イジメられっ子は悪役令嬢( ; ; )イジメっ子はヒロイン∑(゚Д゚)じゃあ仕方がないっ!性格が悪くても(⌒▽⌒)

音無砂月

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Ⅶ.どこまでも愚かな二人

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 結局、昨日は騒ぎを聞きつけた教師が来て間を取りなしてくれたりしたのであれ以上のことは何も起きなかったけれど、当然これでお終い。チャンチャン♪とはならない。
 それが現実だ。

 「あらぁ~、ごめんなさぁい」

 食堂で私は頭からスープをかけられた。
 一緒に食事をしていたマルべリアとララは驚き、目を見開いている。

 私に頭からスープをかけたのは当然、メアリーだ。
 何だか前世を思い出す。
 金持ちの令嬢として生まれた彼女は常に勝ち組で何をしても許される立場に居た。
 だからか普通なら隠れてする虐めも堂々としていた。
 それが悪いことだという認識もなかったのだ。
 虐めの延長線で彼女は虐めをする。
 虐められている人間が不快だとか嫌だとか思っていることなんてどうでもいいんだ。
 でも、それは前世でのこと。
 今世では立場が一変。
 彼女はいざって時に誰からも守られない男爵家
 対して私は公爵家の人間だ。
 でも、彼女はそれが分かってはいないようだ。
 バルタザールのお気に入りというのも彼女の行動を大胆にさせているのだろう。

 「ちょっと、あなた何を考えているの!」

 立ち上がって怒鳴りつけたララ

 「大丈夫?」

 マルべリアは私の頬から滴り落ちるスープをハンカチで拭った。

 「何でそんなに怒っているの?
 私は悪役令嬢に当然の報復をしただけじゃない」
 「は?あんた、何言ってんの?
 男爵家の人間が公爵家の人間相手に自分が何をしたのかも分かっていないようね」
 「殿下の婚約者に向かって、あんたこそ口の利き方に気を付けた方が良いんじゃないの?」
 「あなたと殿下はまだ婚約しておりませんよ、ブロウ男爵令嬢」

 私は、私を睨みつけるメアリーを見つめた。
 彼女からは自分が何をしても許されるのだという傲慢な考えを持っていることが伺えた。
 前世の時と何も変わらない。

 「次期になるわよ」
 「なったとしても嫁ぐまでは男爵家の身分よ。
 私に手を上げても許される身分ではないわ」
 「っ」
 私の気迫に押されたのかメアリーは一歩足を下げた。
 「悪役令嬢の分際で」
 「まぁ、恐ろしい顔。
 そんな顔を殿下に見られては百年の恋も冷めてしまうわね、きっと」

 「一体何の騒ぎだ」

 その声にメアリーは喜色を浮かべ、私はうんざりする顔で声の主を見た。
 食堂でメアリーの暴挙に眉を潜めていた人達も面倒が来たなと顔に堂々と出して殿下を見ていた。

 「殿下」

 メアリーはさっそくバルタザールに泣きついた。

 「どうした、メアリー」
 「レイラが、私では殿下に相応しくないと、自分の身分なら私に暴力を振るっても問題にはならないからと、殿下との婚約を破棄しるように脅して来たんです」
 「何だとっ!」

 バルタザールの胸に押し付けていた顔
 隙間から見えた彼女の口角はバルタザールの怒りを感じて上に吊り上がった。

 「いい加減にしろ、レイラ・カーティス!」
 「何をいい加減にするのでしょうか?」
 「メアリーのことだ。そんなに公爵家の身分が偉いと思っているのか?」
 「偉いですわね。少なくとも男爵家の人間に理不尽にスープをかけられても怒れないような身分ではありませんわ」
 「酷いわぁ。私があなたにスープをかけたと言いたいの?」

 実際にかけただろうが。

 「私は男爵家とは言いましたがあなただとは言っていませんよ。
 それとも何か心当たりでもあるのかしら?」
 「っ」
 黙るメアリーに代わりバルタザールが口を開く。
 「今の言い回しでそう思っても仕方がないだろう」
 「それでも言わないのが貴族というものでは御座いませんか?
 揚げ足を取られるのであれば社交界では生きていけませんもの。
 ああ、失礼。あなたは社交界の経験がなかったのですわね」
 「これから俺と一緒に多くの社交界に出席する予定だ。
 次期王妃なのだからな」
 「殿下、少々口が過ぎるのではありませんか?
 男爵家の令嬢では王妃にはなれませんよ」
 「俺はメアリーを愛している。それだけで十分資格がある。
 公爵だの男爵だのと身分に捕らわれるお前よりずっとな」
 「・・・・そうですか」

 愛のある結婚を誰もが望む。
 けれど、貴族にはそれが難しい。
 家の為、国の為に嫁ぐのが貴族だ。
 特に王族はそうだろう。
 けれどその王族の人間が堂々と愛があるからメアリーを王妃にすると言ってのけた。
 これを見た貴族の子息は白けた表情で「嬉しいわ、殿下」と言って更に豊満な胸を押し付けるメアリーとそのメアリーに鼻の下を伸ばしている殿下を見ていた。
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