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蒼一人立ち編
虜囚
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「ユウさん
ご迷惑をおかけします…」
蒼が家を出て、転がり込んだのはショーパブの先輩、ユウの家だった。
「いいのよ、蒼ちゃん
ずっとここにいてくれても、全然いいんだからね」
「いえ、そういうわけには…」
蒼は恐縮気味に言って、また頭を下げた。
「それにしても、アイツ
許せんなあ。
浮気するってのも大概だけど、相手が蒼のお母さんだなんて。」
ユウは蒼にお茶を出しながら憤慨して言った。
「もう、その事はいいんです。
相手が誰だろうが、愁ちゃんに好きな人が出来たら、いつでも身を引こうと思ってましたので。
まさか自分の母親がその相手だとは夢にも思ってなかったけど、二人の気持ちは本気だったので、それはそれで納得しました。」
「そう…
大丈夫?」
「はい。
大丈夫です。
愁ちゃんと再会してから、ずっと彼に依存してしまっている自分がいて…
それが彼にも重荷になってたと思うし、こういう形にするのがベストとは言えないけど、ベターなのかなあって。」
「よしっ
蒼も吹っ切るって言うなら、ワタシも一肌脱ぐわ。
アイツを後悔させるくらいの素敵な恋をしようよ、蒼」
「でも、急には…」
「蒼、今はすごく辛いと思うよ。
それはよくわかる
ワタシだってニューハーフを長年やってきて、ワタシらしかわからない辛い思いもしてきた。
勿論、時間がそんな辛さを解消してくれるとは思うけど、それよりも早く立ち直るには、次の恋をする事。」
「次の…」
「アイツ以上に好きな人が出来るなんてあり得ないって思ってるでしょう?
そんな事ないよ。
ワタシらの住んでる世界って、フツーの女子と比べると、ものすごーく狭いの。
自分で扉をこじ開けてごらん。
驚きと新たな発見があるから。
ね?」
「はい。
ありがとうございます、ユウさん。」
ユウの励ましに、蒼の表情も少しだけ明るくなった。
だが、蒼はユウの言葉をありがたいとは思っていたが、実際にそうはならないと、確信に近い感情を持っていた。
それくらい、愁の事が大好きで、心から愛していた。
この傷ついた心を癒してくれる男性が現れる事なんて絶対にない。
そう決めつけていた。
ご迷惑をおかけします…」
蒼が家を出て、転がり込んだのはショーパブの先輩、ユウの家だった。
「いいのよ、蒼ちゃん
ずっとここにいてくれても、全然いいんだからね」
「いえ、そういうわけには…」
蒼は恐縮気味に言って、また頭を下げた。
「それにしても、アイツ
許せんなあ。
浮気するってのも大概だけど、相手が蒼のお母さんだなんて。」
ユウは蒼にお茶を出しながら憤慨して言った。
「もう、その事はいいんです。
相手が誰だろうが、愁ちゃんに好きな人が出来たら、いつでも身を引こうと思ってましたので。
まさか自分の母親がその相手だとは夢にも思ってなかったけど、二人の気持ちは本気だったので、それはそれで納得しました。」
「そう…
大丈夫?」
「はい。
大丈夫です。
愁ちゃんと再会してから、ずっと彼に依存してしまっている自分がいて…
それが彼にも重荷になってたと思うし、こういう形にするのがベストとは言えないけど、ベターなのかなあって。」
「よしっ
蒼も吹っ切るって言うなら、ワタシも一肌脱ぐわ。
アイツを後悔させるくらいの素敵な恋をしようよ、蒼」
「でも、急には…」
「蒼、今はすごく辛いと思うよ。
それはよくわかる
ワタシだってニューハーフを長年やってきて、ワタシらしかわからない辛い思いもしてきた。
勿論、時間がそんな辛さを解消してくれるとは思うけど、それよりも早く立ち直るには、次の恋をする事。」
「次の…」
「アイツ以上に好きな人が出来るなんてあり得ないって思ってるでしょう?
そんな事ないよ。
ワタシらの住んでる世界って、フツーの女子と比べると、ものすごーく狭いの。
自分で扉をこじ開けてごらん。
驚きと新たな発見があるから。
ね?」
「はい。
ありがとうございます、ユウさん。」
ユウの励ましに、蒼の表情も少しだけ明るくなった。
だが、蒼はユウの言葉をありがたいとは思っていたが、実際にそうはならないと、確信に近い感情を持っていた。
それくらい、愁の事が大好きで、心から愛していた。
この傷ついた心を癒してくれる男性が現れる事なんて絶対にない。
そう決めつけていた。
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