悪役だから仕方がないなんて言わせない!

音無砂月

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 私は他の貴族達同様に遠巻きに見ていた。すると、シャルロッテは自分の胸を自慢していた。自慢された貴族の令嬢だけではない。周りに居た貴族の令嬢や夫人達も顔をしかめた。
 彼女はきっと自分の胸の方が相手よりも大きいから相手は悔しげに眉を潜めているとでも思っているのだろう。
 でも、実際は違う。
 謹み深さ、淑やかさを求められる貴族の女達にとってシャルロッテの言動は卑猥で下品すぎるのだ。ましてや、自分の胸を強調するなど貴族からは考えられない行動だ。
 陛下やその取り巻き達はシャルロッテの強調された胸を見て鼻の下を伸ばしているけど、他の男達も理解できないとばかりに呆れている。
 「あれではまるで娼婦のようだな」
 「体で陛下を寝取っているんですもの。何も間違いはないでしょう」
 「嫌ですわ。これだから身分の低い人は」
 何て周囲に言われていることに気づきもしないシャルロッテはとんでもない爆弾を会場に落とした。
 何と彼女は自分が次期王妃であると宣言したのだ。
 それも他国の賓客を多く招いているこの場で。
 「へぇー。次期王妃、ね」
 「お似合いなんじゃないの。似た者同士」
 「でも、あの男。新参者のくせに私達の国を舐めきっていますわ」
 怒るアンネの肩をリヴィお兄様は優しく抱く。
「いいじゃないか。格下だと思っていた連中に踏み潰される時の顔はきっと見ものだ。
 せいぜいそれまでこのくだらない夢でも見てもらおうじゃないか。彼らには。」
 にっこりと笑ってリヴィお兄様は会場を見渡す。
 シャルロッテや陛下に集まっていた視線が次に私に向く。
 私はみんなの視線を受けながらシャルロッテや陛下の所に行く。リヴィお兄様達もその後に続いてくれる。
 「陛下、先程の話は本当ですか?」
 私が来ると、シャルロッテは勝ち誇ったら笑みを浮かべる。別に、そんなに欲しいならその男タダであげるけど。
 「ああ。俺はシャルロッテを王妃に迎える。誰にでも優しく、正直な彼女の心に私は惹かれたのだ」
 誰、それ?
 「恋は盲目と言いますが、ここまでとは。平民は王妃にはなれませんわよ」
 「黙れ。身分にかさをきせることしかできない無能が」
 「何ですって!」
 「アンネお義姉様、私は大丈夫ですから。
 陛下、少なくとも私は今近くにいる陛下の側近全員と関係を持っている人が王妃に相応しいとは思いませんを、だって、ねぇ。生まれてきた子が誰の子かも分からないなんて困るもの」
 「なっ!そんなでたらめ言わないでよ。酷いわ。最低よ」
 「そうだ。シャルロッテはそんなことはしない」
 「だいたい、何の証拠があって、そんな出鱈目を」
 「証拠ならあります」
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