106 / 120
第108話 怪物から人間へ
しおりを挟む
ゴンザレスが飼われていたファミリーがグレイズファミリーの傘下に当たり、その当時レヴィアスとグレイズは戦争まっただ中であった。
そして偶々先発隊としてアンベルトの軍勢が街に近づき、其れをチャンスと見た飼い主のクズ男が、無敗の怪物であるゴンザレスを仕向けて手柄を手に得ようとしたのである。
作戦や戦略など気にしたことも無いゴンザレスは、暗殺を命じられると馬鹿正直にレヴィアスが野営している場所へ正面から突入する。
無数の弾丸が浴びせかけられ、幾度も爆炎がその身を包んだがどれも彼の身体を傷つける事は出来なかった。正に鋼の肉体、しかし其れを誇ろうとは思えない。
一人で完全武装した数十人を蹴散らすたび、砲弾の直撃を無傷で耐え忍ぶたび、そんな自分へ恐怖と侮蔑が籠もった瞳を向けられるたび、彼は自分が人間では無いと強く感じてしまうのだ。
自分で自分の事を心から怪物であると思っていた。
(僕は何なんだろう……何の為に人の命を奪っている? この血塗られた道の先に何があるんだ??)
ゴンザレスは無数の弾丸を掻い潜って敵に迫り、その頭蓋骨を粉砕しながら考えた。
もしも自分がこの人間達と同じ人間ならば、こんな意味も無く同族達を鏖殺できる筈が無いのだ。
たったの拳一振りで命を消し飛ばし、何の罪悪感も無く何の利益も無いにも関わらず人間を殺せて良い訳が無いのだ。
(だとすると、僕はやっぱり怪物なんだろうな……)
自分が救い用の無い怪物であり、決して人間からの愛を受けるに値しない存在であると実感する度に孤独感は強く成っていった。
周囲は声に満ちているのに、何処まで行っても一人ボッチ……
ゴンザレスは何の達成感も罪悪感も無く分厚い警備を突破し、虚しさだけを抱えて暗殺のターゲットであるアンベルトの元へ到達した。
(最悪の気分だ……早く終わらせよう、一刻も早く眠りについて全て忘れてしまおう)
そう思いながらゴンザレスは何時も通り、感情の消滅した目でターゲットを見た。
しかし自分が今正に殺そうとしている相手の目を見た瞬間、全身がブルルッと震える程の何かが伝わってきたのだ。
その男、アンベルト・バラガーの目に映っていたのは見慣れた恐怖や侮蔑の色では無く、全く自分に対する恐怖が含まれていない真っ直ぐで力強い目だった。
(ぼッ僕を値踏みしているのか……!?)
根拠は無いけれど、何故かそう思った。
ゴンザレスは血のにおいが身体に染みついていて、目からの常に冷たい光が漏れ出続けている。
その為その目を真っ直ぐに見詰められた事は一度も無かった、誰もが目線を向けるとまるで見てはいけない物でも見たかの様に目を逸らすのだ。
しかし目の前の男、アンベルトは目を逸らさなかった。
それどころか圧迫感を感じているのは自分の方で、逆に目を逸らして逃げ出したいと感じる程の力をその目から感じたのである。
「気に食わなねえなッ」
アンベルトは開口一番そう言葉を発した。
唐突過ぎて何の事を言っているのかサッパリ分からなかったが、ゴンザレスは黙って次に続くであろう言葉を身じろき一つせずに待つ。
その空間では明らかにゴンザレスが弱者であり、目の前の男が強者であった。
「その肉体、その闘気、その才能ッ全ては一級品だ。其れなのに何故、お前はその様な死体と瓜二つの目をしている? 何故強さを誇らねえ、他人を圧倒して自らの武を叩き付ける悦楽に酔っていない?」
「強さを……誇る?」
ゴンザレスにはアンベルトの発言を理解出来なかった。
彼にとって強さとは自分に不幸を引き摺り込んで来た呪いに等しく、その屈強な右腕は見る物に恐怖を覚えさせ、壁の様な胸板は見る物に圧迫感を与え、その眼光は人を遠ざける。
人を一瞬で骸に変えるこの力を誇れる訳が無い、強さこそ自らが怪物である証明であった。
其れを目の前の男は何故誇らないのかと聞いてきている……
少し、苛ついた。
「良いね、やる気かッ」
アンベルトは殺意が籠もって火花が散り始める目と、臨戦態勢に入り膨張して唸りを上げる筋肉を見て腰掛けていた椅子から立ち上がった。
ゴンザレスは理由の分からない殺意に包まれていたのだ、何故かその言葉を聞いて自らの人生全てが馬鹿にされた様な気分になったのである。
「良いぞ、掛って来い。お前の全てで俺をねじ伏せてみろ……研磨されていない名刀が何処まで切れるのか、確かめてみるのも一興だな」
アンベルトが右腕を真っ直ぐ前に向けた構えを作り、その言葉を呟いたのが開戦のゴングとなった。
ゴンザレスはその声が途切れた瞬間爆発の様な音を発して地面を蹴り込み、其れから一直線に暗殺対象目掛けて突進する。そして迷い無く右腕を撃ち放ったのだ。
しかしその腕が物体を捉える事は無かった。
確実に命中すると思い撃ち放った一撃は、アンベルトの瞬間移動とも思える身の熟しによって空を切った。
そして体勢の崩れたゴンアレスの背後でドンッという衝撃が弾け、バランスを崩され前のめりに倒れる。こんな事は初めてであった。
「ふん……どうやら威圧するだけで動けなく成る小物だけを狙ってきたらしい。人は避けるし殴り返してくるって事も知らない様だッ」
嘲笑の混じったアンベルトの声が背後から聞こえる。
その発言を受けて更に苛立ちは増したが、其れを否定できないムズ痒さも感じた。
今までゴンザレスはここまで完璧に攻撃を回避された事など無く、更に背後を取られて蹴りを入れられるなど考えた事も無かったのだ。
(こ、攻撃をッ躱された!? しかも背後まで取られて……嘘だろッ、まさか僕よりも強いのか?)
自分と相手の実力差を図るにはこの数秒間のやり取りで充分だった。
少なくとも今の一瞬で相手はゴンザレスの命を容易に刈り取り、身体を血の通った生命から唯の肉片に変える事ができたのだ。
しかし相手は其れをやらなかった、何故なら自分を何時でも葬れる虫ケラだと思っているから。
(強いッ間違い無く強い……ッ!! でも、何だ……この気持ちは?)
ゴンザレスは初めて感じた死の気配に全身が総毛立っていくのを感じた。
これが恐怖、今まで彼が追い詰め惨殺してきた者達が感じていた物。
確かに糞尿を漏らし泣きながら後退るのもう頷ける。しかしゴンザレスが感じていたのはその感情だけでは無かった、微かではあるが喜びもあったのだ。
自分と同じ怪物の匂いのする人物と出会ったのは初めてだった。
初めて出会った自分の孤独を理解してくれるかも知れない相手、そして始めで自分の全力を引き出してくれるかも知れない相手。
その事に気が付いた瞬間、腹の中で飼っている怪物が暴れ始める。
初めて感じた明確な死の気配から小便を撒き散らかして逃げる事よりも、命を捨てても良いから一度だけ怪物としての暴走本能を爆発させたいと思ってしまった。
ゴンザレスは生まれて初めて、心からクシャクシャな笑顔を浮かべた。
自分の生命が光輝き歓喜の声を上げているのを感じながら、知らず知らずに内に掛けていたリミッターを解放する。
そして次の瞬間、弾かれた様に立ち上がりアンベルトでさえも回避出来ない速度の裏拳を叩き込んで吹飛ばしたのだった。
そして偶々先発隊としてアンベルトの軍勢が街に近づき、其れをチャンスと見た飼い主のクズ男が、無敗の怪物であるゴンザレスを仕向けて手柄を手に得ようとしたのである。
作戦や戦略など気にしたことも無いゴンザレスは、暗殺を命じられると馬鹿正直にレヴィアスが野営している場所へ正面から突入する。
無数の弾丸が浴びせかけられ、幾度も爆炎がその身を包んだがどれも彼の身体を傷つける事は出来なかった。正に鋼の肉体、しかし其れを誇ろうとは思えない。
一人で完全武装した数十人を蹴散らすたび、砲弾の直撃を無傷で耐え忍ぶたび、そんな自分へ恐怖と侮蔑が籠もった瞳を向けられるたび、彼は自分が人間では無いと強く感じてしまうのだ。
自分で自分の事を心から怪物であると思っていた。
(僕は何なんだろう……何の為に人の命を奪っている? この血塗られた道の先に何があるんだ??)
ゴンザレスは無数の弾丸を掻い潜って敵に迫り、その頭蓋骨を粉砕しながら考えた。
もしも自分がこの人間達と同じ人間ならば、こんな意味も無く同族達を鏖殺できる筈が無いのだ。
たったの拳一振りで命を消し飛ばし、何の罪悪感も無く何の利益も無いにも関わらず人間を殺せて良い訳が無いのだ。
(だとすると、僕はやっぱり怪物なんだろうな……)
自分が救い用の無い怪物であり、決して人間からの愛を受けるに値しない存在であると実感する度に孤独感は強く成っていった。
周囲は声に満ちているのに、何処まで行っても一人ボッチ……
ゴンザレスは何の達成感も罪悪感も無く分厚い警備を突破し、虚しさだけを抱えて暗殺のターゲットであるアンベルトの元へ到達した。
(最悪の気分だ……早く終わらせよう、一刻も早く眠りについて全て忘れてしまおう)
そう思いながらゴンザレスは何時も通り、感情の消滅した目でターゲットを見た。
しかし自分が今正に殺そうとしている相手の目を見た瞬間、全身がブルルッと震える程の何かが伝わってきたのだ。
その男、アンベルト・バラガーの目に映っていたのは見慣れた恐怖や侮蔑の色では無く、全く自分に対する恐怖が含まれていない真っ直ぐで力強い目だった。
(ぼッ僕を値踏みしているのか……!?)
根拠は無いけれど、何故かそう思った。
ゴンザレスは血のにおいが身体に染みついていて、目からの常に冷たい光が漏れ出続けている。
その為その目を真っ直ぐに見詰められた事は一度も無かった、誰もが目線を向けるとまるで見てはいけない物でも見たかの様に目を逸らすのだ。
しかし目の前の男、アンベルトは目を逸らさなかった。
それどころか圧迫感を感じているのは自分の方で、逆に目を逸らして逃げ出したいと感じる程の力をその目から感じたのである。
「気に食わなねえなッ」
アンベルトは開口一番そう言葉を発した。
唐突過ぎて何の事を言っているのかサッパリ分からなかったが、ゴンザレスは黙って次に続くであろう言葉を身じろき一つせずに待つ。
その空間では明らかにゴンザレスが弱者であり、目の前の男が強者であった。
「その肉体、その闘気、その才能ッ全ては一級品だ。其れなのに何故、お前はその様な死体と瓜二つの目をしている? 何故強さを誇らねえ、他人を圧倒して自らの武を叩き付ける悦楽に酔っていない?」
「強さを……誇る?」
ゴンザレスにはアンベルトの発言を理解出来なかった。
彼にとって強さとは自分に不幸を引き摺り込んで来た呪いに等しく、その屈強な右腕は見る物に恐怖を覚えさせ、壁の様な胸板は見る物に圧迫感を与え、その眼光は人を遠ざける。
人を一瞬で骸に変えるこの力を誇れる訳が無い、強さこそ自らが怪物である証明であった。
其れを目の前の男は何故誇らないのかと聞いてきている……
少し、苛ついた。
「良いね、やる気かッ」
アンベルトは殺意が籠もって火花が散り始める目と、臨戦態勢に入り膨張して唸りを上げる筋肉を見て腰掛けていた椅子から立ち上がった。
ゴンザレスは理由の分からない殺意に包まれていたのだ、何故かその言葉を聞いて自らの人生全てが馬鹿にされた様な気分になったのである。
「良いぞ、掛って来い。お前の全てで俺をねじ伏せてみろ……研磨されていない名刀が何処まで切れるのか、確かめてみるのも一興だな」
アンベルトが右腕を真っ直ぐ前に向けた構えを作り、その言葉を呟いたのが開戦のゴングとなった。
ゴンザレスはその声が途切れた瞬間爆発の様な音を発して地面を蹴り込み、其れから一直線に暗殺対象目掛けて突進する。そして迷い無く右腕を撃ち放ったのだ。
しかしその腕が物体を捉える事は無かった。
確実に命中すると思い撃ち放った一撃は、アンベルトの瞬間移動とも思える身の熟しによって空を切った。
そして体勢の崩れたゴンアレスの背後でドンッという衝撃が弾け、バランスを崩され前のめりに倒れる。こんな事は初めてであった。
「ふん……どうやら威圧するだけで動けなく成る小物だけを狙ってきたらしい。人は避けるし殴り返してくるって事も知らない様だッ」
嘲笑の混じったアンベルトの声が背後から聞こえる。
その発言を受けて更に苛立ちは増したが、其れを否定できないムズ痒さも感じた。
今までゴンザレスはここまで完璧に攻撃を回避された事など無く、更に背後を取られて蹴りを入れられるなど考えた事も無かったのだ。
(こ、攻撃をッ躱された!? しかも背後まで取られて……嘘だろッ、まさか僕よりも強いのか?)
自分と相手の実力差を図るにはこの数秒間のやり取りで充分だった。
少なくとも今の一瞬で相手はゴンザレスの命を容易に刈り取り、身体を血の通った生命から唯の肉片に変える事ができたのだ。
しかし相手は其れをやらなかった、何故なら自分を何時でも葬れる虫ケラだと思っているから。
(強いッ間違い無く強い……ッ!! でも、何だ……この気持ちは?)
ゴンザレスは初めて感じた死の気配に全身が総毛立っていくのを感じた。
これが恐怖、今まで彼が追い詰め惨殺してきた者達が感じていた物。
確かに糞尿を漏らし泣きながら後退るのもう頷ける。しかしゴンザレスが感じていたのはその感情だけでは無かった、微かではあるが喜びもあったのだ。
自分と同じ怪物の匂いのする人物と出会ったのは初めてだった。
初めて出会った自分の孤独を理解してくれるかも知れない相手、そして始めで自分の全力を引き出してくれるかも知れない相手。
その事に気が付いた瞬間、腹の中で飼っている怪物が暴れ始める。
初めて感じた明確な死の気配から小便を撒き散らかして逃げる事よりも、命を捨てても良いから一度だけ怪物としての暴走本能を爆発させたいと思ってしまった。
ゴンザレスは生まれて初めて、心からクシャクシャな笑顔を浮かべた。
自分の生命が光輝き歓喜の声を上げているのを感じながら、知らず知らずに内に掛けていたリミッターを解放する。
そして次の瞬間、弾かれた様に立ち上がりアンベルトでさえも回避出来ない速度の裏拳を叩き込んで吹飛ばしたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる