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第十一章 覚醒編
第九十六話 リリア覚醒する
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冒険者として登録したリリアは、ほとんど毎日のようにダンジョンへ足を運んでいた。
最近ではセリアも同行せず、ミィーニャと二人で挑んだり、他の冒険者とクエストに参加したりと、充実した日々を送っていた。
そんなある日。
「リリアお嬢様。
主様がお呼びです。」
掲示板で依頼を眺めていたリリアのもとに、セリアが姿を現した。
「え? ママが?」
──学園寮。ティアの部屋。
「リリアちゃん、調子はどう?」
ティアが優しい眼差しを向ける。
「うん!すっごく頑張ってるよ!
この前なんか、ダンジョンボスを一人で倒しちゃったんだから!」
胸を張るリリアの頭を、ティアは微笑みながら撫でる。
「えらいわね。
でも……」
ティアはリリアのステータスを確認し、真剣な顔になる。
「もうダンジョンだけじゃ成長が頭打ちよ。
限界を越える修行が必要ね」
そう言うや否や、ティアはリリアを連れて魔界へと転移した。
二人が立っていたのは巨大なコロシアムの闘技場。
「ま、またあの化け物と戦うの……?」
リリアが青ざめた顔で問いかける。
「そうよ。
今のリリアちゃんなら、以前みたいにはならないわ」
重々しい扉が開き、オメガ──悪魔王バージョンが姿を現した。
「さあ、今の力を見せてちょうだい」
ティアは壁際へ下がり、リリアとオメガが正面から向かい合う。
同時に踏み出した。
リリアは剣を抜き、オメガは腕で斬撃を受け止め、拳で反撃する。
「オメガの出力を最大に」
ティアが指示すると、研究員が慌てて声を上げた。
「ユスティティア様、それではリリア様が──」
「いいの。
やりなさい」
次の瞬間、オメガの速度と攻撃力が跳ね上がった。
リリアは辛うじて剣で受け流すものの、防戦一方となる。
「リリアちゃん!
よく見て、相手の動きを!」
しかし優位に立つ気配はない。
重い一撃のたびに剣が軋み、リリアの腕は痺れていく。
「覚醒の気配は……まだね」
ティアは腕を組み、表情を曇らせた。
「もう無理だよ、ママ!」
必死に叫ぶリリア。だが時折、致命傷を避けている。
ティアはその変化を見逃さなかった。
「オメガを、もう一体追加して」
「ユスティティア様!?」
「いいから」
二体目のオメガが姿を現す。
「ひぃぃ! 無理無理無理!」
リリアは悲鳴を上げつつも、剣を振るい、回避を繰り返す。
「攻撃しないと状況は変わらないわ!」
ティアが声を張る。
「そんなの無理だってばぁぁ!」
それでもティアは険しい顔を崩さない。
「……もう一体」
三体目が現れた瞬間、リリアは完全に追い詰められた。
容赦ない連撃に翻弄され、ついにバランスを崩す。
「きゃ──!」
叩きつけられるように地面に転がり倒れる。
だがティアは助けない。
「うぅ……」
呻きながら剣を握るリリアに、三体のオメガが同時に拳を振り下ろす。
轟音とともに闘技場が揺れ、粉塵が舞い上がる。
観客席の研究員たちは凍りついた。
だが──。
粉塵の中で、リリアは膝をつきながらも剣を構えていた。
両手で拳を受け止め、必死に押し返している。
「もう! 怒ったんだからぁぁぁ!」
瞬間。
爆発的な魔力が弾け、オメガたちを吹き飛ばした。
リリアの全身を、蒼白のオーラが包み込む。
そして、リリアの長く黒い綺麗な髪はティアと同じ金色の美しい髪色に変わっていた。
ティアの目が細められる。
「やったわね……。
5000の限界を超えて、レベル6000を超えたわ」
リリア特有のスキルが新たに発動。
──【極限魔法少女】。
オメガが突進する。
リリアは右手を横に払うだけで、その動きを空間ごと停止させた。
『そこで待て!』リリア特有の魔法発動。
彼女だけの魔法──時間と空間を束ねる禁呪。
さらに剣に魔力を込めると、少女の声が響いた。
『お仕置きよ!』リリア特有の魔法発動。
目にも留まらぬ無数の斬撃が、三体のオメガを同時に切り刻む。
轟音とともに吹き飛ばされ、地に叩きつけられた巨体は、やがて動かなくなった。
「……ふぅ」
魔力を放出しきったリリアは、そのまま意識を手放す。
倒れ込む寸前、ティアがさっと抱きとめた。
「リリアちゃん。よく頑張ったわね」
母の声が、眠る娘に優しく降り注いだ。
そして、綺麗な金色に変わった髪を撫でていた。
ロイスはその後もティアに頼み、魔界の闘技場に通い詰めていた。
以前とは比べ物にならないほど逞しく成長し、その剣筋には重みと鋭さが宿っていた。
一方、リリアは急激な成長と限界突破の反動で、身体がついていけず一時的な休眠状態に入ってしまった。
ティアは特に慌てることなく「大丈夫よ」と微笑みながらリリアを魔界へ戻し、静養させた。
ティア自身は、学園での生活と生徒会の仕事、訓練や修行と忙しい毎日を送っていた。
そんなある日。
「主よ、出来たぞい!
勇者ロイスの相棒じゃ!」
アダミルからの連絡が届く。
その報を受け、ティアは魔界のアダミルの工房を訪れた。
「アダミル。
ロイスのオメガを見せてちょうだい」
「ふふふ、これじゃ!」
工房の奥に布を被せられた巨体が立っていた。
アダミルが布を剥ぎ取ると──そこには、まるで人間の青年のような姿が現れた。
「すごい……。
人間にしか見えないわ」
「ふふふ、わしは天才じゃからな!」
アダミルは胸を張り、得意げに説明を始めた。
「全身を覆う皮膚はアドマンナノ金属で、自己修復する。
並みの剣や魔法では傷すらつかん!
内部骨格は贅沢にオリハルコン製。
核には新型プラズマ融合炉を搭載しておる。
出力は悪魔王バージョンの二倍じゃ!
さらに──今回の肝は頭脳よ!
スカーレットらに載せたAIの改良型、意思を持つ頭脳じゃ!」
「……本当にすごいわ」
ティアは目を細めた。
アダミルが起動スイッチを入れると、青年の瞼が開き、金色の瞳が輝いた。
そしてティアの前に跪く。
「我らが主よ。
命を与えてくださり感謝いたします」
「主を認識するように組み込んである。
ロイスには秘密だが、主の命令には絶対服従じゃ」
アダミルがにやりと笑う。
ティアは頷き、告げた。
「あなたの名前は──ラムダ。
よろしくね」
「ラムダ、認識しました」
青年の瞳が光を放ち、静かに言葉を刻む。
今までのオメガとは違う。黒髪があり、表情も柔らかく変化する。
──その後、ティアは闘技場にいるロイスのもとを訪れた。
「ロイス!」
声をかけると、ロイスは額の汗を拭きながら振り返る。
「ティアさん」
「出来たわよ。
あなたの相棒が」
「本当ですか!」
重厚な扉が開き、ラムダが歩み出る。
冒険者風の服に特製の鎧を纏い、腰には一本の剣を下げていた。
「え……人間ですか?」
「違うわ。アダミルが造ったオメガをベースにした機動兵器。名はラムダ」
「ラムダか!」
ラムダはロイスの前に立ち、まっすぐに見据える。
「ロイスだな。これからよろしく頼む」
硬い表情に僅かな微笑を浮かべる。
「すごい……喋るし、表情まで変わるなんて!」
「ははは!
凄いじゃろう!」
アダミルは豪快に笑った。
「ラムダ!
これから一緒に頑張ろう!」
ロイスが右手を差し出す。
「承知した」
二人の手が、力強く握り合わされた。
こうしてロイスは、新たな相棒ラムダと共にアインレット王国へと戻っていった。
これからは、ラムダがロイスの最良の稽古相手となるだろう。
最近ではセリアも同行せず、ミィーニャと二人で挑んだり、他の冒険者とクエストに参加したりと、充実した日々を送っていた。
そんなある日。
「リリアお嬢様。
主様がお呼びです。」
掲示板で依頼を眺めていたリリアのもとに、セリアが姿を現した。
「え? ママが?」
──学園寮。ティアの部屋。
「リリアちゃん、調子はどう?」
ティアが優しい眼差しを向ける。
「うん!すっごく頑張ってるよ!
この前なんか、ダンジョンボスを一人で倒しちゃったんだから!」
胸を張るリリアの頭を、ティアは微笑みながら撫でる。
「えらいわね。
でも……」
ティアはリリアのステータスを確認し、真剣な顔になる。
「もうダンジョンだけじゃ成長が頭打ちよ。
限界を越える修行が必要ね」
そう言うや否や、ティアはリリアを連れて魔界へと転移した。
二人が立っていたのは巨大なコロシアムの闘技場。
「ま、またあの化け物と戦うの……?」
リリアが青ざめた顔で問いかける。
「そうよ。
今のリリアちゃんなら、以前みたいにはならないわ」
重々しい扉が開き、オメガ──悪魔王バージョンが姿を現した。
「さあ、今の力を見せてちょうだい」
ティアは壁際へ下がり、リリアとオメガが正面から向かい合う。
同時に踏み出した。
リリアは剣を抜き、オメガは腕で斬撃を受け止め、拳で反撃する。
「オメガの出力を最大に」
ティアが指示すると、研究員が慌てて声を上げた。
「ユスティティア様、それではリリア様が──」
「いいの。
やりなさい」
次の瞬間、オメガの速度と攻撃力が跳ね上がった。
リリアは辛うじて剣で受け流すものの、防戦一方となる。
「リリアちゃん!
よく見て、相手の動きを!」
しかし優位に立つ気配はない。
重い一撃のたびに剣が軋み、リリアの腕は痺れていく。
「覚醒の気配は……まだね」
ティアは腕を組み、表情を曇らせた。
「もう無理だよ、ママ!」
必死に叫ぶリリア。だが時折、致命傷を避けている。
ティアはその変化を見逃さなかった。
「オメガを、もう一体追加して」
「ユスティティア様!?」
「いいから」
二体目のオメガが姿を現す。
「ひぃぃ! 無理無理無理!」
リリアは悲鳴を上げつつも、剣を振るい、回避を繰り返す。
「攻撃しないと状況は変わらないわ!」
ティアが声を張る。
「そんなの無理だってばぁぁ!」
それでもティアは険しい顔を崩さない。
「……もう一体」
三体目が現れた瞬間、リリアは完全に追い詰められた。
容赦ない連撃に翻弄され、ついにバランスを崩す。
「きゃ──!」
叩きつけられるように地面に転がり倒れる。
だがティアは助けない。
「うぅ……」
呻きながら剣を握るリリアに、三体のオメガが同時に拳を振り下ろす。
轟音とともに闘技場が揺れ、粉塵が舞い上がる。
観客席の研究員たちは凍りついた。
だが──。
粉塵の中で、リリアは膝をつきながらも剣を構えていた。
両手で拳を受け止め、必死に押し返している。
「もう! 怒ったんだからぁぁぁ!」
瞬間。
爆発的な魔力が弾け、オメガたちを吹き飛ばした。
リリアの全身を、蒼白のオーラが包み込む。
そして、リリアの長く黒い綺麗な髪はティアと同じ金色の美しい髪色に変わっていた。
ティアの目が細められる。
「やったわね……。
5000の限界を超えて、レベル6000を超えたわ」
リリア特有のスキルが新たに発動。
──【極限魔法少女】。
オメガが突進する。
リリアは右手を横に払うだけで、その動きを空間ごと停止させた。
『そこで待て!』リリア特有の魔法発動。
彼女だけの魔法──時間と空間を束ねる禁呪。
さらに剣に魔力を込めると、少女の声が響いた。
『お仕置きよ!』リリア特有の魔法発動。
目にも留まらぬ無数の斬撃が、三体のオメガを同時に切り刻む。
轟音とともに吹き飛ばされ、地に叩きつけられた巨体は、やがて動かなくなった。
「……ふぅ」
魔力を放出しきったリリアは、そのまま意識を手放す。
倒れ込む寸前、ティアがさっと抱きとめた。
「リリアちゃん。よく頑張ったわね」
母の声が、眠る娘に優しく降り注いだ。
そして、綺麗な金色に変わった髪を撫でていた。
ロイスはその後もティアに頼み、魔界の闘技場に通い詰めていた。
以前とは比べ物にならないほど逞しく成長し、その剣筋には重みと鋭さが宿っていた。
一方、リリアは急激な成長と限界突破の反動で、身体がついていけず一時的な休眠状態に入ってしまった。
ティアは特に慌てることなく「大丈夫よ」と微笑みながらリリアを魔界へ戻し、静養させた。
ティア自身は、学園での生活と生徒会の仕事、訓練や修行と忙しい毎日を送っていた。
そんなある日。
「主よ、出来たぞい!
勇者ロイスの相棒じゃ!」
アダミルからの連絡が届く。
その報を受け、ティアは魔界のアダミルの工房を訪れた。
「アダミル。
ロイスのオメガを見せてちょうだい」
「ふふふ、これじゃ!」
工房の奥に布を被せられた巨体が立っていた。
アダミルが布を剥ぎ取ると──そこには、まるで人間の青年のような姿が現れた。
「すごい……。
人間にしか見えないわ」
「ふふふ、わしは天才じゃからな!」
アダミルは胸を張り、得意げに説明を始めた。
「全身を覆う皮膚はアドマンナノ金属で、自己修復する。
並みの剣や魔法では傷すらつかん!
内部骨格は贅沢にオリハルコン製。
核には新型プラズマ融合炉を搭載しておる。
出力は悪魔王バージョンの二倍じゃ!
さらに──今回の肝は頭脳よ!
スカーレットらに載せたAIの改良型、意思を持つ頭脳じゃ!」
「……本当にすごいわ」
ティアは目を細めた。
アダミルが起動スイッチを入れると、青年の瞼が開き、金色の瞳が輝いた。
そしてティアの前に跪く。
「我らが主よ。
命を与えてくださり感謝いたします」
「主を認識するように組み込んである。
ロイスには秘密だが、主の命令には絶対服従じゃ」
アダミルがにやりと笑う。
ティアは頷き、告げた。
「あなたの名前は──ラムダ。
よろしくね」
「ラムダ、認識しました」
青年の瞳が光を放ち、静かに言葉を刻む。
今までのオメガとは違う。黒髪があり、表情も柔らかく変化する。
──その後、ティアは闘技場にいるロイスのもとを訪れた。
「ロイス!」
声をかけると、ロイスは額の汗を拭きながら振り返る。
「ティアさん」
「出来たわよ。
あなたの相棒が」
「本当ですか!」
重厚な扉が開き、ラムダが歩み出る。
冒険者風の服に特製の鎧を纏い、腰には一本の剣を下げていた。
「え……人間ですか?」
「違うわ。アダミルが造ったオメガをベースにした機動兵器。名はラムダ」
「ラムダか!」
ラムダはロイスの前に立ち、まっすぐに見据える。
「ロイスだな。これからよろしく頼む」
硬い表情に僅かな微笑を浮かべる。
「すごい……喋るし、表情まで変わるなんて!」
「ははは!
凄いじゃろう!」
アダミルは豪快に笑った。
「ラムダ!
これから一緒に頑張ろう!」
ロイスが右手を差し出す。
「承知した」
二人の手が、力強く握り合わされた。
こうしてロイスは、新たな相棒ラムダと共にアインレット王国へと戻っていった。
これからは、ラムダがロイスの最良の稽古相手となるだろう。
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