親友面した女の巻き添えで死に、転生先は親友?が希望した乙女ゲーム世界!?転生してまでヒロイン(お前)の親友なんかやってられるかっ!!

音無砂月

文字の大きさ
19 / 63
第1章

18.アシュベルの信頼を勝ち取る

しおりを挟む
「王女殿下と仲たがいが続いているけど、その、大丈夫?」
アシュベルに久しぶりに会うと開口一番で聞かれた。どう答えようかと考えあぐねているとなぜか同席しているカーディルが鼻で笑った。
「寧ろせいせいしているだろう。あんなお花畑のお姫様の相手をさせられずに済んで」
「カーディル、幾ら君でも失礼だよ」
他国の王族に対する言いようではなかったのでアシュベルが窘めるがカーディルは更に追加する。
「俺は国民が口にできないことを代弁したまでだ」
事実そうなので何とも言えない。
正確にはアイルのあの性格は国民には知れ渡っていないので彼女に関係のある使用人や騎士の代弁者になるが。
この話題で一貴族でしかない私とアシュベルは賛同を求められても答えられないのでさっさと話題を変えることにした。
「本題に入ってよろしいですか?」
「あっ、うん。そうだね。それで、今日はどうしたの?」
「私宛に脅迫まがいの手紙が届いています」
「えっ?公爵にはそのことは?」
「まだ報告していません」
「何で?」
カーディルは私の考えを読もうとしているのか鋭い眼光で睨んでくる。
「高位の方なのでどう対応しようか考えあぐねているところです。それで、この脅迫はバルトロマイ伯爵令息にも関係してくることなのですが」
「僕?」
「はい。あなたの近くで最近、奇妙なことはありませんか?」
「ああ、分かった」
被害者であるはずのアシュベルではなくなぜか第三者のカーディルが先に心当たりを見つけたようだ。
「脅迫者はメロディ・モーガンだな」
「どうしてメロディが?」
アシュベルは目を丸くして驚いている。その様子から察するにメロディはまだ具体的に行動には移していないようだ。
「メロディ・モーガンはお前にご執心だからな。あの女はお前の前ではしおらしい女を演じていたが陰ではお前に近づく女を排除していたから。恐ろしい女だ」
アシュベルは寝耳に水だったようだ。
「その様子ならそちらに被害はいっていないようですね」
「‥…はい。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「あなたの責任ではありません。自分でアプローチもできずに陰で動くことしかできない陰険女の行動を読めというのは無茶ですから」
「‥‥‥陰険女。メロディは些細なことで笑ったり、泣いたりして、確かに我儘なところもあったけどでも、許容できる程度で、本当に可愛らしい子で、僕にとっては妹みたいな子なんです」
アシュベルの前限定ね。
お茶会での様子を見るに彼女は気に入らない子を自分の権力を使って集めた子たちに指示を出して虐めていた。
脅迫まがいの手紙もそうだけど彼女は相手を精神的に追い詰めるやり方を好むようだ。
「あなたに見せている面だけが全てではなかったということでしょう。どうされますか?今なら内々に処理できます」
こんなことを公にすれば彼女の縁談も難しくなるだろう。子供のしたことだと片付けられるレベルではないのだ。上の身分に脅迫状を送るというのは。
「ご迷惑をおかけしてすみません。寛大な配慮、ありがとうございます。このことは父と相談し、できればメロディの経歴に傷がつかないように内々に処理をさせていただきます。彼女がこのような行動に出てしまったのは彼女の心に気づいてあげられなかった僕のせいでもあります」
「そうですか。では、これはバルトロマイ伯爵令息に預けますね」
私はメロディが送ってきた脅迫状の一部をアシュベルに渡した。
「ありがとうございます。それと、僕のことはアシュベルとお呼びください」
「はい。私のことも名前で呼んでください」
幼馴染だと事前の情報で知っていたからアシュベルは絶対にメロディに対して情があると踏んで良かった。
おかげで公女に脅迫状を送った罪を内々で片付けられるからアシュベルもそして彼女の父であるモーガン侯爵も私に感謝するだろう。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】子育ては難しい~廃嫡した息子が想像の斜め上にアホだった件~

つくも茄子
ファンタジー
リオン王国には、バークロッド公爵家、アーガイル公爵家、ミルトン公爵家の三大公爵家が存在する。 三年前に起きたとある事件によって多くの貴族子息が表舞台から姿を消した。 各家の方針に従った結果である。 その事件の主犯格の一人であるバークロッド公爵家の嫡男は、身分を剥奪され、市井へと放り出されていた。 親のであるバークロッド公爵は断腸の思いで決行したのだが、とうの本人は暢気なもので、「しばらくの辛抱だろう。ほとぼりが冷めれば元に戻る。父親たちの機嫌も直る」などと考えていた。 よりにもよって、元実家に来る始末だ。 縁切りの意味が理解できていない元息子に、バークロッド公爵は頭を抱えた。 頭は良いはずの元息子は、致命的なまでに想像力が乏しかった。

悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜
恋愛
私は『花の王子様』という乙女ゲームに転生した しかも、悪役令嬢に。 いや、私の推しってさ、隠しキャラなのよね。 だから勝手にイチャついてて欲しいんだけど...... ※題名変えました。なんか話と合ってないよねってずっと思ってて

《完結》《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》でブスですって!女の子は変われますか?変われました!!

皇子(みこ)
恋愛
辺境の地でのんびり?過ごして居たのに、王都の舞踏会に参加なんて!あんな奴等のいる所なんて、ぜーたいに行きません!でブスなんて言われた幼少時の記憶は忘れないー!

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

才能が開花した瞬間、婚約を破棄されました。ついでに実家も追放されました。

キョウキョウ
恋愛
ヴァーレンティア子爵家の令嬢エリアナは、一般人の半分以下という致命的な魔力不足に悩んでいた。伯爵家の跡取りである婚約者ヴィクターからは日々厳しく責められ、自分の価値を見出せずにいた。 そんな彼女が、厳しい指導を乗り越えて伝説の「古代魔法」の習得に成功した。100年以上前から使い手が現れていない、全ての魔法の根源とされる究極の力。喜び勇んで婚約者に報告しようとしたその瞬間―― 「君との婚約を破棄することが決まった」 皮肉にも、人生最高の瞬間が人生最悪の瞬間と重なってしまう。さらに実家からは除籍処分を言い渡され、身一つで屋敷から追い出される。すべてを失ったエリアナ。 だけど、彼女には頼れる師匠がいた。世界最高峰の魔法使いソリウスと共に旅立つことにしたエリアナは、古代魔法の力で次々と困難を解決し、やがて大きな名声を獲得していく。 一方、エリアナを捨てた元婚約者ヴィクターと実家は、不運が重なる厳しい現実に直面する。エリアナの大活躍を知った時には、すべてが手遅れだった。 真の実力と愛を手に入れたエリアナは、もう振り返る理由はない。 これは、自分の価値を理解してくれない者たちを結果的に見返し、厳しい時期に寄り添ってくれた人と幸せを掴む物語。

【完結】海外在住だったので、異世界転移なんてなんともありません

ソニエッタ
ファンタジー
言葉が通じない? それ、日常でした。 文化が違う? 慣れてます。 命の危機? まあ、それはちょっと驚きましたけど。 NGO調整員として、砂漠の難民キャンプから、宗教対立がくすぶる交渉の現場まで――。 いろんな修羅場をくぐってきた私が、今度は魔族の村に“神託の者”として召喚されました。 スーツケース一つで、どこにでも行ける体質なんです。 今回の目的地が、たまたま魔王のいる世界だっただけ。 「聖剣? 魔法? それよりまず、水と食糧と、宗教的禁忌の確認ですね」 ちょっとズレてて、でもやたらと現場慣れしてる。 そんな“救世主”、エミリの異世界ロジカル生活、はじまります。

偽りの呪いで追放された聖女です。辺境で薬屋を開いたら、国一番の不運な王子様に拾われ「幸運の女神」と溺愛されています

黒崎隼人
ファンタジー
「君に触れると、不幸が起きるんだ」――偽りの呪いをかけられ、聖女の座を追われた少女、ルナ。 彼女は正体を隠し、辺境のミモザ村で薬師として静かな暮らしを始める。 ようやく手に入れた穏やかな日々。 しかし、そんな彼女の前に現れたのは、「王国一の不運王子」リオネスだった。 彼が歩けば嵐が起き、彼が触れば物が壊れる。 そんな王子が、なぜか彼女の薬草店の前で派手に転倒し、大怪我を負ってしまう。 「私の呪いのせいです!」と青ざめるルナに、王子は笑った。 「いつものことだから、君のせいじゃないよ」 これは、自分を不幸だと思い込む元聖女と、天性の不運をものともしない王子の、勘違いから始まる癒やしと幸運の物語。 二人が出会う時、本当の奇跡が目を覚ます。 心温まるスローライフ・ラブファンタジー、ここに開幕。

「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」とやりがい搾取されたのでやめることにします。

木山楽斗
恋愛
平民であるフェルーナは、類稀なる魔法使いとしての才を持っており、聖女に就任することになった。 しかしそんな彼女に待っていたのは、冷遇の日々だった。平民が聖女になることを許せない者達によって、彼女は虐げられていたのだ。 さらにフェルーナには、本来聖女が受け取るはずの報酬がほとんど与えられていなかった。 聖女としての忙しさと責任に見合わないような給与には、流石のフェルーナも抗議せざるを得なかった。 しかし抗議に対しては、「平民が聖女になれただけでも感謝しろ」といった心無い言葉が返ってくるだけだった。 それを受けて、フェルーナは聖女をやめることにした。元々歓迎されていなかった彼女を止める者はおらず、それは受け入れられたのだった。 だがその後、王国は大きく傾くことになった。 フェルーナが優秀な聖女であったため、その代わりが務まる者はいなかったのだ。 さらにはフェルーナへの仕打ちも流出して、結果として多くの国民から反感を招く状況になっていた。 これを重く見た王族達は、フェルーナに再び聖女に就任するように頼み込んだ。 しかしフェルーナは、それを受け入れなかった。これまでひどい仕打ちをしてきた者達を助ける気には、ならなかったのである。

処理中です...