120 / 226
標的
しおりを挟む
「お疲れ様でした。」
薫は、退勤すると、一目散に家に向かった。
今日は夫も早く帰ってくる日で、一緒に夕食を食べようと約束していたのだった。
しかし、そんな薫の目の前に
いや、真後ろに男がピタリとくっつき
「動くな、そのまま前を見ていろ」
と、小声で言った。
一生の不覚…
薫ともあろうものが後ろに付かれてしまうとは…
突き付けられているのは、銃かナイフか…
どちらにしても抵抗するのは得策ではない。
「車に乗れ」
薫は、男に言われた通り、側道に停めている車に素直に乗り込んだ。
「大友組の者ね。」
後部座席で男二人に挟まれて座らされた薫は、落ち着いた口調で言った。
「ああ、そうや。
岡田未来の後は、アンタってわけや。」
「ちょうどよかったわ。
探し出す手間が省けたもの。」
「アホか、おばちゃん。
この状況でどうやって岡田未来を助け出すっちゅーんや。
ミイラ取りがミイラになるってのは、まさにこういうことを言うんや。
それに、岡田未来はシャブ漬けにされてもうて、すっかり廃人になってもうとるわ。
万に一つ、おばちゃんが助け出せたとしても、もはや自分が誰かもわからん状態やて。」
「…」
「フフッ
顔色が急に悪なったな。
聞いたで。
昔、ウチの姐さんに捕まって、アンタ、シャブ漬けにされたらしいな。」
薫は、一瞬にしてあの時の悪夢を思い出し、何も言えなくなった。
薫は、退勤すると、一目散に家に向かった。
今日は夫も早く帰ってくる日で、一緒に夕食を食べようと約束していたのだった。
しかし、そんな薫の目の前に
いや、真後ろに男がピタリとくっつき
「動くな、そのまま前を見ていろ」
と、小声で言った。
一生の不覚…
薫ともあろうものが後ろに付かれてしまうとは…
突き付けられているのは、銃かナイフか…
どちらにしても抵抗するのは得策ではない。
「車に乗れ」
薫は、男に言われた通り、側道に停めている車に素直に乗り込んだ。
「大友組の者ね。」
後部座席で男二人に挟まれて座らされた薫は、落ち着いた口調で言った。
「ああ、そうや。
岡田未来の後は、アンタってわけや。」
「ちょうどよかったわ。
探し出す手間が省けたもの。」
「アホか、おばちゃん。
この状況でどうやって岡田未来を助け出すっちゅーんや。
ミイラ取りがミイラになるってのは、まさにこういうことを言うんや。
それに、岡田未来はシャブ漬けにされてもうて、すっかり廃人になってもうとるわ。
万に一つ、おばちゃんが助け出せたとしても、もはや自分が誰かもわからん状態やて。」
「…」
「フフッ
顔色が急に悪なったな。
聞いたで。
昔、ウチの姐さんに捕まって、アンタ、シャブ漬けにされたらしいな。」
薫は、一瞬にしてあの時の悪夢を思い出し、何も言えなくなった。
4
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる