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旧友
しおりを挟む「えっ!根本かよっ!」
俺はその夜、スマホの画面を見て一人
部屋で声を上げた。
某SNSの同級生検索ってやつを何気なく見てたら、同じ小学校で知ってると思しき人物にヒットしたからだ。
顔写真も何もなかったけど間違いなく根本 蒼太だ。
「懐かしいな… アイツどうしてんだろう?」
俺は小学校時代の根本との思い出に浸らずにはいられなかった。
俺の親はいわゆる転勤族でほぼ二年に一回のペースで日本各地を引っ越していた。
根本がいた学校に転校したのは、俺が小学校四年のときだ。
まあ、一般に転校生っていうのはスポーツ万能だったり学力優秀だったりして、一目置かれるもんだが
俺ときたら運動音痴で学力は並みときたもんだから、どこに行っても人気を博すことなく、場合によっては軽いイジメに遭ったりしていた。
子供の世界って残酷だから。
この西日本の地方都市にある牧野小学校でも
転校して早々にミステリアスな転校生の薄っぺらいメッキが、来て二日目には剥がれ、俺は孤立の道にまっしぐらだった。
休み時間になっても誰と遊ぶでもなく、ただ一人机に座りみんながふざけ合う光景を見つめていた。
小4にしてそんな状況に慣れていた俺は
別に辛いとも思わず… いや、なるべく辛いと思わないようにしていた。
そんな日が二、三日続いただろうか。休み時間になると眠くもないのに顔を伏せて眠る俺の肩をトントンと叩く者が出現したのだ。
顔を上げると目の前に根本 蒼太が立っていた。
俺はまだクラス全員の顔を覚えておらず
根本の事も、コイツ誰だっけ?状態だった。
とにかくびっくりして体を硬直させたのだが
根本はそれが可笑しかったらしく、声を出して笑った後、優しげな言い方で声をかけてきた。
「山崎君はどこから来たん?」
と…
「えっと… 宮城県」
「宮城かあ。
えらい遠いとこから来たんじゃなあ。」
これが根本 蒼太とのファーストコンタクトだった。
孤独な世界にどっぷりと浸かり、暗澹としていた俺の気持ちを一気に晴らしてくれたのは紛れもなく、この根本 蒼太だった。
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