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第3章第十三話 人間の切り札
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第3章第十三話 人間の切り札
問いただした。トッキロが、炎龍王女を。
「最初から、それが目的だったのか。三大魔法剣姫を、一カ所に集めて抹殺することが」
高笑いした。炎龍王女が。
「今頃気づいても遅い」
さらに問いただした。トッキロが。視線を一瞬、西側に向けてから。
百メートル西には、第十五砦がある。第十五砦は、まだ雨雲に覆われている。
「第十五砦も同じ方法で、S級魔法使いたちを、一度に抹殺する作戦か」
「そうだ。そのとおりだ」
まだ、高笑いを続けている。炎龍王女は。
「だが、第十五砦の周辺上空には、スカイ・ドラゴンがいない。スカイ・ドラゴンなしで、どうやってS級魔法使いたちを倒すのか?」
得意げに答えた。炎龍王女が。
「戦力は、集中投入するものだ」
「こちらの砦を始末してから、となりの砦に移動させるわけか。百匹のスカイ・ドラゴンを」
「いつの間に数えた? 百匹も」
「すぐに、わかる。上空で、正方形の陣形を組んでいるのだから」
上空のスカイ・ドラゴンは、横に十匹ずつ、上下に十匹ずつ、並んで空中に浮かんでいる。
スカイ・ドラゴンは、羽ばたいていないのに、空中に浮かんでいる。
風魔法だ。
地上にいる魔族の集団が、風魔法で上昇気流を、つくりだしているのだろう。
だからスカイ・ドラゴンは、砦の真上ではなく、城壁外側の上空に浮かんでいる。
ちょうど、堀の真上だ。
砦の真上まで前進してしまうと、上昇気流から外れてしまう。
上昇気流から外れれば、あとは滑空するしかない。
スカイ・ドラゴンは、鳥のように、自由自在に飛行できないのだから。
炎龍王女が、不気味な笑みを浮かべた。
なにか、悪いことを思いついた表情だ。
「おぬしは興味深い。黒髪の人間よ。さきほどの、よく見えない剣のような魔法といい、知力と魔法力を合わせ持つ、実に興味深い人間だ」
さらに、言葉を続けた。炎龍王女が、トッキロに対し。
「われに教えろ。見えない剣のような魔法の秘訣を。さすれば、おまえの命を助けよう」
「必要ない。魔族の助けなど」
にらみつけた。炎龍王女が、トッキロを。
「では、殺すぞ」
その直後だった。
つぶやいた。
トッキロが。
「ウオーター・カッター」
切り裂いた。すべてのスカイ・ドラゴンを。
全部で、百匹。
一瞬だった。
一瞬で、百匹のスカイ・ドラゴンを、左右真っ二つに切り裂いた。
膝下まで雨水で満ちた砦の屋上から、十本の細い水柱が噴出した。
ものすごい速度で。上空に向かって。
その水柱は、十段目のスカイ・ドラゴンから、一段目のスカイ・ドラゴンまでを、瞬時に切り裂いた。
墜落した。
スカイ・ドラゴン百匹の死骸が。左右に切り裂かれて。城壁外側の堀へ。
炎龍王女が、口を開いた。
「最後の機会だ。黒髪の人間。われに、おぬしの魔法の秘訣を教えよ」
まったく、気づいていなかった。炎龍王女は。スカイ・ドラゴンが、全滅したことに。
スカイ・ドラゴンの群れの位置は、彼女の背後の上空だった。
ゆえに、気づかなかった。
視界には、入ったはずだ。自分の前方の水面から、十本の細い水柱が、噴出したのは。
だが、それがなにを意味するのか、理解できなかった。
そのため、気づいていないのだ。形勢が、逆転したことも。
そのときだった。
歓声をあげた。南校の女生徒たちが。
数秒遅れで。スカイ・ドラゴン百匹の撃墜後。
彼女たちも数秒間、理解できなかったのだ。なにが、起きたのかを。
歓喜乱舞し始めた。南校の女生徒たちが。
毒薔薇姫が叫んだ。感極まって。
「勝ったのよ! あたしたち!」
炎龍王女が、怒鳴りつけた。驚いて。
「なにバカなこと言ってる! 人間どもは! 消し炭にするぞ!」
毒薔薇姫が叫び続けた。喜びで、涙を流しながら。
「トッキロは南校の切り札よ! だから、南校の勝利よ!」
「人間の勝利だ!」
そう、叫んだ。炎姫が。
「そうだ! 人間の勝利だ!」
氷姫も呼応した。
驚いた表情で、炎龍王女が叫んだ。
「なんだ、おぬしたちは! 死の恐怖で、頭が、おかしくなったのか」
「あなたの負けです。魔王の娘、炎龍王女」
「なに言っておる。われの命令一つで、百匹のスカイ・ドラゴンが……」
「もう、いませんよ。一匹も」
振り返った。炎龍王女が。自分の背後の上空を。
驚愕した。炎龍王女が。
「どこに行った? われのスカイ・ドラゴンは!」
「撃墜しました。百匹全部」
「なんだと!」
トッキロは、口調を変えた。重々しい口調に。
「降伏せよ、炎龍王女。さもないと」
そこでトッキロは、いったん言葉を句切った。
問いただした。トッキロが、炎龍王女を。
「最初から、それが目的だったのか。三大魔法剣姫を、一カ所に集めて抹殺することが」
高笑いした。炎龍王女が。
「今頃気づいても遅い」
さらに問いただした。トッキロが。視線を一瞬、西側に向けてから。
百メートル西には、第十五砦がある。第十五砦は、まだ雨雲に覆われている。
「第十五砦も同じ方法で、S級魔法使いたちを、一度に抹殺する作戦か」
「そうだ。そのとおりだ」
まだ、高笑いを続けている。炎龍王女は。
「だが、第十五砦の周辺上空には、スカイ・ドラゴンがいない。スカイ・ドラゴンなしで、どうやってS級魔法使いたちを倒すのか?」
得意げに答えた。炎龍王女が。
「戦力は、集中投入するものだ」
「こちらの砦を始末してから、となりの砦に移動させるわけか。百匹のスカイ・ドラゴンを」
「いつの間に数えた? 百匹も」
「すぐに、わかる。上空で、正方形の陣形を組んでいるのだから」
上空のスカイ・ドラゴンは、横に十匹ずつ、上下に十匹ずつ、並んで空中に浮かんでいる。
スカイ・ドラゴンは、羽ばたいていないのに、空中に浮かんでいる。
風魔法だ。
地上にいる魔族の集団が、風魔法で上昇気流を、つくりだしているのだろう。
だからスカイ・ドラゴンは、砦の真上ではなく、城壁外側の上空に浮かんでいる。
ちょうど、堀の真上だ。
砦の真上まで前進してしまうと、上昇気流から外れてしまう。
上昇気流から外れれば、あとは滑空するしかない。
スカイ・ドラゴンは、鳥のように、自由自在に飛行できないのだから。
炎龍王女が、不気味な笑みを浮かべた。
なにか、悪いことを思いついた表情だ。
「おぬしは興味深い。黒髪の人間よ。さきほどの、よく見えない剣のような魔法といい、知力と魔法力を合わせ持つ、実に興味深い人間だ」
さらに、言葉を続けた。炎龍王女が、トッキロに対し。
「われに教えろ。見えない剣のような魔法の秘訣を。さすれば、おまえの命を助けよう」
「必要ない。魔族の助けなど」
にらみつけた。炎龍王女が、トッキロを。
「では、殺すぞ」
その直後だった。
つぶやいた。
トッキロが。
「ウオーター・カッター」
切り裂いた。すべてのスカイ・ドラゴンを。
全部で、百匹。
一瞬だった。
一瞬で、百匹のスカイ・ドラゴンを、左右真っ二つに切り裂いた。
膝下まで雨水で満ちた砦の屋上から、十本の細い水柱が噴出した。
ものすごい速度で。上空に向かって。
その水柱は、十段目のスカイ・ドラゴンから、一段目のスカイ・ドラゴンまでを、瞬時に切り裂いた。
墜落した。
スカイ・ドラゴン百匹の死骸が。左右に切り裂かれて。城壁外側の堀へ。
炎龍王女が、口を開いた。
「最後の機会だ。黒髪の人間。われに、おぬしの魔法の秘訣を教えよ」
まったく、気づいていなかった。炎龍王女は。スカイ・ドラゴンが、全滅したことに。
スカイ・ドラゴンの群れの位置は、彼女の背後の上空だった。
ゆえに、気づかなかった。
視界には、入ったはずだ。自分の前方の水面から、十本の細い水柱が、噴出したのは。
だが、それがなにを意味するのか、理解できなかった。
そのため、気づいていないのだ。形勢が、逆転したことも。
そのときだった。
歓声をあげた。南校の女生徒たちが。
数秒遅れで。スカイ・ドラゴン百匹の撃墜後。
彼女たちも数秒間、理解できなかったのだ。なにが、起きたのかを。
歓喜乱舞し始めた。南校の女生徒たちが。
毒薔薇姫が叫んだ。感極まって。
「勝ったのよ! あたしたち!」
炎龍王女が、怒鳴りつけた。驚いて。
「なにバカなこと言ってる! 人間どもは! 消し炭にするぞ!」
毒薔薇姫が叫び続けた。喜びで、涙を流しながら。
「トッキロは南校の切り札よ! だから、南校の勝利よ!」
「人間の勝利だ!」
そう、叫んだ。炎姫が。
「そうだ! 人間の勝利だ!」
氷姫も呼応した。
驚いた表情で、炎龍王女が叫んだ。
「なんだ、おぬしたちは! 死の恐怖で、頭が、おかしくなったのか」
「あなたの負けです。魔王の娘、炎龍王女」
「なに言っておる。われの命令一つで、百匹のスカイ・ドラゴンが……」
「もう、いませんよ。一匹も」
振り返った。炎龍王女が。自分の背後の上空を。
驚愕した。炎龍王女が。
「どこに行った? われのスカイ・ドラゴンは!」
「撃墜しました。百匹全部」
「なんだと!」
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そこでトッキロは、いったん言葉を句切った。
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