oh my little love

フロイライン

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awkward time

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「いらっしゃい!」

その店はカウンターしかなく、割と小さめで、十席くらいあるうちの半分くらいが埋まってた。

俺たちは少し奥の席に座った。


メニューは刺身とか海鮮系が中心で、なかなかいい感じだ。

先ずはビールかな

って事で、お品書きの最後の方のドリンクメニューを友梨奈に見せると…

何故か友梨奈は無反応だった。

俺は、メニューから目を離し、友梨奈の顔を見ると、友梨奈は何故か全然違う方を向いていた。

その視線を追うと、カウンターのコーナーの一番端っこに行き着いた。

「あっ」


全然気づかなかったが、親父さんが座っていたのだ。


うわっ…気まずい


親父さんと俺達の間には客がおらず、空席を二つ挟む形で、喋りやすいといえば、まあ喋りやすい環境にあった。


とりあえず、俺は親父さんに向かって会釈した。


友梨奈は親父さんをガン無視してメニューに目を落とし


「愁ちゃん、私生中」

と、言った。


「すいません、生二つ」


俺は大将に二人分の飲み物を頼んだ。


カウンターの中にいるおばさんがサーバーからビールを注ぎ、俺達に出してくれた。


「お疲れ様、愁ちゃん」


「あ、友梨奈…さんも」


友梨奈はビールを持ち、俺のジョッキにコツンとぶつけてきた。


俺はビールを一口飲み、そして置いた。

もちろん、親父さんの方は向けない。


「何注文する?」


そんな俺に、友梨奈は構わず、紙に書かれたお品書きを見せて聞いてきた。

「えっと、何にしようかな…」


俺は(多分)目を泳がせながら、ぎこちなく答えたが

刺身の盛り合わせと、くわいの素揚げ、それとこの辺の名物だというねぶと?という小魚の唐揚げを注文した。


そして、沈黙


他の客も何人かいるのに、何故か静かだ。


はぁ…気まずい…


俺は親父さんの方をチラッと見た。


ビールを飲みながら、魚の煮付けを食ってる。


「あの、このお店、よく来るんですか?」


俺は、この空気に耐えられなくなって、親父さんに話しかけた。


親父さんも気まずさを感じてたようで、俺の質問にホッとした感じになって、少し笑みを浮かべながら答えた。

「晩飯を作ってもらいにね…

ねえ、大将」


「いつもありがとうございます」

大将は薄くなった頭頂部を見せながらお辞儀をした。


「ふーん、会社が潰れかけてるのに、ほろ酔い気分でいい身分だわね!」


友梨奈は、親父の目を見ず、正面に向かって吐き捨てるように言った。


あー、ぶち壊しだ


振り出しに戻る…
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