俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで (旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)

南野海風

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俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで ダイジェスト16-21

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  今、明かせる謎の所在は……


 俺は何者なのか?
 俺は弓原陽。いたって普通、ちょっとオタク寄りのただの高校二年生の男子である。
 本当に、サブカルが好きなだけの、普通の高校生だ。

 ――俺の意識は、そうだ。

 だが、ならば「今の俺」はなんだと言われれば、答えようがない。
 だって俺の存在を物証として主張する高校生男子の身体がないし、何より顕著なのは、人の肉体に乗り移って操っているという現状がここにあるのだから。
 普通の男子は、こんなことできないからな。……俺が故意にしたことでもないんだが。

 俺が俺として、「今の俺」の状態を考えると、どうにもわからないことが多い。
 というか、わかっていることはほぼない。

 だったらなぜ悪い存在ではないと言い切れるのか?
 むしろ悪い存在だからこそ、こういうことができるのではないか……と、思わずにはいられないのは、俺のオタクとしての知識からである。
 だって正しい連中が誰かの身体を乗っ取ったり、肉体を支配したりするパターンって、ほぼないからね。
 悪い連中の方がよっぽど好んでやってる手法だしね。

 ……あまり考えたくないし、信じたくもないんだが。
 でも、この状態の俺にとって、もっとも可能性が高い仮説は、やはり――

 ――俺はすでに死んでいる。

 そう考えるのが、一番自然な気はするんだよな……
 で、この仮説を確かめるのであれば、やはり俺もレンと同じ結論にいたるわけだ。

 そう、アルカである。

 もし俺が霊的な存在だと言うのであれば、現在の俺はまさしく悪霊の類だろう。アクロディリアの肉体を乗っ取っている悪い存在である。
 自分自身の光魔法に悪影響が出ない、というのは、俺自身が俺を悪い存在だと認識していないから、と仮定する。理屈で考えるとそんな簡単なものじゃないんだが、あくまでも仮定でな。

 ならば答えは簡単に出てしまう。

 ならば、第三者の光魔法で試してみればいい。
 レンが考えた通り、手っ取り早く、そういうことになる。


 せっかくの機会なので、レンが話を省いて結論を急いだという事実を、まず確かめてみるか。

「試してみるか。俺が悪しき者と仮定して、俺が消えない程度の光魔法を使ってみて反応を見てみようぜ」

 俺も、俺がどんな存在なのか、知っておきたいしな。
 まあ別に自殺願望はないし、もし俺が悪霊的存在であるなら、もう開き直るしかない。こうなったらみっともないくらい生にすがりついてやろうとはすでに決めている。

 もし冒険者になるのであれば、「俺の入る肉体を探す」という目的ができるわけだ。
 いずれこの身体はアクロディリアに返さないといけないしな。

 俺が消えない程度、という妥協案を提出すると、「まだ・・俺を消すことには反対」というアルカも承諾した。レンは俺のこと信じてるから別段口を出すこともなかった。レンさんマジ天使。

「――『光の癒しライトヒール』」

 差し出した俺の手を取り、アルカは光属性の初歩的回復魔法を使用した。
 純白に輝く、優しく清らかな光が肉体に染み込んでいく。

 ……アクロディリア、やっぱりなんか魔法が負けてるよ……輝きが違うよ……


「どうですか?」

 レンに問われ、俺は頷いた。

「疲労が取れた」

 ここまで歩いた分の疲れが、身体の芯に残っていたのだが。
 それがすっかり解消された。

「他には?」
「何もないな」

 ほんと、拍子抜けするほど、何もない。

「もっと強いので試してみる?」

 アルカの問いに、俺は微妙な顔をした。

「やってもいいけど意味ないと思うよ。本当に何もないから」

 付き合わせているアルカに対して申し訳なくなるくらいに、本当に何もないから。

 まあ、でも、せっかくなので、できるだけの解明はしておくべきだろう。いい機会だしな。
 アルカは「毒消しキュアポイズン」と「魔法効果解除マジックキャンセル」を使用するも、やはりまったく効果はなかった。

「――これでが悪しき存在ではないということが証明されましたね」

 結論付けるかのようなレンの言葉に、アルカは「そうだね」と気軽に頷く。

 まあ、そうなる……のかな?
 でもそう考えるなら、解消された疑問と同じ数の疑問が湧くわけだ。

 俺って何なの?
 むしろ霊的な存在であることが証明されていれば、それこそやるべきことも定まってくるのに。結局わからないということがわかっただけのことである。
 結局俺は死んでるのか?
 それとも生きてるかもってことで期待してもいいのか?
 そこくらいははっきりしてほしいなぁ……

 ……いや、謎はむしろ増えたかもしれないが、一歩前進したのは確かだろう。それは間違いないはずだ。


 とりあえず「俺は敵ではない」という証明は果たされたので、今度は俺自身の話である。
 さて、ここからが俺の正念場だな。

 どこまで話せばいいのだろう?
 いや……そんなことは決まっているな。

 俺自身のことは、隠す必要がない。

 そして「ゲームの世界である」ということは、話す必要がない。
 テレビもない世界なんだ、とにかく説明に困りそうだしな。

「察しの通り、俺は男だよ――ああそういうのいいから。本当にいいから」

 急に俺の視線を警戒して恥ずかしそうに身を引くアルカに、俺は至極冷静に言う。

「ぶっちゃけ素っ裸でも本当に何も思わないから。毎日自分の身体これ見てるんだぜ? おまえの身体はアクロディリアの身体より魅力的だと自分で思うか?」

 冷ややかに見詰める俺。アルカは「ぐぬぬ」と言わんばかりに悔しそうに口を歪ませる。

「レンさんはどう? やっぱ俺の視線とか気になる?」
「それはどうでもいいんですが、私はその口調の方が気になります。咄嗟にその口調で話されると周囲にバレますよ」

 あ、そう。そうか。
 アクロディリアに慣れているレンからしたら、違和感しかなさそうだしな。

「わかった――わかったわ。正直わたしも、時と場所で使い分けられるほど器用な人間じゃないから。こっちで統一する」
「そうしてください。アクロディリア様の不評に繋がりますから」

 ……こいつの不評は、これ以上増えたところで意味なさそうな気がするんだが……いや、まあ、レンの立場からすれば容認はできないか。

 ――それから俺は聞かれるまま話した。

 二人と、ついでにアクロディリアとも同年代であること。
 ここではない世界からやってきたこと。
 その際、俺の意思はまったく介入していないし、気がついたらこの有様になっていたことを強調して説明した。

 あと嘘だが、いざという時に言い訳に使えるように「記憶の所々が欠落している」という一言は添えさせていただいた。
 ただの高校生なので大したものはないが、俺の知識はこの世界ではまだ存在しないものがあるだろうからな。

 アクロディリアの意識のことはわからないのと、俺自身の意思ではこの肉体から抜けられないことも、ちゃんと話した。
 
 そして、最後に――


「ユミハラ・ヨウ……それがあなたの名前ですか」
「ええ」
「変わった名前だね。ヨウ君って呼んでいい?」
「いいけれど、人前で呼ばないでね……いえ、やはりダメね。あなたはうっかりポロリしてしまうタイプでしょう?」

 「ひどーい」と拗ねるアルカは置いといて。……お湯かけんな。

「レンはこれからどうするの?」
「どうする……そうですね、どうしましょうか」

 こうして「主人の身体に男の意識が乗り移っている」という話は明かしたわけだが、護衛の任に就いているレンには判断に困る状況でしかないだろう。

「とにかく、今すぐどうこうできる話ではない、ということははっきりしました」

 同感である。
 現段階で、俺という意識をアクロディリアの肉体から引き離す方法がないのだ。
 仮に引き離す方法があるとして、アクロディリアの意識がどうなっているのかわからない現状、俺を引き離していいのかって問題も発生する。

「幸い、魔法学校には数多の書籍が集められています。その中にこういう状況を記した文献があるかどうか、まず調べるのが先決でしょうね」

 そうだな、前例でもあれば俺の指標にもなるし……うん、それよりそろそろ風呂から出よう。

「のぼせそうだわ」

 久しぶりの風呂だ。かなりゆっくり浸かってしまったが、そろそろ出ないとぶっ倒れそうだ。

「そうですね。話せることは話したと思いますし、アルカさん、上がりましょうか」
「うん。ヴァーサス様も待ってるだろうしね」

 あ、まだあの覗き魔の件があったか。めんどくせーな。

「あの人にも説明しないとまずいかしら?」

 正直、ヴァーサスともラインラック王子とも、あまり関わりたくないんだが。

「話した方が無難でしょう。先程ヨウさんは男として接してしまいました。もはや別人であることはバレていると考えるべきです」

 ……そうか。そうだなぁ……話さないわけにはいかないよなぁ……




  たった一度の蝶の羽ばたきのように……


「――話はわかった。俄かには信じがたいが、嘘だとも思えない」

 温泉から上がり服を着て、火を囲んで昼食を広げながら女の敵・ヴァーサス・ケイドに、俺の諸々を簡潔に話した。
 レンが。
 ヴァーサスを呼ぶ前に「説明は自分に任せろ」と言い出したので、レンに任せることにしたのだ。

 伝えるべき情報とそうじゃない情報。
 取捨選択の余地もあっただろうし、レンはまだフロントフロン家に雇われているのである。家の不利になりそうなことは漏らせないのだろう。

「殿下はいつから疑問を?」
「かなり早かったと思う。最初の一週間でおかしいと感じ、密かにフロントフロン嬢の身辺調査を始めたんだ」

 ほう、身辺調査を……なるほど。
 優しい王子様って印象が強いが、やはり優しいだけではないのか。それなりに鋭いんだろうな。

「俺はフロントフロン嬢の異変を、特に気にしていなかったんだ。だから殿下に見せられた今日の手紙で、驚いた。何があったのか気になったのはその時……ついさっきが始めてだった」

 アクロディリアとヴァーサスは犬猿の仲だったみたいだからな。一ヶ月も顔を会わせることがなかったのなら、それはそれは平和に過ごせていたのだろう。
 そんな犬猿の仲の相手が一ヶ月ぶりにやってきたと思えば、今までの態度から一変して決別の手紙を届けにきた。
 この段に来て、ようやくヴァーサスもアクロディリアの様子が気になった、という話だな。

「そして急遽命じられた。しばらくフロントフロン嬢の様子を見守ってくれ、と。確実に何かが起こっているはずだから、と。
 命じられてすぐに、貴女たちが外へ行くと判明し、着の身着のまま追いかけてきた。そして今に至る」

 ――は?

「覗きの詳細が抜けてない?」

 さすがにこれは黙っていられなかった。

「だから覗いてない。貴女たちが温泉に入ろうとしたから、離れた場所で待っていただけだ。もし覗いていたのだとすれば、裸で走ってきた貴女に見つからないよう俺は逃げていた」

 ……チッ。筋が通った、か……
 そう、確かに見ていなかったから、俺と遭遇したんだ。ここまでこっそり尾行してきたような奴がこんな凡ミス犯す理由は、まさしく「見ていなかったから」だろう。

「だから、頼むからそんな目で見ないでくれ。……その、貴方の裸を見たのは、事故に過ぎないのだから」

 ん?
 ……あ、そっちかよ。そっちか。
 そっちで俺が怒ってると思ってたのかよ!

「わたしじゃなくてレンの裸見ようとしたのが許せないって話なんだけど!」
「あ? ……あ、そっちか!? 自分じゃなくてそっちで怒っていたのか!?」
「私は水着を着ていましたし、タオルも巻いていましたが」
「肩出てたじゃない! むき出しの肩がむき出しだったじゃない! レンさんの穢れなき乙女の肌が、穢れた男の視線に晒されるなんて……!」
「あのう、私はモロにタオル脱げたんだけど」
「アルカさんは別にいい」
「えっ」
「見られても減らないでしょう? アルカさんの身体なら」
「ひどいっ。意味わかんないけどひどいこと言われたのはわかるっ」

 だっておまえ、男といちゃいちゃしてるんだろ?
 ここそういう世界だからね。乙女ゲーの世界だからね。……それにしてもここまでイジられて輝く女が、まさかの主人公とはな……やっぱり知性って大切なんだな……

「……で、俺はどうしたらいい? 貴女の従者に謝ればいいのか?」
「いえ、もういいわ」

 とりあえず覗いてないことは筋が通ったので信じるし、レンのむき出しの肩を見たのも不可抗力ということにしてやろう。

「今更見たものはもうどうしようもないものね」
「くっ……だから見てないと言っているのに……」

 百歩譲ってな。
 百歩譲って許してやるんだからな。ありがたく思いやがれ。


「それであなた、このことを王子に報告するの?」

 俺としては、事情を知る者をあまり増やしたくはない。そしてそれと同じくらい主要キャラと関わりたくないのだが。
 それも大した権力を持つ王族関係だ。どんな面倒がやってくるか知れない。

「しないわけにはいかないだろう。身分ある者の中身が別人だなんて大事件じゃないか」

 あ……大事件、か。そうか。
 身分ある者の中身が別人になる。
 これはつまり、誰かの傀儡になるだの操り人形になるだのと言った、応用力を秘めた話である。
 たとえば国政を担うような要人に敵国の者が乗り移れば、国が傾くほどの事件を内部から起こすことができたりするかもしれない。

 そう考えると、すでに立場があるヴァーサスや王子にとっても他人事ではないのか。
 何せ王族とそれに近しい従者だからな。
 
「そもそも、貴女の言動がおかしいことに疑問を持っていたのは俺ではなく殿下で、この調査を命じたのも殿下だ。たとえ俺が今回誤魔化して報告しても、次は違うルートで調べていくかもしれないぞ」

 そうか。こいつの立場からすれば、報告しないって選択肢はまずないか。仮に今回は報告を誤魔化せたとしても、次は調査能力に長けた者に探られるだろう。

 秘密を守りたいなら、極力関係者を増やしてはいけない。

「さっきレンが話した通り、わからないことが多すぎるの。わたし自身も何もわからない。とりあえずアルカさんの魔法で悪しき存在ではないということだけは証明されたけれど、それ以上はさっぱりよ」
「うむ……それで?」
「現段階でできることは少ない。だから、言葉は悪いけれど、下手に触れられると迷惑なの」
「理解できる。部外者が口を出すな、という意味だな」

 お、さすがにこいつもバカじゃないな。

「あの手紙を撤回する気はないと、報告と一緒に王子に伝えてくれる? 協力してくれる気があるかどうかはわからないけれど、今アクロディリアのためにできることはないから」
「調べ物などは? それくらいなら貴女に触れずに貴女に協力できると思うが」

 俺は首を横に振る。

「王子と、あなたにとって、今年は留学最後の年でしょう? 国に帰ればもうこんな自由な時間は持てないはずよ。最後の年くらいアクロディリアの呪縛から放たれて自由にやればいいわ。
 あの手紙にしたためた気持ちに嘘はないから。もうわたしから関わる気はないわよ」

 今まで迷惑を掛けたと思うし、しつこく付きまとったのも事実だしな。もういいだろう。

「……本当に別人のようだな、いや、別人なのか。文字通り」


 ここで、方針を打ち出す必要があった。

 まず、最優先事項だ。
 俺の中では「この一年間が勝負」というのは変わらないが、それはフロントフロン家没落を知っている俺だけわかっていればいいことだ。

 こうしてアルカとヴァーサス、そして王子にも話が伝わるとして、レン以外に三人もの人間に俺の正体がバレた。
 つまり俺は、ある意味監視下に入ったとも言える。

 あんまりこいつらの気に障るようなことをしていたら、その内粛清的なことを、されてしまうかもしれない。
 悪い存在でもないし魔法関係でもない者が他人の肉体を乗っ取っている、この不思議な現象を調べるためのモルモットとして、確保されてしまうかもしれない。
 周囲に身バレすれば、それはこの三人以外の誰かが、そんな暴挙に出る可能性も高くなる。

 以上を踏まえて、やるべきことは二つ。

「まず、わたしは今後もアクロディリアとして過ごす必要があるわ。いずれこの身体も彼女・・に返すのだし、その時になって彼女に不備がないように、内外の環境をこれ以上悪くせず、できるだけ良い形で残したいと思っているの」

 これについては、この場の三人から賛成も反対もなかった。

 次に、だ。
 これはついさっき、「もう少しなんとかしろ」と自分につっこみを入れた時に、閃いたことである。

「それと、アクロディリアの属性を変えようと思うの」
「「は?」」

 意味がわからなかったらしく、三人は綺麗に声を重ねた。
 そうだね、この世界じゃわからないかもね。

「光属性のことですか?」
「違うわ。キャラを変えようっていう話」

 今のアクロディリアは、「冷徹・性格が悪い・威圧的・自意識過剰・傲慢・光の聖女(笑)」と言った、一つだけならまだ救いはあるが、他の負属性と絡み合うことで最悪の人格形成を為している。
 それゆえに嫌われ。
 そしてそれゆえに、アクロディリア・ディル・フロントフロンという存在が周囲に認識されている。

 もはや嫌われ者=アクロディリア、という不文律が確定している状態なのだ。

 この状態は、非常に厄介だ。
 ゲームのシナリオ上、たまたまレンがアクロディリアの破滅の引き金を引くだけであって、誰がやってもおかしくないと俺は思う。

 レンだけに注視して周囲をおろそかにすると、足元をすくわれる。
 そんな予感が拭えない。

 ――という話を、ゲーム云々や没落などの部分はカットして伝えると、微妙な顔をしていた。

 いいんだよ、はっきり言っても。
 だって俺の意識はアクロディリアではないからね。

 「わかるー。おまえ超嫌われてるもんね。どういうつもりなの? バカなの? 死にたいの?」と半笑いで茶化されたところで、なんら不思議とは思わない。むしろ当然だと思う。……すまん、さすがに半笑いで言われたらちょっとイラッとはするかもしれない。

「でも、そう、たとえばわたし・・・わたし・・・として動いた場合、アクロディリアの評価は少なからなず変わると思うの。そもそもこれ以上悪くなりようがないしね。
 でも、急な変化は、アクロディリアの異変を周囲に知らせるものでしかないわ。いきなり大きく変われば誰だって疑問を持つ。王子もこのケースで疑問を抱き、調査に乗り出したのでしょう?」

 ヴァーサスは頷いた。

「普段と違うことをするというのは、目に見える不自然だからな。普段と違えば違うほど、不自然な行動には相応の理由が必要になる。それが果たせないと不審に繋がる」
 
 うん、まあ、そういうことだな。
 アクロディリアの変化の理由は「他人が入っているから」で、それは隠匿すべき情報であるからして、変化の理由には使えない。そして代わりに用意した理由に綻びがあれば不審がられる。不審がられたら調べられる。そして俺が困る。

「話をまとめると、アクロディリアとして見ても不自然じゃない小さな変化で、周囲の評価を変えてやろう。そういう話になるわけ」
「先の属性というのは?」

 俺は人差し指を一本立てた。

「一つだけ、プラス要素を加える。本当に一つだけ」

 冷徹・性格が悪い・威圧的・自意識過剰・傲慢・光の聖女(笑)、などなどのアクロディリアが後生大事に育ててきた負要素に、たった一つのプラス要素を加えるのだ。

 そう、あの属性だ。
 普段の当たりが強いほど、普段のマイナス要素が強いほど際立つ、あの属性を――


 俺は、宣言した。


「――ツンデレ女王に、俺はなる!」

  ドン!!

 謎の効果音をもって宣言された力ある言葉に、三人は…………うん、ポカーンとしていた。やはりこの世界には「ツンデレ」は存在しなかったようだ。

 こうして、嫌われ者の悪役令嬢・アクロディリア・ディル・フロントフロンとして生きる俺の一年間が、幕を開けた。






  人、羞恥心ありて人であり……


 とにかく、最優先するべきはこれからの一年間の過ごし方だ。

 温泉から寮に戻って、今後どうするかを真剣に考えてみる。
 大きな気がかりの一つだった「身バレ」が済んだので、これからに関してはレンにも相談したかったのだが、「立場上、主人のやることに口出しする気はない」ときっぱり断られた。

 「ヨウさんが何をどうしたいか想像もつかない。大きく間違っていたらその時は言うから」と。

 この辺は、俺がアクロディリアの記憶を覗くことができるというのが関係しているみたいだ。

 やはりネックは、アクロディリアとして不審な行動をして周囲にバレたら大変だ、という意識が強いせいだろう。
 その辺は俺も同意見なので……うん、レンの言いたいこともわからなくもないな。

 何せアクロディリアの性格の悪さと愚行をなぞるのは、本人にしかできないだろうから。
 もしできる奴がいるとすれば、それはアクロディリアの記憶がある、俺以外ありえないわけだ。

 なんだかんだと延々考えて、翌日。
 とりあえず、おぼろげに、漠然と考えていた方針に沿って、目下の目標は決まった。

 朝食を終え、紅茶を淹れてもらい、その紅茶もすっかり冷め切っていた。
 そんな昼前に、ようやく考えがまとまった。


「――レンさん」

 ベッドメイクだの掃除だのと細々動いているレンを捕まえ、話を聞いてもらうことにした。

「考えはまとまりましたか?」
「ええ、やりたいことはまとまったわ。あとは実現できるかどうか、話を聞いてレンに判断してほしいの」
「わかりました」

 とりあえず、大事なのは二つだ。
 これ以上敵を増やさない、人に嫌われないこと。
 そして周囲に「アクロディリア=弓原陽」という、中身別人説の可能性を与えないこと。

 だとすれば、アクロディリアが何かしらの大きな行動を起こすに当たって、それに相応しい理由が必要となる。
 ――理由ならあるじゃないか。おあつらえ向きなのが。

「査定を使うわ」


「ほ、奉仕じゃと?」

 学校長は俺の……いや、アクロディリアの顔を見るなり露骨に嫌そうな顔をしたが、告げた一言で目を剥いた。

「そうです。私の査定には、奉仕活動を行います」

 レンに計画を話して許可を貰い、俺は学校長の部屋に乗り込んで単刀直入に物申した。

 ちなみに言うまでもないような気がするが、アクロディリアは過去何度もここを訪れ、学校長にガツンガツン我侭な要望をしている。彼が面倒くさそうな顔をするくらいには、アクロディリアは面倒な生徒なのだろう。

 尚、某魔法使い少年たちが闇のナントカとか名前を呼んではいけないあの人と戦ったりするあの有名な話の学校長とは、似ても似つかない人物である。
 こっちの学校長は普通の60くらいのおっさんにしか見えない。
 痩せているせいか貫禄もないし、特徴といえばハゲてて少し口髭と顎鬚が生えているくらいだ。くたびれた背広でも着させればちょうどいい「疲れた定年間近のサラリーマン」になりそうだ。

 学校の長だからな。たぶん偉い人なんだろうよ。でもアクロディリア的には「憶える価値もない人」という辛辣……というか失礼極まりない認識をしている人だ。

「奉仕とは、何をするんじゃ? いや、そもそもなぜ奉仕なぞ……」

 あのフロントフロン嬢が……と言いたげな、これまた失礼な、だが納得せざるを得ない戸惑いを隠せないまま、学校長は疑問を口にする。
 そう、いくら査定のためだろうがなんだろうが、アクロディリアが言うようなことではない。絶対に。この学校の生徒100人に言って100人が「絶対ない」と言い切るだろう、それほどまでに言い出すはずがない言葉である。

 だからこそ、逆にいい。

「……家からの命令です」

 嫌そうな顔を作り、溜息を吐いてそう告げれば、――ほら見ろ、学校長が戸惑いながらではあるが頷いたぞ! 納得したぞ!

 アクロディリアが動く理由と言えば、やはり「家の都合」が相応しい。
「しかし、ひ、ひ、…………」

 くそっ、言葉がっ! さすがに言葉が詰まっちまった! そうだよ俺には言えないよ! 言えないんだよ! なんでこんな恥ずかしいこと堂々と言えるんだ、このバカ女は!

 急に、カッと顔が熱くなる感覚に襲われるが……ここで黙るわけにはいかない!

 言うぞ……俺は言うぞ!

 一つ深く息を吐き、堂々と口を開いた。

「ひっ、光の聖女であるわたしがっ、下々に奉仕などできませんっ」

 ちょっと声が裏返ったりもしたけれど、俺は元気です。……羞恥心に身悶えしそうなくらい元気です。顔が熱い。絶対耳まで赤くなってるぜ……
 なあ、アクロディリアって本当に人だったの? こいつの鋼鉄の心臓、本当に人間が持てるものだったの? 俺の頭にはにわかに「アクロディリアこそ悪しき存在説」が浮上したね。

 対する学校長は「は、はあ」と気のない返事。照れるくらいなら言うな、とでも思っているかもしれない。……アクロディリアは言うんだよ! こういうことを! 平気で! だから俺が恥ずかしがってるんだよ!

「……それで?」

 確かにここまでの話、学校長からすれば「だからなんなの? 勝手に奉仕でもなんでもすれば?」という感想を抱くものだろう。
 だが、重要な要望があるのだ。

「わたしは下々に奉仕はできません。が、わたしのついで・・・・・・・であれば、それは百歩譲って認めてもいいと思っています」

 ひどい羞恥プレイを経て、ようやく俺は、本題へと辿りついた。
 長かった……精神的にすごく長かった……

「このタットファウス魔法学校の敷地内のどこかに、空いた土地を借りたいのです」
「土地?」

 そして、俺は言った。




「全生徒および教員を含めた関係者を対象に、共同浴場……お風呂を作りたいと思います」




  言の葉が風に吹かれるがごとく……


 大方の話を大雑把に詰めた後、終始戸惑いと動揺を隠しきれなかった学校長を残して学校長室を出た。
 ふう……疲れた。

「どうでした?」

 室外で待っていたレンに、大まかに話したことを伝える。

「作ることは構わない、ただしちゃんと管理ができなければ撤去命令を出すこともあるって」

 学校長の答えは「OK」ってことである。
 風呂を作る、「だから金を出せ」でも「だから手伝え」でもないので、やってもやらなくても学校長……というか学校側に問題はまったくないんだと思う。別に不利益にもならないし負担にもならないし、むしろ利益に繋がりそうな企画だと考えることもできるだろう。

「学校側からの条件は?」
「少し考えてみるとは言っていたけれど、概ね問題はないみたい。そのうち向こうから何か言ってくるでしょう」「では作れるのですね?」
「少なくとも却下はされなかったわ」

 レンさんは嬉しそうだ。風呂好きっぽいしね。
 学校長には「自分のついでに他の人も入ればいいよ」みたいな偉そうなことを言ったが、これは割と本心である。まず俺が風呂に入りたいのだ。風呂のある生活を送りたいのだ。

 昨日、温泉に入って確信したからな。
 ああ、俺はもはや風呂がないと生きていけないんだな、って。生まれも育ちも現代日本人なんだなって。

 幸い、ここは魔法学校だ。
 それなりの水魔法が使える者が沢山いて、それなりの水魔法が使えるなら湯を張るのは簡単だ。ボイラーだのなんだのって小難しい機械が必要ってわけでもないから管理もしやすいしな。

「それではアクロディリア様、行きましょう」
「ええ」

 これから、この広大なタットファウス魔法学校の方々を周り、風呂場を作るに適した土地を探しに行くのだ。

 ――あ、そうだ。

「頼んだアレ・・はどうなった?」
「滞りなく伝えておきました」

 さすがレンさん、いつの間にやったのかさっぱりわからないが、もうこなしたのか。
 ならばもう気にすることはない。

 そして俺たちは、予定通り敷地内を歩き回った。


「噂が広まっている」

 夕方、部屋に戻るとラインラック王子の従者・ヴァーサスの覗き野郎が部屋を訪ねてきた。
 正直門前払いしたいのだが……アクロディリアが別人であることを知っているだけに、無碍にできる相手ではない。
 テーブルに着かせ、レンがヴァーサスの分の紅茶を淹れるのを待って、俺は問う。

「噂とは?」
「貴女が奉仕活動をする、というものだな」
「どれくらい広まっているの?」
「今頃は、どこでもその話で持ちきりだ。人気者だな・・・・・

 確かに人気者だな。嫌われ方面で。
 でも、良くも悪くも、周囲はアクロディリアを無視できないのは確かなんだろう。

「どうなっているんだ? そして何をするつもりだ?」

 ヴァーサスの目は、真剣だ。
 はぐらかすのは許さないって感じで。

「お風呂を作りたいのよ」
「風呂?」

 なんだ、そっちは伝わってないのか。
 レンを見ると、何も言わずとも「伝えましたよ」と答えた。

 ――そう、実は「アクロディリアが単位査定の一環で、奉仕活動として風呂を作るよ」という噂を、レンに広めてもらったのだ。

「つまり、噂は本当なのか?」
「ええ。まあ正確に言うと、共同浴場を作りたいって話だけれど。わたしのついで・・・・・・・に皆も風呂場を利用して構わないって理屈で」
「……なるほど、貴女のついで・・・・・・、か」

 そういうことだ。
 厳密に言うと奉仕活動ではないかもしれないが、認識のズレ具合はアクロディリアらしいと俺は思う。これを奉仕活動と言っちゃうアクロディリアマジ光の聖女(笑)みたいな。
 しかし、悪名高いアクロディリアには、「奉仕」という言葉がよっぽどそぐわなかったのだろう。「風呂を作る」という重要な部分が綺麗さっぱり消え失せるくらいに。

「なんのために噂を流したんだ?」
「それはもちろん、期待させるため・・・・・・・よ」

 そう、本当にただそれだけだ。注目を集めさせただけの話だ。

「風呂の期待、か?」
「いいえ。アクロディリアの失敗を」
「……なぜだ?」
「だから、注目させるためよ」

 これ以上嫌われることは、たぶんないだろう。今が最底辺だからな。
 だから、無視される方が困るのだ。
 無視されたらアクロディリアの悪評が揺らがない。何をしようとそのまま残ると思うから。

 もちろん、悪評全てをひっくり返すつもりはない。
 それをやったらアクロディリアじゃなくなるからな。

 さじ加減が必要だが、良くなりすぎず、しかし悪くもなりすぎず、そして意地を掛けて皆の期待を裏切り続けるつもりだ。
 ずっと周囲に見せつけるために。これからのアクロディリアを。

 一度でも奴らの期待に応えたら、そっぽ向かれるだろう。そう――某アイドルグループの推しメンに彼氏がいたことが発覚した時のように!

 ……かなりプレッシャーを感じるが、たった一年しかないんだ。
 これくらいしないと没落の運命は変えられないだろうからな。

「そうだ。あなたもお風呂に入ったことはあるわよね? 実家にあったりする?」
「…? それは、あるが」

 率直に言うと、文化の違いを聞きたかった。
 これから作るのだから参考になる部分もあるかもしれないし。

「大差はなかったはずだが」

 そうか。まあ風呂だしな。

「石鹸もシャンプーもリンスも、普通にあるのよね」

 こうして考えてみると、足りないものというのがないんだよな。
 石鹸を作らなければならないとか、作り方の想像もつかないシャンプー・リンスの開発とか……花の油を使うってのは知ってるけど、それ以上はさっぱりだしな。
 でも、別にこのまま作っても問題なさそうな気はする。

 しかしそれにしても時代背景を無視したこの歪な文化形態、まさしく作り込みの足りないゲームって感じだ。
 石鹸はともかくとして、シャンプーとかリンスなんて、風呂が普及していてこそ需要と供給が求められそうなものなのにな。

「あと思いつくのは、風呂上がりのフルーツ牛乳くらいよね……」
「なんだそれは」

 え?

「ないの? フルーツ牛乳」
「……牛の乳だということはわかるが?」

 あ、ないんだ!? 風呂上がりのフルーツ牛乳文化! あるいは風呂上がりのビール文化!
 レンを見ても、ヴァーサス同様ピンと来ていないようなので、この文化はこの世界になかったらしい。じゃあこれは実装だな!

「それと……柚子風呂とか薔薇風呂とかあったかしら」
「ゆず?」
「ばら?」

 あ、これもない? なんだ、まだ考える余地はありそうだな。


 どんな風呂にするかと、レンさんと邪魔なヴァーサスを加えた三人で話し合った翌日。
 学校側からの返答がやってきた。







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断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
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貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

悪役令嬢はモブ化した

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乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?ただいまお相手募集中です!

月芝
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国の端っこのきわきわにある辺境の里にて。 不自由なりにも快適にすみっこ暮らしをしていたチヨコ。 いずれは都会に出て……なんてことはまるで考えておらず、 実家の畑と趣味の園芸の二刀流で、第一次産業の星を目指す所存。 父母妹、クセの強い里の仲間たち、その他いろいろ。 ちょっぴり変わった環境に囲まれて、すくすく育ち迎えた十一歳。 森で行き倒れの老人を助けたら、なぜだか剣の母に任命されちゃった!! って、剣の母って何? 世に邪悪があふれ災いがはびこるとき、地上へと神がつかわす天剣(アマノツルギ)。 それを産み出す母体に選ばれてしまった少女。 役に立ちそうで微妙なチカラを授かるも、使命を果たさないと恐ろしい呪いが……。 うかうかしていたら、あっという間に灰色の青春が過ぎて、 孤高の人生の果てに、寂しい老後が待っている。 なんてこったい! チヨコの明日はどっちだ!

三十年後に届いた白い手紙

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三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~

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政治家の娘として生まれ、父から様々なことを学んだ少女が異世界の悪徳政治をぶった切る!? //////////////////////////////////////////////////// 悪役令嬢に転生させられた琴音は政治家の娘。 しかしテンプレも何もわからないまま放り出された悪役令嬢の世界で、しかもすでに婚約破棄から令嬢が暗殺された後のお話。 琴音は前世の父親の教えをもとに、口先と策謀で相手を騙し、男を篭絡しながら自分を陥れた相手に復讐し、歪んだ王国の政治ゲームを支配しようという一大謀略劇! ※魔法とかゲーム的要素はありません。恋愛要素、バトル要素も薄め……? ※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。 ※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。 隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。

ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。

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「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」 お嬢様はご不満の様です。 海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。 名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。 使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。 王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。 乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ? ※5/4完結しました。 新作 【あやかしたちのとまり木の日常】 連載開始しました

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