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第七章 シャクイードの使者
第五十五話 打ち上げ楽しい
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場外転送の光から解き放たれると、ティアの耳に飛び込んできたのは――大歓声だった。
「うおおお!一年生であそこまで戦うなんて!」
「鉄壁のティアー!」
「最高だー!」
会場を揺るがす拍手と声援。
ティアは思わず頬を赤らめ、少し照れくさそうに笑みを浮かべながら観客席に向かって手を振った。
「ティア!」
真っ先に駆け寄ってきたのはナディアだった。
その後ろにエマ、そして男子三人が続いている。
「すごい! 本当にすごかったわ、ティア!」
「うんうん、あんな戦い、初めて見た!」
チームメイト全員が目を輝かせていた。
ティアは肩をすくめて、苦笑いを浮かべる。
「へへへ……でも負けちゃった。」
「ははっ! 私たちなんて瞬殺だったけどね。」
エマが冗談めかして笑うと、ナディアが続ける。
「そこの三人なんて開始早々、瞬殺だったわよね?」
視線が男子三人に突き刺さる。
「「「……勘弁してよ~……」」」
情けない声を揃え、三人は肩を落とした。
だが、すぐにティアが両手を打ち合わせるように笑顔を見せた。
「みんな、頑張ったよ!
ね、放課後に打ち上げしよう。
街に“ミュウオケ”が出来たんでしょ?
行きたい!」
「「「おぉーっ!」」」
一瞬で全員の表情が明るくなった。
「いいね!」
「私、絶対歌うから!」
「負けたけど……なんか楽しいな!」
敗北の空気はそこになかった。
彼らに残っていたのは、強敵と全力でぶつかった誇らしさと、仲間と共に笑い合える喜びだけだった。
放課後、街に出来たばかりの“ミュウオケ”へとやってきた一行。
煌びやかな外観に、男子三人は興奮気味で中を覗き込み、女子たちは少しおしゃれな雰囲気に胸を弾ませていた。
「わぁ……!」
ティアはきらきらと瞳を輝かせて店内を見渡した。
「すごい!ここ全部歌えるお部屋なの?」
その無邪気な声に、男子たちが思わず「可愛い……」と呟く。
個室に通されると、ナディアが仕切るようにリモコンを操作。
「じゃあ順番に歌っていきましょう!」
「い、いきなり歌うの?」とエマが戸惑っている間に――。
「はいっ!わたし歌う!」
元気いっぱいに手を挙げたのはティアだった。
小走りでマイクを抱え、嬉しそうに画面の前へ。
流れ出したのはポップで明るいアイドルソング。
ティアはリズムに合わせて体を左右に揺らし、軽くステップを踏みながら歌い始めた。
――その姿は、試合で鉄壁の防御を見せた同じ人物とは思えないほど、可愛らしさ全開。
頬をほんのり赤く染め、時折恥ずかしそうに視線を逸らしながら歌う仕草が、逆にみんなの心を掴んでいく。
「うわっ……」
「反則級に可愛い……」
男子三人は息を呑み、ナディアとエマも思わず笑顔で見守っていた。
サビでは思い切って両手を広げ、キラキラの笑顔。
「いぇーい!」と声を張り上げてジャンプした瞬間――歓声と拍手が部屋を揺らした。
「ティア、最高!」
「今日の主役だな!」
ティアは顔を真っ赤にして、マイクを抱きしめるように胸に当てながら、はにかんだ笑みを浮かべた。
「えへへ……楽しいね!」
その愛らしい仕草に、誰もが改めて思った。
――彼女は鉄壁の守護者であり、同時にクラスの太陽のような存在だ、と。
ティアの歌で盛り上がった後、次の順番は男子三人組。
「よっしゃ!俺たちが盛り上げるぜ!」
クラニルが勇ましく宣言し、ランクルリットとカルリットも肩を組んで気合を入れる。
だが――。
🎵「お~れ~た~ち~は~!」
声が揃わない。
音程がぐにゃぐにゃ。
しかもリズムに全然乗れていない。
「うわ、耳が壊れる!」
「な、何これ……逆にすごい……!」
女子組は腹を抱えて笑い転げ、ティアは涙目でソファに倒れ込む。
「は、はははっ……っ!
ちょっと、笑いすぎてお腹痛い!」
男子三人は必死に熱唱しているが、結果は完全なる「爆笑枠」だった。
「……う、うん。
ある意味、盛り上がったわね。」
ナディアが苦笑しながらリモコンを奪い取る。
「次はエマ、お願い!」
エマは最初は遠慮していたが、促されて渋々マイクを取る。
そして、静かなバラードが流れ始めた瞬間――。
🎵「……そっと、風が頬をなでる……」
澄み切った透き通る声が部屋を包む。
まるで魔法をかけられたように、一同は口を開けたまま固まった。
「……え、プロ歌手?」
「これ……生歌だよね?」
ティアの瞳は尊敬のきらめきでいっぱいになった。
曲が終わると、拍手喝采!
「エマ、すごい!カッコいいよ!」
ティアが抱きつくように褒め称えると、エマは珍しく照れ笑いを浮かべて視線を逸らした。
「さ、さぁ次は……私かしら。」
ナディアは少し緊張気味に選曲する。
流れたイントロは――まさかの激しいロック!
「えっ!?
ナディア!?
意外すぎ!」
「委員長がロックだと!?」
ナディアは髪を振り乱す勢いでリズムに乗り、拳を突き上げながら熱唱。
普段の知的で冷静な姿とは正反対のその姿に、一同は目を丸くする。
「な、なんかカッコいい……!」
「委員長、ロックで解放されすぎ!」
男子三人はポカーンとし、ティアとエマは爆笑しながらもノリノリで手を叩いて盛り上げる。
こうして、鉄壁の守護者ティアを中心にしたクラスの打ち上げは、笑いと驚きに満ちた最高の時間となった。
ミュウオケでの大騒ぎを終え、店を出た一行は夜の街を歩いていた。
笑い疲れたのか、みんなの足取りは少しふらふらしている。
「いや~、ナディアがあんなロックを歌うとは思わなかった!」
「男子三人は音程が消えてたけどね~」
エマがさらっと毒を吐くと、男子達は肩を落とした。
「う、うるせぇ!お前ら笑いすぎだ!」
「でもまあ……ティアが可愛すぎて救われたけどな。」
カルリットがぼそっと漏らした瞬間――ティアの顔が赤くなった。
「ちょ、ちょっと!
そんなこと急に言わないでよ!」
思わず手で頬を隠しながら抗議するティア。
「だって、ほんとに可愛かったしな。
俺たちが調子外しても、ティアが笑ってくれると、それだけで楽しいんだよ。」
ランクルリットが真面目に言えば、クラニルも照れながら頷く。
「……///」
ティアは一瞬、言葉を失った。
嬉しいけど、くすぐったくて、どう返していいのか分からない。
「はーいはいはい!
男子、ティアを赤くさせたら減点だからね!」
ナディアが割り込んで場を和ませる。
「そうそう!
ティアは私たちのアイドルなんだから!」
エマもからかうように手を振る。
「アイドルじゃないってばぁ!」
ティアはぷくっと頬を膨らませるが、その姿もやっぱり可愛い。
夜風が心地よく吹き抜ける中、彼女の笑い声が響く。
鉄壁のティアと呼ばれる少女も、この瞬間だけは年相応の普通の女の子。
仲間たちに囲まれて歩く帰り道は、試合での悔しささえ忘れるくらいに、甘酸っぱく幸せな時間だった。
寮に戻ったティアはメリルと一緒に食事をしていた。
「今日のチーム戦は凄かったね。
観客席から見てたけど、凄い迫力だった。」
「応援ありがとう。
3年生の2人凄かったね。」
「ティアが凄いよ。
2人を相手にしてあそこまで動けるなんて。
ほんとに凄い。
尊敬するわ。」
すると、3年生のセリカがティアを見つけて話しかけてきた。
「ティアさん。今日は対戦お疲れ様。」
「あ、先輩。
こちらこそ対戦ありがとうございました。
たくさん学ばせて頂きました。」
「あらあら、謙遜ね。
どう見てもティアさんの方が強かったわよ。」
「いえいえ、あれが限界です。
負けちゃいましたし。」
「でも、凄いわ。
私達2人を相手にあそこまでやれるなんて。
デビッドはあの後、あの一年生はどんな子なんだと、大騒ぎよ。
覚悟した方がいいわよ。
明日!あいつにね!」
「え?あははは、そ、それは困りました。」
「まあ、しつこい様なら私に言ってね。
首根っこ捕まえて黙らせるから。」
「あ!もしかしてデビッド先輩とお付き合いされてるとか?」
「ああ、ま、まあね。
鋭いわね。」
「何となく。
戦ってる時の呼吸が仲が良いだけって感じじゃなかったから。」
「へぇ~、そこまで感じ取れるなんて凄いね。
まあ、息はピッタリだと思ってるけど。
じゃあ、またね。」
そう言うとセリカは食事を終えて食堂から出て行った。
「ねぇ、セリカ先輩。
かっこいいね。」
「うん。そうだね。」
そして、同じクラスの女子達がティアを見つけると今日の試合のことをすごく褒めてくれた。
「うおおお!一年生であそこまで戦うなんて!」
「鉄壁のティアー!」
「最高だー!」
会場を揺るがす拍手と声援。
ティアは思わず頬を赤らめ、少し照れくさそうに笑みを浮かべながら観客席に向かって手を振った。
「ティア!」
真っ先に駆け寄ってきたのはナディアだった。
その後ろにエマ、そして男子三人が続いている。
「すごい! 本当にすごかったわ、ティア!」
「うんうん、あんな戦い、初めて見た!」
チームメイト全員が目を輝かせていた。
ティアは肩をすくめて、苦笑いを浮かべる。
「へへへ……でも負けちゃった。」
「ははっ! 私たちなんて瞬殺だったけどね。」
エマが冗談めかして笑うと、ナディアが続ける。
「そこの三人なんて開始早々、瞬殺だったわよね?」
視線が男子三人に突き刺さる。
「「「……勘弁してよ~……」」」
情けない声を揃え、三人は肩を落とした。
だが、すぐにティアが両手を打ち合わせるように笑顔を見せた。
「みんな、頑張ったよ!
ね、放課後に打ち上げしよう。
街に“ミュウオケ”が出来たんでしょ?
行きたい!」
「「「おぉーっ!」」」
一瞬で全員の表情が明るくなった。
「いいね!」
「私、絶対歌うから!」
「負けたけど……なんか楽しいな!」
敗北の空気はそこになかった。
彼らに残っていたのは、強敵と全力でぶつかった誇らしさと、仲間と共に笑い合える喜びだけだった。
放課後、街に出来たばかりの“ミュウオケ”へとやってきた一行。
煌びやかな外観に、男子三人は興奮気味で中を覗き込み、女子たちは少しおしゃれな雰囲気に胸を弾ませていた。
「わぁ……!」
ティアはきらきらと瞳を輝かせて店内を見渡した。
「すごい!ここ全部歌えるお部屋なの?」
その無邪気な声に、男子たちが思わず「可愛い……」と呟く。
個室に通されると、ナディアが仕切るようにリモコンを操作。
「じゃあ順番に歌っていきましょう!」
「い、いきなり歌うの?」とエマが戸惑っている間に――。
「はいっ!わたし歌う!」
元気いっぱいに手を挙げたのはティアだった。
小走りでマイクを抱え、嬉しそうに画面の前へ。
流れ出したのはポップで明るいアイドルソング。
ティアはリズムに合わせて体を左右に揺らし、軽くステップを踏みながら歌い始めた。
――その姿は、試合で鉄壁の防御を見せた同じ人物とは思えないほど、可愛らしさ全開。
頬をほんのり赤く染め、時折恥ずかしそうに視線を逸らしながら歌う仕草が、逆にみんなの心を掴んでいく。
「うわっ……」
「反則級に可愛い……」
男子三人は息を呑み、ナディアとエマも思わず笑顔で見守っていた。
サビでは思い切って両手を広げ、キラキラの笑顔。
「いぇーい!」と声を張り上げてジャンプした瞬間――歓声と拍手が部屋を揺らした。
「ティア、最高!」
「今日の主役だな!」
ティアは顔を真っ赤にして、マイクを抱きしめるように胸に当てながら、はにかんだ笑みを浮かべた。
「えへへ……楽しいね!」
その愛らしい仕草に、誰もが改めて思った。
――彼女は鉄壁の守護者であり、同時にクラスの太陽のような存在だ、と。
ティアの歌で盛り上がった後、次の順番は男子三人組。
「よっしゃ!俺たちが盛り上げるぜ!」
クラニルが勇ましく宣言し、ランクルリットとカルリットも肩を組んで気合を入れる。
だが――。
🎵「お~れ~た~ち~は~!」
声が揃わない。
音程がぐにゃぐにゃ。
しかもリズムに全然乗れていない。
「うわ、耳が壊れる!」
「な、何これ……逆にすごい……!」
女子組は腹を抱えて笑い転げ、ティアは涙目でソファに倒れ込む。
「は、はははっ……っ!
ちょっと、笑いすぎてお腹痛い!」
男子三人は必死に熱唱しているが、結果は完全なる「爆笑枠」だった。
「……う、うん。
ある意味、盛り上がったわね。」
ナディアが苦笑しながらリモコンを奪い取る。
「次はエマ、お願い!」
エマは最初は遠慮していたが、促されて渋々マイクを取る。
そして、静かなバラードが流れ始めた瞬間――。
🎵「……そっと、風が頬をなでる……」
澄み切った透き通る声が部屋を包む。
まるで魔法をかけられたように、一同は口を開けたまま固まった。
「……え、プロ歌手?」
「これ……生歌だよね?」
ティアの瞳は尊敬のきらめきでいっぱいになった。
曲が終わると、拍手喝采!
「エマ、すごい!カッコいいよ!」
ティアが抱きつくように褒め称えると、エマは珍しく照れ笑いを浮かべて視線を逸らした。
「さ、さぁ次は……私かしら。」
ナディアは少し緊張気味に選曲する。
流れたイントロは――まさかの激しいロック!
「えっ!?
ナディア!?
意外すぎ!」
「委員長がロックだと!?」
ナディアは髪を振り乱す勢いでリズムに乗り、拳を突き上げながら熱唱。
普段の知的で冷静な姿とは正反対のその姿に、一同は目を丸くする。
「な、なんかカッコいい……!」
「委員長、ロックで解放されすぎ!」
男子三人はポカーンとし、ティアとエマは爆笑しながらもノリノリで手を叩いて盛り上げる。
こうして、鉄壁の守護者ティアを中心にしたクラスの打ち上げは、笑いと驚きに満ちた最高の時間となった。
ミュウオケでの大騒ぎを終え、店を出た一行は夜の街を歩いていた。
笑い疲れたのか、みんなの足取りは少しふらふらしている。
「いや~、ナディアがあんなロックを歌うとは思わなかった!」
「男子三人は音程が消えてたけどね~」
エマがさらっと毒を吐くと、男子達は肩を落とした。
「う、うるせぇ!お前ら笑いすぎだ!」
「でもまあ……ティアが可愛すぎて救われたけどな。」
カルリットがぼそっと漏らした瞬間――ティアの顔が赤くなった。
「ちょ、ちょっと!
そんなこと急に言わないでよ!」
思わず手で頬を隠しながら抗議するティア。
「だって、ほんとに可愛かったしな。
俺たちが調子外しても、ティアが笑ってくれると、それだけで楽しいんだよ。」
ランクルリットが真面目に言えば、クラニルも照れながら頷く。
「……///」
ティアは一瞬、言葉を失った。
嬉しいけど、くすぐったくて、どう返していいのか分からない。
「はーいはいはい!
男子、ティアを赤くさせたら減点だからね!」
ナディアが割り込んで場を和ませる。
「そうそう!
ティアは私たちのアイドルなんだから!」
エマもからかうように手を振る。
「アイドルじゃないってばぁ!」
ティアはぷくっと頬を膨らませるが、その姿もやっぱり可愛い。
夜風が心地よく吹き抜ける中、彼女の笑い声が響く。
鉄壁のティアと呼ばれる少女も、この瞬間だけは年相応の普通の女の子。
仲間たちに囲まれて歩く帰り道は、試合での悔しささえ忘れるくらいに、甘酸っぱく幸せな時間だった。
寮に戻ったティアはメリルと一緒に食事をしていた。
「今日のチーム戦は凄かったね。
観客席から見てたけど、凄い迫力だった。」
「応援ありがとう。
3年生の2人凄かったね。」
「ティアが凄いよ。
2人を相手にしてあそこまで動けるなんて。
ほんとに凄い。
尊敬するわ。」
すると、3年生のセリカがティアを見つけて話しかけてきた。
「ティアさん。今日は対戦お疲れ様。」
「あ、先輩。
こちらこそ対戦ありがとうございました。
たくさん学ばせて頂きました。」
「あらあら、謙遜ね。
どう見てもティアさんの方が強かったわよ。」
「いえいえ、あれが限界です。
負けちゃいましたし。」
「でも、凄いわ。
私達2人を相手にあそこまでやれるなんて。
デビッドはあの後、あの一年生はどんな子なんだと、大騒ぎよ。
覚悟した方がいいわよ。
明日!あいつにね!」
「え?あははは、そ、それは困りました。」
「まあ、しつこい様なら私に言ってね。
首根っこ捕まえて黙らせるから。」
「あ!もしかしてデビッド先輩とお付き合いされてるとか?」
「ああ、ま、まあね。
鋭いわね。」
「何となく。
戦ってる時の呼吸が仲が良いだけって感じじゃなかったから。」
「へぇ~、そこまで感じ取れるなんて凄いね。
まあ、息はピッタリだと思ってるけど。
じゃあ、またね。」
そう言うとセリカは食事を終えて食堂から出て行った。
「ねぇ、セリカ先輩。
かっこいいね。」
「うん。そうだね。」
そして、同じクラスの女子達がティアを見つけると今日の試合のことをすごく褒めてくれた。
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