25 / 35
第25話 イムサル平原の戦い
しおりを挟む
翌朝イムサル平原では、北にダムランド軍、南に魔王軍が、約500mの距離で対峙していた。
リドールのトライアドは、西側の右翼に配置されていた。
隙を見てサイドから敵軍本陣に切り込む、という役割を期待されてのことだった。
太陽が真上に昇る頃、魔王軍が一斉に動き出した。
「迎撃せよ!!」
セシウス師団長の合図で、ダムランド軍は一斉に魔法砲撃を開始した。
イムサル平原は、両軍入り乱れての修羅場と化した。
砂埃と無数とも思われる魔法陣で、10m先も見通せない状態だった。
リドールたちは、マリアーナの精霊魔法で誘導してもらい、手薄な所を縫って敵軍の奥深くへ切り込んで行った。
「マリー、少し時間を稼いでくれ!」
「オーケー!」
リドールは、魔法剣の詠唱を始めた。
頭上に、魔法陣が展開された。
「顕現せよ! 魔剣ゲルラ!!」
リドールは、魔法陣の中から、赤い炎を纏った両手剣を抜き取った。
「交代だ、マリー!!」
「了解よ!」
リドールは、前衛に躍り出ると、指揮官クラスと思われる魔族に切りかかった。
魔族は、バリア《防御魔法》を展開した。
その刹那、リドールの振り抜いた魔剣ゲルラは、魔族を防御壁ごと両断した。
あまりのできごとに、部下の魔族たちは呆然とリドールを見つめていた。
リドールは間髪容れず、ゲルラで周囲を薙ぎ払った。
周りにいた魔族が数体、一気に消し飛んだ。
リドールが、突然片膝をついた。
――やはりこたえるな……。
「ラフィト、後は任せた!」
「了解です!!」
今度は、ラフィトが前衛に出た。
「リヒト《龍神の閃光》!」
光と共に、周辺に残る魔族たちは次々と霧散し、リドールたちは、小隊ひとつを、ものの数分で殲滅した。
◇◆◇◆
――あの気配は……見つけたぞ! 西か!!
「魔王様にご報告です! 本軍左舷の一個小隊が、全滅! 敵兵数名が、真っ直ぐこちらに向かって来ております!!」
――やはり西か。迷いなく、わしの元に……。探知魔法のエキスパートもおるようだな。
「三鬼将を、本陣左翼に向かわせろ!」
「はっ!」
◇◆◇◆
「兵を本陣の周りに集めろ! 国王陛下をお守りするのだ!!」
中央では、一進一退の攻防が続いていた。
セシウス以下、ダムランドの精鋭たちもよく善戦していたが、やはり魔族の力は強大だった。
「リドールたちのトライアドは、どうなっておる?」
「まもなく、敵本陣に到達するものと思われます!」
――リドールよ……武運を!
ラウルスは、剣を空に突き上げ、叫んだ。
「皆の者、我らの家族を守るため、何としても持ちこたえよ!」
「おぉ!!!」
リドールのトライアドは、西側の右翼に配置されていた。
隙を見てサイドから敵軍本陣に切り込む、という役割を期待されてのことだった。
太陽が真上に昇る頃、魔王軍が一斉に動き出した。
「迎撃せよ!!」
セシウス師団長の合図で、ダムランド軍は一斉に魔法砲撃を開始した。
イムサル平原は、両軍入り乱れての修羅場と化した。
砂埃と無数とも思われる魔法陣で、10m先も見通せない状態だった。
リドールたちは、マリアーナの精霊魔法で誘導してもらい、手薄な所を縫って敵軍の奥深くへ切り込んで行った。
「マリー、少し時間を稼いでくれ!」
「オーケー!」
リドールは、魔法剣の詠唱を始めた。
頭上に、魔法陣が展開された。
「顕現せよ! 魔剣ゲルラ!!」
リドールは、魔法陣の中から、赤い炎を纏った両手剣を抜き取った。
「交代だ、マリー!!」
「了解よ!」
リドールは、前衛に躍り出ると、指揮官クラスと思われる魔族に切りかかった。
魔族は、バリア《防御魔法》を展開した。
その刹那、リドールの振り抜いた魔剣ゲルラは、魔族を防御壁ごと両断した。
あまりのできごとに、部下の魔族たちは呆然とリドールを見つめていた。
リドールは間髪容れず、ゲルラで周囲を薙ぎ払った。
周りにいた魔族が数体、一気に消し飛んだ。
リドールが、突然片膝をついた。
――やはりこたえるな……。
「ラフィト、後は任せた!」
「了解です!!」
今度は、ラフィトが前衛に出た。
「リヒト《龍神の閃光》!」
光と共に、周辺に残る魔族たちは次々と霧散し、リドールたちは、小隊ひとつを、ものの数分で殲滅した。
◇◆◇◆
――あの気配は……見つけたぞ! 西か!!
「魔王様にご報告です! 本軍左舷の一個小隊が、全滅! 敵兵数名が、真っ直ぐこちらに向かって来ております!!」
――やはり西か。迷いなく、わしの元に……。探知魔法のエキスパートもおるようだな。
「三鬼将を、本陣左翼に向かわせろ!」
「はっ!」
◇◆◇◆
「兵を本陣の周りに集めろ! 国王陛下をお守りするのだ!!」
中央では、一進一退の攻防が続いていた。
セシウス以下、ダムランドの精鋭たちもよく善戦していたが、やはり魔族の力は強大だった。
「リドールたちのトライアドは、どうなっておる?」
「まもなく、敵本陣に到達するものと思われます!」
――リドールよ……武運を!
ラウルスは、剣を空に突き上げ、叫んだ。
「皆の者、我らの家族を守るため、何としても持ちこたえよ!」
「おぉ!!!」
10
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ペンギンなう❤ レベル100を目指して戦っていたが死んじゃったので、ペンギンに転生して友達作ってほのぼのする話
サカナタシト
ファンタジー
オレの名はペンペン。何処にでもいるはぐれのペンギンだ。
レベル百超の冒険者を目指し、今日もせっせと友達を作る日々をすごしている。
・・・・・・え、何を言ってるかって? まあ、自分でも何言ってるんだか分からん。
もう少し詳しく言うとだな、
人間の身でありながら、オレはレベル百を目指して猛特訓を繰り返していた。
しかしレベル九十九になった後は一向にレベルアップせず、オレは願い適わず、不慮の事故によって死んじまうんだ。
あの世で女神とやらに話を聞くと、人間は元々レベル九十九でカンストなんだとか。
それを超えるには、友達を作り友情パワーでムリヤリ限界突破しなければいけないのだ。どっかの正しい心の人を超えたプロレスラーたちが育むやつだ。
そこでオレは女神に救われ、生まれ変わることになった。・・・・・・ペンギンとして。
なぜにペンギン? どうやって友達を作れというのか?
駄女神にそそのかされたオレが悪かったと思いながら、その他様々に思い悩みながらも、オレは、とある村の少女、そしてその家族に出会い、ペンペンと名をもらい、少しづつ友達を増やしていく。
人間として生きていた頃の失ったアレコレを取り戻しながら、オレ=ペンペンはレベル百を目指し今日も戦い続ける、・・・・・・じゃなくって友達を作り続ける。詳しくは本編を読んでくれ。
劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~
下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。
二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。
帝国は武力を求めていたのだ。
フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。
帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。
「ここから逃げて、田舎に籠るか」
給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。
帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。
鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。
「私も連れて行ってください、お兄様」
「いやだ」
止めるフェアに、強引なマトビア。
なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。
※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる