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4章:仮死451
第8話
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「本星崎、帰る前に、ちょっといいかな…」
「な、なる、鳴海くん…。な、なん、なんなの? わ、わ、わかっていると思うけど、わ、わた、私が何か言える事は無い」
「まあ、そうだよな…。でもせっかくこうして文藝部で一緒に活動してるんだ。友達として言える範囲でいいから、教えて欲しい。神宮前に発現しているスキルは、一体どんな内容なんだ? やっぱり、崩壊フェイズは免れ得ないのか?」
「バ、バ、バカじゃないの」
「やっぱりそっか…。教えてはくれないよな…」
「ま、ま、まえ、前にも言ったけど、わ、わ、私は、わた、わ、私の個人的な意向で、ぶ、ぶん、文藝部にいるだけだから」
「その言葉は、額面通りにとっていいんだよな? 本星崎には本星崎の立場があるのもわかるけど…」
「…ふ、ふん。そ、そ、そう思うんだったら、わ、わ、私にこれ以上、むい、む、む、無意味な質問をしないで」
「わかった…。ごめん。ありがとう。でも、僕たちが、本星崎と純粋に友達としてやっていく方法を常に探っている事は、忘れないでほしい」
「…と、とこ、常滑さんを使って、わ、わ、私を騙そうとした人たちが、な、な、なに、何を言っているのかしら」
「そっか…。それは確かに悪かったよな。でも、本星崎は今の状態が苦しくはないのか? 僕たちはまだ、スキルの正体を知らないし、僕たちに何が起こっているのかもよくわからない。ただ、国家権力によって監視されたり殺害されたりする対象になっている事は理解している。本星崎が、自分にスキルが発現していながら防衛省側についているという事は、本星崎自身が常に命を失うリスクにさらされている事だと僕たちは認識している。キミは、そんな板挟みの状況で、一体いつまで僕たちを監視しなければならないんだ?」
「そ、そ、それは、ま、まえ、前にあなたたちが言った、か、か、仮説を信じてみればいいんじゃない?」
「本星崎、キミは、僕たちとの関係性を作れば作るほど、僕たちを殺害対象としたときの重荷が増えるんだぞ?」
「…ふ、ふん。み、み、見くびらないで。そ、そ、そんなに甘い世界で、わ、わた、私、い、い、生きていないから。さよなら」
「神宮前よ、待て」
「豊橋先輩…」
「過度な干渉は俺の趣味じゃない。だが、定期的に確認を要する場合はこの限りじゃない」
「ボクのスキルについてっスか? だったら、まだわからないんスよね。本当に、特に何ともないんですもん」
「そうか…。本星崎を籠絡させるに有意なスキルでも発現していれば、と思ったがな」
「な~んだ、やっぱり豊橋先輩、ボクの事を心配してくれてた訳じゃないんだ」
「他人の性質はそう簡単に変えられん。だからお前も、他人に期待をするのはやめておくんだな」
「ちえ。でも、そうっスよね。国府チャンやとこチャンみたいなスキルがあれば、ボクも役に立てたのにな…。自分のスキルがわからないまま、時間切れで爆発して死ぬのはいやだな…」
「豊橋。あ、神宮前も一緒か」
「鳴海か。本星崎はどうだった」
「いや…ダメだった。とこちゃんのスキルがないと、やっぱり情報を得るのは難しい。そして、とこちゃんの件があったから、本星崎はひどく警戒しているみたいだ」
「ふん。であれば、さらなるリスクを負わせる算段をするまでだ。ヤツが防衛省側から殺害対象と認知されるようにしむけるか、あるいは崩壊フェイズをパスできないように妨害するか」
「やっぱりそうなるよな…。できれば、純粋に友達として聞き出せるといいんだけれど」
「本星崎が崩壊フェイズの延長を防衛省側に委ねている限り、それは無理だろう。ヤツも命がけという事だ。情報を話せという事は、命を削れと言っているに等しい」
「まあ…そうなんだろうけどね」
「左京山のメッセンジャーの情報が正しく、かつ本星崎にも届いていると仮定すると、事が起こるのは夏休み中だろう。逆に言えば、夏休みまでは神宮前が死ぬことはない。それまでに本星崎にボロを出させて懐柔する必要がある」
「夏休みまで…っスか…」
「豊橋…。本星崎を騙してこっち側につかざるを得ないようにけしかけるのは、ちょっと気が引けるけどな」
「お互い、命のやりとりだ。国府の事件以降、自衛隊の連中は大人しくしているが、本星崎が俺たちについての情報収集をしている限り、今後動きは活発化するとみて間違いない。少なくとも、今の俺たちにとって、神宮前の命と本星崎の命を天秤にかけた場合、神宮前の方が重い。であれば、本星崎に感傷的になるのは悪手だ」
「と、豊橋先輩…やっぱり、ボクの事を心配してくれてるんスね」
「神宮前よ。勘違いするな。俺は常に論理的なだけだ」
「さて…じゃあ、どうやって本星崎に対して次の一手を打つか、だな…」
「予定通り、夏休み前に左京山にアクセスを試みるのが先決だろう。本当に人違いなのか、そうでないのかは確かめておく必要がある」
「堀田さんに確認して貰った時は、嘘を言っていた可能性がある、って事か…」
「そうとも限るまい。あの時点では、まだスキルが発現していなかった、あるいは発現はしていたが、気付いていなかった可能性もある」
「なるほどな…。左京山が僕たちにとって有益なメッセージを送ってきているって事は、一方的に嘘を突き通す理由はないって事か」
「俺たちを陥れる罠でなければな」
「確かに」
「左京山の線が消えた場合、本星崎の崩壊フェイズを阻止するパターンも試みる価値はあろう。だが、本星崎に冗談抜きで命のリスクを負わせる必要があり、しかも神宮前の崩壊フェイズが先だった場合はお手上げになる。これ以外の手がなくなった場合は、賭けとなるが、やむを得まい」
「本星崎に、スキルをできるだけ多く使わせる方法を考える感じか…」
「多人数のスキル鑑定を要するシチュエーションを作り上げる必要があるが、容易ではあるまい」
「どのみち、まずは左京山にあたってみる必要があるそうだな…」
「な、なる、鳴海くん…。な、なん、なんなの? わ、わ、わかっていると思うけど、わ、わた、私が何か言える事は無い」
「まあ、そうだよな…。でもせっかくこうして文藝部で一緒に活動してるんだ。友達として言える範囲でいいから、教えて欲しい。神宮前に発現しているスキルは、一体どんな内容なんだ? やっぱり、崩壊フェイズは免れ得ないのか?」
「バ、バ、バカじゃないの」
「やっぱりそっか…。教えてはくれないよな…」
「ま、ま、まえ、前にも言ったけど、わ、わ、私は、わた、わ、私の個人的な意向で、ぶ、ぶん、文藝部にいるだけだから」
「その言葉は、額面通りにとっていいんだよな? 本星崎には本星崎の立場があるのもわかるけど…」
「…ふ、ふん。そ、そ、そう思うんだったら、わ、わ、私にこれ以上、むい、む、む、無意味な質問をしないで」
「わかった…。ごめん。ありがとう。でも、僕たちが、本星崎と純粋に友達としてやっていく方法を常に探っている事は、忘れないでほしい」
「…と、とこ、常滑さんを使って、わ、わ、私を騙そうとした人たちが、な、な、なに、何を言っているのかしら」
「そっか…。それは確かに悪かったよな。でも、本星崎は今の状態が苦しくはないのか? 僕たちはまだ、スキルの正体を知らないし、僕たちに何が起こっているのかもよくわからない。ただ、国家権力によって監視されたり殺害されたりする対象になっている事は理解している。本星崎が、自分にスキルが発現していながら防衛省側についているという事は、本星崎自身が常に命を失うリスクにさらされている事だと僕たちは認識している。キミは、そんな板挟みの状況で、一体いつまで僕たちを監視しなければならないんだ?」
「そ、そ、それは、ま、まえ、前にあなたたちが言った、か、か、仮説を信じてみればいいんじゃない?」
「本星崎、キミは、僕たちとの関係性を作れば作るほど、僕たちを殺害対象としたときの重荷が増えるんだぞ?」
「…ふ、ふん。み、み、見くびらないで。そ、そ、そんなに甘い世界で、わ、わた、私、い、い、生きていないから。さよなら」
「神宮前よ、待て」
「豊橋先輩…」
「過度な干渉は俺の趣味じゃない。だが、定期的に確認を要する場合はこの限りじゃない」
「ボクのスキルについてっスか? だったら、まだわからないんスよね。本当に、特に何ともないんですもん」
「そうか…。本星崎を籠絡させるに有意なスキルでも発現していれば、と思ったがな」
「な~んだ、やっぱり豊橋先輩、ボクの事を心配してくれてた訳じゃないんだ」
「他人の性質はそう簡単に変えられん。だからお前も、他人に期待をするのはやめておくんだな」
「ちえ。でも、そうっスよね。国府チャンやとこチャンみたいなスキルがあれば、ボクも役に立てたのにな…。自分のスキルがわからないまま、時間切れで爆発して死ぬのはいやだな…」
「豊橋。あ、神宮前も一緒か」
「鳴海か。本星崎はどうだった」
「いや…ダメだった。とこちゃんのスキルがないと、やっぱり情報を得るのは難しい。そして、とこちゃんの件があったから、本星崎はひどく警戒しているみたいだ」
「ふん。であれば、さらなるリスクを負わせる算段をするまでだ。ヤツが防衛省側から殺害対象と認知されるようにしむけるか、あるいは崩壊フェイズをパスできないように妨害するか」
「やっぱりそうなるよな…。できれば、純粋に友達として聞き出せるといいんだけれど」
「本星崎が崩壊フェイズの延長を防衛省側に委ねている限り、それは無理だろう。ヤツも命がけという事だ。情報を話せという事は、命を削れと言っているに等しい」
「まあ…そうなんだろうけどね」
「左京山のメッセンジャーの情報が正しく、かつ本星崎にも届いていると仮定すると、事が起こるのは夏休み中だろう。逆に言えば、夏休みまでは神宮前が死ぬことはない。それまでに本星崎にボロを出させて懐柔する必要がある」
「夏休みまで…っスか…」
「豊橋…。本星崎を騙してこっち側につかざるを得ないようにけしかけるのは、ちょっと気が引けるけどな」
「お互い、命のやりとりだ。国府の事件以降、自衛隊の連中は大人しくしているが、本星崎が俺たちについての情報収集をしている限り、今後動きは活発化するとみて間違いない。少なくとも、今の俺たちにとって、神宮前の命と本星崎の命を天秤にかけた場合、神宮前の方が重い。であれば、本星崎に感傷的になるのは悪手だ」
「と、豊橋先輩…やっぱり、ボクの事を心配してくれてるんスね」
「神宮前よ。勘違いするな。俺は常に論理的なだけだ」
「さて…じゃあ、どうやって本星崎に対して次の一手を打つか、だな…」
「予定通り、夏休み前に左京山にアクセスを試みるのが先決だろう。本当に人違いなのか、そうでないのかは確かめておく必要がある」
「堀田さんに確認して貰った時は、嘘を言っていた可能性がある、って事か…」
「そうとも限るまい。あの時点では、まだスキルが発現していなかった、あるいは発現はしていたが、気付いていなかった可能性もある」
「なるほどな…。左京山が僕たちにとって有益なメッセージを送ってきているって事は、一方的に嘘を突き通す理由はないって事か」
「俺たちを陥れる罠でなければな」
「確かに」
「左京山の線が消えた場合、本星崎の崩壊フェイズを阻止するパターンも試みる価値はあろう。だが、本星崎に冗談抜きで命のリスクを負わせる必要があり、しかも神宮前の崩壊フェイズが先だった場合はお手上げになる。これ以外の手がなくなった場合は、賭けとなるが、やむを得まい」
「本星崎に、スキルをできるだけ多く使わせる方法を考える感じか…」
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「どのみち、まずは左京山にあたってみる必要があるそうだな…」
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