【完結】ご期待に、お応えいたします

楽歩

文字の大きさ
40 / 40

お礼&カイエン

しおりを挟む
最後までお読みくださりありがとうございました。(♡ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾⁾ お気に入り、ハート、エール、しおりなど毎回励みになっております。皆様のご期待に応えられたでしょうか?

モヤモヤすることがあり、こんちくしょうと思いをぶつけまくりながら、書いておりました。結果、すっきりしました。

ライラ編が一番気に入っています。

フェリは当初「悪役令嬢っぽいことをしているのに、いい人感が拭えないふんわり令嬢」を予定しておりましたが、結局、別人に。それはそれで気に入っております。


また、フェリの脳筋父の登場を考えてはいましたが、結局出ませんでした。これだという話を何も思い浮かばず、くっ!



※ペンネームの名前の読み方がわからないと承認不要の感想でいただきました。プロフィールにルビは、恥ずかしいので自己紹介欄にこっそり書きました。ペットの名前です。



最後、「ヴィアにも幸せを」で。一応、伏線をはっていたので無事回収できてよかったです。カイエン視点も書いてみましたので、よかったらお読みください。


お礼を込めて(*´∀`艸)*゚

**********




「三日後に決まったよ、カイエン」

背後から届いたその声は、いつものように軽やかで、どこか愉快げだった。
書類に目を通していた手が止まり、私は小さくため息をついた。


「何の話ですか?」

書類をまとめながら目を細めて問い返すと、王太子殿下――ルキウス様は笑みを浮かべて言った。


「希望してた令嬢とのお茶会さ。フェリに頼んで、王宮でセッティングしたよ」

「……は?」

言葉が、思考の手前で固まった。急な話に思わず口元が引きつる。


「フェリの話だと、その令嬢はカイエンに会うために張り切って“磨きをかけてる”そうだぞ」

「……“磨きを”って……。あの、ちゃんとお伝えくださいましたよね? 常識ある、冷静で、しっかり者の美しい方と……」

「ちゃんと言ったさ。で、その令嬢、カイエンのことを“密かに”気にしてたらしくてね。フェリが声をかけたら、顔を赤くしてたそうだ」

「お名前は?」

「フェリ曰く、“内緒”」

なぜ、内緒? 


だが、オリヴィア様ではない、な。

彼女が人前で顔を赤らめる姿など、想像がつかない。

いや、私のために自ら身だしなみに気を配るなど、ありえない。ましてや、気にしていただなんて。

あの方ならきっと――やんわりと断るか、優雅に笑うか、どちらかだ。

王宮でのセッティングならば紹介されるのは、高位貴族の令嬢、いや国外もあり得る。だが、仮に国外の令嬢なら、「密かに気にしていた」などという噂が耳に届くはずもない。


「殿下。私の名前を挙げて、相手の名前を明かさないとは、どういうご意図で?」

「それは、“サプライズ”ってやつかな。フェリのことだ、何か思惑があるんだろう」

「……断ってもよろしいですか?」

「構わないよ。ただ、相手の令嬢はがっかりすると思うけど?」


やはり、ルキウス殿下にもっと明確に“オリヴィア様”の名を挙げておくべきだったか。

けれどそれは、あまりに、厚かましい。今はまだ、ただの侯爵家の次男である私などがあの方を名指しするなど。

彼女なら、他国の王太子妃にだってなれる。だから、私が想いを寄せているなど、知られるだけで不敬に思えてしまう。

それでも――ウィンチェスター公爵令嬢なら気付いてくださると思ったんだが。



「……わかりました、会います。ご配慮、ありがとうございます」

そう答えるほか、なかった。

 

***

 

王宮の一室。
午後の陽がやわらかく差し込む空間は、上品な香の気配に包まれていた。

けれど、私の内心は穏やかどころか、全く落ち着かなかった。時間前に到着し、席についたものの、思考は定まらず、視線は何度も窓の方へと彷徨った。

テーブルに並べられた皿、完璧な角度で置かれた茶器――

この部屋の設えは、どう見ても“特別扱い”だ。王太子殿下とウィンチェスター公爵令嬢が仕立てた場。いやが応にも、緊張が募る。

膝の上でそっと指を組む。気配を殺すように深く息をついた、そのとき――


「失礼いたします」

扉が開く音。振り返る前に、風が変わるのを感じた。

ふわりと揺れるドレスの裾。陽を受けた髪が煌めき、凛とした立ち姿が視界に入る。



「……オリヴィア、様……?」

まさか――まさか、そんなはずは。



「こんにちは、カイエン様。今日はよろしくお願いいたします」

美しい声音。理知的で、穏やかで、けれどどこか柔らかな甘さを含んだその声が、私の名を呼んだ。

夢か、幻か。



「ど、どうして……こちらに?」

「あら、私では不服でしたか?」

「い、いいえっ! とんでもない!!」

思わず声が裏返った。

ふと彼女の後ろに目をやると、王太子殿下が笑みを浮かべており、ウィンチェスター公爵令嬢もまた何かを仕掛けた演出家のように、意味ありげな微笑みを浮かべていた。

結局、お二人とも知っておられたのだな……。


「正直、私も驚きましたが――」

オリヴィア様が、そっと視線を落とし、そして、ためらいのないまなざしで私を見た。

「嬉しかったのです」

その一言で、心の奥が熱くなった。

あのとき王太子殿下はなんと言っていた?

 “張り切って磨きをかけている。密かに気にしてたらしい。顔を赤くしてた”  

言葉にならない思いが胸に広がって、視界がにじみそうになるのを、懸命にこらえる。



「ふふ、カイエン。間違ってなかったでしょう?」

ウィンチェスター公爵令嬢が微笑む。



「ええ、期待通りの方でした」

ようやく絞り出した言葉に、皆が微笑み、私も――心からの笑みを返した。





END


またお会いしましょう(^^)/~~~
しおりを挟む
感想 135

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(135件)

sarumaro
2026.02.16 sarumaro

面白かったー常々思もてた、ハメられる側=高爵位のご令嬢=知恵も知識もあるのに、なんで余裕ないんやろって思う作品が多いけど、すっきり気持ちいいお話しでした

2026.02.17 楽歩

最後までお読みいただきありがとうございます。

嬉しい言葉感謝です(=´∀`)

解除
天花
2025.10.19 天花

連載が終わった後も時々読み返しているのですが、カイエンのお話は何度読んでも余韻に浸れます。

この作品、本当に大好きです!!!

2025.10.21 楽歩

繰り返し読んでいただき、ありがとうございます。

書いてよかったなと喜んでおります!(^^)!

解除
みすたぁ
2025.09.05 みすたぁ

やはりライラ編が傑作ですね。
最近よく見てる中国ショートドラマーでも
養子が隠し子って王道パターンですし。
クソな婚約者まで完膚なきまでに叩き潰すのは
その中国ドラマと比較しても
スカっとします。
あっちはとにかく制裁が温くてフラストレーション溜まりまくりなので

まさにスタンディングオペレーション👏

2025.09.05 楽歩

ありがとうございます!
やっぱりライラ編は「やり切った感」が強いので、そう言っていただけると嬉しいです。その点、ライラは容赦なく相手を叩き潰してくれるので、まさにカタルシス担当(笑)(*´ω`*ノノ☆✧*

解除

あなたにおすすめの小説

【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない

くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、 軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。 言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。 ――そして初めて、夫は気づく。 自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。 一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、 「必要とされる存在」として歩き始めていた。 去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。 これは、失ってから愛に気づいた男と、 二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。 ――今さら、遅いのです。

『婚約破棄された公爵令嬢は、王と交わらない道を選ぶ』

ふわふわ
恋愛
婚約者である王太子アルベルトから、一方的に婚約破棄を告げられた公爵令嬢エレノア。 だが彼女は、涙も復讐も選ばなかった。 「婚約は、役目でしたもの。終わったのなら、それで結構ですわ」 王宮を去ったエレノアは、領地に戻り、 干渉しない・依存しない・無理をしない ただそれだけを軸に、静かに領地運営を始める。 一方、王となったアルベルトもまた、 彼女に頼らないことを選び、 「一人の判断に依存しない国」を作るための統治に身を投じていた。 復縁もしない。 恋にすがらない。 それでも、二人の選択は確かに国を安定へと導いていく。 これは、 交わらないことを選んだ二人が、 それぞれの場所で“続けられる世界”を完成させる物語。 派手なざまぁも、甘い溺愛もない。 けれど、静かに積み重なる判断と選択が、 やがて「誰にも壊せない秩序」へと変わっていく――。 婚約破棄から始まる、 大人のための静かなざまぁ恋愛ファンタジー

王妃さまは断罪劇に異議を唱える

土岐ゆうば(金湯叶)
恋愛
パーティー会場の中心で王太子クロードが婚約者のセリーヌに婚約破棄を突きつける。彼の側には愛らしい娘のアンナがいた。 そんな茶番劇のような場面を見て、王妃クラウディアは待ったをかける。 彼女が反対するのは、セリーヌとの婚約破棄ではなく、アンナとの再婚約だったーー。 王族の結婚とは。 王妃と国王の思いや、国王の愛妾や婚外子など。 王宮をとりまく複雑な関係が繰り広げられる。 ある者にとってはゲームの世界、ある者にとっては現実のお話。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。

ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。 ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。 対面した婚約者は、 「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」 ……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。 「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」 今の私はあなたを愛していません。 気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。 ☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。 ☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

公爵令嬢は結婚式当日に死んだ

白雲八鈴
恋愛
 今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。 「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」  突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。 婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。  そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。  その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……  生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。  婚約者とその番という女性に 『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』 そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。 *タグ注意 *不快であれば閉じてください。

私を裏切った夫が、後悔しているようですが知りません

藤原遊
恋愛
政略結婚として、公爵家に嫁いだ私は 愛のない夫婦関係を「仕事」だと思い、正妻の役目を果たしてきた。 夫が愛人を持つことも、 その子を屋敷に迎え入れることも、黙って受け入れてきた。 けれど―― 跡取りを、正妻の子ではなく愛人の子にする。 その言葉を、人前で軽く口にした瞬間。 私は悟ったのだ。 この家では、息子を守れないと。 元々、実家との間には 「嫡子以外の子は実家の跡取りにする」という取り決めがあった。 ならば話は簡単だ。 役目を終えた私は、離縁を選ぶ。 息子と共に、この家を去るだけ。 後悔しているようですが―― もう、私の知るところではありません。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ】伯爵令嬢の責務

ごろごろみかん。
恋愛
見てしまった。聞いてしまった。 婚約者が、王女に愛を囁くところを。 だけど、彼は私との婚約を解消するつもりは無いみたい。 貴族の責務だから政略結婚に甘んじるのですって。 それなら、私は私で貴族令嬢としての責務を果たすまで。

【完結】恋は、終わったのです

楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。 今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。 『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』 身長を追い越してしまった時からだろうか。  それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。 あるいは――あの子に出会った時からだろうか。 ――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。