26 / 53
26
しおりを挟む
終業後、一度、要先輩の家に一緒に帰って着替えを済ませた。
要先輩が「伊吹くん……本当に行くの? 佐伯先輩のことはもういいの?」と眉根を寄せて話しかけてくる。
「真白のことはもう忘れるんです。俺は南波ちゃんのことを真剣に考えようと思っています」
要先輩がやっぱり悲しそうに瞳を揺らして。
でも、一呼吸置いて諦めたように言葉を紡いだ。
「そっか……伊吹くんが決めたんなら、俺はもう何も言わない」
俺は要先輩と孝太郎さんに挨拶を告げて家を出た。
待ち合わせ場所に着くと、もう南波ちゃんが来ていた。
淡い黄色の薄手のニットに真っ白な膝下のフレアスカートを合わせていて、ミディアムロングのゆるふわな髪をハーフアップにしている。
いつも制服姿で髪を下ろしている姿しか見たことがなかったので、新鮮な気持ちで南波ちゃんを見つめた。彼女の楚々とした雰囲気にとても良く似合っている。
「風間先輩!」と、遠くから手を振る南波ちゃんに、自然、頬が綻ぶ。
これから、俺たちは関係を深めていくんだ。真白を忘れて、南波ちゃんと幸せになるんだ。そう思った。
「南波ちゃん、ごめん。待った?」
南波ちゃんがまた頬を朱に染めながら「待ってないです。入りましょ?」と言って。店内に入ると、南波ちゃんが予約してくれていたらしい個室席に誘導された。
とりあえず、お互いにビールと、軽いつまみを頼む。
ビールが来ると「乾杯」とジョッキを合わせた。
すると南波ちゃんが少しだけ、もじもじしながら切り出した。
「あの、風間先輩って彼女いるんですか?」
そこでまた真白の顔が頭を過って──。
でも違う。真白とはもう別れたんだ。
俺は少し間を置いて。
「いたら、こんな風に南波ちゃんと会ったりしないよ」
そう答えた笑顔は、自分でもわかる程、どこまでも引きつっていた。
要先輩が「伊吹くん……本当に行くの? 佐伯先輩のことはもういいの?」と眉根を寄せて話しかけてくる。
「真白のことはもう忘れるんです。俺は南波ちゃんのことを真剣に考えようと思っています」
要先輩がやっぱり悲しそうに瞳を揺らして。
でも、一呼吸置いて諦めたように言葉を紡いだ。
「そっか……伊吹くんが決めたんなら、俺はもう何も言わない」
俺は要先輩と孝太郎さんに挨拶を告げて家を出た。
待ち合わせ場所に着くと、もう南波ちゃんが来ていた。
淡い黄色の薄手のニットに真っ白な膝下のフレアスカートを合わせていて、ミディアムロングのゆるふわな髪をハーフアップにしている。
いつも制服姿で髪を下ろしている姿しか見たことがなかったので、新鮮な気持ちで南波ちゃんを見つめた。彼女の楚々とした雰囲気にとても良く似合っている。
「風間先輩!」と、遠くから手を振る南波ちゃんに、自然、頬が綻ぶ。
これから、俺たちは関係を深めていくんだ。真白を忘れて、南波ちゃんと幸せになるんだ。そう思った。
「南波ちゃん、ごめん。待った?」
南波ちゃんがまた頬を朱に染めながら「待ってないです。入りましょ?」と言って。店内に入ると、南波ちゃんが予約してくれていたらしい個室席に誘導された。
とりあえず、お互いにビールと、軽いつまみを頼む。
ビールが来ると「乾杯」とジョッキを合わせた。
すると南波ちゃんが少しだけ、もじもじしながら切り出した。
「あの、風間先輩って彼女いるんですか?」
そこでまた真白の顔が頭を過って──。
でも違う。真白とはもう別れたんだ。
俺は少し間を置いて。
「いたら、こんな風に南波ちゃんと会ったりしないよ」
そう答えた笑顔は、自分でもわかる程、どこまでも引きつっていた。
24
あなたにおすすめの小説
トップアイドルα様は平凡βを運命にする【完】
新羽梅衣
BL
ありきたりなベータらしい人生を送ってきた平凡な大学生・春崎陽は深夜のコンビニでアルバイトをしている。 ある夜、コンビニに訪れた男と目が合った瞬間、まるで炭酸が弾けるような胸の高鳴りを感じてしまう。どこかで見たことのある彼はトップアイドル・sui(深山翠)だった。 翠と陽の距離は急接近するが、ふたりはアルファとベータ。翠が運命の番に憧れて相手を探すために芸能界に入ったと知った陽は、どう足掻いても番にはなれない関係に思い悩む。そんなとき、翠のマネージャーに声をかけられた陽はある決心をする。 運命の番を探すトップアイドルα×自分に自信がない平凡βの切ない恋のお話。
愛しいアルファが擬態をやめたら。
フジミサヤ
BL
「樹を傷物にしたの俺だし。責任とらせて」
「その言い方ヤメロ」
黒川樹の幼馴染みである九條蓮は、『運命の番』に憧れるハイスペック完璧人間のアルファである。蓮の元恋人が原因の事故で、樹は蓮に項を噛まれてしまう。樹は「番になっていないので責任をとる必要はない」と告げるが蓮は納得しない。しかし、樹は蓮に伝えていない秘密を抱えていた。
◇同級生の幼馴染みがお互いの本性曝すまでの話です。小学生→中学生→高校生→大学生までサクサク進みます。ハッピーエンド。
◇オメガバースの設定を一応借りてますが、あまりそれっぽい描写はありません。ムーンライトノベルズにも投稿しています。
ぼくが風になるまえに――
まめ
BL
「フロル、君との婚約を解消したいっ! 俺が真に愛する人は、たったひとりなんだっ!」
学園祭の夜、愛する婚約者ダレンに、突然別れを告げられた少年フロル。
――ああ、来るべき時が来た。講堂での婚約解消宣言!異世界テンプレ来ちゃったよ。
精霊の血をひく一族に生まれ、やがては故郷の風と消える宿命を抱えたフロルの前世は、ラノベ好きのおとなしい青年だった。
「ダレンが急に変わったのは、魅了魔法ってやつのせいじゃないかな?」
異世界チートはできないけど、好きだった人の目を覚ますくらいはできたらいいな。
切なさと希望が交錯する、ただフロルがかわいそかわいいだけのお話。ハピエンです。
ダレン×フロル
どうぞよろしくお願いいたします。
【完結】逆転シンデレラ〜かわいい「姫」は、俺(王子)を甘やかしたいスパダリだった〜
粗々木くうね
BL
「本当はずっと、お姫様になりたかったんだ……」
周りから「王子様」と持て囃され、知らず知らずのうちにその役割を演じてきた大学二年生の王子 光希(おうじ みつき)。
しかし彼の本当の願いは、誰かを愛す“王子”ではなく、誰かに愛される“お姫様”になることだった。
そんな光希の前に現れたのは、学科のアイドルで「姫」と呼ばれる、かわいらしい同級生・姫川 楓(ひめかわ かえで)。 彼が光希に告げたのは、予想もしない言葉だった──。
「僕に……愛されてみない?」
“姫”の顔をした“王子様”に、心も身体も解きほぐされていく──。 “王子”が“お姫様”になる、逆転シンデレラストーリー。
【登場人物】
姫川 楓(ひめかわ かえで)
・ポジション…攻め
・3月3日生まれ 19歳
・大学で建築を学ぶ2回生
・身長170cm
・髪型:ミディアムショートにやわらかミルクティーブラウンカラー。ゆるいパーマをかけている
・目元:たれ目
・下に2人妹がいる。長男。
・人懐っこくて愛嬌がある。一見不真面目に見えるが、勉学に対して真面目に取り組んでいて要領もよく優秀。
・可愛いものが好き。女友達が多いが男友達ともうまくやってる。
・おしゃれが大好き。ネイルもカラフル。
・王子とセットで「建築学科の姫」と呼ばれている
・かわいい見た目でペニスが大きい
王子 光希(おうじ みつき)
・ポジション…受け
・5月5日生まれ 20歳
・大学で建築を学ぶ2回生
・身長178cm
・髪型:センターパートのラフショート。ダークトーンのアッシュグレー
・目元:切れ長
・空気が読める。一軍男子。学業もスポーツも割とよくできる。
・上に姉と兄がいる。末っ子。
・姫川とセットで「建築学科の王子」と呼ばれている
・「かっこいい・頼れる王子」像を求められるので、自然と演じて生きてきた。本当は甘えたいし愛されたい。家族には甘えられる。
平凡な僕が優しい彼氏と別れる方法
あと
BL
「よし!別れよう!」
元遊び人の現爽やか風受けには激重執着男×ちょっとネガティブな鈍感天然アホの子
昔チャラかった癖に手を出してくれない攻めに憤った受けが、もしかしたら他に好きな人がいる!?と思い込み、別れようとする……?みたいな話です。
攻めの女性関係匂わせや攻めフェラがあり、苦手な人はブラウザバックで。
……これはメンヘラなのではないか?という説もあります。
pixivでも投稿しています。
攻め:九條隼人
受け:田辺光希
友人:石川優希
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグ整理します。ご了承ください。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
Bランク冒険者の転落
しそみょうが
BL
幼馴染の才能に嫉妬したBランク冒険者の主人公が、出奔した先で騙されて名有りモブ冒険者に隷属させられて性的に可哀想な日々を過ごしていたところに、激重友情で探しに来た粘着幼馴染がモブ✕主人公のあれこれを見て脳が破壊されてメリバ風になるお話です。
◯前半は名有りモブ✕主人公で後半は幼馴染✕主人公
◯お下品ワードがちょいちょい出てきて主人公はずっと性的に可哀想な感じです(・_・;)
◯今のところほとんどのページにちょっとずつ性描写があります
【完】研究好きの僕と生物学首席は幼馴染
おはぎ
BL
研究に没頭すると周りが見えなくなるヒルカは生活能力が皆無。そんなヒルカの生活の面倒を見る生物学首席のシャリオは幼馴染。ある日、シャリオがヒルカのことを友人に話しているのを聞いてしまい…。
マイペースでシャリオに甘え倒すヒルカと、そんなヒルカに呆れつつも面倒を見るシャリオのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる