31 / 101
第31話 俺の話も聞け
しおりを挟む
「碧衣、待てって!」
そんな風磨の声も無視して振り切ったはずだったのに…。
一瞬のうちに追いつかれて腕をつかまれ、腕の中に引き寄せられた。
「…放してっ!」
久しぶりに湧いてくる怒りの感情。
もうダメだと思ったときに助けに来てくれてすごく嬉しかったのに、いなりおでこにキスしてくるし…。
それに。
それに…。
そんな如月くんにドキドキしてしまう自分の感情にもついていけない。
「もう、私で遊ばないで」
怒りといっしょに涙が込み上げてきた。
「いい加減にして。如月くんにとってはキスなんて何でもないようなことかもしれないけど、私にとっては初めてだったし、たとえおでこだったとしても大切にしたかった…」
言い終わらないうちに、
「俺もはじめてだったし!」
風磨が逆ギレ。
「…え?」
「だから、俺だってはじめて…」
「そんなわけないよね?現役アイドルで女子にもキャーキャー言われてて、それでキスがはじめてとか…。お願いだからもう、からかわないで」
腕の中から抜け出そうとした碧衣を風磨が強く抱きしめる。
「なぁ…、俺の話も聞けよ」
「…ごめん…、もう、放して…」
静かに言った碧衣の声に風磨の力が緩む。
「…ごめん」
そんな小さくて消えてしまいそうな風磨の声が聞こえて、碧衣は解放されていた。
「…制服はクリーニングして返すから」
風磨に背を向けて碧衣。
「いらね。やるよ、それ」
「え…、でも…」
振り向くとそこにはもう風磨の姿はなく、屋上の景色だけが変わらず広がっていた。
そんな風磨の声も無視して振り切ったはずだったのに…。
一瞬のうちに追いつかれて腕をつかまれ、腕の中に引き寄せられた。
「…放してっ!」
久しぶりに湧いてくる怒りの感情。
もうダメだと思ったときに助けに来てくれてすごく嬉しかったのに、いなりおでこにキスしてくるし…。
それに。
それに…。
そんな如月くんにドキドキしてしまう自分の感情にもついていけない。
「もう、私で遊ばないで」
怒りといっしょに涙が込み上げてきた。
「いい加減にして。如月くんにとってはキスなんて何でもないようなことかもしれないけど、私にとっては初めてだったし、たとえおでこだったとしても大切にしたかった…」
言い終わらないうちに、
「俺もはじめてだったし!」
風磨が逆ギレ。
「…え?」
「だから、俺だってはじめて…」
「そんなわけないよね?現役アイドルで女子にもキャーキャー言われてて、それでキスがはじめてとか…。お願いだからもう、からかわないで」
腕の中から抜け出そうとした碧衣を風磨が強く抱きしめる。
「なぁ…、俺の話も聞けよ」
「…ごめん…、もう、放して…」
静かに言った碧衣の声に風磨の力が緩む。
「…ごめん」
そんな小さくて消えてしまいそうな風磨の声が聞こえて、碧衣は解放されていた。
「…制服はクリーニングして返すから」
風磨に背を向けて碧衣。
「いらね。やるよ、それ」
「え…、でも…」
振り向くとそこにはもう風磨の姿はなく、屋上の景色だけが変わらず広がっていた。
21
あなたにおすすめの小説
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
先輩から恋人のふりをして欲しいと頼まれた件 ~明らかにふりではないけど毎日が最高に楽しい~
桜井正宗
青春
“恋人のふり”をして欲しい。
高校二年の愁(しゅう)は、先輩の『柚』からそう頼まれた。
見知らずの後輩である自分になぜと思った。
でも、ふりならいいかと快諾する。
すると、明らかに恋人のような毎日が始まっていった。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる