36 / 46
36.それぞれの思い
しおりを挟む
sideアンナ
いったい、何なの? なんであんなに楽しそうにダンスを踊っているわけ?
心の中で、怒りがこみ上げる。クリストファー様は、笑顔で、何も気にせずに踊っている。
確かに、今日は、まだ婚約者ではない私と踊るわけにはいかないと聞いていた。でも、他の男性と仲良く話している私を見たくないから席から離れないでくれと言っていた。だから私はおとなしく座っていたのに!
少しは私に気を遣って、嫌そうな顔で踊ったらいいじゃない。そうすれば、私だって少しは安心できたはずなのに。
私の周りにいるお友達が、私を気の毒そうな目で見ているのを感じる。
ああ、なんて屈辱的なのかしら……。
ひどいわ、なんでこんな思いをするの。
ドレスだってそう。今日は伝統的な夜会だから、側妃様の伝統的なドレスをサイズ直しして着るように言われた。でも、シャルロット様とエルミーヌ様は全然、伝統的なドレスじゃないじゃない!
あんな素敵なドレス、初めて見たわ。彼女たちの姿を見た瞬間、胸がざわついた。あんな豪華なドレスを着ているなんて。
あの2人だって、ハンカチの布をお願いした時、今度この布でドレスを作るからご一緒にって言ってくれれば、私は快く頷いたのに……。
最近までハンカチを色々な人に自慢した私がばかみたい。ドレスと格が違うじゃない。
ドレスは残念ながら贈れないからと言って、クリストファー様から渡されたイヤリング……。こんな安物じゃあ、全然割が合わないわ。
…なんだかいろいろ納得がいかない。じっくり話を聞かないといけないわね。
そんな思いを胸に、私は無意識にイヤリングを指でなぞった。
どうにかしてこのざわめく不安を解消しなければならないわ。
*****
side 国王、王妃、側妃
「「陛下!」」
「おお、どうだった。早く教えてくれ」
王妃様はわずかに興奮を抑えながら、話を続ける。
「王女がもっと王太子と話をしたいって、ねえクラリス」
「はい! 明日王宮のお茶会に来てくださるそうです。急いで準備をしなくては」
陛下は満足げに頷いた。
「それで、手ごたえはどうだった?」
「はい、好感触でしたわ」
王妃様の顔に満足そうな微笑みが浮かぶ。
「そうですわね。ダンスをしている2人、とってもお似合いでしたわ」
胸の中で安堵が広がった。だが、すぐに思い出す。
「ダンス中、オセアリス王国の宰相様が来てくださって、明日共にいらっしゃるといっておりましたわ」
「宰相が! これは上手くいきそうだな」
そう言いながらも、陛下の目にちらりと不安が見え隠れする。
「しかし、忘れてはいないだろうな、アンナのことを」
「ええ、2人のダンスの様子を一部始終を見ていましたし」
王妃は口元を引き締め、心の中で何かを考えているようだった。
「今日は大人しく座っておりましたが、あの子が黙っているはずありませんもの」
「どうしましょう! 王女に生意気な口をきいたら……」
その言葉に、王妃の表情が一層険しくなる。
「困ったわ。婚約どころの話ではなくなる……」
そんな……。
2人で、焦っていると、考え込んでいた様子の陛下が、話し出す。
「王女にアンナのことは……いや、シャルロットたちが伝えていないわけがない。王女は知っていて明日王宮に来ると言っているのだ、きっと」
「王女は、とても賢そうに見えましたわ。いっそのこと、王女にアンナを任せてみたらどうでしょうか?」
王妃のその提案に、一瞬の沈黙が訪れる。私もその可能性について思いを巡らせるが……
「……王女にですか? アンナをお茶会に参加させるということですよね、大丈夫でしょうか?」
今回は急なお茶会。以前とは違い隠せないだろう。誘わなくてもやってきそうだ……
「……いい案かもしれない。アンナ程度に言い負けるようであれば、そもそも正妃は無理だ。口惜しいが、王女は諦めるしかない。もしその逆なら……上手くいけばアンナと縁を切れるかもしれぬ」
陛下の言葉に、私たちはしばし黙り込む。しかし……
「陛下、それでも我が国のために国同士の問題にならぬようフォローは必須です」
意を決して陛下に伝える。
「そうだな」
陛下は深いため息をつき、そして強く頷いた。
「各々、明日に向けて気を引き締めよう」
「「はい」」
陛下の言葉に、真剣に頷きながら、明日に向けて心の準備を始めた。
*****
side シャルロット&エルミーヌ
「見た? エルミーヌ」
私たちは、目の前で繰り広げられた王太子と王女の様子を見ていた。
「見ましたわ、シャルロット」
少しの沈黙の後、シャルロットは冷静に答える。
「王太子、簡単に落ちたわね。可愛い令嬢が好みかと思っていたけど」
「ふふ、出会った瞬間、世界が煌めき出して、運命の人だと気づいたんじゃないでしょうか?」
シャルロットは、束の間の沈黙の後、肩をすくめ、軽く笑った。
「エルミーヌったら。記憶力がいいわね」
「王太子殿下に呆れるより、ここは、ロザリア王女を称賛するべきですわ」
シャルロットはうなずきながら、唇に弧を描いた。
「ええ、赤子の手をひねるが如くだったわね」
ダンスフロアの中央で踊る王太子とロザリア王女。二人の動きが鮮やかな調和を見せる様子に、周囲からは感嘆の溜め息が漏れた。
すごいわ、王太子のステップのミスを見事にカバーしている。
シャルロットが言葉を続ける。
「王太子、絶対アンナのことを忘れているわね」
思わず小さくうなずいた。
「アンナ様、睨んではおりますけど、お2人に近づきませんわね。王太子のファーストダンスですのに。何と言いくるめられているのでしょうか」
「ふふふ、ちゃんと座っているものね。私はてっきり怒ってホールに行くんじゃないかと思ったけど」
本当ですわね。
「ところで聞こえた? 明日お茶会ですって」
思わず顔を見合わせ、無意識に微笑んだ。
シャルロットの声が静かに響く。どこか興奮が抑えきれないような響きだ。
「王妃殿下達、声が大きかったですものね。よく聞こえました」
聞き耳を立てなくても、王妃殿下の声の大きさで内容がまるわかりだった。よっぽど嬉しかったのだろう。
シャルロットが、にやりと笑った。
「……お茶会、同席させてもらおうかしら?」
「ふふ、確かに。結末を見届けたいですわね。特等席で」
シャルロットは、少しだけ思案するような表情を見せる。
「押し込んでみる? 私たちに感謝しているだろうし、今なら王家から許可が簡単に出そうじゃない?」
「そうなると、公爵様から言ってもらうのが早いですわね」
そんな会話をしていると、王太子とロザリア王女のダンスが終わり、会場にひときわ大きな拍手が沸き上がった。
いったい、何なの? なんであんなに楽しそうにダンスを踊っているわけ?
心の中で、怒りがこみ上げる。クリストファー様は、笑顔で、何も気にせずに踊っている。
確かに、今日は、まだ婚約者ではない私と踊るわけにはいかないと聞いていた。でも、他の男性と仲良く話している私を見たくないから席から離れないでくれと言っていた。だから私はおとなしく座っていたのに!
少しは私に気を遣って、嫌そうな顔で踊ったらいいじゃない。そうすれば、私だって少しは安心できたはずなのに。
私の周りにいるお友達が、私を気の毒そうな目で見ているのを感じる。
ああ、なんて屈辱的なのかしら……。
ひどいわ、なんでこんな思いをするの。
ドレスだってそう。今日は伝統的な夜会だから、側妃様の伝統的なドレスをサイズ直しして着るように言われた。でも、シャルロット様とエルミーヌ様は全然、伝統的なドレスじゃないじゃない!
あんな素敵なドレス、初めて見たわ。彼女たちの姿を見た瞬間、胸がざわついた。あんな豪華なドレスを着ているなんて。
あの2人だって、ハンカチの布をお願いした時、今度この布でドレスを作るからご一緒にって言ってくれれば、私は快く頷いたのに……。
最近までハンカチを色々な人に自慢した私がばかみたい。ドレスと格が違うじゃない。
ドレスは残念ながら贈れないからと言って、クリストファー様から渡されたイヤリング……。こんな安物じゃあ、全然割が合わないわ。
…なんだかいろいろ納得がいかない。じっくり話を聞かないといけないわね。
そんな思いを胸に、私は無意識にイヤリングを指でなぞった。
どうにかしてこのざわめく不安を解消しなければならないわ。
*****
side 国王、王妃、側妃
「「陛下!」」
「おお、どうだった。早く教えてくれ」
王妃様はわずかに興奮を抑えながら、話を続ける。
「王女がもっと王太子と話をしたいって、ねえクラリス」
「はい! 明日王宮のお茶会に来てくださるそうです。急いで準備をしなくては」
陛下は満足げに頷いた。
「それで、手ごたえはどうだった?」
「はい、好感触でしたわ」
王妃様の顔に満足そうな微笑みが浮かぶ。
「そうですわね。ダンスをしている2人、とってもお似合いでしたわ」
胸の中で安堵が広がった。だが、すぐに思い出す。
「ダンス中、オセアリス王国の宰相様が来てくださって、明日共にいらっしゃるといっておりましたわ」
「宰相が! これは上手くいきそうだな」
そう言いながらも、陛下の目にちらりと不安が見え隠れする。
「しかし、忘れてはいないだろうな、アンナのことを」
「ええ、2人のダンスの様子を一部始終を見ていましたし」
王妃は口元を引き締め、心の中で何かを考えているようだった。
「今日は大人しく座っておりましたが、あの子が黙っているはずありませんもの」
「どうしましょう! 王女に生意気な口をきいたら……」
その言葉に、王妃の表情が一層険しくなる。
「困ったわ。婚約どころの話ではなくなる……」
そんな……。
2人で、焦っていると、考え込んでいた様子の陛下が、話し出す。
「王女にアンナのことは……いや、シャルロットたちが伝えていないわけがない。王女は知っていて明日王宮に来ると言っているのだ、きっと」
「王女は、とても賢そうに見えましたわ。いっそのこと、王女にアンナを任せてみたらどうでしょうか?」
王妃のその提案に、一瞬の沈黙が訪れる。私もその可能性について思いを巡らせるが……
「……王女にですか? アンナをお茶会に参加させるということですよね、大丈夫でしょうか?」
今回は急なお茶会。以前とは違い隠せないだろう。誘わなくてもやってきそうだ……
「……いい案かもしれない。アンナ程度に言い負けるようであれば、そもそも正妃は無理だ。口惜しいが、王女は諦めるしかない。もしその逆なら……上手くいけばアンナと縁を切れるかもしれぬ」
陛下の言葉に、私たちはしばし黙り込む。しかし……
「陛下、それでも我が国のために国同士の問題にならぬようフォローは必須です」
意を決して陛下に伝える。
「そうだな」
陛下は深いため息をつき、そして強く頷いた。
「各々、明日に向けて気を引き締めよう」
「「はい」」
陛下の言葉に、真剣に頷きながら、明日に向けて心の準備を始めた。
*****
side シャルロット&エルミーヌ
「見た? エルミーヌ」
私たちは、目の前で繰り広げられた王太子と王女の様子を見ていた。
「見ましたわ、シャルロット」
少しの沈黙の後、シャルロットは冷静に答える。
「王太子、簡単に落ちたわね。可愛い令嬢が好みかと思っていたけど」
「ふふ、出会った瞬間、世界が煌めき出して、運命の人だと気づいたんじゃないでしょうか?」
シャルロットは、束の間の沈黙の後、肩をすくめ、軽く笑った。
「エルミーヌったら。記憶力がいいわね」
「王太子殿下に呆れるより、ここは、ロザリア王女を称賛するべきですわ」
シャルロットはうなずきながら、唇に弧を描いた。
「ええ、赤子の手をひねるが如くだったわね」
ダンスフロアの中央で踊る王太子とロザリア王女。二人の動きが鮮やかな調和を見せる様子に、周囲からは感嘆の溜め息が漏れた。
すごいわ、王太子のステップのミスを見事にカバーしている。
シャルロットが言葉を続ける。
「王太子、絶対アンナのことを忘れているわね」
思わず小さくうなずいた。
「アンナ様、睨んではおりますけど、お2人に近づきませんわね。王太子のファーストダンスですのに。何と言いくるめられているのでしょうか」
「ふふふ、ちゃんと座っているものね。私はてっきり怒ってホールに行くんじゃないかと思ったけど」
本当ですわね。
「ところで聞こえた? 明日お茶会ですって」
思わず顔を見合わせ、無意識に微笑んだ。
シャルロットの声が静かに響く。どこか興奮が抑えきれないような響きだ。
「王妃殿下達、声が大きかったですものね。よく聞こえました」
聞き耳を立てなくても、王妃殿下の声の大きさで内容がまるわかりだった。よっぽど嬉しかったのだろう。
シャルロットが、にやりと笑った。
「……お茶会、同席させてもらおうかしら?」
「ふふ、確かに。結末を見届けたいですわね。特等席で」
シャルロットは、少しだけ思案するような表情を見せる。
「押し込んでみる? 私たちに感謝しているだろうし、今なら王家から許可が簡単に出そうじゃない?」
「そうなると、公爵様から言ってもらうのが早いですわね」
そんな会話をしていると、王太子とロザリア王女のダンスが終わり、会場にひときわ大きな拍手が沸き上がった。
2,049
あなたにおすすめの小説
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?
つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。
彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。
次の婚約者は恋人であるアリス。
アリスはキャサリンの義妹。
愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。
同じ高位貴族。
少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。
八番目の教育係も辞めていく。
王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。
だが、エドワードは知らなかった事がある。
彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。
他サイトにも公開中。
諦めていた自由を手に入れた令嬢
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢シャーロットは婚約者であるニコルソン王太子殿下に好きな令嬢がいることを知っている。
これまで二度、婚約解消を申し入れても国王夫妻に許してもらえなかったが、王子と隣国の皇女の婚約話を知り、三度目に婚約解消が許された。
実家からも逃げたいシャーロットは平民になりたいと願い、学園を卒業と同時に一人暮らしをするはずが、実家に知られて連れ戻されないよう、結婚することになってしまう。
自由を手に入れて、幸せな結婚まで手にするシャーロットのお話です。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる