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5章:ある少女に花束を
第11話
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「鳴海先輩! こっち、男子トイレです。女子トイレ、女子トイレはあっちっス」
「ええ!? この際、どっちだっていいだろ?」
「こういう事はちゃんとしなきゃ。女子の方が多いんスから」
「わ、わかったよ。じゃあ、こっちだな。バタン」
「なんとか3人入れましたわね…。鳴海クン、残りの寿命は?」
「あと30秒ちょっとで崩壊フェイズが始まる。国府があれだけ苦しんだからな…。正直、僕もちょっと怖いよ。できるだけ声は出さないように我慢するつもりだけれど…。崩壊する前に殺してもらった方が、本当はいいのかもしれない」
「鳴海クン、それは無駄ですわ。スキル発現者は、死体となっても時間がくれば崩壊フェイズが開始しますの」
「なんだって? 死んでいても崩壊するのか…。それは、一体、どういう仕組みなんだろう…」
「鳴海先輩! ごちゃごちゃ言ってる時間はもうないんスよ! 真剣に自分の事を考えてください。で、ボク、どうすればいいんスか?」
「あ…ああ。ありがとう。ええっと…崩壊フェイズのパスは、崩壊フェイズが始まった時に、他のスキル者が僕の体のどこかに触れながら、スキルを発動すればいい。それだけだ…が…。そうか…しまったな…」
「鳴海先輩、どうしたんスか?」
「伊奈、すまない。伊奈が負うリスクについて何も考えずに、連れてきてしまった」
「鳴海クン、心配しないでくださいな。あたくしは慣れていますから…。神宮前サンのスキルでうまくいかなかった場合、あたくしは鳴海クンの崩壊フェイズのパスのために、あたくしの命を捧げる事はいたしません。そして、鳴海クンを見捨てた事についても、一切、負い目に感じたりはいたしません」
「よかった…。伊奈を連れてきて正解だったみたいだ」
「神宮前サン、間もなく崩壊フェイズに突入しますわ。鳴海クンの体に触れて下さいな」
「ど、どこでもいいんスか?」
「ええ。どこでも大丈夫ですわ」
「じゃ、じゃあ、鳴海先輩、ボク、鳴海先輩に、抱きついていてもいいスか?」
「だ、抱きつくだって? ええっと…」
「だ、だって、だって、鳴海先輩が死んじゃったら、ボク、いやだもん…」
「じゃ、じゃあ、お願いするよ。でも、崩壊フェイズがパスできないと判明した時点で、すぐに個室から出るんだ。わかったな?」
「うん…うん。わかった…っス」
「ほら、お願いするよ」
「うん…。ぎゅぅううう」
「鳴海クン、体に違和感はありませんこと? もう時間だと思いますわ」
「今のところは…なんとも…」
「…あっ! 鳴海先輩、血が…。耳の後ろのところから、血が…。同じだ…。国府チャンの時と、同じだ…。ぐすっ、ぐすっ。ええぇええんん。鳴海せんぱぁあああぁい。国府チャアアアァアアアン」
「神宮前サン、気をしっかり持って。あなたが崩壊フェイズのパスの鍵なんですのよ。ほら、スキルの発動をしてくださいな」
「うわぁあああぁああぁああん…。ぐすっ、えっく…。よく考えたら、ボク、スキルの発動の仕方…わかんないんスよぉお…」
「…ははは。やっぱりそうだよな。本星崎も言ってた。神宮前のスキルは追体験ができないって。つまり、自分で発動できるスキルじゃないんだ」
「な…鳴海せんぱぁぃ…」
「…っ痛…。いたたた。ああ、なるほど、こうやって崩壊していくのか…。はは…」
「鳴海先輩、ボク、ボク…。ボクの方が鳴海先輩より先に死ぬはずだったのに…。鳴海先輩をまもって死ねたらそれでよかったのに…。な、何か方法があるはず…」
「神宮前…。もういい。ありがとう。充分だ…。ぼ…僕から…は…は、離れるんだ…。そ…それから…すぐに個室から出るんだ…。僕が死ぬ事で…負い目を…か、かん、感じさせたくない…」
「神宮前サン、鳴海クンの言う通り、あなたはすぐにここから出なさいな。あとは、あたくしができるだけ爆発の大きさを抑えますから」
「い…伊奈…あり…ゴホッ、ゴホッ…ありがとう…。じ…神宮前…は…やく…」
「いやだ! いやだ! ボク、鳴海先輩を死なせたりしませんから! 絶対、死なせませんから!」
「じ…んぐうまえ…」
「伊奈さん、そこをどいて貰えますか? 手洗いの蛇口がボクには必要です」
「蛇口ですって? 何に使うおつもりですの…?」
「…勘違いしてもらっちゃ困るんスよね…。ボクだって、自分でスキル発動くらい、できるんスよ! えいっ!」
ドガッ!
「も、もう一回」
ガゴッ!
「じ、神宮前サン…あなた、自分の頭を蛇口の金具に打ち付けて…」
「…あはは…まだまだっスよ…。…おりゃっ!」
ガンッ! ボグッ! グチャッ!
「神宮前サン…」
「…ど…どおっスかぁああ…。な…なるみせんぱぁい」
「じ、じんぐうまえ…。おまえ…め…目がつぶれて…うぅ…。すまない…すまない…じん…ゴホッ…じんぐうまえ…」
「鳴海クン、自分の寿命、まだスキルで確認できますこと?」
「あ…あ…た…たぶん…。え、ええっと…。あ…残り、5分に戻った…」
「…たったの5ふんですかぁ…。ボ…ボク…がんばったつもりですけろぉ…だめかぁ…」
「…神宮前サン。あなた、それだけの覚悟がおありなのですよね…。なら、あたくしに任せて頂いてもよろしいかしら?」
「い…いなさん…。なるみせんぱいがたすかるならぁ…なんでもしてくださぁい…。どんなこともたえてみせますからぁ…」」
「…わかりましたわ。鳴海クン、神宮前サン、スマホはお持ちかしら? あたくし、テーブルにおいてきてしまいましたの」
「…ぼ…ぼくのポケットに…は…はいってる…」
「失礼いたしますわね…」
「ぱ…ぱすわーど…は…」
「パスワードは結構ですのよ。うん。電池はまだ充分残ってますのね」
「い…いな…いったい…何を…」
「あたくしの髪からU字ヘアピンを抜いて…このスマホと合わせて…。神宮前サン、できるだけ苦しくないように致しますわね…。臭いと音は我慢してくださるわね…」
「ら…らいじょうぶですぅ…。や…やっちゃってください…っス…」
「では、行きますわよ…! ぐぅうううぅうううううう」
ドジュウゥゥゥゥゥウウウウウウ…
「ぎゃあぁあああああああぁぁぁぁあああああああっ!!!!!」
「苦しいですわよね…痛いですわよね…でも、もう少し挿し込めば、神宮前サン、あなたを絶命できますから…」
「…あ…あ…が…がはっ…う…………」
「じ…じんぐう…まえ…」
「もう少し!」
「…ぐ…う…う……………………」
「い…伊奈…。神宮前に、な…何を…」
「細かい事は、あとで説明いたしますわ…。よし…。神宮前サンは死にました。鳴海クン、自分の寿命を確認してくださる? あと、体調の変化も」
「あ…ああ…。寿命は…ええと、鏡面文字だから…あ、100日ちょっとまで戻ってる…。という事は、成功したのか…?」
「言葉もうまく話せるようになりましたわね…。傷はしばらく痛むでしょうけれど、とりあえず、崩壊フェイズは無事にパスができましたわ…」
「そ、そうか…。うまくいったのか…。でも…でも、また神宮前を犠牲にしてしまった…。僕は…僕は…くっ…! まさか、自分自身を傷つけて、無理やりスキルを発動させるなんて…。神宮前…神宮前ぇえ!」
「鳴海クン、落ち着いて。深呼吸をしてくださいな。あなたは普段はとても冷静でいらっしゃるのに、感情的になるとおさえられなくなりますのね。でも、ここで大声を出してはいけませんことよ? 神宮前サンは死にましたけれど、また再生できるはず。ほら、神宮前サンの回復までの時間と、寿命を調べてみてくださいな」
「…ふう…。そうだった。そうだったな…。ええと…」
「いかがですの?」
「回復までの時間は13日間…か。回復できるみたいだ。よかった。でも、前回よりも破壊された部位が小さいのに、回復の時間はかなり延びてるな…何故だろうか…」
「13日間ですの…。ちょっと安心しましたわ…」
「ん? 何か気になることがあるのか?」
「い、いえ。べつにですわ。それで、寿命はどうですの? 100日間くらいを鳴海クンにおすそ分けしただけですから、おそらく、年単位での表示上の変化はないのではないかと思いますけど…」
「寿命は…そうか…。やっぱり、そうなのか…」
「どうしましたの?」
「神宮前の寿命は、体が傷ついたり、死んだりする度に延長されるみたいなんだ…」
「死ぬ度に…寿命が延びるってことですの? じゃあ、今の神宮前サンの寿命は…」
「…13,324年だ。まさか、5倍以上に延びるなんて…ホントかよ…。この数値、到底信じられないんだけど…」
「そうですのね…。とりあえず、ここから出ましょう。ほら、鳴海くん、血をお拭きになって。あたくしのハンカチをお使いなさいな」
「ありがとう。でも、ペーパータオルが備え付けてあるから、これでいいよ」
「そう…。では、血を拭ってゴミ箱に捨てたら、ゴミ箱のビニル袋ごと持ち出すことに致しましょう」
「そうか…。さすがに少なくない血液が染みたペーパータオルが捨ててあったら、騒ぎになるか…」
「神宮前サンの出血については心配なさらないで。U字ピンは充分に熱しましたし、奥まで挿し込みましたから、傷は目立ちません。自傷による、額や目からの出血だけ拭いましょう」
「神宮前…。体温が下がってきたな…。また冷たくなってしまって…。2回も命を助けられてしまったな…」
「さあ、鳴海クン、神宮前サンの顔色が変わってしまうと、怪しまれますわよ」
「あ、ああ。わかった。僕がおんぶをして、神宮前が眠ってしまった風体にすれば、不自然になりすぎずに店を出られるだろう…」
「ええ!? この際、どっちだっていいだろ?」
「こういう事はちゃんとしなきゃ。女子の方が多いんスから」
「わ、わかったよ。じゃあ、こっちだな。バタン」
「なんとか3人入れましたわね…。鳴海クン、残りの寿命は?」
「あと30秒ちょっとで崩壊フェイズが始まる。国府があれだけ苦しんだからな…。正直、僕もちょっと怖いよ。できるだけ声は出さないように我慢するつもりだけれど…。崩壊する前に殺してもらった方が、本当はいいのかもしれない」
「鳴海クン、それは無駄ですわ。スキル発現者は、死体となっても時間がくれば崩壊フェイズが開始しますの」
「なんだって? 死んでいても崩壊するのか…。それは、一体、どういう仕組みなんだろう…」
「鳴海先輩! ごちゃごちゃ言ってる時間はもうないんスよ! 真剣に自分の事を考えてください。で、ボク、どうすればいいんスか?」
「あ…ああ。ありがとう。ええっと…崩壊フェイズのパスは、崩壊フェイズが始まった時に、他のスキル者が僕の体のどこかに触れながら、スキルを発動すればいい。それだけだ…が…。そうか…しまったな…」
「鳴海先輩、どうしたんスか?」
「伊奈、すまない。伊奈が負うリスクについて何も考えずに、連れてきてしまった」
「鳴海クン、心配しないでくださいな。あたくしは慣れていますから…。神宮前サンのスキルでうまくいかなかった場合、あたくしは鳴海クンの崩壊フェイズのパスのために、あたくしの命を捧げる事はいたしません。そして、鳴海クンを見捨てた事についても、一切、負い目に感じたりはいたしません」
「よかった…。伊奈を連れてきて正解だったみたいだ」
「神宮前サン、間もなく崩壊フェイズに突入しますわ。鳴海クンの体に触れて下さいな」
「ど、どこでもいいんスか?」
「ええ。どこでも大丈夫ですわ」
「じゃ、じゃあ、鳴海先輩、ボク、鳴海先輩に、抱きついていてもいいスか?」
「だ、抱きつくだって? ええっと…」
「だ、だって、だって、鳴海先輩が死んじゃったら、ボク、いやだもん…」
「じゃ、じゃあ、お願いするよ。でも、崩壊フェイズがパスできないと判明した時点で、すぐに個室から出るんだ。わかったな?」
「うん…うん。わかった…っス」
「ほら、お願いするよ」
「うん…。ぎゅぅううう」
「鳴海クン、体に違和感はありませんこと? もう時間だと思いますわ」
「今のところは…なんとも…」
「…あっ! 鳴海先輩、血が…。耳の後ろのところから、血が…。同じだ…。国府チャンの時と、同じだ…。ぐすっ、ぐすっ。ええぇええんん。鳴海せんぱぁあああぁい。国府チャアアアァアアアン」
「神宮前サン、気をしっかり持って。あなたが崩壊フェイズのパスの鍵なんですのよ。ほら、スキルの発動をしてくださいな」
「うわぁあああぁああぁああん…。ぐすっ、えっく…。よく考えたら、ボク、スキルの発動の仕方…わかんないんスよぉお…」
「…ははは。やっぱりそうだよな。本星崎も言ってた。神宮前のスキルは追体験ができないって。つまり、自分で発動できるスキルじゃないんだ」
「な…鳴海せんぱぁぃ…」
「…っ痛…。いたたた。ああ、なるほど、こうやって崩壊していくのか…。はは…」
「鳴海先輩、ボク、ボク…。ボクの方が鳴海先輩より先に死ぬはずだったのに…。鳴海先輩をまもって死ねたらそれでよかったのに…。な、何か方法があるはず…」
「神宮前…。もういい。ありがとう。充分だ…。ぼ…僕から…は…は、離れるんだ…。そ…それから…すぐに個室から出るんだ…。僕が死ぬ事で…負い目を…か、かん、感じさせたくない…」
「神宮前サン、鳴海クンの言う通り、あなたはすぐにここから出なさいな。あとは、あたくしができるだけ爆発の大きさを抑えますから」
「い…伊奈…あり…ゴホッ、ゴホッ…ありがとう…。じ…神宮前…は…やく…」
「いやだ! いやだ! ボク、鳴海先輩を死なせたりしませんから! 絶対、死なせませんから!」
「じ…んぐうまえ…」
「伊奈さん、そこをどいて貰えますか? 手洗いの蛇口がボクには必要です」
「蛇口ですって? 何に使うおつもりですの…?」
「…勘違いしてもらっちゃ困るんスよね…。ボクだって、自分でスキル発動くらい、できるんスよ! えいっ!」
ドガッ!
「も、もう一回」
ガゴッ!
「じ、神宮前サン…あなた、自分の頭を蛇口の金具に打ち付けて…」
「…あはは…まだまだっスよ…。…おりゃっ!」
ガンッ! ボグッ! グチャッ!
「神宮前サン…」
「…ど…どおっスかぁああ…。な…なるみせんぱぁい」
「じ、じんぐうまえ…。おまえ…め…目がつぶれて…うぅ…。すまない…すまない…じん…ゴホッ…じんぐうまえ…」
「鳴海クン、自分の寿命、まだスキルで確認できますこと?」
「あ…あ…た…たぶん…。え、ええっと…。あ…残り、5分に戻った…」
「…たったの5ふんですかぁ…。ボ…ボク…がんばったつもりですけろぉ…だめかぁ…」
「…神宮前サン。あなた、それだけの覚悟がおありなのですよね…。なら、あたくしに任せて頂いてもよろしいかしら?」
「い…いなさん…。なるみせんぱいがたすかるならぁ…なんでもしてくださぁい…。どんなこともたえてみせますからぁ…」」
「…わかりましたわ。鳴海クン、神宮前サン、スマホはお持ちかしら? あたくし、テーブルにおいてきてしまいましたの」
「…ぼ…ぼくのポケットに…は…はいってる…」
「失礼いたしますわね…」
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「い…いな…いったい…何を…」
「あたくしの髪からU字ヘアピンを抜いて…このスマホと合わせて…。神宮前サン、できるだけ苦しくないように致しますわね…。臭いと音は我慢してくださるわね…」
「ら…らいじょうぶですぅ…。や…やっちゃってください…っス…」
「では、行きますわよ…! ぐぅうううぅうううううう」
ドジュウゥゥゥゥゥウウウウウウ…
「ぎゃあぁあああああああぁぁぁぁあああああああっ!!!!!」
「苦しいですわよね…痛いですわよね…でも、もう少し挿し込めば、神宮前サン、あなたを絶命できますから…」
「…あ…あ…が…がはっ…う…………」
「じ…じんぐう…まえ…」
「もう少し!」
「…ぐ…う…う……………………」
「い…伊奈…。神宮前に、な…何を…」
「細かい事は、あとで説明いたしますわ…。よし…。神宮前サンは死にました。鳴海クン、自分の寿命を確認してくださる? あと、体調の変化も」
「あ…ああ…。寿命は…ええと、鏡面文字だから…あ、100日ちょっとまで戻ってる…。という事は、成功したのか…?」
「言葉もうまく話せるようになりましたわね…。傷はしばらく痛むでしょうけれど、とりあえず、崩壊フェイズは無事にパスができましたわ…」
「そ、そうか…。うまくいったのか…。でも…でも、また神宮前を犠牲にしてしまった…。僕は…僕は…くっ…! まさか、自分自身を傷つけて、無理やりスキルを発動させるなんて…。神宮前…神宮前ぇえ!」
「鳴海クン、落ち着いて。深呼吸をしてくださいな。あなたは普段はとても冷静でいらっしゃるのに、感情的になるとおさえられなくなりますのね。でも、ここで大声を出してはいけませんことよ? 神宮前サンは死にましたけれど、また再生できるはず。ほら、神宮前サンの回復までの時間と、寿命を調べてみてくださいな」
「…ふう…。そうだった。そうだったな…。ええと…」
「いかがですの?」
「回復までの時間は13日間…か。回復できるみたいだ。よかった。でも、前回よりも破壊された部位が小さいのに、回復の時間はかなり延びてるな…何故だろうか…」
「13日間ですの…。ちょっと安心しましたわ…」
「ん? 何か気になることがあるのか?」
「い、いえ。べつにですわ。それで、寿命はどうですの? 100日間くらいを鳴海クンにおすそ分けしただけですから、おそらく、年単位での表示上の変化はないのではないかと思いますけど…」
「寿命は…そうか…。やっぱり、そうなのか…」
「どうしましたの?」
「神宮前の寿命は、体が傷ついたり、死んだりする度に延長されるみたいなんだ…」
「死ぬ度に…寿命が延びるってことですの? じゃあ、今の神宮前サンの寿命は…」
「…13,324年だ。まさか、5倍以上に延びるなんて…ホントかよ…。この数値、到底信じられないんだけど…」
「そうですのね…。とりあえず、ここから出ましょう。ほら、鳴海くん、血をお拭きになって。あたくしのハンカチをお使いなさいな」
「ありがとう。でも、ペーパータオルが備え付けてあるから、これでいいよ」
「そう…。では、血を拭ってゴミ箱に捨てたら、ゴミ箱のビニル袋ごと持ち出すことに致しましょう」
「そうか…。さすがに少なくない血液が染みたペーパータオルが捨ててあったら、騒ぎになるか…」
「神宮前サンの出血については心配なさらないで。U字ピンは充分に熱しましたし、奥まで挿し込みましたから、傷は目立ちません。自傷による、額や目からの出血だけ拭いましょう」
「神宮前…。体温が下がってきたな…。また冷たくなってしまって…。2回も命を助けられてしまったな…」
「さあ、鳴海クン、神宮前サンの顔色が変わってしまうと、怪しまれますわよ」
「あ、ああ。わかった。僕がおんぶをして、神宮前が眠ってしまった風体にすれば、不自然になりすぎずに店を出られるだろう…」
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