心理のぬま

竹柏凪紗

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第10話 最適なターゲットを選ぶコツ

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「堪え性のないヤツだな。理玖、お前は本当に総代さんの孫なのか?疑いたくなる」

楓衣が深い溜め息をつくと
「はいはい。じぃちゃんは若い頃にひとりで事業を起ち上げて大金を稼ぎ、繁華街やオフィス街、一等地などで不動産を買い漁ってさらに儲けたヤリ手ですよ~っと」
スネながら理玖はメインの分厚くてやわらかい肉をぶっ刺してイライラ。

目の前の楓衣を思いっきり睨みつけた。

「理玖…。そう言う食べ方は感心しないな」

「はいはい。また楓衣の説教がはじまった…。食べ方はおいおい直すとしてさ。どういう食べ方をすれば幸せ気分が長続きするのか、あと俺が稼ぐためにはどういうターゲットを選べばいいかを教えてくれよ。なっ!」

人懐っこい笑みを浮かべて楓衣を見る。

…うぅっ…。
どうしてこの男は、こうも人馴染みしやすい雰囲気を放っているのだろう?

苛立つのに、なぜか言うことを聞いてしまう自分にも腹を立てながら
「お腹が空いていることに気づいていない、もしくは空腹によって冷静な判断ができないことに気づいていない人間を選ぶ。これが最適なターゲットを選ぶコツだ」
答えてしまっていて自己嫌悪。

「…え?それだけ?…ってか、わけわかんないんだけど」

自分では一切考えようともせず不満そうな表情を浮かべた理玖を見て
「人間の心理というものを知っていれば、俺が言ったことがどのようなことを指すのか、すぐにわかるはずだがな」
大きな溜め息をついた。
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