62 / 67
第4章第十五話 死闘
しおりを挟む
第4章第十五話 死闘
トッキロは、南西に向かって後退し始めた。足早に。
「逃げるな! 黒髪の人間! われと決闘したいのだろ!」
鉄龍将軍が、そう怒鳴った。鋼鉄製盾の陰に、身を隠したままで。
怒鳴り返した。トッキロが。
「もう一対一ではないので、決闘は、また今度で」
「ふざけるな!」
「だったら、追いかけてきたら、どうです?」
思わず、挑発してしまった。無意味な行為だと思いながら。
鉄龍将軍は、両足の毒が、まだ効いている。
そのため、立ち上がれない。今のところは。
「おのれ! ぶっ殺す!」
そう言って、特大ファイアー・ボールを放ってきた。鉄龍将軍が。火球の直径は、二メートル以上もある。
右手の木製杖を、振り下ろした。
切り裂いた。左右真っ二つに。特大ファイアー・ボールを。
もっとも、火球の芯を切り裂いたのは、木製の杖ではなく、杖の先端に出現させた圧縮空気のエア・ソードだ。
エア・ソードの長さは、特大の火球を切り裂くために、二メートル半ほどに伸ばした。
もっともエア・ソードは、肉眼で視認できないが。
「おのれ! ちっぽけな人間のくせに!」
そう言いながら、次々と放ってきた。特大ファイアー・ボールを。連発で。
次々に切り裂いた。エア・ソードで。特大ファイアー・ボールを。
エア・ソードを上から下に振り下ろした直後、今度は下から上へと斬り上げた。
それを繰り返し、次々に切り裂いた。
東側から走ってきた魔族の集団も、ファイアー・ボールを投げつけてきた。いくつも。直径一メートル前後の火球を。トッキロに向かって。
杖を振るった。水平に。
一度に、複数のファイアー・ボールを切り裂いた。
何度も、杖を振るった。水平に。右から左へ。左から右へ。
それにより、すべて切り裂いた。東側から駆けつけた魔族たちが放ったファイアー・ボールを。
鉄龍将軍が、怒鳴った。魔族語で。東方面から駆けつけた魔族たちに。
そのとたん、立ち止まった。東方面から走ってきた魔族たちが。
トッキロとの距離、およそ三十メートルほどで。
ウオーター・カッターの有効射程距離は、三十数メートルだ。
よって、有効射程距離内だ。三十メートルは。
だが、魔族は首を切り落としても、すぐには死なない。
すぐに首をつなげれば、驚異的な再生能力により、死なずにすむ。
そして、ふたたび戦闘可能になる。
ゆえに、首を切り落としても、すぐにつなげられてしまえば、攻撃として無意味だ。
それに、多数の敵をウオーター・カッターで倒すためには、それなりの量の水が必要だ。
もう、水壺の中の水は、半分を大幅に切っている。
この水の量では、足りない。
無詠唱で、頭上に水球を出現させた。
すでに近くには、いない。人間は。
サソリ姫も、もう遠ざかっている。姿が見えないほど。
もうバレることは、ない。無詠唱魔法の使い手だと。
無詠唱のまま、精神を集中させ、頭上の水球を拡大した。直径二メートル以上に。
東方面から来た魔族たちが、前進した。トッキロの後退に合わせて。おそよ三十メートルの距離を保って。ファイアー・ボールを放ちながら。
魔族側は、思っているようだ。ウオーター・カッターの有効射程距離が、三十メートルだと。
トッキロは、後退し続けた。ゆっくりと。南西方面に。
あたる寸前に、ファイアー・ボールを切り裂き、打ち落としながら。
だが、まずい状況だ。
後手に回っている。
時間の経過は、敵に有利だ。
もうしばらくすれば、北側から、盾を持った約五十名の魔族が駆けつける。
そうなれば、絶体絶命の窮地に陥る。
その前に、なんとかしなければ。
まずは、東から駆けつけた魔族たちだ。
そのときだった。
号令が聞こえた。魔族語だ。
東方面の魔族集団の中からだ。
一列横隊になった。東方面の魔族たちが。
横隊と言っても、直線ではない。
扇状だ。
トッキロとの距離は、三十メートル前後だ。
素早く数えた。
全部で、ちょうど三十名だ。東方面から来た魔族たちは。
三十名の魔族が、いっせいにファイアー・ボールを出現させた。
その大きさは、直径一メートルから一メートル半の大型だ。
放った。いっせいに。大型ファイアー・ボール三十個を。トッキロに向かって。
トッキロは、南西に向かって後退し始めた。足早に。
「逃げるな! 黒髪の人間! われと決闘したいのだろ!」
鉄龍将軍が、そう怒鳴った。鋼鉄製盾の陰に、身を隠したままで。
怒鳴り返した。トッキロが。
「もう一対一ではないので、決闘は、また今度で」
「ふざけるな!」
「だったら、追いかけてきたら、どうです?」
思わず、挑発してしまった。無意味な行為だと思いながら。
鉄龍将軍は、両足の毒が、まだ効いている。
そのため、立ち上がれない。今のところは。
「おのれ! ぶっ殺す!」
そう言って、特大ファイアー・ボールを放ってきた。鉄龍将軍が。火球の直径は、二メートル以上もある。
右手の木製杖を、振り下ろした。
切り裂いた。左右真っ二つに。特大ファイアー・ボールを。
もっとも、火球の芯を切り裂いたのは、木製の杖ではなく、杖の先端に出現させた圧縮空気のエア・ソードだ。
エア・ソードの長さは、特大の火球を切り裂くために、二メートル半ほどに伸ばした。
もっともエア・ソードは、肉眼で視認できないが。
「おのれ! ちっぽけな人間のくせに!」
そう言いながら、次々と放ってきた。特大ファイアー・ボールを。連発で。
次々に切り裂いた。エア・ソードで。特大ファイアー・ボールを。
エア・ソードを上から下に振り下ろした直後、今度は下から上へと斬り上げた。
それを繰り返し、次々に切り裂いた。
東側から走ってきた魔族の集団も、ファイアー・ボールを投げつけてきた。いくつも。直径一メートル前後の火球を。トッキロに向かって。
杖を振るった。水平に。
一度に、複数のファイアー・ボールを切り裂いた。
何度も、杖を振るった。水平に。右から左へ。左から右へ。
それにより、すべて切り裂いた。東側から駆けつけた魔族たちが放ったファイアー・ボールを。
鉄龍将軍が、怒鳴った。魔族語で。東方面から駆けつけた魔族たちに。
そのとたん、立ち止まった。東方面から走ってきた魔族たちが。
トッキロとの距離、およそ三十メートルほどで。
ウオーター・カッターの有効射程距離は、三十数メートルだ。
よって、有効射程距離内だ。三十メートルは。
だが、魔族は首を切り落としても、すぐには死なない。
すぐに首をつなげれば、驚異的な再生能力により、死なずにすむ。
そして、ふたたび戦闘可能になる。
ゆえに、首を切り落としても、すぐにつなげられてしまえば、攻撃として無意味だ。
それに、多数の敵をウオーター・カッターで倒すためには、それなりの量の水が必要だ。
もう、水壺の中の水は、半分を大幅に切っている。
この水の量では、足りない。
無詠唱で、頭上に水球を出現させた。
すでに近くには、いない。人間は。
サソリ姫も、もう遠ざかっている。姿が見えないほど。
もうバレることは、ない。無詠唱魔法の使い手だと。
無詠唱のまま、精神を集中させ、頭上の水球を拡大した。直径二メートル以上に。
東方面から来た魔族たちが、前進した。トッキロの後退に合わせて。おそよ三十メートルの距離を保って。ファイアー・ボールを放ちながら。
魔族側は、思っているようだ。ウオーター・カッターの有効射程距離が、三十メートルだと。
トッキロは、後退し続けた。ゆっくりと。南西方面に。
あたる寸前に、ファイアー・ボールを切り裂き、打ち落としながら。
だが、まずい状況だ。
後手に回っている。
時間の経過は、敵に有利だ。
もうしばらくすれば、北側から、盾を持った約五十名の魔族が駆けつける。
そうなれば、絶体絶命の窮地に陥る。
その前に、なんとかしなければ。
まずは、東から駆けつけた魔族たちだ。
そのときだった。
号令が聞こえた。魔族語だ。
東方面の魔族集団の中からだ。
一列横隊になった。東方面の魔族たちが。
横隊と言っても、直線ではない。
扇状だ。
トッキロとの距離は、三十メートル前後だ。
素早く数えた。
全部で、ちょうど三十名だ。東方面から来た魔族たちは。
三十名の魔族が、いっせいにファイアー・ボールを出現させた。
その大きさは、直径一メートルから一メートル半の大型だ。
放った。いっせいに。大型ファイアー・ボール三十個を。トッキロに向かって。
10
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
現代錬金術のすゝめ 〜ソロキャンプに行ったら賢者の石を拾った〜
涼月 風
ファンタジー
御門賢一郎は過去にトラウマを抱える高校一年生。
ゴールデンウィークにソロキャンプに行き、そこで綺麗な石を拾った。
しかし、その直後雷に打たれて意識を失う。
奇跡的に助かった彼は以前の彼とは違っていた。
そんな彼が成長する為に異世界に行ったり又、現代で錬金術をしながら生活する物語。
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~
かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。
そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。
しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!
命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。
そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。
――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる