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第三章 邪神教団と魔王
第二十三話 決着、そして永遠に愛を
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復活を果たした不完全な邪神イャルドラは、滴る闇を纏いながらユスティティアを睨み据えた。
「……ほう。
人間ではないな……その姿……魔王……?
なぜ我が顕現の時に、お前のような存在がここにいる?」
圧のこもった声が空間を震わせる。
しかしユスティティアは、一歩も引かず、淡々と返した。
「本当は、復活する前に阻止したかった。
……でも、間に合わなかったわね。」
その声音は氷のように冷ややか。
だが、続く言葉には微かな温もりが宿っていた。
「あなたが復活すれば、魔界にも人間界にも大きな影響が出る。
……それに、この世界には──」
ユスティティアは一瞬言葉を飲み込み、胸に手を当てた。
脈打つ鼓動が、魔王としての彼女を戸惑わせる。
「……大事な人が出来たから。」
その瞳が揺れた。
自分の口から紡がれた言葉に、ユスティティア自身が驚いていた。
かつて人間だった頃には決して口にしなかった、弱さにも似た感情。
毒舌でごまかし、冷徹で覆い隠してきた“本心”。
──それが、今はただ真実として胸の奥から零れ落ちていた。
ユスティティアは蒼紅の瞳を細め、再び冷たい威光を纏う。
「……だから悪いけど、ここで消滅してもらうわ。」
その言葉は刃のように鋭く、しかしどこか震えるような優しさを帯びて響いた。
不完全ながら復活した邪神イャルドラは、黒い霧のような魔力を吐き出しながら高笑いした。
「ククク……魔王よ!
この世界に“大事な人間”だと?
貴様ほどの存在が、脆弱な人間ごときを想うとは──哀れ! 滑稽よ!」
空間そのものを震わせるような嘲笑が広がる。
だが、ユスティティアは表情を変えず、冷ややかな眼差しで返した。
「……あなたには、わからないでしょうね。」
ただ静かに、しかし絶対に揺るがぬ言葉だった。
その瞬間、邪神は逆上したかのように巨大な魔腕を振るい、祭壇を砕きながらユスティティアへ襲いかかる。
闇を濃縮した刃が幾重にも放たれ、地を裂き、空気を焼き尽くす。
ユスティティアは神魔の剣を構え、無数の斬撃でそれを迎え撃つ。
「……消えなさい!」
剣が振るわれるたびに光と闇が激突し、轟音と閃光が本拠地を包んだ。
神魔族の魔王と、復活した邪神──世界の均衡すら揺るがす戦闘が始まったのだ。
その頃、セリア、カイン、リシェル、ルシェル達はユスティティアの命を受けて、本拠地の外で災槍王バルザーク、幻毒王リュミエール、深淵王オルガルドの四邪王の3人と戦闘になっていた。
ユスティティアが邪神との戦闘に集中出来るように3人を纏めて引き付けていた。
「邪神様が復活されたぞ!」
「我らが主が、お前達の神を滅ぼすだろう。」セリアは剣をバルザークに向けて構えた。
「我らが神は永遠だ」
「ほざけ!」カインがリュミエールとの闘いに突入する。
「我が主は負けないもん」ルシェル、リシェルもオルガルドと戦闘体制に入った。
そして──
「……っ! この魔力……まさか……!」
邪神教団の本拠地に到達したロディアスが、その場に踏み込んだ。
視界に飛び込んできたのは、神魔の剣を振るうユスティティアの姿と、凶悪な邪神の影。
「ティア……! いや、あれは……!」
ロディアスは目を見開き、ただひたすら戦場を凝視した。
神魔の剣と邪神の闇腕が激突し、轟音と衝撃波が大地を揺るがす。
互いに一歩も譲らぬ攻防の末、ユスティティアと邪神イャルドラは一旦距離を取り、にらみ合った。
その刹那。
ロディアスの胸に、言葉にできぬ確信が走った。
(あれは……ティア……!
姿は違えど、あの剣を振るう意志、目の光……間違いない!)
迷いが怒りに変わる。
彼はただ見ていることに耐えられなかった。
「ティアを……俺の大事な人を傷つけるなぁぁぁぁ!!!」
叫びと共に、ロディアスは勇者の剣を構え、一気に跳躍。
渾身の斬撃を邪神に叩き込んだ。
刹那、勇者の体から膨大な光が噴き出す。
【固有スキル──神魔転換力(シンマテンカンリキ)発動】
邪神が振り下ろした闇の腕が勇者の光に触れた瞬間、力の均衡が反転する。
相手が強大であればあるほど、勇者自身がさらに上回る──理不尽な力の発動。
「な、何だと……!? 我が力を……上回るだと!?」
邪神イャルドラが驚愕に歪む。
ロディアスの剣閃は闇を切り裂き、邪神の巨体を後退させた。
「ティアに刃を向けたこと、後悔させてやる!」
怒りと愛情を力に変えた勇者の一撃は、ユスティティアすら目を見開くほどの輝きを放っていた。
突然のロディアス乱入に、ユスティティアの蒼紅の瞳が大きく見開かれた。
勇者ロディアス──彼の光の斬撃は、邪神イャルドラをすら後退させている。
「ロディアス……!」
思わずその名を呼ぶ自分に、ユスティティアはわずかに驚き、胸の奥がざわつく。
その直後、遅れて駆けつけた三つの影。
勇者パーティーの仲間たちが祭壇の間に現れた。
「もう! ロディアス! 待ってよ! いつもこうなんだから!」
アリスが憤慨しつつ駆け寄り、
マイクは肩をすくめて、槍をひらひらと振りながら、
「ったく、もうやっちゃってるよ。俺の出番あるのか?」と苦笑。
老魔導士パスティーは、冷静に状況を見極め、長い髭を撫でながら呟く。
「ホーホホ……邪神は復活しおったか。それにしても、あの麗しき翼を持つ者は何者じゃ?」
仲間が揃った瞬間、ロディアスの身体からさらに異質な輝きが噴き上がった。
それは勇者のみが持つ最終境地。
【勇者スキル──超越者(ちょうえつしゃ)発動】
大切な仲間、大切な人が危機に陥った時だけ発動する奇跡の領域。
戦闘力、身体能力、感知能力、再生力、あらゆる耐性……そのすべてが極限を超えて跳ね上がる。
「な、なにィ!? この小僧……! 力が……膨れ上がっていく!」
邪神イャルドラが目を剥き、凶悪な気配をさらに解き放つ。
ユスティティアはその姿を見つめ、わずかに笑みを浮かべた。
「……ロディアス。私も戦うわ」
振り返りざま、真剣な眼差しで彼を見据える。
「終わったら……二人きりで話がしたい」
「……ああ、二人きりで話そう」
互いの言葉は短く、それだけで十分だった。
神魔魔王と勇者が並び立ち、圧倒的な存在感を放ちながら邪神へと相対する。
その光景に、アリスたち仲間すら息を呑むのだった。
世界を揺るがす咆哮が、祭壇を震わせる。
異形の邪神イャルドラが狂気の瞳を無数に開き、全てを飲み込もうと迫りくる。
その前に、勇者ロディアスが静かに剣を構えた。
白い光が全身から立ち上がり、空間そのものを塗り替えていく。
「この世界も、大切な仲間も……そして愛する人も。
俺は、まとめて全部守る。
それが――勇者だ。
せっかく復活したのに悪いな……次で終わらせる!」
その瞬間、ロディアスの瞳に光が宿る。
――勇者固有スキル【根源眼】。
敵の存在そのものを暴き、急所を見抜く眼。
そしてそこへ必滅の一撃を叩き込むための技。
「勇者スキル――【根元滅殺斬】!」
白光の奔流が剣先に凝縮し、邪神の根源へと突き刺さる。
一方、ユスティティアもまた血に濡れた神魔の剣を掲げる。
その紅の雫が剣身を走るたび、狂気と慈愛が渦を巻き、光と闇が一つになる。
「私のすべてを捧げる……!
――【狂気と慈愛の殲滅】!」
神魔の剣から迸るのは、怒りにも似た慈愛の炎。
それは決して消えぬ殲滅の業火となり、邪神を包み込む。
二人の必殺が同時に放たれた瞬間――。
光と炎が交差し、世界そのものを裂くほどの衝撃が走った。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」
邪神イャルドラの断末魔が響き渡る。
幾重にも重なる防壁を破られ、根源を抉り取られ、業火に焼かれ……存在そのものが塵と化していく。
――そして、完全なる消滅。
黒き祭壇は崩れ、夜の闇を裂くように光が空を駆け抜けた。
邪神がいた痕跡すら残らず、ただ二人の戦士の呼吸だけがそこに響いていた。
勇者と魔王。
互いに一瞬だけ視線を交わし、そして深い静寂が訪れる――。
「……ほう。
人間ではないな……その姿……魔王……?
なぜ我が顕現の時に、お前のような存在がここにいる?」
圧のこもった声が空間を震わせる。
しかしユスティティアは、一歩も引かず、淡々と返した。
「本当は、復活する前に阻止したかった。
……でも、間に合わなかったわね。」
その声音は氷のように冷ややか。
だが、続く言葉には微かな温もりが宿っていた。
「あなたが復活すれば、魔界にも人間界にも大きな影響が出る。
……それに、この世界には──」
ユスティティアは一瞬言葉を飲み込み、胸に手を当てた。
脈打つ鼓動が、魔王としての彼女を戸惑わせる。
「……大事な人が出来たから。」
その瞳が揺れた。
自分の口から紡がれた言葉に、ユスティティア自身が驚いていた。
かつて人間だった頃には決して口にしなかった、弱さにも似た感情。
毒舌でごまかし、冷徹で覆い隠してきた“本心”。
──それが、今はただ真実として胸の奥から零れ落ちていた。
ユスティティアは蒼紅の瞳を細め、再び冷たい威光を纏う。
「……だから悪いけど、ここで消滅してもらうわ。」
その言葉は刃のように鋭く、しかしどこか震えるような優しさを帯びて響いた。
不完全ながら復活した邪神イャルドラは、黒い霧のような魔力を吐き出しながら高笑いした。
「ククク……魔王よ!
この世界に“大事な人間”だと?
貴様ほどの存在が、脆弱な人間ごときを想うとは──哀れ! 滑稽よ!」
空間そのものを震わせるような嘲笑が広がる。
だが、ユスティティアは表情を変えず、冷ややかな眼差しで返した。
「……あなたには、わからないでしょうね。」
ただ静かに、しかし絶対に揺るがぬ言葉だった。
その瞬間、邪神は逆上したかのように巨大な魔腕を振るい、祭壇を砕きながらユスティティアへ襲いかかる。
闇を濃縮した刃が幾重にも放たれ、地を裂き、空気を焼き尽くす。
ユスティティアは神魔の剣を構え、無数の斬撃でそれを迎え撃つ。
「……消えなさい!」
剣が振るわれるたびに光と闇が激突し、轟音と閃光が本拠地を包んだ。
神魔族の魔王と、復活した邪神──世界の均衡すら揺るがす戦闘が始まったのだ。
その頃、セリア、カイン、リシェル、ルシェル達はユスティティアの命を受けて、本拠地の外で災槍王バルザーク、幻毒王リュミエール、深淵王オルガルドの四邪王の3人と戦闘になっていた。
ユスティティアが邪神との戦闘に集中出来るように3人を纏めて引き付けていた。
「邪神様が復活されたぞ!」
「我らが主が、お前達の神を滅ぼすだろう。」セリアは剣をバルザークに向けて構えた。
「我らが神は永遠だ」
「ほざけ!」カインがリュミエールとの闘いに突入する。
「我が主は負けないもん」ルシェル、リシェルもオルガルドと戦闘体制に入った。
そして──
「……っ! この魔力……まさか……!」
邪神教団の本拠地に到達したロディアスが、その場に踏み込んだ。
視界に飛び込んできたのは、神魔の剣を振るうユスティティアの姿と、凶悪な邪神の影。
「ティア……! いや、あれは……!」
ロディアスは目を見開き、ただひたすら戦場を凝視した。
神魔の剣と邪神の闇腕が激突し、轟音と衝撃波が大地を揺るがす。
互いに一歩も譲らぬ攻防の末、ユスティティアと邪神イャルドラは一旦距離を取り、にらみ合った。
その刹那。
ロディアスの胸に、言葉にできぬ確信が走った。
(あれは……ティア……!
姿は違えど、あの剣を振るう意志、目の光……間違いない!)
迷いが怒りに変わる。
彼はただ見ていることに耐えられなかった。
「ティアを……俺の大事な人を傷つけるなぁぁぁぁ!!!」
叫びと共に、ロディアスは勇者の剣を構え、一気に跳躍。
渾身の斬撃を邪神に叩き込んだ。
刹那、勇者の体から膨大な光が噴き出す。
【固有スキル──神魔転換力(シンマテンカンリキ)発動】
邪神が振り下ろした闇の腕が勇者の光に触れた瞬間、力の均衡が反転する。
相手が強大であればあるほど、勇者自身がさらに上回る──理不尽な力の発動。
「な、何だと……!? 我が力を……上回るだと!?」
邪神イャルドラが驚愕に歪む。
ロディアスの剣閃は闇を切り裂き、邪神の巨体を後退させた。
「ティアに刃を向けたこと、後悔させてやる!」
怒りと愛情を力に変えた勇者の一撃は、ユスティティアすら目を見開くほどの輝きを放っていた。
突然のロディアス乱入に、ユスティティアの蒼紅の瞳が大きく見開かれた。
勇者ロディアス──彼の光の斬撃は、邪神イャルドラをすら後退させている。
「ロディアス……!」
思わずその名を呼ぶ自分に、ユスティティアはわずかに驚き、胸の奥がざわつく。
その直後、遅れて駆けつけた三つの影。
勇者パーティーの仲間たちが祭壇の間に現れた。
「もう! ロディアス! 待ってよ! いつもこうなんだから!」
アリスが憤慨しつつ駆け寄り、
マイクは肩をすくめて、槍をひらひらと振りながら、
「ったく、もうやっちゃってるよ。俺の出番あるのか?」と苦笑。
老魔導士パスティーは、冷静に状況を見極め、長い髭を撫でながら呟く。
「ホーホホ……邪神は復活しおったか。それにしても、あの麗しき翼を持つ者は何者じゃ?」
仲間が揃った瞬間、ロディアスの身体からさらに異質な輝きが噴き上がった。
それは勇者のみが持つ最終境地。
【勇者スキル──超越者(ちょうえつしゃ)発動】
大切な仲間、大切な人が危機に陥った時だけ発動する奇跡の領域。
戦闘力、身体能力、感知能力、再生力、あらゆる耐性……そのすべてが極限を超えて跳ね上がる。
「な、なにィ!? この小僧……! 力が……膨れ上がっていく!」
邪神イャルドラが目を剥き、凶悪な気配をさらに解き放つ。
ユスティティアはその姿を見つめ、わずかに笑みを浮かべた。
「……ロディアス。私も戦うわ」
振り返りざま、真剣な眼差しで彼を見据える。
「終わったら……二人きりで話がしたい」
「……ああ、二人きりで話そう」
互いの言葉は短く、それだけで十分だった。
神魔魔王と勇者が並び立ち、圧倒的な存在感を放ちながら邪神へと相対する。
その光景に、アリスたち仲間すら息を呑むのだった。
世界を揺るがす咆哮が、祭壇を震わせる。
異形の邪神イャルドラが狂気の瞳を無数に開き、全てを飲み込もうと迫りくる。
その前に、勇者ロディアスが静かに剣を構えた。
白い光が全身から立ち上がり、空間そのものを塗り替えていく。
「この世界も、大切な仲間も……そして愛する人も。
俺は、まとめて全部守る。
それが――勇者だ。
せっかく復活したのに悪いな……次で終わらせる!」
その瞬間、ロディアスの瞳に光が宿る。
――勇者固有スキル【根源眼】。
敵の存在そのものを暴き、急所を見抜く眼。
そしてそこへ必滅の一撃を叩き込むための技。
「勇者スキル――【根元滅殺斬】!」
白光の奔流が剣先に凝縮し、邪神の根源へと突き刺さる。
一方、ユスティティアもまた血に濡れた神魔の剣を掲げる。
その紅の雫が剣身を走るたび、狂気と慈愛が渦を巻き、光と闇が一つになる。
「私のすべてを捧げる……!
――【狂気と慈愛の殲滅】!」
神魔の剣から迸るのは、怒りにも似た慈愛の炎。
それは決して消えぬ殲滅の業火となり、邪神を包み込む。
二人の必殺が同時に放たれた瞬間――。
光と炎が交差し、世界そのものを裂くほどの衝撃が走った。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」
邪神イャルドラの断末魔が響き渡る。
幾重にも重なる防壁を破られ、根源を抉り取られ、業火に焼かれ……存在そのものが塵と化していく。
――そして、完全なる消滅。
黒き祭壇は崩れ、夜の闇を裂くように光が空を駆け抜けた。
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勇者と魔王。
互いに一瞬だけ視線を交わし、そして深い静寂が訪れる――。
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