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3章 一線を越えても止まらない
24話 コンビニで雨宿り
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朝から快晴で、梅雨明けの予感を抱きながら学校へ行った。
そんな私はいま、学校帰りにに寄り道したコンビニの中から土砂降りの景色を眺めている。
走ってすぐの距離だから決して帰れないことはないけど、下着まで水浸しになるのは必至。
とはいえ傘を買うのはなんとなく悔しい。
萌恵ちゃんと相談した結果、とりあえずは様子を見ることになった。
「真菜~、また新しい激辛カップ麺が出てるよ」
カップ麺のコーナーで、真っ赤なパッケージに『悪鬼羅刹の辛さ』と記された存在感抜群の商品を目にする。
私と萌恵ちゃんは、カップ麺を食べると高確率で体調を崩してしまう。だから実際に食べたことはないけど、激辛商品を食べる人の動画を見るのはわりと好き。
「ほんとだ。前のも相当だったけど、今度のはさらにすごそうだね」
自分が食べたら確実にお腹を壊すと断言できる。
そう言えば中学生の頃、お母さんは鋼の胃袋を自負しているのに、私が作った料理を一口食べた途端にトイレへ直行するという事件があった。
以前に萌恵ちゃんも顔面蒼白になっていたけど、もしかして自覚していないところで大きな失敗をしていたのだろうか。
いやいや、料理に慣れていないからこそ逐一確認しながら進めているし、たまたま体調が優れない日だったのだろう。
「イートイン空いてるし、しばらく使わせてもらおっか」
チルド飲料のコーナーに移動して少し経った頃、萌恵ちゃんが提案を口にした。
異論なんてあるはずもなく、嬉々として承諾する。
地元のコンビニにはイートインが設けられていなかったので、実は一度利用してみたかった。
パックのオレンジジュースと新発売のお菓子を買い、若干の高揚感を抱きながら隅っこのテーブル席に陣取る。
実際に体験してみると別段興奮するようなことはなかったものの、制服姿で萌恵ちゃんと向き合う機会というのは意外と少ないので、そういう意味では非常にありがたい。
「萌恵ちゃん、あーん」
マンゴー風味のチョコレートを開封し、最初の一粒を萌恵ちゃんに差し出す。
「ありがとっ。あ~ん……んんっ、おいし~!」
指先に軽く触れた唇の感触が心を昂ぶらせ、爛々と瞳を輝かせる明るい笑顔がさらなる追い打ちをかける。
常々痛感していることだし世界の常識と言っても過言ではないけど、萌恵ちゃんがかわいすぎてヤバい。
外は豪雨なのに、私の心はどこまでも晴れ渡っている。
「真菜も食べてっ。はい、あ~んっ」
お返しとして私も食べさせてもらう。
おいしいと素直な感想を漏らすと萌恵ちゃんが嬉しそうに微笑み、それを見た私もつられて表情が緩む。
自宅じゃないから過度なスキンシップやキスはできないけど、こういう穏やかなイチャイチャも遜色のない幸せを与えてくれる。
そんな私はいま、学校帰りにに寄り道したコンビニの中から土砂降りの景色を眺めている。
走ってすぐの距離だから決して帰れないことはないけど、下着まで水浸しになるのは必至。
とはいえ傘を買うのはなんとなく悔しい。
萌恵ちゃんと相談した結果、とりあえずは様子を見ることになった。
「真菜~、また新しい激辛カップ麺が出てるよ」
カップ麺のコーナーで、真っ赤なパッケージに『悪鬼羅刹の辛さ』と記された存在感抜群の商品を目にする。
私と萌恵ちゃんは、カップ麺を食べると高確率で体調を崩してしまう。だから実際に食べたことはないけど、激辛商品を食べる人の動画を見るのはわりと好き。
「ほんとだ。前のも相当だったけど、今度のはさらにすごそうだね」
自分が食べたら確実にお腹を壊すと断言できる。
そう言えば中学生の頃、お母さんは鋼の胃袋を自負しているのに、私が作った料理を一口食べた途端にトイレへ直行するという事件があった。
以前に萌恵ちゃんも顔面蒼白になっていたけど、もしかして自覚していないところで大きな失敗をしていたのだろうか。
いやいや、料理に慣れていないからこそ逐一確認しながら進めているし、たまたま体調が優れない日だったのだろう。
「イートイン空いてるし、しばらく使わせてもらおっか」
チルド飲料のコーナーに移動して少し経った頃、萌恵ちゃんが提案を口にした。
異論なんてあるはずもなく、嬉々として承諾する。
地元のコンビニにはイートインが設けられていなかったので、実は一度利用してみたかった。
パックのオレンジジュースと新発売のお菓子を買い、若干の高揚感を抱きながら隅っこのテーブル席に陣取る。
実際に体験してみると別段興奮するようなことはなかったものの、制服姿で萌恵ちゃんと向き合う機会というのは意外と少ないので、そういう意味では非常にありがたい。
「萌恵ちゃん、あーん」
マンゴー風味のチョコレートを開封し、最初の一粒を萌恵ちゃんに差し出す。
「ありがとっ。あ~ん……んんっ、おいし~!」
指先に軽く触れた唇の感触が心を昂ぶらせ、爛々と瞳を輝かせる明るい笑顔がさらなる追い打ちをかける。
常々痛感していることだし世界の常識と言っても過言ではないけど、萌恵ちゃんがかわいすぎてヤバい。
外は豪雨なのに、私の心はどこまでも晴れ渡っている。
「真菜も食べてっ。はい、あ~んっ」
お返しとして私も食べさせてもらう。
おいしいと素直な感想を漏らすと萌恵ちゃんが嬉しそうに微笑み、それを見た私もつられて表情が緩む。
自宅じゃないから過度なスキンシップやキスはできないけど、こういう穏やかなイチャイチャも遜色のない幸せを与えてくれる。
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