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第一章:轢いたと思ったら異世界だった
その5 運命共同体
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ルアンがペラペラとこの世界で暮らすための心得やらを教えてくれる。
まず、金はそこそこ生きていける程度にはあるらしい。これで食事と宿を見つけて欲しいと。
次に、この世界は剣と魔法、そしてサリアたちが襲われていたように魔物と呼ばれるモンスターが闊歩する場所だとのこと。マンガやゲーム、小説のように『ギルド』というものが存在し、様々な職業用のギルドがあるのだそうだ。
魔物退治なら冒険者ギルドで商人が牛耳る商業ギルドといった感じだな。仕事の斡旋をしてくれるハローワークみたいな場所もあるから使いたいところだな。
俺にも魔法が使えるようになっているのは興味深いが、訓練は必要らしいや。
そのほか――
<このトラックも魔力で稼働するように改造して、ヒサトラさんの魔力と連動しているから魔力が尽きるまでなら動かすことも可能よ。それとトラックの積み荷はそのままもらってOKだから使いなさいな。なにが入っているか分からないけどね♪ 向こうの世界の道具とか食料なら大切した方がいいかもね>
「結構積んでいるから開封も大変だがなあ。でもガソリンがいらないのは助かるな」
「異世界の道具……興味ありますね」
サリアが目を輝かせて俺を見るが、面倒ごとになりそうなので無視しておこう。
するとそこでルアンがサリアに対して口を尖らせる。
<サリアさん、だっけ? ヒサトラさんもそうだけど私と出会ったことは内緒でお願いね。本当なら現地人と接触する前に説明したかったんだけど、まさか即手籠めにしているとは思わなかったから>
「してねぇよ!?」
「激しかったですねえ……ポッ」
「やめろ!?」
「ゴブリンをひき殺したあの勢いが」
「そっちか!?」
<ま、まあ、なんでもいいけどトラックも奇妙な存在でなおかつ女神と会ったことがあるなんて知られたら、変な宗教系とかに絡まれそうだから気をつけなさいよ?>
神様に会ったなんていうのはアタオカ案件だから口にしたくはない。
「トラックはどう誤魔化すんだよ……」
「物凄い遠い土地に居る錬金術師とか魔法使いに作ってもらった、とかでいいんじゃないですか?」
「適当ー。でも、ま、それしかないか。他には?」
<後はおいおいかしらね。あんたのお母さんを呼ぶ準備をするからあんまり返事はできないかもしれないけど、女神スイッチをつけておくからどうしても相談したいことがあれば押していいわよ!>
なんかカーナビの画面にいくつかタッチパネルのスイッチがありその一つに『女神』と書いていた。雑すぎる。
「他には?」
<だいたいこんなところかしらね? カーナビの地図はこっちのものに変更したし。また気になったら呼んでもらえる? そこのメイド、絶対に口外するんじゃないわよ>
「へいへい」
ルアンが頬を膨らませてサリアに指をさすと、彼女は手をひらひらと振りながら適当に返事をする。
納得がいかなそうだがなにかをするでもなく首を振る。
<それじゃ一旦お別れよ。あ、そうそう、ヒサトラさんの武器である金属バットは強化してあるから、防衛する時は使うといいわ! それじゃあね☆>
それだけ言うとルアンの姿が消え、カーナビには俺達の顔が映りこんでいた。
正直、トラックがある時点で魔女狩りみたいな感じになりそうだ。
こいつは隠しておくのがいいかもしれないな……? 迷彩とかねえかな? 後で調べてみるかな。
そんなことを考えていると、サリアが顔を覗き込みながら口を開く。
「これからどうします?」
「ん、とりあえずアグリアスには知られているからこの町ではトラックを乗り入れるよ。とりあえず仕事を探さないといけねえなあ」
「他の町に行ったりとかはしないんですか?」
「うーん、あんまり良く知らない土地はウロウロしたくないんだよな。物語だと俺みたいなのが物凄い力を持っていて魔王を倒す、みたいな話はあるけどそういうのはないんだろ?」
「あー、魔王は5000年位前に討伐されたらしいですから無いですね」
居たんだ、魔王。
物騒じゃない時代で良かったと思いながらシートにもたれかかって角度を変えて考える。
とりあえず母ちゃんについてはルアンに任せるしかない。信用できるかは五分だが、こうなっては文字通り神頼みになるな……。
いつになるか分からないので次は俺自身の身の振り方を考えなければならない。
そこで隣に座っていたサリアが口元に手を添えて笑っていることに気づく。
「ふふふ」
「どうした?」
「いえ、まさかあの窮地で未知の乗り物に助けられて、モノホンの女神に会えるとは思わなかったな、と思いまして」
モノホンってお前いつの時代の人間だよと思ったが異世界ではまだトレンドなのかもしれないので突っ込まないでおく。
「そして私とヒサトラさんは運命共同体。秘密を抱える者同士になりましたね」
「だな、ったく面倒くさいぜ。とりあえずこのことを誰かに喋るとロクなことにならないと思うから言うなよ?」
「ですねえ。まあ、私は上も下も口が堅いので余裕ですがね? どちらかと言えばヒサトラさんの方がきついですよ」
「そういうことを言うんじゃない……。ま、金は貰ったし、しばらくはなんとかなるだろ。アグリアスの出方にもよるけど、家は見ての通り後ろに寝床があるから町の隅でも止めて貰えれば宿代はかからない」
「なるほど、いいですね。私がこっそり屋敷から食料を拝借して届けましょうか」
「泥棒だろそれは。そういうのはいい……っと、帰って来たか」
ドアがノックされ、助手席に視線を向けると笑顔のアグリアスが手を振っていた。さて、どうなったかな?
まず、金はそこそこ生きていける程度にはあるらしい。これで食事と宿を見つけて欲しいと。
次に、この世界は剣と魔法、そしてサリアたちが襲われていたように魔物と呼ばれるモンスターが闊歩する場所だとのこと。マンガやゲーム、小説のように『ギルド』というものが存在し、様々な職業用のギルドがあるのだそうだ。
魔物退治なら冒険者ギルドで商人が牛耳る商業ギルドといった感じだな。仕事の斡旋をしてくれるハローワークみたいな場所もあるから使いたいところだな。
俺にも魔法が使えるようになっているのは興味深いが、訓練は必要らしいや。
そのほか――
<このトラックも魔力で稼働するように改造して、ヒサトラさんの魔力と連動しているから魔力が尽きるまでなら動かすことも可能よ。それとトラックの積み荷はそのままもらってOKだから使いなさいな。なにが入っているか分からないけどね♪ 向こうの世界の道具とか食料なら大切した方がいいかもね>
「結構積んでいるから開封も大変だがなあ。でもガソリンがいらないのは助かるな」
「異世界の道具……興味ありますね」
サリアが目を輝かせて俺を見るが、面倒ごとになりそうなので無視しておこう。
するとそこでルアンがサリアに対して口を尖らせる。
<サリアさん、だっけ? ヒサトラさんもそうだけど私と出会ったことは内緒でお願いね。本当なら現地人と接触する前に説明したかったんだけど、まさか即手籠めにしているとは思わなかったから>
「してねぇよ!?」
「激しかったですねえ……ポッ」
「やめろ!?」
「ゴブリンをひき殺したあの勢いが」
「そっちか!?」
<ま、まあ、なんでもいいけどトラックも奇妙な存在でなおかつ女神と会ったことがあるなんて知られたら、変な宗教系とかに絡まれそうだから気をつけなさいよ?>
神様に会ったなんていうのはアタオカ案件だから口にしたくはない。
「トラックはどう誤魔化すんだよ……」
「物凄い遠い土地に居る錬金術師とか魔法使いに作ってもらった、とかでいいんじゃないですか?」
「適当ー。でも、ま、それしかないか。他には?」
<後はおいおいかしらね。あんたのお母さんを呼ぶ準備をするからあんまり返事はできないかもしれないけど、女神スイッチをつけておくからどうしても相談したいことがあれば押していいわよ!>
なんかカーナビの画面にいくつかタッチパネルのスイッチがありその一つに『女神』と書いていた。雑すぎる。
「他には?」
<だいたいこんなところかしらね? カーナビの地図はこっちのものに変更したし。また気になったら呼んでもらえる? そこのメイド、絶対に口外するんじゃないわよ>
「へいへい」
ルアンが頬を膨らませてサリアに指をさすと、彼女は手をひらひらと振りながら適当に返事をする。
納得がいかなそうだがなにかをするでもなく首を振る。
<それじゃ一旦お別れよ。あ、そうそう、ヒサトラさんの武器である金属バットは強化してあるから、防衛する時は使うといいわ! それじゃあね☆>
それだけ言うとルアンの姿が消え、カーナビには俺達の顔が映りこんでいた。
正直、トラックがある時点で魔女狩りみたいな感じになりそうだ。
こいつは隠しておくのがいいかもしれないな……? 迷彩とかねえかな? 後で調べてみるかな。
そんなことを考えていると、サリアが顔を覗き込みながら口を開く。
「これからどうします?」
「ん、とりあえずアグリアスには知られているからこの町ではトラックを乗り入れるよ。とりあえず仕事を探さないといけねえなあ」
「他の町に行ったりとかはしないんですか?」
「うーん、あんまり良く知らない土地はウロウロしたくないんだよな。物語だと俺みたいなのが物凄い力を持っていて魔王を倒す、みたいな話はあるけどそういうのはないんだろ?」
「あー、魔王は5000年位前に討伐されたらしいですから無いですね」
居たんだ、魔王。
物騒じゃない時代で良かったと思いながらシートにもたれかかって角度を変えて考える。
とりあえず母ちゃんについてはルアンに任せるしかない。信用できるかは五分だが、こうなっては文字通り神頼みになるな……。
いつになるか分からないので次は俺自身の身の振り方を考えなければならない。
そこで隣に座っていたサリアが口元に手を添えて笑っていることに気づく。
「ふふふ」
「どうした?」
「いえ、まさかあの窮地で未知の乗り物に助けられて、モノホンの女神に会えるとは思わなかったな、と思いまして」
モノホンってお前いつの時代の人間だよと思ったが異世界ではまだトレンドなのかもしれないので突っ込まないでおく。
「そして私とヒサトラさんは運命共同体。秘密を抱える者同士になりましたね」
「だな、ったく面倒くさいぜ。とりあえずこのことを誰かに喋るとロクなことにならないと思うから言うなよ?」
「ですねえ。まあ、私は上も下も口が堅いので余裕ですがね? どちらかと言えばヒサトラさんの方がきついですよ」
「そういうことを言うんじゃない……。ま、金は貰ったし、しばらくはなんとかなるだろ。アグリアスの出方にもよるけど、家は見ての通り後ろに寝床があるから町の隅でも止めて貰えれば宿代はかからない」
「なるほど、いいですね。私がこっそり屋敷から食料を拝借して届けましょうか」
「泥棒だろそれは。そういうのはいい……っと、帰って来たか」
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