っていた。涙と歓声と、花びらと……たくさんの「おめでとう」に包まれて。
騒がしくて、うるさくて、でも幸せすぎる……ふたりの物語は、ついにここで「家族」になった。
そしてこれからも、ツッコミと愛とヤクザな日々は続いていく。
***
式の喧騒が嘘のように静まり返った屋敷の一室。
明かりを落とした寝室に柔らかな月明かりが差し込んでいた。
悠真はベッドに座りながら少し照れくさそうに、けれどどこか落ち着いた顔をしていた。
「……まさかあんな盛大になるとはな」
「……お前がモテすぎるのが悪い」
「それ俺のせいなの……?」
鷹臣が横に腰掛けタキシードのネクタイを外しながら悠真を見つめる。
その目は式のときよりも、ずっと優しくて、深くて……少しだけ、熱を孕んでいた。
「……なぁ、悠真」
「ん?」
「本当に……俺で、よかったか?」
その問いに、悠真は少しだけ目を見開いたあと静かに笑った。
「今さらなに言ってんだよ」
手を伸ばして鷹臣の頬に触れる。
「お前じゃなきゃ、俺、こんなに笑ってねぇよ。生きてるって思えなかった」
「……そっか」
「そっちこそ、俺でよかった?」
鷹臣は何も言わず悠真の手を取り、そのまま指に口づけた。
「お前じゃなきゃ、もう無理だ」
低く響く声に悠真の喉がかすかに鳴った。
「……緊張してきた」
「ふふ。何をいまさら」
ゆっくりと鷹臣が近づいて額を合わせ、目を閉じた。
唇が優しく触れ合った。深く、甘く……そして、迷いはなかった。
「今日は……一晩中、離さない」
囁かれた声に悠真の顔が熱を帯びる。
「……馬鹿。俺もそのつもりだよ」
服を脱がせ合い素肌を重ねていくたびに触れる手が、声が、すべてが確かめ合うように優しかった。
ぎゅっと抱きしめられたまま、悠真はぽつりと呟く。
「……やっと夫夫になったんだな」
「……ああ。やっとだ」
「もっと早く言えばよかったな。大好きって」
それを聞いて鷹臣が笑った。
「これから先、いくらでも言えよ」
「……じゃあ、今言う」
そっと唇が触れて呼吸のように言葉が落ちた。
「愛してる。これからも、ずっと」
「俺も。死ぬまで、いや死んでも隣にいる」
笑って、重なって……
夜は静かに、ふたりだけの時間を深くしていく。
外では舎弟たちが泣きながら祝い酒を酌み交わし、
屋敷の中では、世界でいちばん甘い夜が、そっと幕を下ろしていた。
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