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第三章 邪神教団と魔王
第十七話 更なる進化神魔族
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ロディアスたち勇者パーティーがギルドを発ち、数日。
ティアは、なぜか心が落ち着かなかった。
(……あの馬鹿勇者がいなくなっただけなのに、なんでこんなに胸がザワつくのよ)
書類を捌いていても、笑顔で冒険者を送り出していても、ふとした瞬間に胸の奥からモヤモヤが込み上げてくる。
それは怒りとも違い、焦りとも違い……正体不明の違和感。
「……休み、ください」
ついにギルド長の机に休暇願を叩きつけるように置き、ティアは一週間の休暇を勝ち取った。
⸻
そして深夜。
そのモヤモヤを吹き飛ばすべく、ティアとセリア達は剣と魔法を携えてダンジョンへ向かった。
無数の魔物たちが、彼女のヤケクソな戦い方の餌食となる。
「うおぉぉぉッ! ……って、あぁもう、まだ足りない!」
魔物の群れを一撃で吹き飛ばし、奥へ奥へと進む。
日を追うごとに戦いは激化し、気づけばティアのレベルは伝説の限界値――999に到達していた。
(……なのに。スッキリしない……!)
⸻
モヤモヤの答えを求め、ティアは賢者が住む山奥の隠れ家を訪れた。
ギルドの書庫で偶然見つけた資料に長命のエルフの賢者が住んでいると言うものだった。
そこには、長命の賢者ラストルが待っていた。
「ほう……珍しいな、人間ではない者が来るとは」
「ラストルと言うのはあなたですか?」
「おお、そうじゃが、何か困り事か?」
「わからないのです。
この胸の苦しみ……なんでしょか?」
ティアは珍しく弱々しい声を出す。
ラストルは一瞬黙り、じっとティアの瞳を覗き込んだ。
「……ん、それは“愛情”というやつじゃな」
「……は?」
ティアは目を瞬かせる。
「人間が持つ、人を想う心じゃ。
……そなた、誰かに心を動かされおったな?」
「……っ、なっ、なに言ってるのよ!
そんなはず……」
否定の言葉を口にするより早く、ティアの胸から温かな光が広がった。
その光は全身を包み込み、やがて眩い輝きとなって空を照らす。
⸻
光が収まったとき、そこに立っていたのは――
漆黒の魔王の気配と、神々しい輝きを同時にまとう存在。
「……これは…。」
ラストルが目を細め、感嘆の息を漏らす。
「そなた魔族じゃな。
魔族は人間のような愛情を必要としない。
故にわからないのだ。
そのひかりと暖かさは神の真理に触れた魔族がたどり着く、唯一無二の境地じゃ」
ティアは手を握りしめ、胸の奥にまだ残る熱を感じながら呟いた。
「……これが、愛情……?」
ティアの体を包む光は、もはや常夜の山奥を白昼に変えるほどの輝きだった。
天を裂くような雷鳴が轟き、大地は震え、空には無数の魔法陣が浮かび上がる。
「――ッ!」
ティアは息を呑む。
光の中、黒い魔力の奔流と、金色の神気が渦を巻いて交わり始めた。
それはまるで、互いを滅ぼし合うはずの二つの力が、奇跡的な均衡で一つに融合していくかのようだった。
――カンッ……!
透明な音が響き、背中からは漆黒と純白、左右異なる二対の翼がゆっくりと広がった。
髪は腰まで流れる銀白に染まり、その先端は夜空のように黒く溶けている。
瞳は片方が蒼く、もう片方が紅く輝き、その視線を受けたものは一瞬で息を詰まらせるほど。
ドレスのような蒼白の衣が光と闇の紋様で覆われ、腰には金の飾りが浮遊するように回っていた。
足元の大地には蓮の花にも似た魔法陣が咲き、そこから神聖と魔性、相反する香りが立ち昇る。
「……っ、これは……!」
ティアの視界に、突如として浮かぶ文字――
≪種族:神魔ミサナミ・ヘルエル≫
≪レベル:999 → 2000≫
限界を越えたその瞬間、ティアの体から解き放たれる圧は、世界そのものを一瞬ひざまずかせるようだった。
風は彼女を中心に奔流となって吹き荒れ、夜空を覆っていた雲は一掃され、星々が顔を出す。
「……これが、私……?、神魔族…。」
胸に手を当てるティア。
その鼓動は、確かにかつての魔王の冷たいそれではなく――
人間のように温かく、しかし神をも震えさせる力強さを帯びていた。
「お主……とんでもない化け物に進化したのう」
ラストルは冗談めかして笑いながらも、その目は驚きと畏怖を隠せない。
ティアは小さく笑い、しかしその瞳の奥には新たな決意の光が宿っていた。
「……この力、あの馬鹿勇者のために使うなんて、まっぴらよ」
そう口では言いつつも、胸の奥の熱は静かに燃え続けていた――。
ティアが神魔族へと進化したその力は、彼女の魂に繋がる全ての者へ伝播していった。
セリアは空を仰ぎ、眩しさに目を細めながら呟く。
「……これは……主の力……!」
次の瞬間、セリアの背にあった漆黒の翼が純白と混じり、羽先は虹色に輝きだした。
銀の鎧には金の神紋が刻まれ、瞳は宝石のように輝く二色の光を放つ。
彼女の気配は、もはや副翼ではなく、神翼と呼ぶにふさわしい。
カインは胸を押さえ、思わず膝をつく。
彼の大剣が宙に浮き、黒と白の刃に姿を変えた。
その体には古代神話のような紋様が浮かび、筋肉は魔力で脈打っている。
「……悪くねぇ……これが、神魔族……か」
彼の口元には戦士としての高揚が宿っていた。
リシェルとルシェルの双子もまた、互いの手を握り合うと、二人の間から巨大な光輪が生まれる。
その瞬間、双子の魔力が完全に同調し、白と黒の双剣が彼女たちの背に浮遊する。
「リシェル……!」「ルシェル……!」
言葉を交わすたび、魔力の波動が周囲を震わせる。
セリア達はその場に跪きユスティティアへの忠誠を深く心に刻んだ。
だが、その変化はまだ終わらなかった。
空間の奥底から、漆黒の渦が現れる。
渦の中心から、一本の剣がゆっくりと姿を現した。
刀身は半分が聖なる光を宿す純白、半分が闇を凝縮した漆黒。
その境界は曖昧で、光と闇が脈打つように互いを侵食し続けている。
その名は――神魔の剣(レーヴァティン)
握った瞬間、脳裏に直接、剣の意思が流れ込んできた。
「我は概念を焼き払い、存在を灰と化す。主よ、その命ずるままに――」
剣に宿る特有スキルは**「殲滅の業火」**。
発動すれば、触れたものの物理的な形も、時間も、記憶すらも無視し、世界から「在る」という事実を消し去る。
それは神であろうと悪魔であろうと、例外なく呑み込む完全消滅の力。
握るだけで、周囲の空間がきしみ、地平線の先まで走る亀裂が広がった。
遠く魔界の城壁が一瞬揺れ、魔力に敏感な者たちは一斉に震え上がる。
「……これが、私の力」
ユスティティアの微笑みは静かで、それでいて底知れぬ威圧感を放っていた。
進化と忠誠の儀を終えた後、ユスティティアはギルドに出していた休暇をまだ数日残していた。
「……ちょうどいい、魔界に顔を出しておくか」
燭滅の剣を収め、転移の魔法陣を踏む。次の瞬間、重厚な魔界の空気が肌を打った。
玉座に戻るや否や、彼女は臣下たちに命じる。
「七魔王を召集せよ――魔王会議を開く」
◆
巨大な円卓の間。七つの椅子に、それぞれ威圧感あふれる魔王たちが座す。
強欲の魔王ガルディアン、暴食の魔王グラトーラ、色欲の魔王ヴェリアン、嫉妬の魔王イラエル、嫉妬の魔王イラエル、かつての旧友である傲慢の魔王アルセリオスもいる。
ユスティティアは立ち上がり、邪神教団の調査で得られた情報を淡々と報告していく。
麻薬工場の殲滅は。
「邪神教団は麻薬工場で人間を魔物に変化させる薬を作っていた。
魔物を凶暴化して邪神復活から世間の目を背けるのが目的だったみたいね。
でも、私達が工場を殲滅して、勇者達に知られて、ギルドも動き出した。
今頃、邪神教団は慌てているだろう。
それを証拠に幹部らしき四邪王と名乗る者を刺客として差し向けてきた。」
「中々面白い展開になったな。」
ガルディアンがニヤリとして私を見る。
「勇者パーティーへの調査依頼が出て邪神教団の壊滅に向かっている」
そのすべてを、冷徹な口調で並べる。
だが、報告が終わった瞬間――。
「……で? 勇者とデートしたってのは、その報告に入らないのか?」
アリセリオスが、にやにやと口角を上げた。
「なッ――なぜそれを……!」
ユスティティアの表情が、思わずほころぶどころか一瞬ひきつった。
強欲の魔王ガルディアンが肘をつきながら笑う。
「ははっ、こっちはもっと詳しく聞きたいもんだな。どこ行った? 何食った? 手は繋いだのか?」
暴食の魔王グラトーラまで頬に手を当ててくすくす笑う。
「しかも助けられたって話も聞いたわ。
あの鉄面皮の貴女が、“ありがとう”なんて言ったんですって?」
「……っ!」
ユスティティアは思わず神魔の剣の柄に手をかける。
するとガルディアンが慌てて両手を上げた。
「お、おちつけ! ここで概念ごと消滅させられたくはない!」
アリセリオスは満面の笑みで締めくくる。
「まぁまぁ、我らが大魔王殿が人間に好かれるなんざ、千年に一度の珍事だ。
祝ってやるよ」
玉座に座り直したユスティティアは、こめかみを押さえながら深いため息をついた。
「……この会議、もう解散だ」
ティアは、なぜか心が落ち着かなかった。
(……あの馬鹿勇者がいなくなっただけなのに、なんでこんなに胸がザワつくのよ)
書類を捌いていても、笑顔で冒険者を送り出していても、ふとした瞬間に胸の奥からモヤモヤが込み上げてくる。
それは怒りとも違い、焦りとも違い……正体不明の違和感。
「……休み、ください」
ついにギルド長の机に休暇願を叩きつけるように置き、ティアは一週間の休暇を勝ち取った。
⸻
そして深夜。
そのモヤモヤを吹き飛ばすべく、ティアとセリア達は剣と魔法を携えてダンジョンへ向かった。
無数の魔物たちが、彼女のヤケクソな戦い方の餌食となる。
「うおぉぉぉッ! ……って、あぁもう、まだ足りない!」
魔物の群れを一撃で吹き飛ばし、奥へ奥へと進む。
日を追うごとに戦いは激化し、気づけばティアのレベルは伝説の限界値――999に到達していた。
(……なのに。スッキリしない……!)
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モヤモヤの答えを求め、ティアは賢者が住む山奥の隠れ家を訪れた。
ギルドの書庫で偶然見つけた資料に長命のエルフの賢者が住んでいると言うものだった。
そこには、長命の賢者ラストルが待っていた。
「ほう……珍しいな、人間ではない者が来るとは」
「ラストルと言うのはあなたですか?」
「おお、そうじゃが、何か困り事か?」
「わからないのです。
この胸の苦しみ……なんでしょか?」
ティアは珍しく弱々しい声を出す。
ラストルは一瞬黙り、じっとティアの瞳を覗き込んだ。
「……ん、それは“愛情”というやつじゃな」
「……は?」
ティアは目を瞬かせる。
「人間が持つ、人を想う心じゃ。
……そなた、誰かに心を動かされおったな?」
「……っ、なっ、なに言ってるのよ!
そんなはず……」
否定の言葉を口にするより早く、ティアの胸から温かな光が広がった。
その光は全身を包み込み、やがて眩い輝きとなって空を照らす。
⸻
光が収まったとき、そこに立っていたのは――
漆黒の魔王の気配と、神々しい輝きを同時にまとう存在。
「……これは…。」
ラストルが目を細め、感嘆の息を漏らす。
「そなた魔族じゃな。
魔族は人間のような愛情を必要としない。
故にわからないのだ。
そのひかりと暖かさは神の真理に触れた魔族がたどり着く、唯一無二の境地じゃ」
ティアは手を握りしめ、胸の奥にまだ残る熱を感じながら呟いた。
「……これが、愛情……?」
ティアの体を包む光は、もはや常夜の山奥を白昼に変えるほどの輝きだった。
天を裂くような雷鳴が轟き、大地は震え、空には無数の魔法陣が浮かび上がる。
「――ッ!」
ティアは息を呑む。
光の中、黒い魔力の奔流と、金色の神気が渦を巻いて交わり始めた。
それはまるで、互いを滅ぼし合うはずの二つの力が、奇跡的な均衡で一つに融合していくかのようだった。
――カンッ……!
透明な音が響き、背中からは漆黒と純白、左右異なる二対の翼がゆっくりと広がった。
髪は腰まで流れる銀白に染まり、その先端は夜空のように黒く溶けている。
瞳は片方が蒼く、もう片方が紅く輝き、その視線を受けたものは一瞬で息を詰まらせるほど。
ドレスのような蒼白の衣が光と闇の紋様で覆われ、腰には金の飾りが浮遊するように回っていた。
足元の大地には蓮の花にも似た魔法陣が咲き、そこから神聖と魔性、相反する香りが立ち昇る。
「……っ、これは……!」
ティアの視界に、突如として浮かぶ文字――
≪種族:神魔ミサナミ・ヘルエル≫
≪レベル:999 → 2000≫
限界を越えたその瞬間、ティアの体から解き放たれる圧は、世界そのものを一瞬ひざまずかせるようだった。
風は彼女を中心に奔流となって吹き荒れ、夜空を覆っていた雲は一掃され、星々が顔を出す。
「……これが、私……?、神魔族…。」
胸に手を当てるティア。
その鼓動は、確かにかつての魔王の冷たいそれではなく――
人間のように温かく、しかし神をも震えさせる力強さを帯びていた。
「お主……とんでもない化け物に進化したのう」
ラストルは冗談めかして笑いながらも、その目は驚きと畏怖を隠せない。
ティアは小さく笑い、しかしその瞳の奥には新たな決意の光が宿っていた。
「……この力、あの馬鹿勇者のために使うなんて、まっぴらよ」
そう口では言いつつも、胸の奥の熱は静かに燃え続けていた――。
ティアが神魔族へと進化したその力は、彼女の魂に繋がる全ての者へ伝播していった。
セリアは空を仰ぎ、眩しさに目を細めながら呟く。
「……これは……主の力……!」
次の瞬間、セリアの背にあった漆黒の翼が純白と混じり、羽先は虹色に輝きだした。
銀の鎧には金の神紋が刻まれ、瞳は宝石のように輝く二色の光を放つ。
彼女の気配は、もはや副翼ではなく、神翼と呼ぶにふさわしい。
カインは胸を押さえ、思わず膝をつく。
彼の大剣が宙に浮き、黒と白の刃に姿を変えた。
その体には古代神話のような紋様が浮かび、筋肉は魔力で脈打っている。
「……悪くねぇ……これが、神魔族……か」
彼の口元には戦士としての高揚が宿っていた。
リシェルとルシェルの双子もまた、互いの手を握り合うと、二人の間から巨大な光輪が生まれる。
その瞬間、双子の魔力が完全に同調し、白と黒の双剣が彼女たちの背に浮遊する。
「リシェル……!」「ルシェル……!」
言葉を交わすたび、魔力の波動が周囲を震わせる。
セリア達はその場に跪きユスティティアへの忠誠を深く心に刻んだ。
だが、その変化はまだ終わらなかった。
空間の奥底から、漆黒の渦が現れる。
渦の中心から、一本の剣がゆっくりと姿を現した。
刀身は半分が聖なる光を宿す純白、半分が闇を凝縮した漆黒。
その境界は曖昧で、光と闇が脈打つように互いを侵食し続けている。
その名は――神魔の剣(レーヴァティン)
握った瞬間、脳裏に直接、剣の意思が流れ込んできた。
「我は概念を焼き払い、存在を灰と化す。主よ、その命ずるままに――」
剣に宿る特有スキルは**「殲滅の業火」**。
発動すれば、触れたものの物理的な形も、時間も、記憶すらも無視し、世界から「在る」という事実を消し去る。
それは神であろうと悪魔であろうと、例外なく呑み込む完全消滅の力。
握るだけで、周囲の空間がきしみ、地平線の先まで走る亀裂が広がった。
遠く魔界の城壁が一瞬揺れ、魔力に敏感な者たちは一斉に震え上がる。
「……これが、私の力」
ユスティティアの微笑みは静かで、それでいて底知れぬ威圧感を放っていた。
進化と忠誠の儀を終えた後、ユスティティアはギルドに出していた休暇をまだ数日残していた。
「……ちょうどいい、魔界に顔を出しておくか」
燭滅の剣を収め、転移の魔法陣を踏む。次の瞬間、重厚な魔界の空気が肌を打った。
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「七魔王を召集せよ――魔王会議を開く」
◆
巨大な円卓の間。七つの椅子に、それぞれ威圧感あふれる魔王たちが座す。
強欲の魔王ガルディアン、暴食の魔王グラトーラ、色欲の魔王ヴェリアン、嫉妬の魔王イラエル、嫉妬の魔王イラエル、かつての旧友である傲慢の魔王アルセリオスもいる。
ユスティティアは立ち上がり、邪神教団の調査で得られた情報を淡々と報告していく。
麻薬工場の殲滅は。
「邪神教団は麻薬工場で人間を魔物に変化させる薬を作っていた。
魔物を凶暴化して邪神復活から世間の目を背けるのが目的だったみたいね。
でも、私達が工場を殲滅して、勇者達に知られて、ギルドも動き出した。
今頃、邪神教団は慌てているだろう。
それを証拠に幹部らしき四邪王と名乗る者を刺客として差し向けてきた。」
「中々面白い展開になったな。」
ガルディアンがニヤリとして私を見る。
「勇者パーティーへの調査依頼が出て邪神教団の壊滅に向かっている」
そのすべてを、冷徹な口調で並べる。
だが、報告が終わった瞬間――。
「……で? 勇者とデートしたってのは、その報告に入らないのか?」
アリセリオスが、にやにやと口角を上げた。
「なッ――なぜそれを……!」
ユスティティアの表情が、思わずほころぶどころか一瞬ひきつった。
強欲の魔王ガルディアンが肘をつきながら笑う。
「ははっ、こっちはもっと詳しく聞きたいもんだな。どこ行った? 何食った? 手は繋いだのか?」
暴食の魔王グラトーラまで頬に手を当ててくすくす笑う。
「しかも助けられたって話も聞いたわ。
あの鉄面皮の貴女が、“ありがとう”なんて言ったんですって?」
「……っ!」
ユスティティアは思わず神魔の剣の柄に手をかける。
するとガルディアンが慌てて両手を上げた。
「お、おちつけ! ここで概念ごと消滅させられたくはない!」
アリセリオスは満面の笑みで締めくくる。
「まぁまぁ、我らが大魔王殿が人間に好かれるなんざ、千年に一度の珍事だ。
祝ってやるよ」
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