悪役令嬢だから知っているヒロインが幸せになれる条件【8/26完結】

音無砂月

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はじめに

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不遇だけど持ち前の明るさと優しさで健気に生きるヒロイン
そんなヒロインが王子様と出会い、最後は幸せになる物語
どこにでもある、ありふれた物語だ。

ただ優しいだけが取り柄のヒロイン
自分よりも他人を優先してしまう自己犠牲の精神を持っているヒロイン
だからこそ周囲は彼女を好ましく思う。
それってつまり、周囲にとって彼女が都合の良い存在だからってことだよね。
でもそんな馬鹿なヒロインが最後は必ず幸せになるの。
子供向けの物語ではほとんどがこれだ。
きっと情けは人の為ならずというのを教えたいのだろう。

でも悪役令嬢は知っている。
物語のヒロインが必ず幸せになれるのはなぜか。
それは条件が揃っているからだ。

一、ヒロインとその恋人の容姿が良いこと
二、恋人が王子という地位である為、誰にも迎合する必要がないから
三、お金持ちであり生活にも心にも余裕があるから

さて、ここで問題だ。
ではその三点の条件から外れた場合、ヒロインと恋人に残るのは“愛”だけだ。
どの物語のヒロインも口にしている。
“愛は素晴らしい”と“愛には何者をも凌駕する力がある”と。
では、三点の条件から外れ愛しか残らなかった二人は本当に幸せになれるだろうか?
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