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幼女と邪神とユキ
幼女と邪神とユキと屋台
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前線都市の門へ、いつも通りのメンバーで話しながら歩いていく。
石畳に足が触れるたび、森とは違う乾いた感触が靴裏から伝わる。門の上には見慣れた城壁、見慣れた旗。人の気配と魔力が入り混じった、街特有のざわつきが鼻の奥をくすぐった。
門の前まで来ると、門兵のおっちゃんが大きなあくびをしていた。
目が合った瞬間、慌てたように背筋を伸ばす。
「最近は暇そうなんだな」
「おー、いつぞやの。俺たち門兵が暇なのはいいことなんだぞ?」
「ひげ!」
肩車されているシロが、迷いなくおっちゃんの顔を指さした。
「おう、嬢ちゃん。最近伸ばし始めたんだ。似合ってるか?」
「んー、わかんない!」
おっちゃんが、がははと喉の奥から笑い声を響かせる。
その調子なら、当分この街も平和だろう。
「こっちの門はおっちゃんしか居ないんだな」
「そうだな。そもそもこっち側から来る奴らなんて、お前さんたちぐらいだ」
言われてみれば、門の向こうは延々と森だ。
整備された街道があるわけでもなく、普通の旅人が好んで通る場所ではない。
多分、この門は裏門のような扱いなのだろう。
俺たちはほぼ顔パス状態で、軽く会釈をして門をくぐる。
街の中に一歩足を踏み入れると、人の声や馬車の車輪の音、匂いの違いが一気に押し寄せてきた。
前回みたいに「ギルドに顔を出せ」とは言われなかったので、今回は必要な物だけ調達して、そのまま王都行きの足を探せばいい。
「にーに! くし!」
頭の上でシロが両手を上げて訴えてくる。
串焼きか。あの、前に食べたやつだな。そんな都合よく屋台が――
「そう都合よく屋台があるわけが……あったわ」
肉の焼ける匂いと香草の香りが、ちょうどいいタイミングで鼻を刺激した。
視線を向ければ、煙を上げながら肉を焼いている屋台が見える。肩の上のシロが、早く行けと言わんばかりに俺の頭をぺしぺし叩いた。
完全に鞭を入れられている馬の気分だ。
串肉の香草焼きの屋台まで歩いて行き、一人二本の計十本を注文する。
焼き上がった串を紙袋に詰めてもらい、礼を言ってその場を離れた。
皆に一本ずつ渡し、残りを袋ごと持ったまま、亜空間に仕舞っていた金貨の袋を取り出す。
「クレバス」
「にゃんじゃ?」
「王都方面って何で行くんだ? 徒歩か?」
「馬車を探すのじゃ。乗合か商人の護衛依頼で行くのが一般的じゃのう」
「そうか……」
乗合というのは、知らない奴らと一緒に乗る馬車だろう。
観光バスに乗るようなものだと考えればいい。
商人護衛の依頼で向かう場合は、気を遣う相手が依頼主だけで済む。
余計な揉め事さえ起こさなければ楽だろう。
護衛依頼を受けるとなると、冒険者ギルドに顔を出さないといけない。
少し面倒だが、足を確保するためには仕方がない。
前回来たときに覚えたルナの魔力の気配を頼りに、街の中を歩いていく。
焼きたての串焼きは、歩いている間に全員の口の中に消えていった。俺の分も、気が付けばシロの胃袋に収まっている。
左手でミドリを抱え、右手でユキと手を繋いでいるから、ゆっくり食べている暇もなかった。
「たのもー」
「もー!」
ギルドの前に着き、いつも通り足でドアを軽く蹴る。
結構な音を立てて扉が開き、中の視線が一斉にこちらに向いた。
受付カウンターのところで、ルナがこめかみを押さえて頭を抱えているのが見える。
「ねえ! もうちょっと静かに入ってこれないかな!?」
「あ、居た。王都に旅行がしたい。護衛の依頼はあるか?」
本題だけを伝えると、ルナはため息を一つ吐いてから書類棚の方へと向かった。
「たくさんあるけど……報酬はどのぐらいを望むの?」
そういえば、護衛って報酬をもらう側だったな。
王都まで連れて行ってもらう対価を払うんじゃなくて、その逆らしい。
「いくらでもいい。今日、王都に向かって出発できれば問題ない」
「あー……じゃあ訳ありの緊急依頼が一つあるよ。はい」
ルナから差し出された依頼書を受け取る。
内容は、王都までの護衛。報酬は金貨二百枚。
数字を二度見する。
二百枚というのは、どう考えても多い。
前に聞いた換算だと、白金貨一枚で金貨百枚だったはずだ。
つまり、白金貨二枚ぶん。相当な金額だ。
「金貨二百枚は多くないか?」
「多いよー。その分危険ってこと。顔も見せない二人組だったから訳ありなんじゃないかな?」
「つまり、何者かに追われているってことじゃろう」
横からクレバスが口を挟む。
追っ手持ちの身分か、犯罪者か、何か厄介な理由があるのは間違いない。
「そうか。特に気にすることはないな」
馬車に乗っている間に、こっちに明確な敵意を向けてきたやつから順番に始末すればいい。
やることはいつも通りだ。
「受けるならその依頼書とコレ持って正門に向かってね」
「分かった、助かる」
ルナから小さな板切れのような物も渡された。
表面には、見覚えのある文字で俺の名前が彫られている。
会員証か身分証みたいなものだろう。
そう解釈してポケットにしまう。
「じゃーねー!」
「またのう!」
シロが元気よく手を振り、ルナもひらひらと振り返す。
ギルドを後にしながら、依頼書とカードをもう一度確認する。
王都行きの馬車は正門側から出る。
目的地は決まった。あとは、旅を始めるだけだ。
石畳に足が触れるたび、森とは違う乾いた感触が靴裏から伝わる。門の上には見慣れた城壁、見慣れた旗。人の気配と魔力が入り混じった、街特有のざわつきが鼻の奥をくすぐった。
門の前まで来ると、門兵のおっちゃんが大きなあくびをしていた。
目が合った瞬間、慌てたように背筋を伸ばす。
「最近は暇そうなんだな」
「おー、いつぞやの。俺たち門兵が暇なのはいいことなんだぞ?」
「ひげ!」
肩車されているシロが、迷いなくおっちゃんの顔を指さした。
「おう、嬢ちゃん。最近伸ばし始めたんだ。似合ってるか?」
「んー、わかんない!」
おっちゃんが、がははと喉の奥から笑い声を響かせる。
その調子なら、当分この街も平和だろう。
「こっちの門はおっちゃんしか居ないんだな」
「そうだな。そもそもこっち側から来る奴らなんて、お前さんたちぐらいだ」
言われてみれば、門の向こうは延々と森だ。
整備された街道があるわけでもなく、普通の旅人が好んで通る場所ではない。
多分、この門は裏門のような扱いなのだろう。
俺たちはほぼ顔パス状態で、軽く会釈をして門をくぐる。
街の中に一歩足を踏み入れると、人の声や馬車の車輪の音、匂いの違いが一気に押し寄せてきた。
前回みたいに「ギルドに顔を出せ」とは言われなかったので、今回は必要な物だけ調達して、そのまま王都行きの足を探せばいい。
「にーに! くし!」
頭の上でシロが両手を上げて訴えてくる。
串焼きか。あの、前に食べたやつだな。そんな都合よく屋台が――
「そう都合よく屋台があるわけが……あったわ」
肉の焼ける匂いと香草の香りが、ちょうどいいタイミングで鼻を刺激した。
視線を向ければ、煙を上げながら肉を焼いている屋台が見える。肩の上のシロが、早く行けと言わんばかりに俺の頭をぺしぺし叩いた。
完全に鞭を入れられている馬の気分だ。
串肉の香草焼きの屋台まで歩いて行き、一人二本の計十本を注文する。
焼き上がった串を紙袋に詰めてもらい、礼を言ってその場を離れた。
皆に一本ずつ渡し、残りを袋ごと持ったまま、亜空間に仕舞っていた金貨の袋を取り出す。
「クレバス」
「にゃんじゃ?」
「王都方面って何で行くんだ? 徒歩か?」
「馬車を探すのじゃ。乗合か商人の護衛依頼で行くのが一般的じゃのう」
「そうか……」
乗合というのは、知らない奴らと一緒に乗る馬車だろう。
観光バスに乗るようなものだと考えればいい。
商人護衛の依頼で向かう場合は、気を遣う相手が依頼主だけで済む。
余計な揉め事さえ起こさなければ楽だろう。
護衛依頼を受けるとなると、冒険者ギルドに顔を出さないといけない。
少し面倒だが、足を確保するためには仕方がない。
前回来たときに覚えたルナの魔力の気配を頼りに、街の中を歩いていく。
焼きたての串焼きは、歩いている間に全員の口の中に消えていった。俺の分も、気が付けばシロの胃袋に収まっている。
左手でミドリを抱え、右手でユキと手を繋いでいるから、ゆっくり食べている暇もなかった。
「たのもー」
「もー!」
ギルドの前に着き、いつも通り足でドアを軽く蹴る。
結構な音を立てて扉が開き、中の視線が一斉にこちらに向いた。
受付カウンターのところで、ルナがこめかみを押さえて頭を抱えているのが見える。
「ねえ! もうちょっと静かに入ってこれないかな!?」
「あ、居た。王都に旅行がしたい。護衛の依頼はあるか?」
本題だけを伝えると、ルナはため息を一つ吐いてから書類棚の方へと向かった。
「たくさんあるけど……報酬はどのぐらいを望むの?」
そういえば、護衛って報酬をもらう側だったな。
王都まで連れて行ってもらう対価を払うんじゃなくて、その逆らしい。
「いくらでもいい。今日、王都に向かって出発できれば問題ない」
「あー……じゃあ訳ありの緊急依頼が一つあるよ。はい」
ルナから差し出された依頼書を受け取る。
内容は、王都までの護衛。報酬は金貨二百枚。
数字を二度見する。
二百枚というのは、どう考えても多い。
前に聞いた換算だと、白金貨一枚で金貨百枚だったはずだ。
つまり、白金貨二枚ぶん。相当な金額だ。
「金貨二百枚は多くないか?」
「多いよー。その分危険ってこと。顔も見せない二人組だったから訳ありなんじゃないかな?」
「つまり、何者かに追われているってことじゃろう」
横からクレバスが口を挟む。
追っ手持ちの身分か、犯罪者か、何か厄介な理由があるのは間違いない。
「そうか。特に気にすることはないな」
馬車に乗っている間に、こっちに明確な敵意を向けてきたやつから順番に始末すればいい。
やることはいつも通りだ。
「受けるならその依頼書とコレ持って正門に向かってね」
「分かった、助かる」
ルナから小さな板切れのような物も渡された。
表面には、見覚えのある文字で俺の名前が彫られている。
会員証か身分証みたいなものだろう。
そう解釈してポケットにしまう。
「じゃーねー!」
「またのう!」
シロが元気よく手を振り、ルナもひらひらと振り返す。
ギルドを後にしながら、依頼書とカードをもう一度確認する。
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