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Lesson48

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「えっ、ウソだろ…」


社長室を訪れた香菜子と優斗を前に、田中はそう言った後、絶句した。


「いえ、僕はこちらの山本部長とお付き合いをさせていただいています。」


優斗は表情を変える事なく、堂々とした口調で言った。

逆に香菜子は、恥ずかしそうな表情で俯いたままだった。


「山本君…

本当なのか?」



「はい。本当です…」



「いやあ、参ったな…
信じられん…

いつの間に…」


「社長、何故付き合ってる事をご報告するのかと申しますと、僕も香菜子…いや、山本部長も公私はきっちり分けているつもりで、仕事の時は上司と部下という立場を弁えているつもりでした。

しかし、どうしても普段、お互いが話しているような口調がポロッと出てしまったり、しまったって思う時も多々ありまして…

そういう部分が出た時に、他の社員の方から見る
と、なんだアイツは?みたいな事になり、僕は勿論のこと、山本部長までもが批判されたりするわけです。」


「なるほどな。
そうなると、管理職として他のみんなに示しがつかなくなるというわけか。」


「そうなんです。
ですから、社長にご報告する事によって、その辺の事をご配慮いただければと思います。
それと、もうすぐ同棲したいと思っていますので、住所が一緒になったら即座にバレてしまうわけですし…」


「ど、同棲か?

そんなところまで…


まあ、キミらが言いたい事はわかった。

しかし、アレだな

新開君、いつの間にそんなしっかりとした意見が言えるようになったんだね?

私は大変驚いているよ。」


「山本部長とお付き合いするようになってから、自分もすごく成長させていただきました。」


「ほう、なるほど。」


「社長
同棲はそうですが、山本部長と近いうちに結婚するつもりです。
ちゃんと籍を入れたら、こんなご相談をする事もなくなるでしょうから、もう少しだけ今の状態を継続させて下さい。」


「結婚!?

結婚するのか!?
同棲するくらいだから、あり得るか…」


「はい。なるべく早くするつもりです。
山本部長のご自宅に引越しさせていただき、同棲を始めて、お互いに問題がないと判断出来た「」ら入籍したいと思っています。」


「山本君も新開君と同じ考えなのか?」



田中に聞かれた香菜子は

「はい…」

と、蚊の鳴くような声で答えた。


「そんな事は本人同士の自由だから、私がとやかく言う事じゃないが…
まあ他の連中に知れると、要らぬ詮索をされてキミらもイヤな思いをするだろうからな。」


「はい。だったら、そうなる前に社長の方から朝礼の時にでも言ってもらえませんか。
僕たちが結婚する事を。」

「そうだな。
その方がいいだろう

私から言うとするか…
荷が重いけどね」


田中は苦笑いを浮かべた。
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