21 / 40
21.お手本は、私
しおりを挟む
王宮での穏やかな昼下がり。
庭園の一角に佇む白亜のガゼボは、陽光を受けて透きとおるように輝き、その屋根越しに映る影が芝生にやわらかく落ちている。風がひとたび吹けば、薔薇の香りをまとった花びらが舞い込み、膝元にそっと触れる。
「ルキウス殿下! あら? ……フェリシア様、またご一緒でしたのね……」
ええ、ご一緒よ。
今日は、ルキウス様とのお茶会の日ですもの。
「ごきげんようベス様、今日の分のお勉強は終わらせたのかしら?」
「えっ?」
……終わっていないのね。
「ベス嬢、何か用事かな?」
「はい! 実はルキウス殿下に、日頃の感謝を込めてお菓子をお作りしましたの。こちらですわ、どうぞ受け取ってください」
クッキー、ね。
後ろに控えたお付きの者たちが、“まあ微笑ましい”とでも言いたげな顔で彼女を見守っている。けれど。
「少しお待ちを。ベス様、これ、あなたがお作りになったのですか?」
「もちろんです。まさか、疑っているんですか? ちゃんと私が作りました。お菓子作りは得意なんです! 貴族らしくないと、令嬢がそんなことをするものではないとおっしゃりたいのですか?」
付き人たちが、不満げに眉をひそめる。
「いいえ? ただ、王族が口にする物ですもの。慎重であって当然でしょう?」
「なっ! 私が、毒を入れるとでもおっしゃりたいのですか!? ちゃんと、王宮の厨房の人にお願いをして、場所を借りて。皆が見ている中で作りました!」
そうなるでしょうね。
「カイエン、厨房に確認を」
「はっ、かしこまりました」
カイエンが、音もなく駆けていく。
ベス様は、唇をかみしめるようにうつむいた。
「ひどい。私はただ、ルキウス殿下のために……」
肩が、かすかに震えている。
「朝から、あんなに張り切ってお作りになっていたのに」
「お気の毒に。あんなに嬉しそうだったのに……」
付き人たちの声が、やわらかく、しかし意図的に響き出す。
カイエンが帰ってきたわ。
「フェリシア様、戻りました。厨房の者が、一部始終を確認しておりました。問題はないそうです」
お付きの者たちの、ほら見たことか、といわんばかりの顔。不敬ですわよ。
「厨房の人たちも、私が何か入れるって、疑っていたんでしょうか。だって皆、仕事もせずにずっと見ていましたもの」
「精霊姫様、違いますよ。厨房の者たちは、温かく見守っていたのです」
「そうですわ。何ができるか、興味津々といったご様子でした」
お付きの者たちが、すかさずフォローする。
「おっしゃっていること、当たらずとも遠からずですわ。よくお聞きください。精霊姫である貴女に何かあれば、厨房の者たちは全員、解雇。最悪、処刑もあり得ますのよ」
「え……?」
「当然でしょう? 精霊姫が傷を負えば、精霊が激怒する可能性だってある。――それほどの立場なのですから、厨房の者たちも自分の仕事どころではありません。かといって、貴女の申し出を断ることもできない。次回からは、きちんと然るべきところに許可を取ってくださいね? 忙しい者たちにこれ以上、迷惑をおかけしないように」
「っ……!」
まあ、なんて分かりやすい。悔しそうに唇を噛んで。
いつものふんわりとした仮面、剥がれかけておりますわよ?
「でも、せっかく作ったですもの。ベス様も私たちとご一緒に、持ってきたお菓子をつまみながらお茶をするのはいかがですか? よろしいですよね? ルキウス様」
「ああ、もちろん。ベス嬢、君のお菓子を是非いただこう」
「ありがとうございます、ルキウス殿下!」
お誘いしたのは私ですのに。感謝は殿下だけ? ふふ。
「では、こちらに」と、控えていた侍女が静かに頭を下げ、ベス様の手作りクッキーが入った籠を受け取った。
少し離れた場所にあるテーブルで、侍女たちが静かにお茶会の準備を始めた。
純白のクロスがかけられた丸テーブルの中央には、可憐な花を束ねたアレンジメント。その両脇には、陽の光をやわらかく反射する金縁のティーセットが、整然と並べられている。
私の席は、ルキウス様の右隣。そして、ベス様には、少し間を空けた、左隣の椅子が用意されていた。
「ご準備ができました」
控えていた侍女が、恭しく一礼して告げる。
私たちは誘われるままにテーブルへと移動し、各々の席へと腰を下ろした。
クッキーの入った籠を受け取った侍女が、小皿の上に手作りの菓子を丁寧に並べていく。その隣には、べつの侍女が運んできた別皿が、そっと添えられる。
ベス様が何かに気づいたように、目を見開いた。
「えっ? これって」
視線は明らかに、クッキーの隣に置かれた、もう一つの菓子皿に向けられている。
「タルトですわ」
私は紅茶のカップを手に取りながら、軽やかに答えた。お皿に盛られたクッキーの横にあったのはタルト。
「シェフが作ったタルトの隣に、ベス様のクッキーを置くなんて……」
「比べようとしてるの? なんて嫌みなの」
周囲でささやく声。誰かがわざとらしく息を呑んだのが聞こえる。聞こえておりますわよ、あなたたち。
「そうだわ。ベス様」
私は、やわらかな笑みを浮かべながら言葉を継いだ。
「せっかくですので、今日は、私の真似をしてみるのはいかがかしら?」
ベス様は一瞬、きょとんとした表情を見せた。その視線は、私とテーブルを交互に行き来している。
「真似、ですか?」
紅茶の香りが漂う中、彼女の声だけが妙に浮いて聞こえた。戸惑いと警戒が入り混じった声音。その背後に、揺らぎかけた自尊心の気配がちらつく。
「ええ。たとえば私が紅茶を飲んだら、あなたも紅茶を。私が菓子をいただいたら、同じようにお召し上がりになる。そんなふうに、どうかしら? クッキーやタルトの食べ方のマナーもありますのよ」
わずかに首をかしげて尋ねる私に、彼女は目を瞬かせながら答えた。
「……なぜ、そのようなことを?」
テーブルに置かれたティースプーンを、無意識に指先でなぞっている。動揺している証拠。ふふ、可愛らしいわ。
「これから、お茶会にお呼ばれすることも増えるでしょう? 作法を覚えるには、お手本を真似るのが、何よりの近道ですわ」
自分で言いながらも、内心で笑みを深める。
“お手本”という言葉が、どれほど彼女の誇りを刺激するか、想像に難くない。
「まさか、フェリシア様を、お手本にしろと?」
とうとう、彼女の声に棘が混じった。口角が引きつり、目元がわずかに吊り上がる。その顔には、柔らかさなど欠片も残っていなかった。
「ええ。そう申し上げましたわ。お世話をするという約束をしましたし、もちろん国王陛下の許可もあります」
私はやわらかく微笑み、頷いた。
「ベス嬢」
その緊張の空気を割るように、ルキウス様の澄んだ声が響いた。
「フェリの所作はとても美しいよ。君の参考になることは、私が保証しよう」
美しいーー思わず口元が緩みそうになったわ。そして、その言葉に、ベス様の背筋がぴくりと揺れた。
その場にいた全員が、次の台詞を予測したに違いない。
「……ルキウス殿下が、そうおっしゃるなら」
やや間をおいて、ようやく絞り出された返答。承諾という形をとってはいるけれど、その声の中に、無念と屈辱が混じっていた。
それもまた、耳に心地よい。
私はそっとティーカップを持ち上げ、静かに笑みを深める。白磁の縁に口を添えたまま、目線だけをベス様に向けて。
では、始めましょうか?
庭園の一角に佇む白亜のガゼボは、陽光を受けて透きとおるように輝き、その屋根越しに映る影が芝生にやわらかく落ちている。風がひとたび吹けば、薔薇の香りをまとった花びらが舞い込み、膝元にそっと触れる。
「ルキウス殿下! あら? ……フェリシア様、またご一緒でしたのね……」
ええ、ご一緒よ。
今日は、ルキウス様とのお茶会の日ですもの。
「ごきげんようベス様、今日の分のお勉強は終わらせたのかしら?」
「えっ?」
……終わっていないのね。
「ベス嬢、何か用事かな?」
「はい! 実はルキウス殿下に、日頃の感謝を込めてお菓子をお作りしましたの。こちらですわ、どうぞ受け取ってください」
クッキー、ね。
後ろに控えたお付きの者たちが、“まあ微笑ましい”とでも言いたげな顔で彼女を見守っている。けれど。
「少しお待ちを。ベス様、これ、あなたがお作りになったのですか?」
「もちろんです。まさか、疑っているんですか? ちゃんと私が作りました。お菓子作りは得意なんです! 貴族らしくないと、令嬢がそんなことをするものではないとおっしゃりたいのですか?」
付き人たちが、不満げに眉をひそめる。
「いいえ? ただ、王族が口にする物ですもの。慎重であって当然でしょう?」
「なっ! 私が、毒を入れるとでもおっしゃりたいのですか!? ちゃんと、王宮の厨房の人にお願いをして、場所を借りて。皆が見ている中で作りました!」
そうなるでしょうね。
「カイエン、厨房に確認を」
「はっ、かしこまりました」
カイエンが、音もなく駆けていく。
ベス様は、唇をかみしめるようにうつむいた。
「ひどい。私はただ、ルキウス殿下のために……」
肩が、かすかに震えている。
「朝から、あんなに張り切ってお作りになっていたのに」
「お気の毒に。あんなに嬉しそうだったのに……」
付き人たちの声が、やわらかく、しかし意図的に響き出す。
カイエンが帰ってきたわ。
「フェリシア様、戻りました。厨房の者が、一部始終を確認しておりました。問題はないそうです」
お付きの者たちの、ほら見たことか、といわんばかりの顔。不敬ですわよ。
「厨房の人たちも、私が何か入れるって、疑っていたんでしょうか。だって皆、仕事もせずにずっと見ていましたもの」
「精霊姫様、違いますよ。厨房の者たちは、温かく見守っていたのです」
「そうですわ。何ができるか、興味津々といったご様子でした」
お付きの者たちが、すかさずフォローする。
「おっしゃっていること、当たらずとも遠からずですわ。よくお聞きください。精霊姫である貴女に何かあれば、厨房の者たちは全員、解雇。最悪、処刑もあり得ますのよ」
「え……?」
「当然でしょう? 精霊姫が傷を負えば、精霊が激怒する可能性だってある。――それほどの立場なのですから、厨房の者たちも自分の仕事どころではありません。かといって、貴女の申し出を断ることもできない。次回からは、きちんと然るべきところに許可を取ってくださいね? 忙しい者たちにこれ以上、迷惑をおかけしないように」
「っ……!」
まあ、なんて分かりやすい。悔しそうに唇を噛んで。
いつものふんわりとした仮面、剥がれかけておりますわよ?
「でも、せっかく作ったですもの。ベス様も私たちとご一緒に、持ってきたお菓子をつまみながらお茶をするのはいかがですか? よろしいですよね? ルキウス様」
「ああ、もちろん。ベス嬢、君のお菓子を是非いただこう」
「ありがとうございます、ルキウス殿下!」
お誘いしたのは私ですのに。感謝は殿下だけ? ふふ。
「では、こちらに」と、控えていた侍女が静かに頭を下げ、ベス様の手作りクッキーが入った籠を受け取った。
少し離れた場所にあるテーブルで、侍女たちが静かにお茶会の準備を始めた。
純白のクロスがかけられた丸テーブルの中央には、可憐な花を束ねたアレンジメント。その両脇には、陽の光をやわらかく反射する金縁のティーセットが、整然と並べられている。
私の席は、ルキウス様の右隣。そして、ベス様には、少し間を空けた、左隣の椅子が用意されていた。
「ご準備ができました」
控えていた侍女が、恭しく一礼して告げる。
私たちは誘われるままにテーブルへと移動し、各々の席へと腰を下ろした。
クッキーの入った籠を受け取った侍女が、小皿の上に手作りの菓子を丁寧に並べていく。その隣には、べつの侍女が運んできた別皿が、そっと添えられる。
ベス様が何かに気づいたように、目を見開いた。
「えっ? これって」
視線は明らかに、クッキーの隣に置かれた、もう一つの菓子皿に向けられている。
「タルトですわ」
私は紅茶のカップを手に取りながら、軽やかに答えた。お皿に盛られたクッキーの横にあったのはタルト。
「シェフが作ったタルトの隣に、ベス様のクッキーを置くなんて……」
「比べようとしてるの? なんて嫌みなの」
周囲でささやく声。誰かがわざとらしく息を呑んだのが聞こえる。聞こえておりますわよ、あなたたち。
「そうだわ。ベス様」
私は、やわらかな笑みを浮かべながら言葉を継いだ。
「せっかくですので、今日は、私の真似をしてみるのはいかがかしら?」
ベス様は一瞬、きょとんとした表情を見せた。その視線は、私とテーブルを交互に行き来している。
「真似、ですか?」
紅茶の香りが漂う中、彼女の声だけが妙に浮いて聞こえた。戸惑いと警戒が入り混じった声音。その背後に、揺らぎかけた自尊心の気配がちらつく。
「ええ。たとえば私が紅茶を飲んだら、あなたも紅茶を。私が菓子をいただいたら、同じようにお召し上がりになる。そんなふうに、どうかしら? クッキーやタルトの食べ方のマナーもありますのよ」
わずかに首をかしげて尋ねる私に、彼女は目を瞬かせながら答えた。
「……なぜ、そのようなことを?」
テーブルに置かれたティースプーンを、無意識に指先でなぞっている。動揺している証拠。ふふ、可愛らしいわ。
「これから、お茶会にお呼ばれすることも増えるでしょう? 作法を覚えるには、お手本を真似るのが、何よりの近道ですわ」
自分で言いながらも、内心で笑みを深める。
“お手本”という言葉が、どれほど彼女の誇りを刺激するか、想像に難くない。
「まさか、フェリシア様を、お手本にしろと?」
とうとう、彼女の声に棘が混じった。口角が引きつり、目元がわずかに吊り上がる。その顔には、柔らかさなど欠片も残っていなかった。
「ええ。そう申し上げましたわ。お世話をするという約束をしましたし、もちろん国王陛下の許可もあります」
私はやわらかく微笑み、頷いた。
「ベス嬢」
その緊張の空気を割るように、ルキウス様の澄んだ声が響いた。
「フェリの所作はとても美しいよ。君の参考になることは、私が保証しよう」
美しいーー思わず口元が緩みそうになったわ。そして、その言葉に、ベス様の背筋がぴくりと揺れた。
その場にいた全員が、次の台詞を予測したに違いない。
「……ルキウス殿下が、そうおっしゃるなら」
やや間をおいて、ようやく絞り出された返答。承諾という形をとってはいるけれど、その声の中に、無念と屈辱が混じっていた。
それもまた、耳に心地よい。
私はそっとティーカップを持ち上げ、静かに笑みを深める。白磁の縁に口を添えたまま、目線だけをベス様に向けて。
では、始めましょうか?
3,464
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
『婚約破棄された公爵令嬢は、王と交わらない道を選ぶ』
ふわふわ
恋愛
婚約者である王太子アルベルトから、一方的に婚約破棄を告げられた公爵令嬢エレノア。
だが彼女は、涙も復讐も選ばなかった。
「婚約は、役目でしたもの。終わったのなら、それで結構ですわ」
王宮を去ったエレノアは、領地に戻り、
干渉しない・依存しない・無理をしない
ただそれだけを軸に、静かに領地運営を始める。
一方、王となったアルベルトもまた、
彼女に頼らないことを選び、
「一人の判断に依存しない国」を作るための統治に身を投じていた。
復縁もしない。
恋にすがらない。
それでも、二人の選択は確かに国を安定へと導いていく。
これは、
交わらないことを選んだ二人が、
それぞれの場所で“続けられる世界”を完成させる物語。
派手なざまぁも、甘い溺愛もない。
けれど、静かに積み重なる判断と選択が、
やがて「誰にも壊せない秩序」へと変わっていく――。
婚約破棄から始まる、
大人のための静かなざまぁ恋愛ファンタジー
王妃さまは断罪劇に異議を唱える
土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。
そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。
彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。
王族の結婚とは。
王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。
王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。
ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません
藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は
愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。
夫が愛人を持つことも、
その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。
けれど――
跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。
その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。
私は悟ったのだ。
この家では、息子を守れないと。
元々、実家との間には
「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。
ならば話は簡単だ。
役目を終えた私は、離縁を選ぶ。
息子と共に、この家を去るだけ。
後悔しているようですが――
もう、私の知るところではありません。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】伯爵令嬢の責務
ごろごろみかん。
恋愛
見てしまった。聞いてしまった。
婚約者が、王女に愛を囁くところを。
だけど、彼は私との婚約を解消するつもりは無いみたい。
貴族の責務だから政略結婚に甘んじるのですって。
それなら、私は私で貴族令嬢としての責務を果たすまで。
【完結】恋は、終わったのです
楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。
今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。
『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』
身長を追い越してしまった時からだろうか。
それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。
あるいは――あの子に出会った時からだろうか。
――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる