先生、運命です

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番外編 妊娠発覚

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約2週間前、瀬名の発情が来た。
その時に俺らは三日三晩、混じり合い、番として結ばれた。


その後は一緒に住む準備を仕事の合間に進めたり、身内だけの簡単な結婚式を挙げ、婚姻届を出したりで慌ただしい日々を過ごしていた。
つい5日前、住居が決まり互いに荷物の片付けをしている。

そして今日、いつも通りに凪を保育園に送っていくと瀬名の姿が無かった。
今日は休みでは無かったはず。

調子でも悪いのか…
凪を送った後、車で「大丈夫か?無理するなよ。何か欲しいものもあったら言えな」とメールを送り、心配ながら仕事へ向かう。




昼休み、同僚の安達あだちと昼御飯を食べているとメールの着信音。
開けてみると瀬名からだ?

【ありがとう、大分良くなったよ。
大事な話があるから時間ある時に連絡してくれたら嬉しいな】

どうしたのだろう。
もしかして…もしかして…
いや、早まるな


「ちょっと電話してくる」
と足立に声をかけ廊下に出て瀬名に電話をかける。

「もしもし、瀬名?大丈夫か?」

『うん、大丈夫だよ。ありがとう』

「大事な話って?」

『あのね…』

「うん」

心做しか彼の声が震えている。
どうしたのだろう、急に不安になってきた。


『…妊娠してたよ』

「ほんとか?」

『うん』

「…今どこ?」

『今産婦人科、今から帰るよ』

「ちょ、そこで待ってて」

『わかった…』

電話を切り走って安達の元へ戻る。

「どうした?そんな慌てて」

「ごめん、早退する」

「は?…え、なんでだよ」

「子供できた」

「お?!」

「弁当やる、課長に伝えといて」

「ええ…おめでと」

そんな安達の言葉を後ろにロッカールームへ向かうと鞄をひっつかんで会社を出た。
産婦人科は確か…

タクシーを拾って乗り込み、気持ちを落ち着かせる。
俺と瀬名の子…

そう思うだけで嬉しい。
男かな、女かな…とそんな事まで考えてしまう。
いや気が早いな


病院へつくと金を払い車の外に出ると病院の外のベンチに座る瀬名の姿。
急いで駆け寄る

「あ、竜也さ…ッ」

顔を上げて微笑んだ瀬名を抱きしめる。

「本当にいるのか?瀬名…俺達の子が」

「うん…妊娠2週間だよ」

「ありがとう…ありがとう瀬名」

「こちらこそ…ありがと」

暫く抱きしめてから体を離し自分の着ていた上着を彼に羽織わせる。

「ほら、寒いからきてて」

「ありがとう…。…竜也さん、仕事は?」

「はは、早退してきちゃった」

「もう…仕方ないな」

「帰ろうか」

「うん」

そう言って二人で立ち上がるとてを繋いで帰路へ向かった。

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