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3章:幼年期で終り
第5話
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「で、今度は俺たちは、遊園地に付き合わされた、という訳か」
「いいじゃない、豊橋くん。アタシたち、一緒に遊園地なんて来たことないでしょ? 桜ちゃんは?」
「あたしですか? あたしは、ここの遊園地は小学生の頃以来かな~」
「鳴海くんと、どこかの遊園地に遊びに行ったことがあるかをきいたんだけど」
「え!? あ、そ、それはないです」
「豊橋にいちゃん、ここはただの遊園地じゃにゃーでよ。動植物園も併設しとるでよ」
「トヨハシさん、トコちゃんの言う通りなんですよ。動植物園の方がメインなんですからね」
「でも、おれは遊園地の方がいいな。動物園は遠足で何回も行ってるしな」
「ぼくは、むしろ植物園に行ってみたいかな。いつも動物園をまわったら、植物園に行く前に時間切れで閉園になっちゃうから…」
「ふん。どちらでもよかろう。どのみち俺たちの役割は子守だ。それより鳴海よ、教えてもらおう。何故、遊園地を選んだ」
「理由はシンプルだよ。単純にとこちゃんたちを誘いやすかった、という事もあるし、もし、とこちゃんのスキルが本物だった場合、自衛隊に命を狙われる可能性があるだろ? であれば、年齢層に幅がある多くの人が集まる場所の方が都合がいい。人に紛れやすいし、逃げやすい。とこちゃんの『心の中を覗く』スキルを検証するにも最適だ。サンプルが多いからね」
「なるほど。存外に合理的な理由だった。お前らしいチョイスだと言うべきか」
「最も心配なのは、とこちゃんのスキル発現が事実だったとして、崩壊フェイズまでの時間がどのくらいあるか、って事だ…。国府が生きていれば…」
「ふむ…。それが不明な限り、無分別に常滑にスキルを使わせるのは悪手だろう」
「鳴海にいちゃんと豊橋にいちゃん…。なんだか難しい事を考えてらっせるがね…」
「しまった、とこちゃんには、僕たちが考えてる事が読めてしまうんだ」
「鳴海よ。常滑には隠し事は無駄だ。とりあえず、スキルを無駄に消費させる事だけは回避するよう、言いつけるべきだろう」
「スキルってなんのことかね?」
「えっと…。つまり、とこちゃんの『心の中を覗く』超能力の事だよ。しばらくは、僕たちがとこちゃんにお願いした時以外は、使わないで欲しいんだけど、できるかな?」
「にいちゃんたちがお願いした時だけかね。そりゃ、でら難しいがね。何の気なしに、そこら中の人の心の声が聞こえてまうでかんわ」
「そうなのか…。僕たちが思っている以上に、無意識に発動できてしまうスキルなのか…。ということは、1回あたりの寿命への影響リスクは小さいんだろうか…」
「まあいい常滑。それでも、可能な限り人の心の中を読むのはやめろ。深い闇を抱えた人間もいるしな。犯罪を犯そうとしている人間をもし見つけても、お前にはどうにもできん」
「そ、それはそうだわ。わかったでよ。できるだけ人の心を読むのは気をつけるわ…」
「よし! じゃあ、遊ぼうよ! とりあえずみんなでミラーハウスに行こうよ!」
「ミラーハウスだって? その絶妙なチョイスが、桜らしいな…」
「は、は、はい。す、すか、スカイタワーの、さい、最上階から、もく、も、目標を目視で、ほ、ほそ、捕捉しました。え、ええ。例の高校生たちと、しょ、小学生たちです。い、いえ。ええっと…。いえ、じ、じぜ、事前に左京山さんから、きょ、共有されていた情報よりも、い、いち、1名足りないようです。はい? そ、そうですね…。こ、この、この距離からだと、す、スキル者の人数と内容の特定までは…。え、ええ。こ、ここを拠点に、ゆ、誘導指示を出します。は、はい。りょ、了解です。はい。はい? か、かん、観覧車ですか? た、たし、確かに、かく、確実な方法ですが…。い、いえ。わ、わた、私の顔は、しら、知られていません。わ、わかりました。も、もし、かれ、彼らが観覧車に向かう場合は…。はい。はい。わた、私が、た、単独でですか? え、ええっと…そ、そうですね…。だ、だい、大丈夫だと思います。はい? え、ええ…そ、それ、それなら…。りょ、了解です」
「あ~痛かった!」
「痛かった、じゃないよ。あんな子供だましのミラーハウスで、何回頭をぶつけてるんだよ」
「むう…ばかにされた…」
「桜ねえちゃん、さすがのうちらも、あのくらい簡単だったでよ」
「桜さん、ださいっす」
「サクラおねえちゃん、だいじょうぶ? ふふふ」
「がーん…。有松くんと呼続ちゃんにまでからかわれた…」
「さて…鳴海よ。桜を含んだ子どもたちに遊ばせる為に遊園地に来たわけではあるまい。どうやって常滑のスキルの検証をするつもりか、教えてもらうとしよう」
「ああ、もちろんだよ。確認には、観覧車を使おうと思う」
「観覧車か…。どういう算段か聞かせてもらおう」
「検証したいのは、大きく3つだ。ひとつめは、とこちゃんの能力が『過去も含めた他人の記憶を読んでいる』のか『リアルタイムな頭の中を読んでいるのか』。仮説としては後者だけれど、前者だった場合、僕たちが想定している以上にとんでもないスキルが発現している事になる。ふたつめは、とこちゃんが読む情報は『画像や映像』なのか、『文字や音声』なのか。今までのサンプルからの仮説としては、両方だ。そしてみっつめは『スキルがおよぶ距離感は、どのくらいの範囲か』。この遊園地の観覧車の直径は50mくらいだろう。もし、50m離れて読めるのであれば、かなりの範囲に適用できる事になる。この3つがわかれば、とこちゃんのスキル発現がほぼ確定するし、崩壊フェイズに至らない為の対策もしやすくなると思う。これを最小のスキル発動回数で検証する」
「なるほど。だが鳴海よ。お前のことだ。目的はそれだけではなかろう」
「いいじゃない、豊橋くん。アタシたち、一緒に遊園地なんて来たことないでしょ? 桜ちゃんは?」
「あたしですか? あたしは、ここの遊園地は小学生の頃以来かな~」
「鳴海くんと、どこかの遊園地に遊びに行ったことがあるかをきいたんだけど」
「え!? あ、そ、それはないです」
「豊橋にいちゃん、ここはただの遊園地じゃにゃーでよ。動植物園も併設しとるでよ」
「トヨハシさん、トコちゃんの言う通りなんですよ。動植物園の方がメインなんですからね」
「でも、おれは遊園地の方がいいな。動物園は遠足で何回も行ってるしな」
「ぼくは、むしろ植物園に行ってみたいかな。いつも動物園をまわったら、植物園に行く前に時間切れで閉園になっちゃうから…」
「ふん。どちらでもよかろう。どのみち俺たちの役割は子守だ。それより鳴海よ、教えてもらおう。何故、遊園地を選んだ」
「理由はシンプルだよ。単純にとこちゃんたちを誘いやすかった、という事もあるし、もし、とこちゃんのスキルが本物だった場合、自衛隊に命を狙われる可能性があるだろ? であれば、年齢層に幅がある多くの人が集まる場所の方が都合がいい。人に紛れやすいし、逃げやすい。とこちゃんの『心の中を覗く』スキルを検証するにも最適だ。サンプルが多いからね」
「なるほど。存外に合理的な理由だった。お前らしいチョイスだと言うべきか」
「最も心配なのは、とこちゃんのスキル発現が事実だったとして、崩壊フェイズまでの時間がどのくらいあるか、って事だ…。国府が生きていれば…」
「ふむ…。それが不明な限り、無分別に常滑にスキルを使わせるのは悪手だろう」
「鳴海にいちゃんと豊橋にいちゃん…。なんだか難しい事を考えてらっせるがね…」
「しまった、とこちゃんには、僕たちが考えてる事が読めてしまうんだ」
「鳴海よ。常滑には隠し事は無駄だ。とりあえず、スキルを無駄に消費させる事だけは回避するよう、言いつけるべきだろう」
「スキルってなんのことかね?」
「えっと…。つまり、とこちゃんの『心の中を覗く』超能力の事だよ。しばらくは、僕たちがとこちゃんにお願いした時以外は、使わないで欲しいんだけど、できるかな?」
「にいちゃんたちがお願いした時だけかね。そりゃ、でら難しいがね。何の気なしに、そこら中の人の心の声が聞こえてまうでかんわ」
「そうなのか…。僕たちが思っている以上に、無意識に発動できてしまうスキルなのか…。ということは、1回あたりの寿命への影響リスクは小さいんだろうか…」
「まあいい常滑。それでも、可能な限り人の心の中を読むのはやめろ。深い闇を抱えた人間もいるしな。犯罪を犯そうとしている人間をもし見つけても、お前にはどうにもできん」
「そ、それはそうだわ。わかったでよ。できるだけ人の心を読むのは気をつけるわ…」
「よし! じゃあ、遊ぼうよ! とりあえずみんなでミラーハウスに行こうよ!」
「ミラーハウスだって? その絶妙なチョイスが、桜らしいな…」
「は、は、はい。す、すか、スカイタワーの、さい、最上階から、もく、も、目標を目視で、ほ、ほそ、捕捉しました。え、ええ。例の高校生たちと、しょ、小学生たちです。い、いえ。ええっと…。いえ、じ、じぜ、事前に左京山さんから、きょ、共有されていた情報よりも、い、いち、1名足りないようです。はい? そ、そうですね…。こ、この、この距離からだと、す、スキル者の人数と内容の特定までは…。え、ええ。こ、ここを拠点に、ゆ、誘導指示を出します。は、はい。りょ、了解です。はい。はい? か、かん、観覧車ですか? た、たし、確かに、かく、確実な方法ですが…。い、いえ。わ、わた、私の顔は、しら、知られていません。わ、わかりました。も、もし、かれ、彼らが観覧車に向かう場合は…。はい。はい。わた、私が、た、単独でですか? え、ええっと…そ、そうですね…。だ、だい、大丈夫だと思います。はい? え、ええ…そ、それ、それなら…。りょ、了解です」
「あ~痛かった!」
「痛かった、じゃないよ。あんな子供だましのミラーハウスで、何回頭をぶつけてるんだよ」
「むう…ばかにされた…」
「桜ねえちゃん、さすがのうちらも、あのくらい簡単だったでよ」
「桜さん、ださいっす」
「サクラおねえちゃん、だいじょうぶ? ふふふ」
「がーん…。有松くんと呼続ちゃんにまでからかわれた…」
「さて…鳴海よ。桜を含んだ子どもたちに遊ばせる為に遊園地に来たわけではあるまい。どうやって常滑のスキルの検証をするつもりか、教えてもらうとしよう」
「ああ、もちろんだよ。確認には、観覧車を使おうと思う」
「観覧車か…。どういう算段か聞かせてもらおう」
「検証したいのは、大きく3つだ。ひとつめは、とこちゃんの能力が『過去も含めた他人の記憶を読んでいる』のか『リアルタイムな頭の中を読んでいるのか』。仮説としては後者だけれど、前者だった場合、僕たちが想定している以上にとんでもないスキルが発現している事になる。ふたつめは、とこちゃんが読む情報は『画像や映像』なのか、『文字や音声』なのか。今までのサンプルからの仮説としては、両方だ。そしてみっつめは『スキルがおよぶ距離感は、どのくらいの範囲か』。この遊園地の観覧車の直径は50mくらいだろう。もし、50m離れて読めるのであれば、かなりの範囲に適用できる事になる。この3つがわかれば、とこちゃんのスキル発現がほぼ確定するし、崩壊フェイズに至らない為の対策もしやすくなると思う。これを最小のスキル発動回数で検証する」
「なるほど。だが鳴海よ。お前のことだ。目的はそれだけではなかろう」
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