異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。

蛇崩 通

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第3章第十一話 魔族の切り札

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  第3章第十一話 魔族の切り札
 絶叫した。女デーモン・ゼネラルが。
 あわてて、大きく跳びさがった。
 自分の右ひじを押さえて。
 女デーモン・ゼネラルの右腕は、肘から先が、なくなっていた。
 「なにが起きた!」
 炎龍王女が後方で、そう叫んだ。
 「バカな! 間合いの内側に入っていたのに……」
 驚愕きょうがくした表情で、思わず、そう叫んだ。女デーモン・ゼネラルが。
 トッキロは、つえ逆手さかてに持ち替えていた。
 たしかに、杖の間合いの内側に、侵入されていた。
 だが、杖を逆手に持ち替えるのと同時に、右肘を折りたたんで、コンパクトにいた。上半身をうまく、ひねりながら。
 そのため、杖の間合いの内側だったが、切り落とすことができた。女デーモン・ゼネラルの右腕を。
 圧縮空気のエア・ソードでは、威力不足のため、魔族の太い骨を切断できない。
 しかし関節ならば、切り離すことができる。
 今回も、うまくあてることができた。相手の右肘に、エア・ソードを。
 よって、切り落とすことができた。女魔族の肘から先の右腕を。
 炎姫が、つぶやいた。
 「たいした腕前だ。南校にも、いたとは。これだけの剣術の手練てだれが」
 トッキロは、左足で踏んで押さえた。水中に落ちた女デーモン・ゼネラルの右腕を。
 水位は、すでに膝の高さを超えた。
 これだけの水位では、魔族の片腕を足で蹴って、後方のサソリ姫たちに渡すことはできない。
 ガクリと、片膝をついた。水の中に。女デーモン・ゼネラルが。左手で右肘の傷口を押さえながら。
 まだ、出血は止まっていない。右肘の切り口から、かなりの量の血が、流れ出ている。
 氷姫が叫んだ。
 「トッキロ! 左へ一歩、移動せよ!」
 したがった。その言葉に。
 ふたたび叫んだ。氷姫が。
 「たたみかけるぞ!」
 「はい!」
 氷姫が、連発した。アイス・ブレードを。
 ガードした。女デーモン・ゼネラルが。左腕で。自分の首と心臓を。
 ザックリと切り裂かれた。女デーモン・ゼネラルの左腕と左脇腹が。
 大量出血した。左脇腹から。
 ようやく、右肘からの出血が止まった直後に。
 水をかき分けながら、トッキロが接近した。女デーモン・ゼネラルに。
 チラリと、炎龍王女に視線を向けた。
 「もう勝負は、ついた。人間の勝利だ。降伏せよ。さもなくば、この魔族女の首を、はねるぞ」
 そう、呼びかけた。トッキロが。炎龍王女に。
 てた。女デーモン・ゼネラルが。
 「誰が、降伏などするか!」
 「まわりを、よく見ろ。二名のデーモン・チーフは、もう死んでるぞ」
 その直後だった。
 兵士たちがかちどきの声をあげた。
 右手側で、十名の兵士が、小角魔族女の死体を頭上に掲げた。十本の槍で突き刺して、頭上に突き上げて。
 それに呼応するかのように、左手側でも、兵士たちが槍を高く掲げた。大角魔族女の死体を突き刺した状態で。
 「おのれ!」
 立ち上がった。女デーモン・ゼネラルが。脇腹の出血は、まだ止まっていないのに。
 次の瞬間、突き出した。左手のするどつめを。トッキロの心臓に向かって。大きく一歩、踏み込みながら。
 「トッキロ!」
 さけんだ。氷姫が。
 つらぬいた。
 トッキロの心臓を。
 そのように、見えた。氷姫の位置からは。
 だが、くうを切った。女デーモン・ゼネラルのかぎ爪は。
 あたる直前に、トッキロが左肩を後方に引いたからだ。
 それにより、鉤爪をらした。心臓の位置から。
 ポンッ、と空中に跳んだ。女デーモン・ゼネラルの頭部が。
 トッキロだ。
 逆手に持った杖のエア・ソードで、はねたのだ。左肩を引くのと同時に。右手の杖を、逆手で水平に振り抜いて。
 血しぶきが、ほとばしった。女デーモン・ゼネラルの首から。
 空中に跳んだ頭部は、水中に没した。
 「おのれ! おのれ! 人間どもめ!」
 地団駄を踏んだ。炎龍王女が。
 呼びかけた。炎姫が。
 「魔王の娘よ、降伏せよ」
 「降伏するのは、人間どものほうだ」
 雷姫が、てた。
 「この状況で、なに言ってやがる」
 「この状況?」
 気味悪く笑った。炎龍王女が。
 「われがなぜ、砦の上空を雨雲でおおい、激しい豪雨を続けていたと思う?」
 突然、雨脚が弱くなった。大幅に。
 「見よ! われの切り札を!」
 そう叫びながら、炎龍王女が右腕を突き上げた。天高く、手のひらを開いて。
 雲散霧消うんさんむしょうした。一瞬にして。上空の雨雲が。
 女生徒たちが、恐怖で絶叫した。上空を見上げて。
 「スカイ・ドラゴンがいる! あんなに、たくさん!」
 上空には、無数のスカイ・ドラゴンが待機していた。
 いつでも、火球をけるように。
 高笑いした。炎龍王女が。
 「さあ、人間ども! 火あぶりの時間だ!」
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