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第4章第十一話 人質救出作戦
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第4章第十一話 人質救出作戦
「策は、あるのか?」
氷姫が、尋ねた。トッキロに。
「人質千名が囚われている場所は、分かっています」
第十六砦の監視部隊から、聞いた。その聞き取りから、魔族の野営陣地の見取り図も作成しておいた。
「人質千名を監視しているのは魔族四十名ですが、夜間は寝ています。草むらの上に、ごろ寝で。人質千名を取り囲むように。一列に」
首席姫が、口をはさんだ。
「まさか、そなた。最初から、それが目的だったのか。王女殿下ではなく、農民たちの救出が」
「まさか」
すぐさま、否定した。
だが、にらみつけた。首席姫が、トッキロを。
「それなら、なぜ詳しい? 拉致された農民たちについて」
見すえた。真正面から。トッキロも。首席姫を。真剣な表情で。
「救出したいと思ったからです。拉致された農民たちを。魔族どもに、喰われる前に。特に、子どもたちを。だから、調べました。王女殿下が拉致される前に」
「利用したな! 私たちを。王女殿下を救出したいという私たちの思いを!」
「もう、よい!」
叱責した。リリーシア王女が、首席姫を。
「案内せよ。人質たちのもとへ。わらわを」
「仰せのままに」
そう、答えた。トッキロが。かしこまって。
* * * * * *
拉致された農民たちは、野営陣地の中央付近にいる。密集して。
その周囲には、五メートルほどの間隔で、魔族が一列に並んでゴロ寝している。人質のほうに顔を向けて。
魔族による人質包囲網は、一辺が五十メートルほどの正方形だ。
南側の魔族の列の西端に、接近した。トッキロが、水壺を左腕に抱えて。
サソリ姫も、接近した。トッキロの斜め後方、三メートルほどの距離を保って。
人質を囲んでいる魔族たちは、熟睡していた。
簡単だった。その魔族たちの首を切り落とすのは。
静かに接近し、水の弾丸を、魔族の頭部に撃ち込んだ。水壺の水を使って。
脳を破壊した。
その直後、魔族の首を切り落とした。ウオーター・カッターで。
それを、繰り返した。
毒は、使わなかった。熟睡している魔族には、必要なかったからだ。
もちろん、毒の節約のためでもある。
南側の魔族十名を殺害した。音もなく。
そのあと、東側の魔族も、同様に暗殺した。静かに。十名全部。
北側に、まわったときだった。
人質たちの間で、話す声が聞こえた。
赤んぼうの泣く声も、聞こえた。
始まったのだ。氷姫たちによる人質救出作戦が。
本当は、音もなく静かに、遂行するはずだった。
人質の農民たちにとっては、ハードルが高かったか。静かに行動するのは。
目を覚まし始めた。魔族たちが。
起き上がり始めた。次々に。北側の魔族たちが。
声をかけてきた。サソリ姫が、ななめ後方から。小声で。
「敵さん、目を覚ましたよ。どうする? 逃げる?」
振り返らずに、答えた。
「毒を使えば、制圧できます」
「あるよ、まだ。強力なサソリ毒が」
テニスボールほどの大きさの水球を作った。水壺の水を使って。
その水球に、サソリ姫が毒を入れた。
後方から、静かに接近した。トッキロが。魔族たちに。
魔族の一人が、怒鳴った。王国共通語で。逃げようとしている農民たちに。
「全員、その場に座れ! 逃げたら、おぬしたちのガキどもを喰い殺すぞ!」
なるほど、そういうわけか。
逃げたら子どもたちを殺すと脅して、大人たちが逃げないようにしていたのか。
背後から、毒入りの水の弾丸を撃ち込んだ。
一度に二発ずつ。二名の魔族の心臓に。次々に。
北側にいた魔族十名を、全員倒した。毒入りの水の弾丸を、背後から心臓に撃ち込んで。
もっとも、その魔族十名は、まだ死んでいない。
だが、戦闘不能だ。毒の効果で。
そのときだった。
後方から、すなわち北側から、魔族たちの怒鳴る声が聞こえた。
振り返った。
魔族たちが、いた。
大量に。
その数、数十名。
いや、百名以上か。
王国騎士団の夜襲に備えて、北側の防衛線にいた魔王軍精鋭部隊だ。
サソリ姫が小声で、ささやいてきた。
「大軍来たよ。敵さんの。逃げよう」
毅然と答えた。トッキロが。
「逃げたら、背後から大型ファイアー・ボールを喰らって死にますよ」
「じゃあ、どうすんだよ」
「ここで、向かい撃ちます」
「策は、あるのか?」
氷姫が、尋ねた。トッキロに。
「人質千名が囚われている場所は、分かっています」
第十六砦の監視部隊から、聞いた。その聞き取りから、魔族の野営陣地の見取り図も作成しておいた。
「人質千名を監視しているのは魔族四十名ですが、夜間は寝ています。草むらの上に、ごろ寝で。人質千名を取り囲むように。一列に」
首席姫が、口をはさんだ。
「まさか、そなた。最初から、それが目的だったのか。王女殿下ではなく、農民たちの救出が」
「まさか」
すぐさま、否定した。
だが、にらみつけた。首席姫が、トッキロを。
「それなら、なぜ詳しい? 拉致された農民たちについて」
見すえた。真正面から。トッキロも。首席姫を。真剣な表情で。
「救出したいと思ったからです。拉致された農民たちを。魔族どもに、喰われる前に。特に、子どもたちを。だから、調べました。王女殿下が拉致される前に」
「利用したな! 私たちを。王女殿下を救出したいという私たちの思いを!」
「もう、よい!」
叱責した。リリーシア王女が、首席姫を。
「案内せよ。人質たちのもとへ。わらわを」
「仰せのままに」
そう、答えた。トッキロが。かしこまって。
* * * * * *
拉致された農民たちは、野営陣地の中央付近にいる。密集して。
その周囲には、五メートルほどの間隔で、魔族が一列に並んでゴロ寝している。人質のほうに顔を向けて。
魔族による人質包囲網は、一辺が五十メートルほどの正方形だ。
南側の魔族の列の西端に、接近した。トッキロが、水壺を左腕に抱えて。
サソリ姫も、接近した。トッキロの斜め後方、三メートルほどの距離を保って。
人質を囲んでいる魔族たちは、熟睡していた。
簡単だった。その魔族たちの首を切り落とすのは。
静かに接近し、水の弾丸を、魔族の頭部に撃ち込んだ。水壺の水を使って。
脳を破壊した。
その直後、魔族の首を切り落とした。ウオーター・カッターで。
それを、繰り返した。
毒は、使わなかった。熟睡している魔族には、必要なかったからだ。
もちろん、毒の節約のためでもある。
南側の魔族十名を殺害した。音もなく。
そのあと、東側の魔族も、同様に暗殺した。静かに。十名全部。
北側に、まわったときだった。
人質たちの間で、話す声が聞こえた。
赤んぼうの泣く声も、聞こえた。
始まったのだ。氷姫たちによる人質救出作戦が。
本当は、音もなく静かに、遂行するはずだった。
人質の農民たちにとっては、ハードルが高かったか。静かに行動するのは。
目を覚まし始めた。魔族たちが。
起き上がり始めた。次々に。北側の魔族たちが。
声をかけてきた。サソリ姫が、ななめ後方から。小声で。
「敵さん、目を覚ましたよ。どうする? 逃げる?」
振り返らずに、答えた。
「毒を使えば、制圧できます」
「あるよ、まだ。強力なサソリ毒が」
テニスボールほどの大きさの水球を作った。水壺の水を使って。
その水球に、サソリ姫が毒を入れた。
後方から、静かに接近した。トッキロが。魔族たちに。
魔族の一人が、怒鳴った。王国共通語で。逃げようとしている農民たちに。
「全員、その場に座れ! 逃げたら、おぬしたちのガキどもを喰い殺すぞ!」
なるほど、そういうわけか。
逃げたら子どもたちを殺すと脅して、大人たちが逃げないようにしていたのか。
背後から、毒入りの水の弾丸を撃ち込んだ。
一度に二発ずつ。二名の魔族の心臓に。次々に。
北側にいた魔族十名を、全員倒した。毒入りの水の弾丸を、背後から心臓に撃ち込んで。
もっとも、その魔族十名は、まだ死んでいない。
だが、戦闘不能だ。毒の効果で。
そのときだった。
後方から、すなわち北側から、魔族たちの怒鳴る声が聞こえた。
振り返った。
魔族たちが、いた。
大量に。
その数、数十名。
いや、百名以上か。
王国騎士団の夜襲に備えて、北側の防衛線にいた魔王軍精鋭部隊だ。
サソリ姫が小声で、ささやいてきた。
「大軍来たよ。敵さんの。逃げよう」
毅然と答えた。トッキロが。
「逃げたら、背後から大型ファイアー・ボールを喰らって死にますよ」
「じゃあ、どうすんだよ」
「ここで、向かい撃ちます」
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