俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで (旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)

南野海風

文字の大きさ
52 / 184

68.チョロい主人公の落とし方は……

しおりを挟む





 『ドラゴンの谷』へ冒険へ行った翌日、再びアルカの部屋を訪れた。

「そうだね。話さないといけないよね」

 あの日と同じように俺とアルカはベッドに腰掛け、レンはドアの前に立っている。

 静かな雨音が心地よい。
 この世界には雨期……現代日本で言うところの、梅雨みたいなよく雨が降る時期がある。日本だと六月くらいか? こっちだと七月か八月って感じらしい。まあ土地にも寄るんだろうけどな。フロントフロン家がある地方では六月中旬から下旬までで、毎年この時期にはもう明けてるみたいだしな。
 
 そんな雨期だが、今年はちょっと遅めで、ようやくしとしとと降り始めていた。もうすぐ七月……飛燕魚の月が終わり、夏休みに入るのだが。
 まあ、夏休みの前に片付けておきたいことと、片付けねばならないことがある。それを済ませなければ気持ちよく夏休みを迎えることはできないだろう。

 まず、『天龍の息吹エンジェルブレス』のことだ。
 あの石碑から、俺と同じ文章を読み取っているはずのアルカも、話したいことがあるはずだ。

「実は、レンにはまだ話していないの」

 名前を出されたレンは「なんのことだ」と言わんばかりに俺に視線を向けるが、今は答えない。昨日あれだけ根掘り葉掘り事情聴取したのにまだ話してないことがあるのかと言わんばかりの肌に突き刺さるような鋭い視線であるが、俺は必死に耐えて、今は答えないぞ!

 あ、ちなみに俺も逐一報告したが、俺もレンとゼータがあのあとどうなったか、ちゃんと聞き出している。
 まあ案の定すぐ逃げたらしいが。

「わたしは話してもいいと思っているわ。でもアルカさんの意見を尊重する」

 レンの前で話すのか、それとも外してもらうのか。俺の意見は述べているので、あとはアルカが決めればいい。

「レンちゃんなら、私も別に構わないよ」

 お、そうか! やった!
 ここでレンに「病気を治す魔法を入手した」と伝えることで、レンの弟の病気を治すイベントが発生するはずだ。 
 もしアルカが「話さない」を選んだ場合は……まあ、その時はその時考えようと思っていた。まさか「俺こんな魔法が使えるようになったよ」とも、ちょっと言えないもんな。そしたらアルカも使えるようになったってバレるだろうし。

「その前に……謝った方がいい?」
「え?」
「わたしはあなたに無用な重荷を負わせたんじゃないかと、ずっと後悔していたの。あの魔法は、きっと、わたしたちが想像する以上に使いづらい・・・・・。というか、使わない方がいい類のものだわ」

 「所詮ただの高校生の想像だ」と、どこか楽観的に考えていた。権力者が狙うだの監禁するだの、俺の考えすぎなんじゃないか。そんな大事になるのか、と。
 だが実際は、すでに過去に事件が起こっていた。俺が想像した通りのことが。

 下手に使えば使用者――アルカの命にまで及ぶような、危険な魔法だ。知らないでいた方がよかったんじゃないかと思う。

「特にそういうのはいらないかな」

 だが、アルカはあっけらかんとしている。事の重大さを理解しているのかしていないのか、よくわからないが……

「結局、できることの幅が広がった。助けられる人を助けられるようになった。それだけの話だから」

 うわーシンプル思考ー! 羨ましいくらい何も考えてなーい!
 だから心配なんだよ! 何も考えず病人がいればさっさと使いそうで、だから心配なんだ! 人として尊敬はするけど褒められたもんじゃねえ! 後先考えずやっていいことと悪いことが……

 ……なんて説教したいところだが、さすがにそこまで馬鹿じゃないだろう。『光の大賢者』のアレを読んだのであれば、少なくとも、そのまま顔を晒して『天龍の息吹エンジェルブレス』を使用することもないはずだ。

「わかった。それじゃ話を進めましょう」

 信じてるぞ、アルカ。使う前にちょっとだ考えろ、それだけでいいからな。それだけは実践してくれよ。




「……病気を治す魔法?」

 レンは、どこか呆然として、小さく呟いた。

「そう、病を治す魔法。『光の大賢者』の石碑に残してあったのよ」

 と、簡単に説明しておく。まあそれ以上言うこともないからな。

 ――よし、これでイベント発生確定だ。

 ……まあイベント云々はさておき、レンの長年の苦労が報われて、苦しみ続けた弟が助かるのあれば、やはりそれは歓迎するべきことである。
 言われれば今すぐ飛んでいったって構わない。喜んで付いていくさ。
 が、今のアクロディリアは、レンの弟の事情を知らないことになっている。まだ本人から聞いてないからな。だからこっちから手を差し伸べることはできない。

 ……いきなりの情報にレンさんもちょっと惚けているので、少し放置しよう。考えることもあるだろうからな。
 今はアルカと話をせねば。

「それでアルカさん、これからどうするの?」
「まだ何も考えてないよ。ほら、ヨウくんと一緒に憶えたようなものでしょ? 勝手に使うとヨウくんにも影響が出るような気がするしね」

 あ、よかった! 一応アルカなりに考えてたんだな! よかった! 

「少し時間をくれない? 最適かつ安全に『天龍の息吹エンジェルブレス』を使う方法を考えてみるから。もちろんアルカさんが考えてくれても構わないわ。ただ、この魔法が関わることは連帯責任になる可能性があるから、それだけは心に留めておいて」
「わかった、少し待つから。私も私なりに考えてみるね」

 そうしてくれ。本当に。

 このタットファウス王国にも、きっと、今病気で苦しんでいる人たちがいるはずだ。それこそ死病を抱えている人もいるだろう。死にたくなるほどつらい毎日を過ごしている人もいるだろう。
 そんな人たちを助ける方法を手に入れたのだ。使わない……ってわけにもいかないと、俺は思う。もちろん最優先はレンさんだけどな。

 でも、「かわいそうだから」とか「助ける力があるから」とか、そういう理由はちょっと、なんというか、堂々と口にして手を差し伸べるのは、かなり偽善っぽくて俺はちょっと抵抗あるんだよね。中二っぽいかな? だが目の前で苦しんでいる人がいて、自分はその人を助けることができて、その状況で相手のことより自分の在り方を考えられる時点で間違っている気もするし。つまらない見栄張ってる場合じゃねえだろ、って。つか病人目の前にしたらきっとそんなこと考えてらんねーだろ。

 一応フロントフロン家は、タットファウス王国に認められている存在だ。ノブレス・オブリージュだっけ? だから貴族としての責任や義務を果たすのに理由はいらないだろ。
 俺は……つーかアクロディリアは貴族だ。お偉いさんだ。だから下々を助けることはあたりまえのことだ、って感じでいいだろう。

「できるだけ多くの人を助けたいよね」

 で、アルカは完全に善意で言ってるんだろうな、と。俺のようにグチグチ偽善だなんだと考えずに。

 ……くっ! いい奴すぎるだろこいつ! 立派すぎてそろそろ後光が差し込むんじゃねーの!? 段々存在自体が眩しく見えてきたよ!

「アルカさん」
「ん?」
「たとえあなたが裏で男漁りばかりしているような軽い女でも、わたしはあなたが大好きよ」
「え、ありが……え? お、男あさり?」
「たとえよ」
「は、はあ……ありがとう……え? 褒められてはいない?」

 いや、すごい褒めてるよ。男の身体だったら惚れてるくらいだよ。

「昨日の冒険、あなたがいなければ誰かが死んでいたと思う」

 状況だけ考えるなら、俺とグランな。

「あなたがいろんな人に誘われる理由がよくわかったわ」

 こいつ一人いるだけで、パーティの生存率がとんでもなく跳ね上がるだろう。もちろん剣士としての腕もいい。めっちゃ強いしな。そりゃ人気あるわ。

「や、やめてよ。アクロディリア様の顔でそんなこと言わないでよ」

 アルカは照れている。……いや、若干引いてるな、この顔は。そんなにか。そんなにアクロディリアの顔で言われると気持ち悪いか。気持ち悪さを隠しきれないか。そーかそーか。

 ちょっと害したね。気分を。
 これまでの遺恨だのなんだのあるかもしれんが、今は俺がアクロディリアだからな!

 ……でも嫌がられているのに言葉を連ねるのもアレだし、これくらいで切り上げよう。本当はもっとちゃんとお礼とか言いたいんだが、地味に拒否られてるからな。仕方ない。

「今日、これから暇?」
「そうだね。雨降ってるし、のんびりしようかと思ってるけど」

 そうか。それは好都合。

「昨日のお礼をしたいから、何か食べに行きましょうよ」
「え? 悪いよそんな。そもそも冒険で仲間を助けるのなんてあたりまえ――」
「チョコレートでもいいわよ」
「行きます」

 なんてチョロさだ。即答か。そんなに好きか。

「あ、でも、いいの? 人の多いところで私と一緒にいるの、避けたいんでしょ?」
「雨だからね」

 ついでに平日だ。八年生以外は授業で、雨の日は街を出歩く人も少なくなる。これならどうとでも誤魔化せるだろう。
 それに、多少の難があったところで、お礼をしないなんて考えられないからな。それくらい世話になった。

 今度こそ、メイドに横取りされないよう、もう店に連れて行くさ。




 こうして、一つの冒険が幕を閉じた。

 この後、「盾しか使わない戦士」が話題になったり、呑んだくれの最低ランクのダメ冒険者として名を馳せていた人物がランクAまで駆け上がったりと、冒険者界隈で妙な動きが見られるようになる。

 グランはともかくとして、問題はゼータだ。
 何があったかよくわからんが、あいつやっぱりちょっとアル中だったんじゃねえの?

 実は俺、愛の抱擁を交わした時、こっそり『天龍の息吹エンジェルブレス』使ってみたんだよね。
 ほら、魔法って詠唱とか憶えないといけないからさ、その場でソラで言えるくらいちゃんと記憶しているか試してみる必要があったんだよ。もし憶えきれなかったらメモしてたはずだ。……まあ「文章が頭に入ってくる」なんて不思議な現象が起こっただけに、憶える気がなくともしっかり記憶に残ったんだがな。
 その試し使いの『天龍の息吹エンジェルブレス』で、芯まで浸透していたゼータのアルコール分が抜けたんじゃなかろうか。

 もしくは失恋という名の不治の病にも効いちゃったのかな!?

 ……我ながらすごくダサい表現だな。何が失恋にも効果的だよ。

 


 あとの心残りは一つだけである。
 俺とアルカ、そしてレンのことだ。
 
 なんだか妙な三角関係が成立しているものの、この三角関係に気づいているのは俺だけで、だからこそモヤモヤする。

 ――果たしてレンは、俺とアルカ、どちらの『天龍の息吹エンジェルブレス』を求めるのか。
 ――果たして弟を助けるために、どちらの助力を求めるのか。

 飛燕魚の月が、あと数日で終わり。
 紅獅子の月……八月がやってくる。

 八月に入ると、すぐに夏休みである。レンは毎年、俺の帰郷を見送ることなく、とっとと故郷へ帰るのだ。
 つまりそこがタイムリミットだ。

 俺を選ぶなら、八月に入るまでに、話をしてくれるだろう。
 だが、もし話してくれないのであれば、アルカに頼んだということになる。

 ……あくまでも個人的希望を添えた予想だが、ゲームシナリオ通りに事が進まなければ、少なくともレンが敵になることはないのではなかろうか。
 そして逆に言うなら、ゲームシナリオ通りに事が進むのであれば、やはり最終的には裏切られちゃうのかなーと思う。

 要するに、俺を選べばシナリオ矛盾。アルカを選べばシナリオ通りってことだ。

 これまででだいぶ打ち解けてきていると思う。そもそも中身が違う人、なんて現象を飲み込んで、よくがんばってくれていたと思うさ。そして何より俺はレンが大好きだ。恋愛感情はまるでないが、とにかく大好きだ。だから彼女が困っているなら絶対に力になりたい。

 だが、レンが俺に助けてほしいと思うかどうかは、わからない。
 アルカ超いい奴だからな……俺よりあいつの方が頼みやすかったりするんじゃねーの? あいつのいい奴っぷりには勝てる気しないしよ。紛れもなく「純白のアルカ」だと思うよ。主人公だと思うよ。

 俺を選べ……俺を選べ……!

「なんですか? 今日は違う茶葉に変えますか?」

 そんなことを念じながら見ていても、伝わるわけもない。そもそも何考えてるかまったく読めないしな……レンさんもうちょっと表情あってもいいと思うよ。ああいやでも無表情キャラも魅力的だからなぁ。安易にそれを否定するわけにはいかないしなー。

「レンさんの愛がこめられているなら、なんでもいいわ」
「じゃあ冷たい水にしますね。まだ寝ぼけているようなので」
「…………」

 きっと悩んでいるだろうこの時に、いつもと変わらない態度である。もう、ぐうの音も出ねえわ。

 雨が降り続いている。
 俺一人だけモヤモヤしながら、一日一日と時は過ぎていく――









しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

断罪済み悪役令嬢に憑依したけど、ネトゲの自キャラ能力が使えたので逃げ出しました

八華
ファンタジー
断罪済みの牢の中で悪役令嬢と意識が融合してしまった主人公。 乙女ゲームストーリー上、待っているのは破滅のみ。 でも、なぜか地球でやっていたオンラインゲームキャラの能力が使えるみたいで……。 ゲームキャラチートを利用して、あっさり脱獄成功。 王都の街で色んな人と出会いながら、現実世界への帰還を目指します!

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

剣の母は十一歳。求む英傑。うちの子(剣)いりませんか?ただいまお相手募集中です!

月芝
ファンタジー
国の端っこのきわきわにある辺境の里にて。 不自由なりにも快適にすみっこ暮らしをしていたチヨコ。 いずれは都会に出て……なんてことはまるで考えておらず、 実家の畑と趣味の園芸の二刀流で、第一次産業の星を目指す所存。 父母妹、クセの強い里の仲間たち、その他いろいろ。 ちょっぴり変わった環境に囲まれて、すくすく育ち迎えた十一歳。 森で行き倒れの老人を助けたら、なぜだか剣の母に任命されちゃった!! って、剣の母って何? 世に邪悪があふれ災いがはびこるとき、地上へと神がつかわす天剣(アマノツルギ)。 それを産み出す母体に選ばれてしまった少女。 役に立ちそうで微妙なチカラを授かるも、使命を果たさないと恐ろしい呪いが……。 うかうかしていたら、あっという間に灰色の青春が過ぎて、 孤高の人生の果てに、寂しい老後が待っている。 なんてこったい! チヨコの明日はどっちだ!

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

政治家の娘が悪役令嬢転生 ~前パパの教えで異世界政治をぶっ壊させていただきますわ~

巫叶月良成
ファンタジー
政治家の娘として生まれ、父から様々なことを学んだ少女が異世界の悪徳政治をぶった切る!? //////////////////////////////////////////////////// 悪役令嬢に転生させられた琴音は政治家の娘。 しかしテンプレも何もわからないまま放り出された悪役令嬢の世界で、しかもすでに婚約破棄から令嬢が暗殺された後のお話。 琴音は前世の父親の教えをもとに、口先と策謀で相手を騙し、男を篭絡しながら自分を陥れた相手に復讐し、歪んだ王国の政治ゲームを支配しようという一大謀略劇! ※魔法とかゲーム的要素はありません。恋愛要素、バトル要素も薄め……? ※注意:作者が悪役令嬢知識ほぼゼロで書いてます。こんなの悪役令嬢ものじゃねぇという内容かもしれませんが、ご留意ください。 ※あくまでこの物語はフィクションです。政治家が全部そういう思考回路とかいうわけではないのでこちらもご留意を。 隔日くらいに更新出来たらいいな、の更新です。のんびりお楽しみください。

ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。

彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」 お嬢様はご不満の様です。 海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。 名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。 使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。 王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。 乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ? ※5/4完結しました。 新作 【あやかしたちのとまり木の日常】 連載開始しました

処理中です...