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第二章:異世界を駆ける
その32 まずは顔合わせ
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レストランのファミリー席みたいなところに通され、俺とサリアが並んで座るとファルケンも対面に腰かけた。
葉巻を取り出して『いいか?』という仕草をするので頷いて了承。
一息吐いてから俺達を交互に見て口を開いた。
「で、陛下から運送業をやると聞いているが、具体的にどんなことをやっているかは直接ヒサトラにと言われていてな」
「でしたらこちらのサリアからご説明させていただきます」
「よろしくお願いします♪」
業務内容を説明するのは『知っていなければ難しい』ので、これは俺とサリアの二人で詰めた内容を紙に書いてそれを順に説明する方法を取っている。
齟齬があれば遠慮なくツッコミを入れるが、ロティリア領で冒険者や商店の人達に説明をしていたのでもう淀みなくスラスラ話していた。
王都でやるとなればまた追加で決まりごとが増えるかもしれないが、まずはやっていたことを伝える。
まずは単純に町から町への送迎。
時間厳守だが、荷物を運ぶ町へ移動する際に目的地が一致していれば一緒に運ぶというもの。
これは背後で控えていた冒険者達がざわついた。
騎士がトラックに乗っていたのを見ていた者が居たようで、なにやら得意気に話をしていたのがちょっと面白い。
次に冒険者の送迎。
各町の往復とは違い、時間さえ分かれば狩場の往復送迎もやっていることを告げる。
馬車や馬の方が融通が利くんだが、魔物を倒した素材を運ぶのが大変なので回収して欲しいということらしい。
これはなかなかタイミングが合わないと難しいので回数はそれほど積み重ねていない。
で、メインとなる積み荷の運搬について話す。
基本的には荷物を受け取って町へ配送というもので、決まった期間に交易品や野菜、肉、飲み水といったものを運ぶ。商人がよくやっている仕事だが、ロティリア領では一部、重量があるものや数が多いもの、個人的なお届けを請け負っていたことを話す。
「業務としてはこんな感じですね。まあ、仕様上商工会ギルドの方が主になると思いますが、冒険者さん達もこういった使い方があるという実績をお話しさせていただきました」
「なるほど、陛下が熱中するわけだ……。素材運搬は非常に興味深い。特に大型の魔物ともなれば素材は大量になるんだ。解体しても馬車が引く荷台には乗らないからいくつか諦めるなんてのは日常茶飯事。
しかしこれならワイバーンみたいなのでも全部持ち運べるな……後で『とらっく』とやらを見せてもらえるだろうか」
「ええ、今日は商工会ギルドに挨拶に行ったら帰って荷ほどきの続きをやるのでその時にでも」
そこで冒険者連中がまたざわめく。
小さい声でよく聞こえないが、呆れているような、キレているようなざわめきが起こっているような……?
「とりあえずご質問などあればお伺いしますが?」
サリアが笑顔でファルケンさんへ尋ねると、彼は葉巻を一回吹かした後、歯を出して笑う。
「いや、とりあえずそれだけ詳しく話してくれたから問題ないぜ。こいつらも横で聞いていたしな」
「ありがとうございます。料金は少し割高になっておりますので、余裕があったらご利用いただければと考えています」
「ぜひ、検討させてもらう」
「それで、ソリッド様から聞いているかもしれませんが――」
と、俺は治療薬についての話を持ち掛ける。
持ってきてくれたら相応の対価を払うし、情報だけでも金を出すとも。
売ってもらえるのが一番いいが、危険を伴ったとしても自分で取りに行くのは吝かではない。故に情報だけでもというわけだ。
「ああ、そのことは聞いているぞ。ただ、そんな万能薬はおとぎ話レベルでしか耳にしたことはねえからな。この国じゃなければあるかもしれないから、流れて来た冒険者連中には声をかけるし、依頼ボードにもでかでかと張っておいてやる」
「あ、ありがとうございます。母親のためなんで、絶対に見つけたいんです」
俺がそういうと目の前の大男や冒険者達が目に涙を浮かべ『おっと、汗をかいちまった』とかべたな言い訳をしていた。
中には田舎の両親元気かな、などといった声も聞こえてくる。それはたまに帰ってやれと思う。
「ぐす……と、とりあえずお前達のことは承知した。開業したら教えてくれよ、一度利用してやるからよ」
「お願いします」
「んじゃ後はこっちの話か? 冒険者ギルドの内容は知っているか?」
「あー……実はギルドには立ち寄ったことがなくて、よく知らないんですよ」
苦笑しながら後ろ頭を掻くとファルケンさんは待ってましたと言わんばかりに膝を叩いてギルドについて説明を始めてくれた。
主だって大切なことは冒険者は会社員みたいなもので、ギルドという会社に出された仕事を請け負っていくスタイルだ。素材の価値は株価のように上下するし、依頼をこなさないとお金にはならないので歩合制ではあるが。
一応、野良で狩った素材も受け入れてくれるので狩り損にはならないらしい。
他の町に行っても『ギルド証』というものがあれば依頼を受けられる。逆になければ受けられない。
何故か?
ギルド証にランクが刻まれていて、相応の依頼が決められるためだ。
松竹梅……いや、SS~Fランクまであって、ギルド証を作る時にある程度ランクをふるい分けされるとかなんとか。
そうしないと無謀な依頼に出向いてあの世行きがザラな世界ってわけだな。
そうした事情から税金は免除されているそうである。
まあ、魔物を狩るみたいな仕事はしないから話半分って感じだな。話のネタに覚えておくくらいでいいと思う。
そこで時間を確認すると、ここへ来て2時間ほど経っていたのでそろそろ商工会ギルドに行ってお昼にするかと席を立つ。
「色々ありがとうございました。商工会ギルドにも顔を出しますので、今日のところはこれで」
「おう」
ファルケンさんが葉巻を灰皿に入れながら片手を上げて見送ってくれ、俺達は外へ。
すると――
「……なんかついてきてる?」
「なんでしょうね……?」
俺達の後に冒険者……と、隠れてファルケンさんが追いかけて来ていた。
どうしたんだ一体?
ま、いいか。
とりあえず商工会ギルドに向かおう。
葉巻を取り出して『いいか?』という仕草をするので頷いて了承。
一息吐いてから俺達を交互に見て口を開いた。
「で、陛下から運送業をやると聞いているが、具体的にどんなことをやっているかは直接ヒサトラにと言われていてな」
「でしたらこちらのサリアからご説明させていただきます」
「よろしくお願いします♪」
業務内容を説明するのは『知っていなければ難しい』ので、これは俺とサリアの二人で詰めた内容を紙に書いてそれを順に説明する方法を取っている。
齟齬があれば遠慮なくツッコミを入れるが、ロティリア領で冒険者や商店の人達に説明をしていたのでもう淀みなくスラスラ話していた。
王都でやるとなればまた追加で決まりごとが増えるかもしれないが、まずはやっていたことを伝える。
まずは単純に町から町への送迎。
時間厳守だが、荷物を運ぶ町へ移動する際に目的地が一致していれば一緒に運ぶというもの。
これは背後で控えていた冒険者達がざわついた。
騎士がトラックに乗っていたのを見ていた者が居たようで、なにやら得意気に話をしていたのがちょっと面白い。
次に冒険者の送迎。
各町の往復とは違い、時間さえ分かれば狩場の往復送迎もやっていることを告げる。
馬車や馬の方が融通が利くんだが、魔物を倒した素材を運ぶのが大変なので回収して欲しいということらしい。
これはなかなかタイミングが合わないと難しいので回数はそれほど積み重ねていない。
で、メインとなる積み荷の運搬について話す。
基本的には荷物を受け取って町へ配送というもので、決まった期間に交易品や野菜、肉、飲み水といったものを運ぶ。商人がよくやっている仕事だが、ロティリア領では一部、重量があるものや数が多いもの、個人的なお届けを請け負っていたことを話す。
「業務としてはこんな感じですね。まあ、仕様上商工会ギルドの方が主になると思いますが、冒険者さん達もこういった使い方があるという実績をお話しさせていただきました」
「なるほど、陛下が熱中するわけだ……。素材運搬は非常に興味深い。特に大型の魔物ともなれば素材は大量になるんだ。解体しても馬車が引く荷台には乗らないからいくつか諦めるなんてのは日常茶飯事。
しかしこれならワイバーンみたいなのでも全部持ち運べるな……後で『とらっく』とやらを見せてもらえるだろうか」
「ええ、今日は商工会ギルドに挨拶に行ったら帰って荷ほどきの続きをやるのでその時にでも」
そこで冒険者連中がまたざわめく。
小さい声でよく聞こえないが、呆れているような、キレているようなざわめきが起こっているような……?
「とりあえずご質問などあればお伺いしますが?」
サリアが笑顔でファルケンさんへ尋ねると、彼は葉巻を一回吹かした後、歯を出して笑う。
「いや、とりあえずそれだけ詳しく話してくれたから問題ないぜ。こいつらも横で聞いていたしな」
「ありがとうございます。料金は少し割高になっておりますので、余裕があったらご利用いただければと考えています」
「ぜひ、検討させてもらう」
「それで、ソリッド様から聞いているかもしれませんが――」
と、俺は治療薬についての話を持ち掛ける。
持ってきてくれたら相応の対価を払うし、情報だけでも金を出すとも。
売ってもらえるのが一番いいが、危険を伴ったとしても自分で取りに行くのは吝かではない。故に情報だけでもというわけだ。
「ああ、そのことは聞いているぞ。ただ、そんな万能薬はおとぎ話レベルでしか耳にしたことはねえからな。この国じゃなければあるかもしれないから、流れて来た冒険者連中には声をかけるし、依頼ボードにもでかでかと張っておいてやる」
「あ、ありがとうございます。母親のためなんで、絶対に見つけたいんです」
俺がそういうと目の前の大男や冒険者達が目に涙を浮かべ『おっと、汗をかいちまった』とかべたな言い訳をしていた。
中には田舎の両親元気かな、などといった声も聞こえてくる。それはたまに帰ってやれと思う。
「ぐす……と、とりあえずお前達のことは承知した。開業したら教えてくれよ、一度利用してやるからよ」
「お願いします」
「んじゃ後はこっちの話か? 冒険者ギルドの内容は知っているか?」
「あー……実はギルドには立ち寄ったことがなくて、よく知らないんですよ」
苦笑しながら後ろ頭を掻くとファルケンさんは待ってましたと言わんばかりに膝を叩いてギルドについて説明を始めてくれた。
主だって大切なことは冒険者は会社員みたいなもので、ギルドという会社に出された仕事を請け負っていくスタイルだ。素材の価値は株価のように上下するし、依頼をこなさないとお金にはならないので歩合制ではあるが。
一応、野良で狩った素材も受け入れてくれるので狩り損にはならないらしい。
他の町に行っても『ギルド証』というものがあれば依頼を受けられる。逆になければ受けられない。
何故か?
ギルド証にランクが刻まれていて、相応の依頼が決められるためだ。
松竹梅……いや、SS~Fランクまであって、ギルド証を作る時にある程度ランクをふるい分けされるとかなんとか。
そうしないと無謀な依頼に出向いてあの世行きがザラな世界ってわけだな。
そうした事情から税金は免除されているそうである。
まあ、魔物を狩るみたいな仕事はしないから話半分って感じだな。話のネタに覚えておくくらいでいいと思う。
そこで時間を確認すると、ここへ来て2時間ほど経っていたのでそろそろ商工会ギルドに行ってお昼にするかと席を立つ。
「色々ありがとうございました。商工会ギルドにも顔を出しますので、今日のところはこれで」
「おう」
ファルケンさんが葉巻を灰皿に入れながら片手を上げて見送ってくれ、俺達は外へ。
すると――
「……なんかついてきてる?」
「なんでしょうね……?」
俺達の後に冒険者……と、隠れてファルケンさんが追いかけて来ていた。
どうしたんだ一体?
ま、いいか。
とりあえず商工会ギルドに向かおう。
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