異世界人拾っちゃいました…

kaoru

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冒険の始まり

ハバー大陸一周の旅 28

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 集落の鑑定士が、鑑定の道具である小さな水晶玉を幾つか集落の隅に起き、燃えた大木のところで大きな水晶玉を両手で持って呪文を唱える…その中に、鑑定結果が見えたのだろう、目を大きく見開き、口もあんぐりと開き、やがて何かを訴えるようにこちらを見てきた。

「どうした?何をそんなに驚いているんだ。早く説明しないか」

 鑑定の準備中、守衛達と軽い自己紹介をした。
 俺達に話をしていたのが、ここの守衛の隊長で、アレンさん、蜘蛛絹の里の長老のお孫さん。ここの守衛は、蜘蛛絹の里の出の者達で組んでいるそうだ。
 そのアレンさんが、鑑定士のジモンさんに声をかけた。
 ジモンさんは、アレンさんをみて、口を動かしたが上手く言葉が出て来ないでいる。

「シス様の加護が付いているのでは?」

 そう言うと、ジモンさんは、頷いてくれたが、更に…

「そっ、それも付いているんですが…五柱の神の加護が付いたことにより、ここが聖域になってます!」

「はぁ?」

 ん?何故だ?ここは、闇の精霊と地の精霊の加護の土地だ。そこにシスがちょっかいをかけただけのハズでは?

「せっ、聖域って、確か、地上での神の住まいの事を言うんじゃなかったか?」

「そっ、そう聞いてます。ですから、地上のモノは何人たりとも手出しは出来ない場所となると…」

「なんで、俺達はそんな中にいるんだ?」

「さ、さぁ、そこまでは、鑑定できません」

「五柱の加護ってどなたです?」

「え?ああ、シス様にガラン様、モンディール様、ヘパイトス様に…ユピロー様です…」

 ひいばあちゃんシスだけじゃなく、じいちゃんユピローまで…ユピローの権限で、地竜の剣に付与でもしていたのか?

「んん?確か、ディルさんとリョウ君は、ユピロー様の加護が、クラリーちゃんには、モンディール様の加護がついているのでしたっけ?」

「ええ、まぁ…」

「どういう繋がりか、お聞きしても?」

 さて、どうしようか…

「「「……」」」

 取り敢えず、じいちゃんの事と、リョウが転異者の人族であることを伝える。

「あっ、確かに、人族だ。先ずは、そこに焦点を当てなきゃいけなかったハズなのに…」

「え?人族?転異者?…人族でここに来れる奴が…しかも、ユピロー様の加護が…」

「あまりに、普通にしてるから、精霊属の人形だと思っていた…」

「そして、ユピロー様のお孫さんですか…、さすが、ウィル族ですね…」

「そのお陰で、ここが、聖域に…」

 俺達の話を聞いて、守衛達は何故か遠い目をして呟いている。

「え?何、この扱い?僕達って、どんな存在なの?」

 何か面白そうだと、獣人族とリョウが後ろからついてきていたのだが、自分の事を話す守衛達の態度が気になったようだ。

「え?リョウ君って、魔族とかじゃないのか?」

「うんん、人間だよ。異世界から迷いこんで来たんだけどね」

「転異者…魔力量が多いのは、そのためか…しかも、魔力の質も、何か違うような…」

「こりぁ、リーダーがどう頑張っても、地竜の剣様は、首を縦に振らんな。異世界人は、とんでもない力を持っている事があるというし」

「だな、更には、ユピロー様のお孫さんに、モンディール様の加護持ち。シス様やガラン様とも、交流があるらしい」

兄様方にぃさまがたその方々を怒らせる前に、手を引いた方が良くないですか?」

「「「!」」」

「だな!リーダーを止めないとー」

 獣人族の冒険者達は、リョウの事を聞き、リーダーを止めるために、支所にとんで行った。

「えーと、僕って、とんでもない力を持ってるの?」

「いや、俺に聞かれても分からん。ただ、転異者は、時々、とんでもない能力を持つことがあるとされているけどな。もしかしたら、神器である地竜の剣は、その可能性を、見つけたのかもしれない」

「え?僕が太刀をふるうの?」

「あくまで、可能性だ」

「太刀か、確かに、扱えたらカッコいいけど…修行について行けるかな?」

「元々、身体を動かすのは好きなんだろ?大丈夫じゃないか?」

「そりゃぁ、運動は好きだけど…剣道とか習っている友達の話はそれだけじゃなかった気がする…」

「そうなのか?ここじゃ、太刀持ちは、ほとんどいないからなぁ…修行するとなったら、獣人族の大陸、ゲトーか、鍛冶師がいるマクー大陸か?」

 はぁ…更に、冒険の目的が変わってきたぞ…

 あっ、しまった。ため息は、つかないようにしないとな…
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