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4章:仮死451
第23話
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「朝か…。今日でようやく3日目だ」
「鳴海よ。ラブホテルの窓を開けるのはよせ。諸々、興醒めだ」
「興醒めもクソもあるかよ…」
「えへへ。なんだか、部活動の合宿みたいで楽しいよね~。お菓子とかもっと買って来ればよかったかな? はわわぁあああ…。あ~あ、寝不足だな~」
「文藝部が合宿かよ…。まあ、そのお気楽な桜を見ていると、安心するんだけどさ」
「合宿と称して問題あるまい。現にお前は、夜を徹して小説を書き終えたではないか」
「まあ…そうだけどさ」
「お陰様であたしも、もう完成した人たちの原稿の校正作業をする事ができました~」
「ふむ。いずれも結構な話だが、俺の立場からすると、だ。神宮前をさっさと叩き起こし、原稿を進めさせる必要がある」
「えっと…目が覚めるまで、あとまだ5時間くらいあるな」
「午後には堀田たちも来るはずだ。神宮前が無事に目覚める事を祈るとするか」
「これでよし…と」
「すまんな、堀田」
「ううん。でも、びっくりしたわ。本当に、3日間で、ここまで傷が消えてしまうなんて…。うん。体が温かくなってるし、汗もかいてるみたいね。頬も紅潮してるみたい」
「リアルタイムに再生の様子を見たわけではない。だが、朝方から自律呼吸や脈動が始まっている。恐らく脳波も正常に戻りつつあるのだろう」
「こ、こ、こん、こんなスキルが存在するなんて…お、お、おど、驚いたわ…」
「そっか。本星崎も、神宮前のスキルは鑑定できない、って言ってたもんな。という事は、神宮前に崩壊フェイズが存在するのか、とか、寿命がどこまで伸びる可能性があるのか、とかは知らないんだよな?」
「え、え、ええ…知らない。で、で、でも…こ、こ、このスキルがあれば、ほ、ほ、他のスキル者の、ほ、ほう、崩壊フェイズを、無制限にパスできるかもしれない…」
「崩壊フェイズ…か…。本星崎、その話について、先日の続きをきいちゃってもいいだろうか?」
「…そ、そ、そうね…。うん…。わ、わ、わかった…」
「急かすつもりはない。お前のペースで話せ」
「え…ええ…。ま、ま、まず…ほ、崩壊フェイズが、な、な、なぜスキル者に発生するのかは、わ、わ、私には、わか、わか、わからない、という話は、した、し、したわよね?」
「うん。それはきいた」
「お、お、多くの、ス、スキ、スキル者は、スキル発現後、ひゃく、ひゃ、100日前後で崩壊フェイズをむかえて、ば、ば、爆発して、し、し、死ぬ」
「…とこちゃんや神宮前は例外、という事か…」
「れ、れ、例外となるスキルが、ど、どの、どの、どのくらいあるかは、ふ、ふ、不明。だ、だ、だけれど、ほ、ほ、ほとんどのスキル発現者は、ほ、ほ、崩壊フェイズをパスできなければ、死ぬ」
「本星崎よ。お前は孤児だったと言っていたな。お前がスキル発現してからどのくらい生きているか知らんが、複数回の崩壊フェイズのパスを経験しているのだろう」
「ええ…し、し、しているわ…」
「…本星崎…崩壊フェイズのパスの方法というのは、そんなに話すのがつらい事なのか?」
「う…う、うん…。だ、だ、だって…ひ、ひ、1人のスキル発現者のパスを、い、い、1回するのに…」
「うん…するのに…?」
「…ば、ば、場合によっては…ふ、ふ、複数人の、別のスキル発現者の命が、ひ、ひ、必要になるの…」
「ふん。別のスキル者の命…か」
「そうだったのか…。つまり、本星崎は…」
「え、え、ええ…。い、い、言いづらい理由、わ、わ、わか、わかってもらえたかしら?」
「…悪かったよ」
「…わ、わ、わた、私を生き延びさせるために…わ、わ、私の大切な人まで、い、い、命を、さ、ささ、捧げてくれたの…」
「本星崎さん…。アナタ、つらい思いをしてきたのね…」
「本星崎よ。俺たちには、もう少し具体的な情報が必要だ。崩壊フェイズのパスに、他のスキル発現者の命が必要となる理屈を教えて貰おう」
「そ、そ、そうね…。か、か、簡単に言うと、ほ、ほ、崩壊フェイズをパスするには、ほ、ほ、ほか、他のスキル者の、の、の、残りの寿命を分け与える必要がある…」
「寿命を…分け与える…か。なるほどね。例えば、僕が崩壊フェイズに突入したとして、崩壊フェイズをパスして寿命を100日間まで戻すためには、何人かのスキル発現者を犠牲にして、その合計寿命で100日になるようにする必要がある、という事か…」
「そ、そ、その考え方で、合ってる…」
「100日まで戻したとして、だ。犠牲になったスキル発現者に寿命が残った場合はどうなる」
「そ、その、その残りの寿命が尽きるまでは、い、い、生きる事ができる…。じゅ、じゅ、寿命が尽きれば、ほ、ほ、他のスキル発現者同様、ほう、ほ、崩壊フェイズに至って、ば、ば、爆発死する…」
「ん? という事は、崩壊フェイズをパスするために犠牲になった別のスキル発現者が、その場で寿命が0になった場合、連鎖的に、そのスキル発現者の崩壊フェイズも始まる、という事か?」
「え…ええ。そ、そ、その通りよ…。お、お、恐ろしいでしょ…。わ、わ、私は、な、な、何度も見てきた…。い、い、命を分けて貰う側の人間だったもの…。め、め、目の前で、れ、れん、連鎖的に崩壊フェイズが発生するのを…」
「ふん。笑えんな。察するに余りある」
「…でも、本星崎。犠牲になるスキル発現者、というのは、主にどういう人たちになるんだ?」
「…ふふ…。こ、こた、答えは、シ、シ、シンプルよ。か、かれ、彼らにとって、価値のないスキルが発現した者が、か、かち、価値のあるスキルを持った者のために、ぎ、ぎ、ぎ、犠牲になる…」
「価値のないスキルを持った人たち…か。それって…もしかして…」
「え、え、ええ。そ、そう、そうよ…。ぜ、ぜ、全員、わ、わ、わ、私の友達だった人たち…」
「…ありがとう。勇気を出して、話してくれて」
「う、う、ううん。い、い、今は、わた、わ、私たち全員にかかわる問題だし…つ、つ、次は、わ、わ、私が、ほ、ほ、崩壊フェイズで死ぬ番だから…。う、ううん。わ、わ、私は、た、た、沢山の人の命を、ぎ、ぎ、犠牲にしすぎた…。つ、つ、次は、私の命を使って、だ、だ、誰かの崩壊フェイズをパスさせる番…」
「そうか。めでたい。つまり、俺たちが崩壊フェイズをパスするためには、俺たちの中の、誰かを常にに犠牲にしなければならんわけだ。それでも、100日程度までしか寿命を延ばす事ができん。崩壊フェイズの度に命の選択を迫られる上、最終的には全滅のシナリオ以外ない、というわけだ」
「コメディだな。だから、神宮前の寿命が際限なく伸びるスキルが、崩壊フェイズの救世主になるかもしれない、という事か…」
「え、ええ。そ、そ、そういう事。あ…そ、そ、そういえば…な、なる、鳴海くんのスキルも、か、か、彼らが必要としているスキルよ…。ほ、ほう、崩壊フェイズをパスした時に、じゅ、じゅ、寿命をどれだけ回復できたかを、せ、せ、せい、正確に把握できるスキルは、ちょ、重宝するから…。こ、こ、国府さんも、本当は、ほ、ほば、捕縛される筈だった…。で、で、でも、その前に崩壊フェイズが始まってしまったから…」
「…そうなのか…。となると、僕も捕縛される可能性がある、って事か…。気をつける必要があるな」
「鳴海よ。ラブホテルの窓を開けるのはよせ。諸々、興醒めだ」
「興醒めもクソもあるかよ…」
「えへへ。なんだか、部活動の合宿みたいで楽しいよね~。お菓子とかもっと買って来ればよかったかな? はわわぁあああ…。あ~あ、寝不足だな~」
「文藝部が合宿かよ…。まあ、そのお気楽な桜を見ていると、安心するんだけどさ」
「合宿と称して問題あるまい。現にお前は、夜を徹して小説を書き終えたではないか」
「まあ…そうだけどさ」
「お陰様であたしも、もう完成した人たちの原稿の校正作業をする事ができました~」
「ふむ。いずれも結構な話だが、俺の立場からすると、だ。神宮前をさっさと叩き起こし、原稿を進めさせる必要がある」
「えっと…目が覚めるまで、あとまだ5時間くらいあるな」
「午後には堀田たちも来るはずだ。神宮前が無事に目覚める事を祈るとするか」
「これでよし…と」
「すまんな、堀田」
「ううん。でも、びっくりしたわ。本当に、3日間で、ここまで傷が消えてしまうなんて…。うん。体が温かくなってるし、汗もかいてるみたいね。頬も紅潮してるみたい」
「リアルタイムに再生の様子を見たわけではない。だが、朝方から自律呼吸や脈動が始まっている。恐らく脳波も正常に戻りつつあるのだろう」
「こ、こ、こん、こんなスキルが存在するなんて…お、お、おど、驚いたわ…」
「そっか。本星崎も、神宮前のスキルは鑑定できない、って言ってたもんな。という事は、神宮前に崩壊フェイズが存在するのか、とか、寿命がどこまで伸びる可能性があるのか、とかは知らないんだよな?」
「え、え、ええ…知らない。で、で、でも…こ、こ、このスキルがあれば、ほ、ほ、他のスキル者の、ほ、ほう、崩壊フェイズを、無制限にパスできるかもしれない…」
「崩壊フェイズ…か…。本星崎、その話について、先日の続きをきいちゃってもいいだろうか?」
「…そ、そ、そうね…。うん…。わ、わ、わかった…」
「急かすつもりはない。お前のペースで話せ」
「え…ええ…。ま、ま、まず…ほ、崩壊フェイズが、な、な、なぜスキル者に発生するのかは、わ、わ、私には、わか、わか、わからない、という話は、した、し、したわよね?」
「うん。それはきいた」
「お、お、多くの、ス、スキ、スキル者は、スキル発現後、ひゃく、ひゃ、100日前後で崩壊フェイズをむかえて、ば、ば、爆発して、し、し、死ぬ」
「…とこちゃんや神宮前は例外、という事か…」
「れ、れ、例外となるスキルが、ど、どの、どの、どのくらいあるかは、ふ、ふ、不明。だ、だ、だけれど、ほ、ほ、ほとんどのスキル発現者は、ほ、ほ、崩壊フェイズをパスできなければ、死ぬ」
「本星崎よ。お前は孤児だったと言っていたな。お前がスキル発現してからどのくらい生きているか知らんが、複数回の崩壊フェイズのパスを経験しているのだろう」
「ええ…し、し、しているわ…」
「…本星崎…崩壊フェイズのパスの方法というのは、そんなに話すのがつらい事なのか?」
「う…う、うん…。だ、だ、だって…ひ、ひ、1人のスキル発現者のパスを、い、い、1回するのに…」
「うん…するのに…?」
「…ば、ば、場合によっては…ふ、ふ、複数人の、別のスキル発現者の命が、ひ、ひ、必要になるの…」
「ふん。別のスキル者の命…か」
「そうだったのか…。つまり、本星崎は…」
「え、え、ええ…。い、い、言いづらい理由、わ、わ、わか、わかってもらえたかしら?」
「…悪かったよ」
「…わ、わ、わた、私を生き延びさせるために…わ、わ、私の大切な人まで、い、い、命を、さ、ささ、捧げてくれたの…」
「本星崎さん…。アナタ、つらい思いをしてきたのね…」
「本星崎よ。俺たちには、もう少し具体的な情報が必要だ。崩壊フェイズのパスに、他のスキル発現者の命が必要となる理屈を教えて貰おう」
「そ、そ、そうね…。か、か、簡単に言うと、ほ、ほ、崩壊フェイズをパスするには、ほ、ほ、ほか、他のスキル者の、の、の、残りの寿命を分け与える必要がある…」
「寿命を…分け与える…か。なるほどね。例えば、僕が崩壊フェイズに突入したとして、崩壊フェイズをパスして寿命を100日間まで戻すためには、何人かのスキル発現者を犠牲にして、その合計寿命で100日になるようにする必要がある、という事か…」
「そ、そ、その考え方で、合ってる…」
「100日まで戻したとして、だ。犠牲になったスキル発現者に寿命が残った場合はどうなる」
「そ、その、その残りの寿命が尽きるまでは、い、い、生きる事ができる…。じゅ、じゅ、寿命が尽きれば、ほ、ほ、他のスキル発現者同様、ほう、ほ、崩壊フェイズに至って、ば、ば、爆発死する…」
「ん? という事は、崩壊フェイズをパスするために犠牲になった別のスキル発現者が、その場で寿命が0になった場合、連鎖的に、そのスキル発現者の崩壊フェイズも始まる、という事か?」
「え…ええ。そ、そ、その通りよ…。お、お、恐ろしいでしょ…。わ、わ、私は、な、な、何度も見てきた…。い、い、命を分けて貰う側の人間だったもの…。め、め、目の前で、れ、れん、連鎖的に崩壊フェイズが発生するのを…」
「ふん。笑えんな。察するに余りある」
「…でも、本星崎。犠牲になるスキル発現者、というのは、主にどういう人たちになるんだ?」
「…ふふ…。こ、こた、答えは、シ、シ、シンプルよ。か、かれ、彼らにとって、価値のないスキルが発現した者が、か、かち、価値のあるスキルを持った者のために、ぎ、ぎ、ぎ、犠牲になる…」
「価値のないスキルを持った人たち…か。それって…もしかして…」
「え、え、ええ。そ、そう、そうよ…。ぜ、ぜ、全員、わ、わ、わ、私の友達だった人たち…」
「…ありがとう。勇気を出して、話してくれて」
「う、う、ううん。い、い、今は、わた、わ、私たち全員にかかわる問題だし…つ、つ、次は、わ、わ、私が、ほ、ほ、崩壊フェイズで死ぬ番だから…。う、ううん。わ、わ、私は、た、た、沢山の人の命を、ぎ、ぎ、犠牲にしすぎた…。つ、つ、次は、私の命を使って、だ、だ、誰かの崩壊フェイズをパスさせる番…」
「そうか。めでたい。つまり、俺たちが崩壊フェイズをパスするためには、俺たちの中の、誰かを常にに犠牲にしなければならんわけだ。それでも、100日程度までしか寿命を延ばす事ができん。崩壊フェイズの度に命の選択を迫られる上、最終的には全滅のシナリオ以外ない、というわけだ」
「コメディだな。だから、神宮前の寿命が際限なく伸びるスキルが、崩壊フェイズの救世主になるかもしれない、という事か…」
「え、ええ。そ、そ、そういう事。あ…そ、そ、そういえば…な、なる、鳴海くんのスキルも、か、か、彼らが必要としているスキルよ…。ほ、ほう、崩壊フェイズをパスした時に、じゅ、じゅ、寿命をどれだけ回復できたかを、せ、せ、せい、正確に把握できるスキルは、ちょ、重宝するから…。こ、こ、国府さんも、本当は、ほ、ほば、捕縛される筈だった…。で、で、でも、その前に崩壊フェイズが始まってしまったから…」
「…そうなのか…。となると、僕も捕縛される可能性がある、って事か…。気をつける必要があるな」
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