異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。

蛇崩 通

文字の大きさ
41 / 67

第3章第十二話 勇者の条件

しおりを挟む
  第3章第十二話 勇者の条件
 絶句した。雷姫が。
 「マジかよ。スカイ・ドラゴンがくファイアー・ボールは、一発で一個百人隊を全滅させる。一匹のスカイ・ドラゴンが、一個千人隊を全滅させたこともある。魔王軍の王都侵攻一日目に」
 言葉を吐き出した。炎姫が、うなるように。
 「バカな。まだ温存しておいたとは。これだけの数のスカイ・ドラゴンを」
 言葉をいだ。氷姫が。絶望の表情で。
 「スカイ・ドラゴンの大部分は、壊滅したはずだ。王都攻防の最初の三日間で。王国騎士団三万人の討ち死にと、引き換えに」
 高笑いした。炎龍王女が。
 「スカイ・ドラゴンの多くは、死ななかった。おぬしらの巨大弩弓どきゅう射貫いぬかれて、重傷を負ったがな。傷が完全にえるまで、かなりの時間を要したが」
 高らかに、笑った。炎龍王女が。勝利者のみを、浮かべて。
 大声で、問いかけた。勝ち誇って。炎龍王女が。
 「人間どもに、生きのびる最後のチャンスをやろう。降伏して、われの奴隷となれ! 拒否すれば全員、黒焦くろこげのずみにするぞ!」
 笑いながら、炎龍王女が言葉を続けた。
 「黒焦げになってしまったら、喰っても、うまくないからな」
 そう言って、大笑いした。炎龍王女が。
 さけんだ。雷姫が。雷鳴魔法剣を振り上げて。
 「雷鳴剣!」
 稲妻が、走った。上空のスカイ・ドラゴンに向かって。
 だが、届かなかった。雷鳴魔法剣の雷攻撃は。
 上空のスカイ・ドラゴンの群れは、砦の屋上から、三十メートル以上も離れていたからだ。
 大笑いした。炎龍王女が。
 「無駄、むだ、ムダ! 人間の魔法攻撃など! 上空のスカイ・ドラゴンには!」
 うなだれた。雷姫が。
 「くそっ。あたしの魔法力が、もっと強ければ」
 「降伏せよ! 人間ども! さすれば、半数は生かしてやろう。残り半数は、喰い殺すがな」
 そう言って、大笑した。炎龍王女が。
 言葉を続けた。上機嫌に。炎龍王女は。
 「もちろん、やっかいな一流魔法使いは、全員喰い殺す。魔法剣を持つ女三名。それに、杖を持つ黒髪の人間も。他の女は、半分の人数で勘弁してやろう。人間の男どもは、喰っても筋が硬くて、うまくないので、生かしてやろう。奴隷として」
 歯ぎしりした。三名の魔法剣姫が。くやしさで。
 「ここまでか」
 炎姫が、言葉をき出した。絶望の表情で。
 「一人でも多くの命を救うには、降伏しか……」
 「あきらめるな!」
 そうさけんだ。氷姫が。
 「そうだ!」
 雷姫も、呼応した。
 叫んだ。大声で。氷姫が。
 「戦う! 最後まで! あきらめない! 絶対に! 人間の未来を!」
 「そうだ! 最後の一人に、なっても!」
 叫んだ。雷姫も。
 炎姫も、叫んだ。気を取り直して。
 「そうだ! そのとおりだ! 何者か! 我々は!」
 同時に叫んだ。魔法剣姫三名が。
 「勇者だ! 勇者だ! 勇者だ! 王国を、人間の自由と未来を、守る勇者だ!」
 「なにが勇者だ! 消し炭にするぞ!」
 怒鳴った。炎龍王女も。
 叫んだ。炎姫が。
 「勇者の条件は、なにか!」
 叫んだ。同時に。氷姫と雷姫が。
 「勇気だ! 勇気だ! 勇気だ! なにものにもくっしない、絶対に屈しない、勇気だ!」
 炎姫が怒鳴った。後方の女生徒たちに向かって。
 「風魔法だ! スカイ・ドラゴンの放った火球を、全員の風魔法で、はねのける!」
 「無理よ、ムリムリ! スカイ・ドラゴンの火球なんて! しかも、あんなにたくさん」
 泣き叫んだ。毒薔薇姫が。
 「いや、できる。我々なら」
 「ムリよ。火球一個だって!」
 「思い出せ! 授業で習ったはずだ。スカイ・ドラゴンが放つ火球は、軽い。ゆえに、強力な風魔法ならば、できる! はねのけることが!」
 「無理よ! できっこない!」
 「できる! この人数ならば。この場には、四十名以上の魔法使いが、いるのだから」
 氷姫も、怒鳴った。後方の女生徒たちに。
 「あきらめるな! 詠唱せよ! 王国が誇る魔法使いたちよ! 風魔法の詠唱を! 戦って、生きのびるのだ! 人間の自由と未来のために!」
 怒鳴った。炎龍王女も。
 「降伏せよ! 人間ども! 今すぐに! さもなければ、全員焼き殺す!」
 すべてのスカイ・ドラゴンが、くちばしを開いた。
 くちばしの前方に、火球が出現した。
 叫んだ。炎龍王女が。高らかに、笑いながら。
 「さあ、選べ! 人間ども! 奴隷か、火あぶりか!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜

涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。 ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。 しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。 奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。 そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

処理中です...