イジメられっ子は悪役令嬢( ; ; )イジメっ子はヒロイン∑(゚Д゚)じゃあ仕方がないっ!性格が悪くても(⌒▽⌒)

音無砂月

文字の大きさ
6 / 26
幼少期

Ⅳ.模擬戦

しおりを挟む
 私は兄に連れられ、騎士学生の模擬戦を行う場に来ています。

 一般校の生徒なのでしょうか?
 周りには貴族の令嬢が多くいます。
 みなさん、お目当の人がいるらしく声をかけて手を振っている人も居ます。

 「ひとがおおいでしゅね」
 「騎士ってモテるみたいだよ」

 何となく分かる。
 鍛え上げられた筋肉は芸術と言っていいぐらい美しいし、騎士は基本的に紳士だし。
 まぁ、平民が混ざっているので粗野な方もいらっしゃいますが、そういう方は貴族の殿方には絶対に居ないので新鮮でモテるらしい。

 所謂、危険な男というのはどの世界、どの時代、身分に関わらず女性にモテるのだ。
 何故だろう?
 妖しげな色気みたいなのがあるのかな?

 「あら?そちらにいらっしゃるのは」

 嬉しそうに頬を染めて近づいて来た女性が居た。
 その女性の言葉に反応するかのように他の女性も競ってこちらに近づいて来る。

 何故でしょう?

 「やっぱり。ギル様ではありませんか。
 ごきげんよう」
 「まぁ、ギル様もいらしてたのですね」
 「もしや、デューク様の応援でいらっしゃいますか?」
 「相も変わらず仲がよろしいですわね」
 「羨ましいですわ」

 成る程!
 みなさんはお兄様が目当なんですね。
 当然ですよね。
 私のお兄様は公爵家の嫡男ですし、格好良いし、文武両道。
 文句なしですもんね。
 それにしても声をかけて来るのはさすがに年下はいませんが、同い年かそれ以上でも私の前世の世界では小学校六年生の子になるのに今から男に色目を使うなんて恐ろしい:(;゙゚'ω゚'):

 やはり、幼い時から婚約をしていたり、大人社会に入っていたりするとこんなませた子になるんでしょうね。

 それにしてもお兄様、先程からみなさんが熱心に話しかけているというのに無視ですか?
 少しぐらい何か返してあげてもいいと思うよ。
 まぁ、あんなあからさまに媚を売りに来られてウザいのは分かるけど。

 だからって私が彼女達とお兄様の間を取り持つようなことはしません。
 だって、女性って面倒だし、要らぬ世話を焼いて変なことに巻き込まれたり、飛び火で火傷とか御免被りたいので。

 それに何よりも彼女達にそんな義理はないので。
 お兄様の肩書きで近づく女に遠慮も気遣いも要らないでしょう。
 何よりも肩書きしか目に入らない女性に優しくしてあげる必要性は感じません。
 お兄様の奥方になられる方は私の儀姉になるのでやはり上手くやれる方がいいです。
 媚を売る女とは仲良くなれない自信があります。

 そういうことで私は目の前の模擬戦に集中することにしました。

 おっ!
 ちょうど前の人が終わってデュークが出て来た。

 「デュークっ!かんばれーっ!!」

 私がそう叫ぶとピクンとデュークのキュートな黒猫と同じ形の耳が動いた。
 デュークは私の方を見て片手を上げた。

 それだけで何故か周りから黄色い歓声が。
 デュークもどうやらお兄様と同じくオモテになるようです。
 確かにデュークも見た目が良いですしね。
 それに亜人特有で高身長ですし。
 モテないはずがないのですが、何故でしょう?
 イラっとしますね。

 「ねぇ、あなたはどこの子かしら?
 随分、お小さいようですけど」

 令嬢の嗜みとして持っている扇子で口元を隠しながら見下すように一人の令嬢が声をかけて来た。

 どうやら兄の陰で隠れて、あるいは兄に夢中になり過ぎて見えなかった私が先程デュークの応援の為に声を上げたことで私の存在に気づいた模様。

 「何故、部外者がここに?
 まさか生徒ではないですわよね」
 「先程、デューク様の応援をしてらしたけど、親しいのかしら?」

 彼女達は私の存在に不満があるようだ。
 私が兄の隣にいるのが不満なのか、デュークと親しそうだから不満なのか。
 恐らく両方だろう。
 ミーハーだな。一番面倒なタイプだ。

(世のミーハーの人、ごめんない。
 ちょっと暴言吐きました。)

 「私の妹だけど、それがどうかしたの?
 ここの見学なら特別に許可を貰っているから何も問題はないよ」

 ずっと無視をしていた兄が初めて令嬢達にめをむけ、口を開きました。
 ただし、家で見せる親しみやすは微塵もありません。

 わー、お兄様怖い。

 何てちょっと他人事みたいに思っていますが、私に非はないので助けませんよ。

 「ギ、ギル様の妹君でしたの」
 令嬢達は慌てふためきながら愛想笑いを私に向けた。

 「ど、どうりで美しいはずですわ」

 いや、急にそんな方向転換してもむりがあるでしょう。

 「レイラは世界一の美女だからね」

 やめてー。
 そんな目の前に咲く花の美しさ全てを否定するような言葉。
 確かに私はナルシストではないけれど、前世の記憶があるのでレイラが絶世の美女だってら私も分かっているよ。
 でも、そんなこと人前で言わないで。

 「ええ、ええ、本当に美しいですわ」
 「私達など足元にも及びませんわね」

 私を褒めることが兄のご機嫌とりに直結すると勘付いた令嬢達は捲し立てるように私を褒める。

 もう、どうしようもないので私はデュークの戦いを見ることに集中した。
 そうすることで雑音を遮断したかったのだ。
 他人のご機嫌とりの為に投げられる賛辞など不愉快なだけだ。

 「デューク、しゅごーい。
 カッコイイ💕」

 デュークは伯父のお眼鏡に適うだけあってやはり強い。
 相手のと戦いは一分にも満たずに終わった。

 私が再び声をかけるとデュークは笑顔で私に手を振った。
 そして、周りからまた黄色い歓声が巻き起こる。

 本当にうるさい💢
 聞いているだけでイライラする。
 デュークはあんた達じゃなくて、私に向かって手を振ったんだからね。
 あの笑顔だって私に向けたの❗️って何故が大声で喚きたくなる気分だ。


 模擬戦は勝ち抜き戦だ。
 デュークは順調に勝ち進んでいき、相手によっては一撃で終わらせることもあった。

 「デューク、しゅごいね」
 「・・・・」

 私がデュークを褒めると兄は笑顔なのだが、何故か無言だ。

 「どこいくにょ?」

 そして、兄は何故か私を抱き上げてスタスタと歩き出した。
 もう帰るのだろうか?

 「まだ、デュークのたたかい、おわってにゃいよ」

 兄からの返答はない。



 そして・・・・・

 「何でっお前が出てくるんだよっ!
 お前、関係ないじゃんっ!」

 本当に何でだろう💧


 何故か兄が途中参加して準決勝の相手を余裕で倒し、デュークと戦うことになった。

 「私はレイラのお兄ちゃんだからね」

 あっ!

 「意味が分からん」

 ごめん、分かっちゃった。
 私が迂闊にデュークを褒めたから焼いちゃったんだね。
 それはもう、コンガリと。
 カリカリに。



 「くっそぉ」

 地面に両膝をつき、耳と尻尾を垂らすデューク。
 そして、私に褒めて、褒めてーと言わんばかりに嬉しそうな笑顔を向ける兄。

 そして兄に向けられる令嬢達の賛辞と黄色い歓声。


 ここまで読めばもうお分かりだろう。

 かなりの白熱した戦いではあった。
 けれど、結果としてデュークは私のお兄様に負けてしまったのだ。

 兄よ、文官にその強さは必要なのか?
 いっそう、宰相を目指すよりも騎士を目指した方がいいのでは?

 まぁ、言っても詮無いことかもしれないが。
 取り敢えず、ゴメンね、デューク。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢が睨んでくるので、理由を聞いてみた

ちくわ食べます
恋愛
転生したのは馴染みのない乙女ゲームの世界だった。  シナリオは分からず、登場人物もうろ覚え、タイトルなんて覚えてすらいない。 そんな世界でモブ男『トリスタン』として暮らす主人公。 恋愛至上主義な学園で大人しく、モブらしく、学園生活を送っていたはずなのに、なぜか悪役令嬢から睨まれていて。 気になったトリスタンは、悪役令嬢のセリスに理由を聞いてみることにした。

悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。

倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。 でも、ヒロイン(転生者)がひどい!   彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉ シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり! 私は私の望むままに生きます!! 本編+番外編3作で、40000文字くらいです。 ⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。

悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。

槙村まき
恋愛
 スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。  それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。  挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。  そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……! 第二章以降は、11時と23時に更新予定です。 他サイトにも掲載しています。 よろしくお願いします。 25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】

いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。 陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々 だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い 何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

逃げたい悪役令嬢と、逃がさない王子

ねむたん
恋愛
セレスティーナ・エヴァンジェリンは今日も王宮の廊下を静かに歩きながら、ちらりと視線を横に流した。白いドレスを揺らし、愛らしく微笑むアリシア・ローゼンベルクの姿を目にするたび、彼女の胸はわずかに弾む。 (その調子よ、アリシア。もっと頑張って! あなたがしっかり王子を誘惑してくれれば、私は自由になれるのだから!) 期待に満ちた瞳で、影からこっそり彼女の奮闘を見守る。今日こそレオナルトがアリシアの魅力に落ちるかもしれない——いや、落ちてほしい。

虚弱体質?の脇役令嬢に転生したので、食事療法を始めました

たくわん
恋愛
「跡継ぎを産めない貴女とは結婚できない」婚約者である公爵嫡男アレクシスから、冷酷に告げられた婚約破棄。その場で新しい婚約者まで紹介される屈辱。病弱な侯爵令嬢セラフィーナは、社交界の哀れみと嘲笑の的となった。

処理中です...