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Lesson25
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香菜子は四十六歳にして初めて男性に抱かれ、そして処女ではなくなった。
この年齢でバージンだったなんて、価値があるどころかホラーだよ…
なんて事を考えながら、隣で眠る優斗の寝顔を見つめていた。
だが初体験はあまりにも気持ちよく、そして初セックスにもかかわらず、何度もイク事が出来た。
こんなに素晴らしい行為がこの世にあるなんて…
今までの人生を損してきたと、心から悔いた。
優斗は自分の事を好きだと言ってくれたし、ちゃんと付き合いたいと言ってくれた。
でも、二十三歳から見れば、母親と変わらない年齢のオバサンであり、裸になって初めてわかるアラもあっただろう。
そして…
今、すっぴんでいるが、朝になり目を覚まし、自分の顔を改めて見られたとき、一体カレはどう思うだろうか。
多分、失敗した、とか早まったって思うだろう。
香菜子はそんな事を考えていたら悲しくなり、涙が溢れてしまった。
だったら、せめて…この思い出を人生の宝物にしたい…
そう考えた香菜子は、寝ている優斗の頬にキスをした。
誰の力も借りず、自分の力だけで人生を切り開いてきた香菜子は、自らのことを強い人間だと思っていた。
いや、たしかに強かった。
しかし、最愛の男性が出来てしまった今、その強さというのは、ただの虚勢だったと思い知らされた。
これからの人生は、優斗により決められる。
優斗が愛してくれたら幸せになれて、そうでなければ不幸になる。
他人に生殺与奪の権を与えてしまうとは、今日の今日まで思ってもみなかった。
今は満たされた気分だが、ちょっとしたきっかけですぐに不安になり、地獄に堕とされたような気分になるだろう。
香菜子はまた涙が止まらなくなり嗚咽しながら泣いた。
優斗を起こさないように、顔を押さえながら…ずっと…
泣くだけ泣いて、少しだけ気分がマシになった香菜子は、明け方近くになったところで、ようやく眠りについた。
この年齢でバージンだったなんて、価値があるどころかホラーだよ…
なんて事を考えながら、隣で眠る優斗の寝顔を見つめていた。
だが初体験はあまりにも気持ちよく、そして初セックスにもかかわらず、何度もイク事が出来た。
こんなに素晴らしい行為がこの世にあるなんて…
今までの人生を損してきたと、心から悔いた。
優斗は自分の事を好きだと言ってくれたし、ちゃんと付き合いたいと言ってくれた。
でも、二十三歳から見れば、母親と変わらない年齢のオバサンであり、裸になって初めてわかるアラもあっただろう。
そして…
今、すっぴんでいるが、朝になり目を覚まし、自分の顔を改めて見られたとき、一体カレはどう思うだろうか。
多分、失敗した、とか早まったって思うだろう。
香菜子はそんな事を考えていたら悲しくなり、涙が溢れてしまった。
だったら、せめて…この思い出を人生の宝物にしたい…
そう考えた香菜子は、寝ている優斗の頬にキスをした。
誰の力も借りず、自分の力だけで人生を切り開いてきた香菜子は、自らのことを強い人間だと思っていた。
いや、たしかに強かった。
しかし、最愛の男性が出来てしまった今、その強さというのは、ただの虚勢だったと思い知らされた。
これからの人生は、優斗により決められる。
優斗が愛してくれたら幸せになれて、そうでなければ不幸になる。
他人に生殺与奪の権を与えてしまうとは、今日の今日まで思ってもみなかった。
今は満たされた気分だが、ちょっとしたきっかけですぐに不安になり、地獄に堕とされたような気分になるだろう。
香菜子はまた涙が止まらなくなり嗚咽しながら泣いた。
優斗を起こさないように、顔を押さえながら…ずっと…
泣くだけ泣いて、少しだけ気分がマシになった香菜子は、明け方近くになったところで、ようやく眠りについた。
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