ハーレムキング

チドリ正明@不労所得発売中!!

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4章 論理と感情を合わせる方法 編

幕間セレナ視点 ハーレムキングを知った日

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 わたしは、他人に興味がない。

 感情を理解できないわけじゃない。ただ、それが理に適っていないと思っているだけ。

 魔法は論理。世界は数式。存在は条件式で記述され、結果は因果によって導かれる。

 だから、感情で物事を語る人間は、わたしにとって無意味だった。

 あの日、研究施設に入ってきた金髪の男を見たときも、最初はただの騒がしい存在だと思った。

 意味のない言葉、曖昧な表現、過剰な情熱。
 どれも、わたしには理解不能だった。

「ふははははっ! 王は君のような少女を見逃さない!」

 名前も聞いてないのに、勝手に話しかけてきて、笑って、口説く。
 くだらないと思った。正直、関わる価値もないと。

 でも、なぜか。
 わたしは、そのとき彼を拒絶しきれなかった。

 たぶん、その“エネルギー”が気になったのだと思う。

 ——非効率なのに、確かに届いてくる何か。

 それが、最初の“誤算”。


 その後、禁呪の研究でサラと関わるようになった。
 構築魔法の応用による死者蘇生の可能性。その先にある未知の魔法。

 サラは、“大切な妹を蘇らせたい”という純粋な想いで、それに向き合っていた。

 わたしはただ、研究として興味があっただけ。

 ……でも。

 あのとき、サラが叫んだ。

「私は……こんなことをしたいわけじゃない……!」

 その感情の奔流に、思考が一瞬止まった。

 意味がわからなかった。
 でも、なぜか、それはわたしの中に残った。

 消えない“ノイズ”だった。

 そして——

 わたしが攫われ、無力で、拘束され、冷たい地下室に閉じ込められたとき。

 現れたのは、あの男だった。

「待っていろ! 難攻不落のヒロインよ! 君を理性の檻から連れ出してやろう!」

 どうして、ここがわかったのか。
 なぜ、わたしのために動いたのか。

 合理性がない。戦う理由も、助ける理由も、わたしにはなかったはず。

 でも——

「誤算こそ人生の味わいだ!」

 その言葉が、胸に残った。

 矛盾だった。だけど、嫌ではなかった。

「非合理を受け入れるのは、今が初めて。でも……不快ではなかった」

 そう答えた自分に、驚いていた。

 ……この人は、世界を数式にできない。

 でも、なぜか、わたしの中に“解”を刻んでくる。

 ——キング。

 そう呼んだとき、わたしはもう、知らずに“堕ちていた”のかもしれない。
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