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第三章:最強種と
その49 警告と忠告
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「酷い目に合いましたね……」
父ベヒーモスがそろそろ限界を迎えていたので1時間ほど食事をする間、バスレイには吊るされてもらっていた。
なんか邪魔されそうだったのと、食事を邪魔された父ベヒーモスが酷く憤慨していたから仕方がない。
朝からサンマの塩焼きを焼いてご満悦になったコヒーモスをトランポリンで遊ばせておき、父を監視役にしてようやく木から降ろしたところ、先のセリフである。
サリアは頬を膨らませていたが、とりあえずもういいだろうということで納得してもらう。
「自業自得っすよバスレイ主任。あ、このサンマ美味いっすよ脂のってて」
「サリアさん、怒らせるとガチで怖いんだな」
「すみませんヒサトラさん、ちょうど主任に駆り出されて朝を取り損ねてたんですよ」
俺達が食っている横で騎士達が喉を鳴らしていたので朝ごはんを分けていたりする。卵焼きとサンマはすぐできるしな。
「この道具も異世界のもの……」
「七輪ってんだ。炭火で焼くと魚が美味くてな、あんたも食うかい?」
「お願い……します……」
「血の涙を流すほど悔しいならやめとけばいいのに」
とりあえず美味い美味いと連呼しながらバスレイが朝食を平らげた後、何故か誇らしげに俺達に目を向けて口を開く。
「ごちそうさまでした。いや、しかし異世界の技術は凄いですねえ、わたしは感服しましました。今後の魔道具開発が捗ることでしょう! このカセットコンロというのは騎士達に人気ですし、冒険者の野営のお供に使えますね。これは儲か……みなの為になります」
最後は心の声だったようだが目がお金マークになっていたので分かりやすい人間なのだと分かる。
パソコンは使い道が不明だったようだが、カセットコンロやライター、冷蔵庫など特に日常生活や冒険者、騎士達に有用なものを特に気に入っていたので、基本的に悪い人間というわけではなさそうだ。
「それにしても急でしたね? 私達がお仕事だったら居なかったので運が良かったですよ?」
「ああ、それは陛下に今日が休みだと聞いていましたからね。ヒサトラさんがここに来てからずっとべた褒めでどんなものか気になっていたのでいつか会いたいと思ってました」
「そんなにか……?」
「ええ」
どうやら調子に乗ったソリッド様が城中の人間に言いまくっているそうだ。
他国に知られたら困るんじゃないのか? まあ、国中を爆走していたらあまり変わらないかもしれないが。
「それに最強種に一角と呼ばれるベヒーモスを飼っているのも凄い。サリアさんは怒るかもしれませんが、今後ヒサトラさんを狙う第二、第三の女性が現れることを予言しておきましゅ」
「噛むな。つーか、いやいや。俺の仕事は力も体力も使うし、長距離をトラックに乗りっぱなしだから結構きついぞ? それにコヒーモスは小さいがベヒーモスはこの通り怖いぞ?」
<ん? なんだ?>
「いや、なんでもないから遊んでいていいぞ」
<そうか?>
<きゅん、きゅん♪>
コヒーモスは父の背中から飛んでトランポリンで高く舞い上がるという新しい遊びを覚えていたのでそっとしておくことにしよう。
「そこはその人次第だと思いますがね? わたしは今の仕事を辞めれないのでついていくことは出来ませんが、大変魅力的だと感じておりますよ」
「それはありがたいが、サリアがいりゃ俺は満足だから他に女の子は必要ないかな」
「ヒサトラさん、ありがとう!」
「勿体ないですけどねえ。普通に優秀みたいなので子供はたくさん作っておく方がいいかもです。……そのトラックがヒサトラさん、もしくはその血筋でしか使えないなら特に」
今はまだいいが歳を取った時にとのことらしい。一番怖いのは『誘拐』だそうだ。
しかしこちらもコヒーモスが大きくなったら受け継ぐこともできるだろうし、父ベヒーモスもこの生活が上手くいけば俺の子供と再契約なんてこともできるはず。
「ま、俺達のことは俺達で考えるよ。ご忠告として受け取っておくよ」
「そうですね、脅かしましたが目立つとそういうこともあるということで。それでは騎士の皆さん、帰りましょうか! いんすぴれーしょんが沸いて来ましたよ! 今度はトラックに乗せてくださいね」
「承知しました。ヒサトラ殿、ご馳走でした。ごゆっくり休日を楽しんでください」
「サンキュー、また魚でも入荷したらソリッド様に献上するよ」
すると笑いながら『むしろ持ってくると思いますよ』と笑いながらバスレイを連れて去っていった。
また道具を見せてくれとか言って来そうである。
「それじゃ、今日はなにするかな」
「ゆっくりしましょうよ。お昼を過ぎたらお買い物に行って、コヒーモスちゃんのブラッシングでもいいかも」
「……やけに機嫌がいいな?」
「そうですか?」
にこにこと笑顔を俺に向けながら首を傾げるサリアに苦笑しながら冷めたコーヒーを飲み干す俺であった。
◆ ◇ ◆
「いやあ、興味深いところでしたね」
「ヒサトラさんもいい人だから急な訪問でもきちんと対応してくれますしね」
「次の休みはお土産を持って――」
「ん? バスレイか、騎士を連れてどこか行っていたのか?」
「これは陛下! いやあ、噂のヒサトラさんのところへ行ってたんですが、確かにあれは凄いですね! わたし、魔道具の研究が捗りそうです!」
バスレイが深々と頭を下げながらそういうと、ソリッドは満面の笑みで返す。
「そうだろう! 私からも言っておくから、ヒサトラ君の道具を見せてもらうといい」
「いやあ、あの七輪とかいうので焼いたサンマは美味しかったですし、今度はわたしからもいい肉を……あ、あれ? 陛下どうしました?」
「……なんか、美味しそうなものを食べていたのか? 私抜きで?」
「へ?」
「はい。サンマの塩焼き、美味しかったです。冷凍庫は便利だと思いました」
瞬間、ソリッドは指を鳴らしてメイドを呼ぶと一言。
「吊るせ」
「なんでですかぁぁぁぁ!?」
バスレイ、本日二度目の簀巻きだった――
父ベヒーモスがそろそろ限界を迎えていたので1時間ほど食事をする間、バスレイには吊るされてもらっていた。
なんか邪魔されそうだったのと、食事を邪魔された父ベヒーモスが酷く憤慨していたから仕方がない。
朝からサンマの塩焼きを焼いてご満悦になったコヒーモスをトランポリンで遊ばせておき、父を監視役にしてようやく木から降ろしたところ、先のセリフである。
サリアは頬を膨らませていたが、とりあえずもういいだろうということで納得してもらう。
「自業自得っすよバスレイ主任。あ、このサンマ美味いっすよ脂のってて」
「サリアさん、怒らせるとガチで怖いんだな」
「すみませんヒサトラさん、ちょうど主任に駆り出されて朝を取り損ねてたんですよ」
俺達が食っている横で騎士達が喉を鳴らしていたので朝ごはんを分けていたりする。卵焼きとサンマはすぐできるしな。
「この道具も異世界のもの……」
「七輪ってんだ。炭火で焼くと魚が美味くてな、あんたも食うかい?」
「お願い……します……」
「血の涙を流すほど悔しいならやめとけばいいのに」
とりあえず美味い美味いと連呼しながらバスレイが朝食を平らげた後、何故か誇らしげに俺達に目を向けて口を開く。
「ごちそうさまでした。いや、しかし異世界の技術は凄いですねえ、わたしは感服しましました。今後の魔道具開発が捗ることでしょう! このカセットコンロというのは騎士達に人気ですし、冒険者の野営のお供に使えますね。これは儲か……みなの為になります」
最後は心の声だったようだが目がお金マークになっていたので分かりやすい人間なのだと分かる。
パソコンは使い道が不明だったようだが、カセットコンロやライター、冷蔵庫など特に日常生活や冒険者、騎士達に有用なものを特に気に入っていたので、基本的に悪い人間というわけではなさそうだ。
「それにしても急でしたね? 私達がお仕事だったら居なかったので運が良かったですよ?」
「ああ、それは陛下に今日が休みだと聞いていましたからね。ヒサトラさんがここに来てからずっとべた褒めでどんなものか気になっていたのでいつか会いたいと思ってました」
「そんなにか……?」
「ええ」
どうやら調子に乗ったソリッド様が城中の人間に言いまくっているそうだ。
他国に知られたら困るんじゃないのか? まあ、国中を爆走していたらあまり変わらないかもしれないが。
「それに最強種に一角と呼ばれるベヒーモスを飼っているのも凄い。サリアさんは怒るかもしれませんが、今後ヒサトラさんを狙う第二、第三の女性が現れることを予言しておきましゅ」
「噛むな。つーか、いやいや。俺の仕事は力も体力も使うし、長距離をトラックに乗りっぱなしだから結構きついぞ? それにコヒーモスは小さいがベヒーモスはこの通り怖いぞ?」
<ん? なんだ?>
「いや、なんでもないから遊んでいていいぞ」
<そうか?>
<きゅん、きゅん♪>
コヒーモスは父の背中から飛んでトランポリンで高く舞い上がるという新しい遊びを覚えていたのでそっとしておくことにしよう。
「そこはその人次第だと思いますがね? わたしは今の仕事を辞めれないのでついていくことは出来ませんが、大変魅力的だと感じておりますよ」
「それはありがたいが、サリアがいりゃ俺は満足だから他に女の子は必要ないかな」
「ヒサトラさん、ありがとう!」
「勿体ないですけどねえ。普通に優秀みたいなので子供はたくさん作っておく方がいいかもです。……そのトラックがヒサトラさん、もしくはその血筋でしか使えないなら特に」
今はまだいいが歳を取った時にとのことらしい。一番怖いのは『誘拐』だそうだ。
しかしこちらもコヒーモスが大きくなったら受け継ぐこともできるだろうし、父ベヒーモスもこの生活が上手くいけば俺の子供と再契約なんてこともできるはず。
「ま、俺達のことは俺達で考えるよ。ご忠告として受け取っておくよ」
「そうですね、脅かしましたが目立つとそういうこともあるということで。それでは騎士の皆さん、帰りましょうか! いんすぴれーしょんが沸いて来ましたよ! 今度はトラックに乗せてくださいね」
「承知しました。ヒサトラ殿、ご馳走でした。ごゆっくり休日を楽しんでください」
「サンキュー、また魚でも入荷したらソリッド様に献上するよ」
すると笑いながら『むしろ持ってくると思いますよ』と笑いながらバスレイを連れて去っていった。
また道具を見せてくれとか言って来そうである。
「それじゃ、今日はなにするかな」
「ゆっくりしましょうよ。お昼を過ぎたらお買い物に行って、コヒーモスちゃんのブラッシングでもいいかも」
「……やけに機嫌がいいな?」
「そうですか?」
にこにこと笑顔を俺に向けながら首を傾げるサリアに苦笑しながら冷めたコーヒーを飲み干す俺であった。
◆ ◇ ◆
「いやあ、興味深いところでしたね」
「ヒサトラさんもいい人だから急な訪問でもきちんと対応してくれますしね」
「次の休みはお土産を持って――」
「ん? バスレイか、騎士を連れてどこか行っていたのか?」
「これは陛下! いやあ、噂のヒサトラさんのところへ行ってたんですが、確かにあれは凄いですね! わたし、魔道具の研究が捗りそうです!」
バスレイが深々と頭を下げながらそういうと、ソリッドは満面の笑みで返す。
「そうだろう! 私からも言っておくから、ヒサトラ君の道具を見せてもらうといい」
「いやあ、あの七輪とかいうので焼いたサンマは美味しかったですし、今度はわたしからもいい肉を……あ、あれ? 陛下どうしました?」
「……なんか、美味しそうなものを食べていたのか? 私抜きで?」
「へ?」
「はい。サンマの塩焼き、美味しかったです。冷凍庫は便利だと思いました」
瞬間、ソリッドは指を鳴らしてメイドを呼ぶと一言。
「吊るせ」
「なんでですかぁぁぁぁ!?」
バスレイ、本日二度目の簀巻きだった――
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