oh my little love

フロイライン

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無能の人

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俺は再び狭いワンルームに戻り、一人暮らしを始めた。

思えば、大学に入学してからは、すぐに蒼と再会し、充実した毎日を送る事ができた。
この部屋に住んでるときも、蒼は何度も遊びに来てくれたし…

それから蒼のマンションに転がり込み、最近まで恵まれた生活をしていた。
心身ともに…

でも、そんな生活は幻のように消え去り、取り残された俺は、再び、モテないダサい人間に戻った。

いや、俺自身は何も変わっていない。
最初から今に至るまで、ずっとモテないしダサい。
そんな俺を、蒼が惚れてくれて甘やかしてくれたおかげで、錯覚しちまったんだ。
俺はカッコよくてモテるんだって。

蒼がいなくなった今、俺を良く言ってくれる人は誰もおらず…
まあ、当然のことなんだけど…


絶望感に苛まれながら学生生活を送る俺だったが、それから一ヶ月程経過して、蒼の両親から、福山への新幹線のチケット代四万円が、俺の口座に振り込まれた。

今週末は祝日を含む三連休となっているので、俺は予定を調整して、前後合わせて一週間の滞在予定で福山に行く事にした。

東京駅でのぞみのチケットを購入すると、新幹線に飛び乗った。
あ、ちゃんと手土産も買いました…


約三時間半の旅だ。

品川、新横浜…名古屋、京都、新大阪、新神戸、岡山…

朝早く起きた甲斐あって、午前11時頃に福山駅に到着した。

距離にしたらかなり離れてるけど、こうして新幹線で移動してみると、あっという間だな。

俺はエスカレーターで下に降り、新幹線の改札を抜けて直進、さらに在来線の改札で切符を改札機に入れて、外に出た。

えっと、どっちだっけ…
城がある方とは逆だって言ってたから、右側から出るんだったな…
とか考えてると

「愁ちゃん!」

前の方から俺の名前を呼ぶ声がした。


「あ、友梨奈さん!」

駅まで友梨奈さんが迎えに来てくれていた。


「こんな遠くまで来てもらって、ホントごめんね」


「いえ、こちらこそ、お金を出していただいて、申し訳ございません。」


「何、他人行儀な事言ってんのよ。

でも、たった一カ月会ってなかっただけなのに、何年も経った感覚だわ。」


「うん。俺もそう思う」

友梨奈さんは相変わらず美しく、女の色気がプンプンしてて、俺の心を揺るがせた。

友梨奈さんは停めていた車の後ろに俺の荷物を積み込むと、助手席に俺を乗せ、車を発進させた。


「家はすぐそこなんだけど、愁ちゃんの歓迎会をするのに、買い物に付き合ってもらうからって蒼太には言ってきてるの。
自分の歓迎会用の買い物を付き合わせるのは申し訳ないけど、ごめんね。」


「いや、全然

なんかありがとう…」

そんな会話をしながら、車は直進し交差点を左折した。
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