異世界転移魔方陣をネットオークションで買って行ってみたら、日本に帰れなくなった件。

蛇崩 通

文字の大きさ
43 / 67

第3章第十四話 人間の未来のために

しおりを挟む
  第3章第十四話 人間の未来のために
 トッキロが、言葉を続けた。重々しい口調で。
 「さもないと、痛い目に、あわせるぞ」
 怒鳴り散らした。炎龍王女が。
 「誰が、降伏するか!」
 背中の羽を、広げた。コウモリのような羽を。
 舞い上がった。五メートルほど。
 風魔法を、使って。
 逃げるつもりだ。
 つぶやいた。トッキロが。
 「ウオーター・カッター」
 噴出した。水面から、細い水柱が。二本。
 砦の屋上に満ちている雨水の水位は、まだ、膝下まである。
 切りいた。炎龍王女の左右の羽を。
 墜落した。砦屋上の水面に。炎龍王女が。
 立ち上がった。炎龍王女が。
 「おのれ!」
 そう言い放ち、魔法詠唱した。魔族語で。
 出現した。巨大なファイアー・ボールが。直径は、三メートルはある。
 はなとうとした。巨大な火球を。トッキロに向かって。
 その瞬間だった。
 巨大な津波が出現した。砦の屋上に。高さは、五メートルはある。
 飲み込んだ。巨大津波が、巨大火球を。
 鎮火した。瞬時に。火球が。津波によって。
 口を開いた。トッキロが、静かに。
 「無駄ですよ、火炎魔法は。砦の屋上に、まっているのだから。これだけの雨水が」
 とはいえ、水位は下がり始めていた。雨がんでから。
 すでに、トッキロの膝下十センチメートルまで、水位は下がっている。
 屋上の雨水が無くなるまでに、拘束しなければ。魔王の娘、炎龍王女を。
 そう、思った。
 魔族語で、なにかを叫んだ。炎龍王女が。
 罵倒ばとうの言葉か。
 そう思った直後だった。
 ふたたび、出現させた。巨大な火球を。炎龍王女が。
 ほぼ同時だった。
 つぶやいた。トッキロが。
 「ウオーター・カッター」
 噴出した。十本の細い水柱が。砦の屋上に溜まった雨水から。
 その水柱は、どれも、鉛筆くらいの太さだ。
 絶叫した。炎龍王女が。
 腹を貫通されて。十本の細い水柱に。
 背骨には、あてなかった。わざと。
 背骨を切断してしまうと、倒れてしまうからだ。
 屋上に溜まった雨水の中に倒れて、身体が水没してしまうと、あてにくくなる。ウオーター・カッターを。
 消滅した。巨大火球は。炎龍王女の絶叫と共に。
 数秒で止まった。腹の傷口十カ所からの出血が。
 さらにその数秒後には、傷口が完治した。腹の側だけで、十カ所の傷口があったのに。背中側の傷口十カ所も、ふさがったことだろう。
 次の瞬間、つぶやいた。ふたたび、トッキロが。
 「ウオーター・カッター」
 ふたたび、つらぬいた。十本の細い水柱が。炎龍王女の腹を。
 次々に、何度も貫いた。連続で。炎龍王女の腹を。十本の細い水柱が。傷口が、完治する前に。
 泣き叫んだ。炎龍王女が。両腕で、自分の腹をガードしながら。
 絶叫した。炎龍王女が。切り落とされて。左右のつの二本を。ウオーター・カッターによって。
 いや、その絶叫は、つのを切断されたからではない。
 ウオーター・カッターを上から下に移動させた際に、炎龍王女の両肩をザックリと切りいたのだ。
 あやうく、心臓まで切り裂くところだった。
 だが心臓は、切り裂かなかった。意図的に。可能だったが。
 炎龍王女はつのを二本失い、残りの角は一本となった。
 さけんだ。雷姫が。
 「殺せ! 魔王の娘を! 今が、その好機だ!」
 トッキロが、反論した。
 「拘束しましょう。身柄の解放を条件に、魔王軍の撤退を求めましょう」
 雷姫も反論した。大声で、怒鳴るように。
 「交渉など不可能だ! 魔族とは! ゆえに、殺せるときに殺せ! 魔王の娘を! 人間の未来のために!」
 そのときだった。
 高笑いした。炎龍王女が。左右の肩の傷はまだ、完治していないのに。
 「もう、遅い。われを殺す機会は、すでに失われた。なぜなら」
 そこで、言葉を句切った。
 叫んだ。大声で。炎龍王女が。勝ち誇ったように。
 「われの勝利だ! 見よ! われの救援軍を!」
 現れた。突然。多数のデーモン・チーフが。コウモリのような羽を広げて。風魔法による上昇気流に乗って。砦の上空に。
 全員、巨大な火球を出現させながら。
 叫んだ。炎龍王女が。勝ち誇って。
 「人間どもよ、全員、灰になれ!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜

涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。 ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。 しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。 奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。 そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。

ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった

仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。 そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?

この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~

仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。 祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。 試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。 拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。 さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが…… 暫くするとこの世界には異変が起きていた。 謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。 謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。 そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。 その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。 その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。 様々な登場人物が織りなす群像劇です。 主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。 その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。 ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。 タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。 その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!

枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕 タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】 3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!

処理中です...