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第33話 龍神降臨
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「……で、何千年前だかのリベンジがしたくて、わざわざ復活してきたのか?」
リドールが、よろめきながら言った。
「……まあ、そういうことだ。よもや、我以外の古代神の力が残っていようとは、思ってもおらんかったがな」
リドールとマリアーナは、互いに支え合いながら、まだ立ち上がれずにいるラフィトの所に、何とか合流した。
「さて、予想外のことはあったが、そろそろ幕を引くとしようか。貴様らに、もはや力は残っておるまい」
「ラフィト……立てそうか?」
「……難しそうです。足を……やられてしまいました」
「マリーは……?」
「どうかな……。精霊魔法は、あと1回くらいなら何とか。杖でぶん殴る、もいけるよ。なんだか、砕けない杖らしいし」
「はは……。確かに、シンプルにぶん殴る、もありだな」
「でしょ」
「最後まで足掻いてみるか!」
ふたりの会話を黙って聞いていたラフィトは、微笑み、小さな声で詠唱を始めた。
「……ん? 何か言った? ラフィト」
「皆さん、お元気で」
「え?!」
「ブルク《龍神の城壁》」
幾重にも重なる光の防壁が、リドールとマリアーナを囲った。
「……おい! ラフィト! 何だ、これは!?」
「龍神魔法、最強の防御魔法です。古代神でも、容易には破れないでしょう」
「ち、ちょっと、ラフィト! 出してよ! あいつぶん殴りに……」
「すみません。その術式は、一度発動すれば丸一日解除できません。例え術者がいなくとも、継続する魔法です」
「術者がいなくてもって……ラフィト! あなた一体何を……」
「リドールさん、マリアーナさん。ぼく、おふたりと出会えて、本当によかったです」
「え!?」
――父さん、約束守れなくてごめん……
ラフィトは、首飾りの指輪を引きちぎり、指にはめて、拳を天に突き上げた。
「降臨したまえ!! 龍神……アレス!!!!!」
◇◆◇◆
空に雨雲が立ち始めたかと思うと、大きな渦となり一面を覆った。
雷鳴が轟き、暴風雨となった。
「き、貴様……! 一体、何を……!?」
嵐が去ると、一転静寂に包まれた。
頭上の分厚い雲にできた一片の切れ間から、神々しい光が差し込んだ。
「……ま、まさか……天界の扉を開けおったのか……?」
刹那、稲光りと共に、雷がラフィトを直撃した。
「ラフィトーーー!!!」
見るとそこには、光きらめく大柄な男がひとり、立っていた。
両眼と額には、五芒星が輝いていた。
頭に2本の角があり、背中には一対の翼があった。
「……顕現しおったか……」
魔神ゼクストが、驚愕の表情で言った。
「龍神……アレス!!!」
リドールが、よろめきながら言った。
「……まあ、そういうことだ。よもや、我以外の古代神の力が残っていようとは、思ってもおらんかったがな」
リドールとマリアーナは、互いに支え合いながら、まだ立ち上がれずにいるラフィトの所に、何とか合流した。
「さて、予想外のことはあったが、そろそろ幕を引くとしようか。貴様らに、もはや力は残っておるまい」
「ラフィト……立てそうか?」
「……難しそうです。足を……やられてしまいました」
「マリーは……?」
「どうかな……。精霊魔法は、あと1回くらいなら何とか。杖でぶん殴る、もいけるよ。なんだか、砕けない杖らしいし」
「はは……。確かに、シンプルにぶん殴る、もありだな」
「でしょ」
「最後まで足掻いてみるか!」
ふたりの会話を黙って聞いていたラフィトは、微笑み、小さな声で詠唱を始めた。
「……ん? 何か言った? ラフィト」
「皆さん、お元気で」
「え?!」
「ブルク《龍神の城壁》」
幾重にも重なる光の防壁が、リドールとマリアーナを囲った。
「……おい! ラフィト! 何だ、これは!?」
「龍神魔法、最強の防御魔法です。古代神でも、容易には破れないでしょう」
「ち、ちょっと、ラフィト! 出してよ! あいつぶん殴りに……」
「すみません。その術式は、一度発動すれば丸一日解除できません。例え術者がいなくとも、継続する魔法です」
「術者がいなくてもって……ラフィト! あなた一体何を……」
「リドールさん、マリアーナさん。ぼく、おふたりと出会えて、本当によかったです」
「え!?」
――父さん、約束守れなくてごめん……
ラフィトは、首飾りの指輪を引きちぎり、指にはめて、拳を天に突き上げた。
「降臨したまえ!! 龍神……アレス!!!!!」
◇◆◇◆
空に雨雲が立ち始めたかと思うと、大きな渦となり一面を覆った。
雷鳴が轟き、暴風雨となった。
「き、貴様……! 一体、何を……!?」
嵐が去ると、一転静寂に包まれた。
頭上の分厚い雲にできた一片の切れ間から、神々しい光が差し込んだ。
「……ま、まさか……天界の扉を開けおったのか……?」
刹那、稲光りと共に、雷がラフィトを直撃した。
「ラフィトーーー!!!」
見るとそこには、光きらめく大柄な男がひとり、立っていた。
両眼と額には、五芒星が輝いていた。
頭に2本の角があり、背中には一対の翼があった。
「……顕現しおったか……」
魔神ゼクストが、驚愕の表情で言った。
「龍神……アレス!!!」
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